脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
100年後へ。

今回のあらすじ
改変されたゲーム本編軸

ラピとアニスらと再度絡みたい……
ツライさんは浮かれて頭ハッピーセット。
また誰かに怒られて同情出来ないゴミクズなツライさんに腐ってイラつかせる事多数……
けどもサクサク展開を進めたくもあり。


NIKKE3
75.チュートリアル''


 

 

「ベース251へようこそ!」

 

 

白い霧が晴れ、懐かしの声と共に目を覚ます。

隣にはピナ。 目の前には251の隊長がおる。

 

服装は記憶通りボロボロや。

ということは、戦局は無理ゲーか?

 

 

「……とりま無事、戻ってこれたか」

 

 

安堵感と共に呟けば、ピナも頷いた。

ひとまずスリップ成功や。

 

 

「うん。 変な状態で始まってもなさそう」

 

「せやな。 五体満足で……ん?」

 

 

己の体を見て思う。 胸、膨らんどると。

セシルによる豊胸手術なしでバストアップを果たしとる……だと?

 

ピナも僅かに膨らんどった。

あと、フェンサーのバックパックを背負っとる。

これは……改変に成功しとると見て宜しいか?

 

 

「胸が! 期待と共に膨らんどる!?

前と後ろに確かな重み!

ハッ、まさか胸はカウンターウェイト!?」

 

 

男にとっては小さな膨らみやが、我々にとっては大きな膨らみや!

この調子で歴史改変を観測し、希望と男の股間をも膨らませていこか!

 

 

「とりまニケはアプデしたって事!

出だしハッピーハッピーや!」

 

 

嬉しさのままに、体がぴょんぴょんする!

胸も程よく ばるんばるんしおる!

 

ラピより控えめであるが、これはバックパックによる高機動や量産型故のコストを気にしての配慮やろう。

 

それでも、ある……!

胸に希望……! 確かな重み……! 感謝ッ!

 

 

「ど、どうしたんだツライ?

急に喋ったと思えば飛び跳ねて。

まさか思考転換か!?」

 

「いつもの妄言です。 気にしないで下さい」

 

 

ピナに静かにディスられた気がするも、期待値はソレを大きく上回るので実質ノーダメ。

 

 

「ピナもパイにハイになって、どうぞ」

 

「この程度で浮かれてたら先が思いやられるよ。

あと発言や行動に気を付けようよ。

情報を収集しても漏らす事はダメだって注意されたばっかだよ?」

 

「ばっか? 随分と"昔話"やけども」

 

「そういうのが駄目なんだよ馬鹿……!」

 

 

ピナに馬鹿と呼ばれてツライさん。

否定できんから余計にツライさん。

 

 

「任務中なのを自覚して欲しいな」

 

「分かっとる。 で、何をするんやっけ?」

 

「状況の偵察でしょうが!?」

 

「冗談や、試したくなったの」

 

 

久し振りのツッコミも受けて調子でたわ。

目がジト目で可愛いの。 怒り混じりだけど。

 

 

「……さっきから、どうした?」

 

「女の内緒話ですよ」

 

 

ピナ、咄嗟にプライベートに装って誤魔化した。

さすが。 嘘の繋ぎも上手くなって。

 

 

「ほぅ。 逆に気になる、が……」

 

 

隊長が言いかけたところで、無線が響く。

懐かしの、あの日が再生され始めた。

 

 

『───BA-01からアークへ!』

 

「むっ」

 

 

レコード再生のように。

決められた通りに動いていく。

けれど、刻は胸囲と共に狂っていたんや。

 

 

『合流地点にて04F交戦中!

