おや? マリアンの様子が……
今回のあらすじ
戦闘のはて……
エイプリル・フールネタ、今年はシフティーに続きシュエンでしたね。
震える体、恐怖で涙目の表情、けれど相変わらず上から目線で助けを求める感が良き……
「母星に帰れ!」
怒声を上げ、ロード級と取り巻きに徹甲榴弾や手榴弾を見舞う仲間達。
爆音の合間を銃声が繋ぎ、武装装甲車もソレに準じて唸りをあげる。
ラプチャーは、それら猛攻を重装甲で耐え凌ぎながらも、照準ブレしつつ撃ち返すのをやめない。
けど、こちとら駆除チームを残しとる。
来れば勝ち確演出や。
なので心配はしない。
それよりも見慣れた4脚の奴らの観察や。
戦いながらも、その動きの癖や、武装、出力を観察して記憶通りか見比べる。
マリアンはとりま置いておき、敵は前と違う。
銃撃を1点に集中してみるも、装甲が抜けるまで間があるのよな。
こちらのスペックも強化された筈やが、相手も強くなっている、そう見るべきや。
「ピナ、どう思う?」
意見を求め、ピナに聞く。
音声、脳波認識による自動指向性無線により、他の者には聞こえない。
いや、一般兵には過ぎた権限やん。
良いんだけどね、ワイら的には。
そんでも情報部には筒抜けかもやから、発言には気をつけとこ。
「うん。 記憶より少しだけ強い。
数を頼みにした手堅い戦法は変わらないけど、攻撃精度が高い。 装甲も強化されている。
EDFの戦力に合わせたんだろうね」
「やっぱそうよな。
散発的な奇襲……ゲリラ戦術、徹甲榴弾などによる集中砲火での対装甲戦術。
これに対抗する為に強化、いや進化したか」
こうなると、イタチごっこ。
技術格差をつけるのは困難や。
人類は延々と不利なまま。
下手に技術レベルを上げれば、向こうの糧となり、こちら以上に進化するから。
それも人類の予想を超える速度。
やがて どうにもならなくなる。
磁界発生による物理運動反転機能や、電磁装甲、光の屈折、錯覚を利用したステルス迷彩のようなモンを湯水の如くジャブジャブ投入されてみろ、終わるって。
「プロフェッサー含めた上層部は、こうなることは安易に予想できたはずだよ」
「せやろな。 そんでもこうするワケは……」
戦場を俯瞰する。
離人症やないが、妙な冷静感が支配する。
その視点はワイ含めた周囲に向けられた。
「いつ死ぬかも分からん地上勤務!
今更巻き返しの希望もないってのに!
それなのにEDFは派遣と支援を続けてる!
続けて、戦ってる。 なんでだよ畜生!?」
「決まってる! ここは俺たちの星だからだ!」
「EDFがいる限り! 奴らは不法侵入者に過ぎん!」
「未だ謎の連中だけどなッ!」
こんな酷い環境下でも、隊員の士気は高い。
けど、これだけで勝てたら苦労しない。
隊員の愚痴通りや。
こんな状況から巻き返すのは夢物語。
地上に部隊を駐留させても資源の無駄。
資源採掘部隊の護衛や補填という意味はあるんやろうが、地上奪還には至らない。
そんなこと、上層部は分かっとる。
それでも捨て駒が必要な理由は。
「……所詮、ワイらは実験台か」
"次"に活かす為の犠牲。
その礎が、今いる地上部隊。
「駆除チームが来たぞ!」
そんな鬱憤を他所に隊長が叫んだ。
刹那、空から降ってくるミサイル群が着弾、爆炎が吹き荒れる。
ラプチャーは突然の攻撃の正体を把握する間も無く、次には横殴りの大口径弾による津波に押し流されてしまった。
『火力の違いを見せてやるッ!!』
何やら荒くれ者のパイロットが、怒声のままに目の前を横切りながら撃ち続ける。
飛びかかって体当たりしてくる奴がいようものなら、肩部に備わる散弾式榴弾による爆発を起こして木っ端微塵にして黙らせる。
まだ息のあるラプチャーが足元に転がるようものなら左手のバーナーで燻り、灼熱を装甲越しに内部に伝播させて機械構造を破壊、トドメを刺した。
歩いた道には無惨にも変形、散らばった鉄屑の山が築かれるばかりとなる。
現れたはニクス型、武装は多種多様。
右腕にリボルバーカノン。
左手にコンバットバーナー。
右肩にショルダーハウィツアーS。
左肩にミサイルポッド装備。
広範囲をカバーする豊かな武装。
パイロットは上手く使い分けているので、言動に寄らずベテランらしい。
「ニクス型!」
アニスがパッと明るくなった。
そら腕と脚がちゃんとあるからな。
ワイも善良な改変が見れてウレシーノ。
「コンバットフレームか。
士官学校で学びはしたが……」
「武装からしてZC。
遠近中距離、幅広く対応できる遊撃仕様。
ブラックスミス駆除と歩兵支援の為に、投入された機体の1つです」
ラピが説明口調でナニか言った!
