マリアン侵食
今回のあらすじ
ブラックスミス戦
タグ不足でツライさんになった方、申し訳ないです……その節は すみませんでした。
マリアンは正史通りの展開を見せた。
何故、とは考えない。 故にと動く。
「序盤から手間掛けさせるなよ……ッ!
報告多いと覚えてらんねぇんだって!
ピナに丸投げすっぞホンマ!」
「責任感、もっと持とうね?」
ピナにツッコミ喰らいつつ、ラプチャーには弾丸を喰らわせる。
ヘコみはするが、1発で抜けやしない。
ピナもそうらしく、スラッグ弾を当てては、ベコッ、バコッとヘコませるに留まる。
それでも同じ箇所を当て続ければ抜けるのは変わらない。 撃ち続けるばかりや。
「歩兵は援護しやがれ!」
ZCも同じくして撃ちまくる。
右腕に備わるリボルバーカノンを唸らせながら前に歩き出て、雑魚から上がる火花の道を通ってブラックスミスに迫る。
ラプチャーの装甲は強靭だが、コンバットフレームも軽くは無い。
互いに殴り合っても、短時間なら持ち堪えるだけの耐久力を誇ってみせた。
「駆除チームは優秀な玩具をお持ちで」
互いの装甲が火花と共に軋む中、ワイら歩兵は飾りやないとばかりに後方から援護、撃ちまくる。
火花はラプチャーの方が多くなっていく。
「アニス! ラピ! 前足を狙え!」
「任せて!」
「ランチャーとグレネーダーもだ! 続け!」
「イエッサ!」
指揮官と隊長が指示を出せば、アニスは擲弾銃を、ラピはアンダーバレルのグレネード弾を、隊員はUM2グレネードランチャー及びM32無反動砲を放つ。
それぞれの大型弾頭が足元に着弾、爆発。 ブラックスミスは集中的な爆風に大きく転倒。
そこをワイの機関銃や一般兵の放つ徹甲榴弾が爆煙を突き破り、装甲をひん剥いた。
「ラピ! 露呈した箇所を撃て!」
「ラジャー!」
「ツライ! ピナ!」
「あいよ」「分かりました!」
指揮官はラピに、隊長はワイらに指示。
銃口が1点に集まる。
「火力集中!」
ラピの言う通り、皆が撃ちまくれば、ブラックスミスは踊り狂う。
体の半分が耐えきれず千切れると、トドメと言わんばかりにZCが近接でショルダーハウィツァーを発射、爆炎の海に沈めてしまった。
「クリア!」
レーダーから敵性反応が消失したのを見計らい、隊長が残心の構えをとって言う。
ZCは一瞬、火炎放射器を残骸に向けたが、直ぐに逸らして移動する。
「目標達成……"市民"の被害はゼロだ。
先に帰るぞ、鉄屑の弔いは任せる」
そう鉄より冷たく言い放って、去っていく。
お陰でアニスが睨み付けとるね。
けどな、言い方は悪かったが、アイツなりの気遣いなんやないのかと。 鉄屑とか本気で思っとるなら、弔いどうこう言わんで。
「生存者を確認します」
ラピもまた、別ベクトルに冷たく言う。
その視線の先には、より冷たくなった鉄屑の山。
それに寄りかかるは、大破したマリアン。
片足、片腕を喪失。 血に似せた赤い液体が流れ出て、片目周囲は抉れ、内部レンズが大きく露呈、その瞳は未だ赤く光る。
ああ、またあの日を繰り返すのか。
「どうして……」
ピナは思わず呟いた。
ワイも同じ想いよ。
ラピ達も内心辛いだろうが、ワイらもそう。
「……先発隊は全滅。 部品が全て剥がれてしまいました」
「マリアンは?」
「生きては、いる」
「ここ……です。 こ……こ……」
譫言の様に同じ言葉を発するマリアン。
また見る羽目になるとは。
慣れない。 予想外もあってツライさん。
「手遅れね。 侵食が脳にまで転移してる」
『脳が破損したニケは、処分するのが規則です。 軍法により処分は指揮官が行わなければなりません』