上空を旋回、援護を開始する!』

 

 

無線からローター音が僅かに聞こえるも、ハッキリとしたパイロットの音声が鼓膜を震わしてくる。

 

無線の質は向上、輸送にヘリを使用。

前はジェットのVTOLやったのに。

 

 

「アークの通信を傍受している。

事前連絡によれば、付近に出現したブラックスミスの討伐が任務らしいが。

どうやらトラブってるらしい。

状況はそう逼迫してないし、近くにいる駆除チームが援護に向かう筈だが……。

働こう、給料泥棒と言われたくないんでね」

 

 

隊長が指示を出すと、各々が小銃を持ち始めた。

徹甲榴弾をフルオート発射するミニオンバスターを主力にして、UM2グレネードランチャーやM32ロケットランチャーを担ぐ者もいる。

隊員もニケも、その辺は変わらない。

補給事情は微妙そうだ。 それでも前より良いが。

 

無線内容に関しては正史と違う。

本来なら撃墜されていたところだ。

前回にしても、ここまで悠長ではなかった筈。

 

そう考えている間にも無線は鳴り響く。

可愛い声も、妙に懐かしく思えてしまう。

 

 

『こちら情報部のシフティーです!

了解しました! 幸い付近に対空砲は確認されていません、上空から援護をお願いします!』

 

『指揮官、出番だぞ!

ニケを指揮して味方を助けるんだ!』

 

『了解。 マリアン、頼む!』

 

『ラジャー。 マリアン、戦闘態勢に移行。

───エンカウンター!』

 

 

ここで通信が切れた。

だいたい状況は掴めたかな。

 

けれど現場確認……観測するまで油断ならん。

結局は向かう事に変わりない、同行しよう。

 

 

「隊長、ワイらも向かいます」

 

「本当か、助かる!

野郎共、ベテランのツライとピナも参加する!

恥をかくんじゃないぞ!」

 

「イエッサー!」

 

 

駐屯する隊員やニケに続き、ワイらも銃を握りしめて基地を飛び出していく。

ダッシュかブースターかな、と思いきや。

 

基地の真ん前に急停車して並ぶ装甲車の列。

隊員らは適当に乗り込んでいく。

 

 

「武装装甲車両グレイプ!?

貴重やろうに、贅沢して良いんか!?」

 

「物資も燃料も貴重な筈なのに。

アークからの補給は続いてるみたいだね」

 

 

これにはピナ共々驚いた。

前までは物資が乏しく、ビークルなんて地上にあるのをニコイチにして使ってたのが数える程度にあったくらいなのに。

 

 

「ナニ寝ぼけたこと言ってるんだ!

早く辿り着かないと、味方が危ないぞ!」

 

 

隊長は当然の様に言いつつ乗り込んだ。

考えるより体を動かせってか。

 

 

「……報告が多そうやな」

 

「そうみたいだね」

 

 

喜ぶべきか否か。

それは今後の展開次第やろな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブルートが来たわ!」

 

 

銃撃の中、アニスが物陰から上を見て叫ぶ。

大型武装ヘリがつかず離れずな高度を維持しつつ、ラプチャーの群れを軸に旋回を始めた。

 

 

「HU04。

武装はドーントレス重機関砲を2門搭載ね」

 

「あれなら並大抵のラプチャーはイチコロよ!」

 

 

援護が始まるのを期待するラピとアニス。

その期待通りに、空飛ぶ砲口がラプチャーに動き始める。

 

 

『こちらシルバーガン分隊のマリアンです!

上空から援護します!』

 

 

マリアンが無線越しに言うと同時、砲口から激しい閃光が瞬き始めた!

 

伸びた光線と爆音は、ラプチャーの群れに突き刺さり始める。

ニケの火力を超えて放たれた徹甲弾は、情け容赦なくラプチャーの黒き装甲を貫いて余り、地面ごと飛沫をあげていく。

 

威力の代わりに連射能力と射程が犠牲になっているが、ヘリという上空からの対地攻撃がメインだ。

撃ち下ろす為に弾道を深く考えず、パイロットによる安定した旋回とマリアンの腕で難なく使い熟されていた。

 

 

「さっすが! 最初からいれば良いのに!」

 

「アニス、あの機関砲の弾速と装填数は高くないわ。 機動力もないし燃費も悪い。 私たちの銃は必要よ」

 

「分かってるって!」

 

 

ラピとアニスも、戦闘を再開。

ヘリの隙を埋める形で銃撃を喰らわせる。

 