新米指揮官の手前、そうなったんやろなと。
記憶にないワイらとしては助かりますが。
『はぁ〜次から次へとキリねぇや!
……歩兵共、死んでねぇだろうなぁ?』
不躾な言い方をしてくるが、皆は慣れてるのか気にする様子はない。
この辺も任せとこう。 下っ端のワイらがでしゃばるモンじゃねぇや。
「無事だ。 他の機体はどうした?」
『手分けしてスミス探しだ。
歩兵に頼らんつもりが、このザマよ』
「これだけ派手にやっといてか。
レーダーに映らないのか?」
『分かってんだろ、エブラ粒子と周辺の瓦礫が邪魔で上手くいかねぇ。
やっと写ったと思えば、雑魚狩りだ。
もうビビって逃げたんじゃねぇのかぁ?』
「奴らは地下にも潜む。
隙を狙ってるのかも知れん、油断するな。
なに、俺たち歩兵が来たんだ、見つかるさ」
そうだと良いがな、歴史通りに。
マリアンまで なって欲しくはないが。
ちらり、と本人を見やる。
目が合った。
「? どうされましたか」
「あいや……大丈夫か?」
「ツライさんこそ平気ですか?」
質問に質問で返すな、と言いたいが。
ここで捻くれる理由もないし、こちらの意図を探られたら面倒やと、答えつつヘイトを別に向けさせる。
「問題ない。 指揮官は?」
「同じく。 作戦を続けよう」
小銃を揺らし、先を促される。
そうするしかないか。 仮にここで分岐してようと、ワイらには戦闘面以外、どうする事も出来ない。
「ツライ、たぶんマリアンは……」
「みなまで言わんどいて」
ピナの声も さておいて。
何故そうなったのか、前ループは大丈夫なのに、また再発するとすれば。
何かしらのトリガーが、ここ100年にあるっちゅーことになる。
それを調べる余裕は無い。
「ワイらは観測する。
そんでもって、生きて報告する。
やり直しは効く。 重く考えるだけ無駄や」
プロフェッサーに丸投げする気はないが。
策もなく足掻けば悪化するだけやって。
気には止めつつ、先を見やる。
マリアンが先導を開始した。
「レーダーに反応あり。
位置関係から、地面の下に埋まっています」
反射的に地面や周囲を警戒。
構えながら、アニスが皆に聞く。
「えっ、私のレーダーには映ってないわ。
ラピはどう? 他のみんなは?」
「……確認できない」
「自分も同じだ」「見えないな」
「先導します。 ついてきて下さい」
ああ、やはりそうなるんやなって。
なんでもは上手く行かないもんや。
「マリアン、止まって!」
「ラピ!?」
ラピが銃口を彼女に向ける。
動揺する面々。 ワイとピナを除いて。
「目的はなに?」
「ここです」
「歩兵用レーダーは共通よ、地上部隊も例外じゃない。 不具合があるとしたら、マリアンだけよ。
なのにその自信、言動は……ッ」
刹那、地面が爆ぜた。
土柱が立ち、ブラックスミスが煙幕を破って現れる。
「こんな近くに!」
マリアンが邪魔で撃てない。
もう助からないのなら、丸ごと撃っちゃいたいが、気分が悪いし周囲の印象も悪くなるのでやれない。
逡巡の間、マリアンは食われてしまった。
「ああ!? 吸収された!」
「指揮官! 今ならまだ間に合うかも知れません! ご命令を!」
フラッシュバックする"当時の記憶"。
なら後の道は決まっとる。
命令待たず、ワイはトリガーを引いた。
瞬時に形成された弾幕が、ブラックスミスの脚に突き刺されば、奴はバランスを崩して転倒した。
「ツライ!?」
「ええから撃て!
どうせ道は決まっとるんや!
せやろ、新米指揮官!?」
視線と銃口は敵に向けたまま、ワイは問う。
答えなんて決まっとるが、声で聞きたい。
「その通りだ。 ブラックスミスを倒せ!」
「ラジャー!」
ブースターを噴かし、空高く舞い上がる。
そのまま奴の頭上に銃口を向けた。
「エンカウンターや!」
声と共に無数の弾丸を叩き込む!
ごちゃごちゃ考えるのは後。
奴を倒して生き延びる。 それが最優先や。
更新常に未定
ゲーム本編過ぎるのも良くないと思いつつも、モダニアがいないと物語的に変になるかと、と悩み……
ツライさんもツライ目に最近遭ってないですからね、雌堕ち要素も含めて酷い目に遭って欲しいところですが……