脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
ネオンと出会う

今回のあらすじ
一方、この時代のストーム1


突然にピナと同型、同じ顔のプロダクト23をドロシーの周りに並べてドロ虐したり
シュエンに腹パンして戦場に置き去りにしたい黒い欲望が出ますが抑えます


84.機械化歩兵

 

 

 

───使命(しめい)を果たす。 その(とき)がきた。

 

どれほどの犠牲(ぎせい)を払おうとも

 

人類は生き延び、戦いを続けるだろう。

 

これは終わりではない。

 

勝利へと続く、始まりの1歩であるッ!!

 

コードN再発令

EDF6 DLC1 Lost Days より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別に皮肉なんてものじゃない。

ただストーム1は、彼には奇妙な感覚が纏わりついていただけだ。 機械の体に脳を載せる。 そんな歪な世界(ゲーム)に、彼は正面から生きていた。

新たな体は問題なく動いた。 エデンから与えられた黒を基色に赤いライン入り塗装という、アブソルートカラーな専用エイレンアサルトは、大戦で搭乗した時よりレベルが高いものだ。

各種アクチュエーター、バックパックのブースターや姿勢制御バーニアは細部の調整まで拘り抜いた職人技。 強化された両腕装備のハイパーレーザー砲や肩部のパワーダインGC(GenoCide砲)。 コレを生身の頃に扱えたならば。 それが彼の抱いた感想()だった。

 

果たして実戦で使い物になるのかと、シミュレーションルームにて模擬戦(対戦)が行われた。 相手はエデンが誇る新星ヨハン率いたインヘルト部隊だ。

スペック任せなら、十分倒せる相手であるアサルトだが、ストーム1の駆る機体が易々と捕まる事はない。

スラスターが体を捻って銃弾を躱し、ノアを鷲掴みにして"()"にしつつ、行動予測(リード)された置きレーザーが高速飛行するイザベルを1撃で叩き落とし、ハランを蹴飛ばし、ドロシーの谷間に銃口を沈ませた。

たった1体。 されど1体。 知らぬ人が見たら新手のラプチャーだと勘違いされる怪物(バケモノ)であった。

 

 

「さすがは伝説の英雄か。 いや、()()()()()()()()んだったな。 それでも俺達の憧れのままでいることに、先ずは感謝する」

 

 

脳に直接響くヨハンの声。 負けたというのに、どこか嬉しそうだ。 それは部下であるニケたちもそうで、寧ろ誇らしげだ。

 

 

「さすがです、ストーム1。 体を失ってもなお、この戦闘能力とは。 いえ、失ったからこそ得た力というべきでしょう」

 

 

生身の頃を知るドロシーとしては、より感傷深いものがある。 生身かニケかを問わず、時代を共に生き抜いた仲間だ。 生きているだけでも嬉しいのに、また共に戦える。 その予感に口角が上がってしまう。

 

そんな彼女ら相手にストーム1は、インターフェイス……スピーカーを使って音を震わした。 ニケ技術が発達した時代だ。 合成、電子音声であろうと生身のようにクリアだ。

 

 

「褒められても手も足も出せないぞ。 無理に出すなら脳味噌が出てしまう」

 

「コックピットのブレインシェルターか?」

 

「そうだ。 最初は戸惑ったものだが」

 

 

彼のコックピットは改造されており、髄液で満たされたブレインシェルターが鎮座、固定されており、そこに様々な電極が埋め込まれている。 ここから機体に指令を出して、好きなように動かしているのだ。

ハッチは封印されており、知識のない人間が簡単に開けられないようになっている。

 

 

「セシルとプロフェッサーには感謝しなければ」

 

 

彼は過去を少し前を振り返った。

プロフェッサーも彼も、家族を後世に残して生身の体はとうに死んでしまった。 ドロシーたちニケのように100年も生きていけないのだ。 それでも脳だけでもとセシルにより移植され、更には技術改変による影響で新たな体を与えられた。