上からは大砲、正面からは銃撃と榴弾。

ラプチャーは一瞬の困難のままに撃たれ放題となり、次々と灯を落として脱落する。

 

そこにダメ押しとばかりに銃撃が重なった。

 

 

『こちらベース251。

派手にやってるようだな、手を貸すぞ!』

 

「251? 近場の部隊も来たのね」

 

 

無線に響くや、徹甲榴弾の弾幕とグレランによる爆発が増していく。

 

武装装甲車グレイプが歩兵の壁となりつつ、車体上部にある連射砲塔から火を噴いている。

 

それら弾丸や徹甲榴弾がラプチャーの装甲に無数に食い込み、次の瞬間には内側から弾け、装甲や内部部品の破片が外側へと噴き出ていった。

 

ラプチャーは体の内側で起きる小規模ながら連続の爆発に狂わされ、不規則に揺らされるばかり。

照準も狂い、同じ場所にいるラピやアニスにもマトモに当てにいけずじまい。

更には歩行すら阻害され、逃げも許されない。

その場で踊るしか出来ない始末。

 

そこにすかさずグレネードを投擲する隊員。

 

 

「吹っ飛べッ!」

 

 

綺麗に放物線を描き、思っているラプチャーの表面にコツンと当たった刹那、爆発。

見た目以上の威力を生み出し、表面の装甲を抉り取って瀕死に追い込んだ。

 

 

「どうだ! EDFの手榴弾の味は!

補給品にあったんでね、使わせて貰った!」

 

 

強化された最新のMG60だ。

接触信管で従来と同じ感覚で扱い易さはそのままに、巧妙に組み直された火薬や弾子は強靭な装甲でも防げない。

 

 

「手榴弾でラプチャーを?

さすがEDFの武器ね……」

 

「装甲目標にグレネード?

古典的な……いえ、今は集中しなきゃ」

 

 

アニスとラピが変顔する間も戦闘は続く。

空と地上からの思わぬ攻撃を受けたラプチャーは、碌な反撃を許されずに鉄屑の山に成り下がった。

 

レーダーから敵性反応消滅。

後に残るはヘリのローター音と人の声だ。

 

 

「レーダーに感なし! クリアだ!」

 

「マリアン、非戦闘状態に転換します。

指揮官、お疲れ様でした。

地上部隊と合流しましょう」

 

 

皆がラピとアニスを基点に集合していく。

モブに混ざり、ツライとピナもそうだった。

 

 

「ご無事で何よりです。

私はピナと申します。 こちらはツライです」

 

「ども。 無事会えて嬉しい限りで」

 

 

ピナが敬礼と声をかけ、ツライも続く。

2人の貫禄のある雰囲気に頼もしさを感じながらも、ラピは素直に返礼する。

 

 

「こちらこそ、援護感謝する」

 

「バックパックを背負っているということは、相当手慣れているのね?」

 

 

アニスが素直に気になる事を聞くも、ツライはキョトンとして、ヘラヘラと誤魔化すような笑みで語る。

 

 

「いや気が付いたら背負っていて。

コレがあるってのはエリートの証なんスか?

記憶にござらん内に強者扱いは嬉しいね。

……いてっ」

 

「お褒め頂き、ありがとうございます。

フェンサーほど熟練してませんが、お役に立てるよう頑張ります」

 

「ええ。 よろしく頼むわね!」

 

「取り敢えずヘリで来た新しい指揮官と、同伴しているマリアンと合流したら直ぐに移動する。

これだけ大所帯で騒ぐと、ラプチャーが更に寄ってくるだろうから」

 

「そうね。 あなた達、資源に乏しい筈なのに派手にやるわね」

 

「それはまた。

お褒め頂きありがとうございやす」

 

「褒めてないわよ!」

 

「ウチのお調子者が、すみません……」

 

 

ピナがツライを小突く光景に、ラピとアニスは小さく笑みと疑問を感じる。

けれど味方が増えた事に代わりない。

 

そのことに安堵感を感じながら、作戦目標を達成するべく行動していくのだった。

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