シフティーの可愛い声が鼓膜を揺らす。
無線がクリアな分、余計にツライさん。
ラピは指揮官に近づくと、1丁の拳銃を手渡す。
黒く、ハンマーは見当たらないタイプだ。
何にせよ、それは あの日を繰り返すだろう。
「自決用の拳銃です。 人間も使用出来ます。 至近距離から撃って下さい」
ラピの言葉は事務的で容赦無いが、ワイら的にも より容赦無く聞こえる。
初陣の新米指揮官共々、動揺を隠せない。
なぜ、こうなったのか。
前との差異は何なのか。
これらを知らん事には、どうにもならん。
「共に戦えて……嬉し……かた、です……」
響く、1発の乾いた銃声。
ワイらの弾より軽く、そして重い。
ワイらは前進したようで後退した気分や。
報告案件が増えた。 一旦は帰らねばな……。
更新常に未定
【気紛れ設定】
M32ロケットランチャー
EDFが運用する無反動砲。
最も旧式のM31を改修、弾頭を大型化して威力を上げている。 が、その分弾速が落ちている為、移動目標に命中させるには技量が求められる。
重装甲化したラプチャーに対抗する為、M31ではなくM32を使用しているという設定。
本当は最終作戦モデルを使いたいけど、確実に物資が届くか怪しい地上戦線では、ベースにある在庫でやりくりされた旧式モデルが基本的な装備となっている。
ミニオンバスター
徹甲榴弾をフルオート射撃可能な特殊小銃。
生身の歩兵が使用する事を前提としておきながら、重装甲のラプチャーに抵抗できるだけの性能がある。
徹甲榴弾は装甲に食い込んだ後、間を置いて起爆、内側から目標を破壊する。
元はコンバットフレームに対抗する為に作られた経緯があるが、今となっては主力小銃。
PA-11で戦い続けるのは厳しいので……。
PA-11SLS
先の大戦初期、歩兵の主力自動小銃であったPA-11を改修したもの。
命中精度などの基本スペックが底上げされており、オプションとしてレーザーサイトと低倍率スコープを装着している。
ニケに同行する現場指揮官が、護身用として装備する場合もある。 鍛えていない人間でも扱い易い小口径弾で、フルオート時の制御も容易、現代の主力となった原子光線銃のブレイザーよりメンテナンス性が良く、かつて地上で広く普及していた関係で弾薬や互換性のある部品の現地調達も比較的容易である。
が、装甲目標には貧弱な武装でもある。
それでも異星人と殴り合っていたEDF製であり、ある程度の効果は見込める……という。
え? ゲームのオブジェクトで見かける弾薬箱にはPA-11 5.56ってNATOの規格口径らしき数字が書いてある? 知らんな(殴
コンバットフレーム ニクスZC
遊撃戦用のC型、その最終モデル。
あらゆる局面、距離に対応できるよう、多彩な武装を装備している。
その分、普及量産型より使いこなすのは難しいが、パイロットの腕次第では戦局を打開する切札になりうる地上戦の要の1つである。
ニクスはエイレンの前世代であるが、多彩な武装、オプションを備える面では優っている。
駆除チーム
作戦遂行の邪魔となるラプチャーを排除、歩兵を支援するのが主な役割で、基本的にアークからの要請等で本隊より先んじて行動する。
ベースに駐留する場合もあるが、殆どは前哨基地から空輸、陸路で派遣されて戦っている。
ベース228
山に囲まれた田舎の駐屯基地。
バルガが保管されていた以外にも、大量破壊兵器であるN6の発射能力を備えていた基地。
この世界線ではコードNが発令されておらず、N6ごとラプチャーの手に落ちている。