それが彼、ストーム1の脳が駆るアサルトだ。 主任、プロフェッサーは科学者、技術職なので戦闘機械への移植は精神崩壊、適正がないと判断されて施設の水槽に浮かべられるツライさんとなったが……。

 

 

「ニケは精神崩壊を防ぐ為に人間の姿を模倣していると聞く。 だが、俺の見た目は二足歩行機械(ロボット)だ。 まさかインヘルトのスペアボディに野郎の脳を挿れる訳にもいかなかったからな」

 

「当たり前でしょ! 勘弁してよね!?」

 

 

思わずメスガキことノアが叫んだ。

他の者まで口にしなかったが、普通に嫌悪感のある表情を見せている。

そりゃ幾ら英雄脳とはいえ、己の体に野郎がはいって動き始めたら嫌過ぎる。 その前にオリジナルボディに他人が入れる余地は無いだろう。 そんな事、ストーム1も予想はしていたが、いざ嫌そうな反応を頭部メインカメラ越しに見ると、少し落ち込むものがあったり……。

 

 

「それで精神を維持している。 大したものだと思うが?」

 

 

フォローするように、ヨハンが褒める。

彼は息を吹き返した。 単純なのは良い。

 

 

「運が良かったようだ。 だが、ツライほどの強運には恵まれていないだろうな」

 

 

雌堕ちは勘弁だが、と内心で苦笑する彼。

かの量産型ボディに入れられた悲劇の男性脳。 その物語は刻を駆け、人類の運命に片足を突っ込んでるまである。

色々と嫌な事件でツライさん。 体は無くなっても記憶は都合良く無くならないものだ。

 

 

「ツライ? ドロシーの友人とか言ったな」

 

「はい。 ピナと合わせて、かけがえのない友人です。 今はアークで任務中ですが」

 

 

僅かに憂いを帯びるドロシーだが、心配はしていないと穏やかな笑顔を見せる。

 

 

「そうか」

 

 

ヨハンや周囲は深入りはしない。

己に冤罪を着せて追放したアークが憎い、というのは否定しないが、それ以上に個人に干渉はしない。 責任を負えるなら。 それがここのルールだ。 憧れの手前もある。

 

 

「そっちは全幅の信頼を寄せている。 あの2人なら俺たちが望む結果を齎してくれる筈だ」

 

「多少強い程度の量産型(弱者)がか?」

 

「そうだ」

 

 

彼の口調はブレない。 力強い声は、機械から発せられる音とは思えない。

 

 

「それにアークには総司令部、戦略情報部もいる。 何とでもなる」

 

「俺も英雄に頼られたいところだ」

 

『嫉妬ですかヨハン。 お可愛いですね』

 

 

無線越し、割り込んでくるはセシル。

どこか楽し気だ。 S気質なのだろうか。

 

 

「嫉妬ではない」

 

「そうか。 可愛い奴だ、マニピュレータ(機械の手)で頭を撫でてやろう」

 

「やめてくれ。 もう良いだろ、やる事は終わった。 解散する。 各自、別命あるまで待機だ」

 

 

口調こそクールなままだが、逃げるようにシミュレーションルームを後にした。

女だらけの中にポツンといる真面目で素直な男。 揶揄いの的なのだ。

続くようにして、インヘルトは解散。 あとにはドロシーだけが残った。

 

 

「ストーム1」

 

 

彼女は尋ねる。

 

 

「なんだ?」

 

「時代は、良くなりましたか?」

 

 

それは、タイムリープでの経験からか。

彼は言葉を選び、答える。

 

 

「未解決の問題は多いが、改善したといえる。 多くは語れないが」

 

「そうですか」

 

「ひとまず、新しい体に慣れてきた。 一先ずすべき事は……」

 

 

エデンの外。

時々出来上がる、ド派手な爆炎の山脈をメモリ越しに振り返って言う。

 

 

「エデンに被害を及ぼすヘレティック

ニヒリスター(炎竜)を黙らすところからだな」

 




更新常に未定
228絡みもやりたい……
進めなきゃと思いつつ、でもゲームストーリー過ぎると、改変云々が意味なくなるので……難しい……
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