脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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ゼロ、エンカウンター

今回のあらすじ
ツライさん視点

正史のとこは簡略化


86.前哨基地

 

 

───仕事は辛いか?

 

だが続ける他ない。

 

道はそれだけだ。

 

EDF6 荒廃世界 大尉より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前哨基地へ配属する。 言い訳はあるか?

 

 

発電所の調査任務は失敗。

ラプチャーが()()()()()()()()()という衝撃的事実を突き止めたものの、踵を返す際に敵に気づかれた。 その時の戦闘で施設が誘爆、貴重な資源が吹き飛んでしまう。 2ヶ月アークを食わせていける資源諸共だ。

その責任を問われ、カウンターズは前哨基地へ左遷となる。

 

 

「あります」

 

ない。()()()()()()()()()()ない。

直ちに荷物を纏めて移動したまえ。 以上だ」

 

 

尋ねておきながら、容赦無くバッサリ切るアンダーソン副司令官。

規律の教育。 手を出されないだけ良い。 ここで食い下がらない指揮官は賢明であった。

素直に敬礼して踵を返す。 それ以上も以下もない。

 

そうしてカウンターズは前哨基地に左遷。

そこは正史において、基地とは名ばかりの荒地だったのだが……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……前哨基地とは名ばかりやね」

 

 

どうもツライさんです。

発電所に潜入するトコまでは上手くいっていたんやがね。 情報を得てさて帰ろうというトコで発見されてやむ得ず交戦、すると連鎖爆発かなんかで施設が見事に吹き飛んだ。

その責任から左遷されて前哨基地(アウトポスト)に来ております。

 

でもね、左遷にしては良い所でビビっとる。

 

 

「基地ちゃう! こんなんただのやん!」

 

「なら住めば良いでしょ」

 

 

ピナにツッコミを受けつつも感嘆したい。

 

指揮官室と宿舎を備えた塔型コマンドセンターを中心に、武器庫やレーダー施設、発電所、工房、アークと行き来する貨物駅や地上とを繋ぐエレベーターとした重要施設が周囲を囲む。

その合間を縫うようにして、喫茶店のような飲食店とした娯楽施設、ホテル、売店、福利厚生関係の施設が建ち並び、草木が揺れている。

それらを量産型(スタッフ)EDF隊員(生身の人間)が管理運用、細部まで手入れしている様子。

 

ニケによるニケの為のニケによる基地。

そう指揮官が演説してもええんやない?

 

いやぁ、本当に左遷先なんスかね?

 

 

「初っ端から豪華やとツライさん」

 

 

ワイが言えば、ピナが反応してくる。

 

 

「分かりやすい改変だね。 でもなんで疲労感を出してるの? ニケの待遇が改善されているのは良い事だよ」

 

「汚くてボンビーな場所で生活してきた分、綺麗で豪華なのを見ると反動ダメがデカいんや。 どこかで会った気がするアンダーソンの前でもせやったが。 ピナは平気そうやけど、脳内ダメコンしてんの?」

 

「あー……そう言う事いうんだ? じゃあ外縁部の(アウターリム)駐屯地に行くと良いよ」

 

下衆(ゴミ)に囲まれて、精◯便所のオ◯ホルートやんけ。 すると地上の方が気楽やな……」

 

 

そんな目で責めんどいて?

悪い事いった覚えもあらへんし。 下は言うたが。

 

まぁニケによっては、アークより居心地良さそうなのは認める。

基地とは名ばかりのニケの街。 楽園と地上の間。 安全やないが危険過ぎてもない。

兵士の休息所。 天国の外側。 避難所(haven)。 どこぞの傭兵組織の拠点かな?

 

 

「わぁ! ここが噂に聞く前哨基地なんですね! 軍事施設とは思えない街並みです!」

 

 

ネオンがはしゃいだ。

いや……噂になっとるの?

 

対するアナス、じゃなくてアニスは困惑顔。

笑顔で不信と悲観を隠さぬ小娘やが、己の思考の逆を往く光景……都合の良いモノに遭遇すると対応に困るらしい。

 

 

「……いやホント。 なんでだろうね?」

 

「ワイらが知るか。 本部に問い合わせろや」

 

 

ついツッコミを入れるも、棒立ちしている訳にもいくまいて。

案内役の量産型(スタッフ)から顔写真付カードキー*1を受け取ると、指揮官共々コマンドセンターへ。

前任者がしっかりしていたのか、綺麗に掃除がされており、ニケ用の宿舎のシャワーもしっかりお湯が出る。 ソファやベッドも丈夫かつ柔らかい。

 

 

「良いですね! 十分暮らしていけます!」

 

「怖いわ。 どんな悪い事をすれば、ニケにここまで配慮できるの?」

 

 

不信のアニスは放置、ウチらはヒソ活。

 

 

「……上から指示来とらん?」

 

「聞いてないよ。 今のところね」

 

 

慌てても良い事はないってか?

 

 

「引き摺ってでも回収したラピは? 首がとんでもない方向に回って虚空を見つめとったが」

 

「リペアセンター行き。 でも直ぐ来るって」

 

 

などと噂しとったら。

自動ドアがスライドし、記憶に住まう通りのラピがやって来おった。

 

 

「ボディを再整備し、復帰しました」

 

「あ、来た」「来ましたね」

 

「ご無事で何よりです」

 

「いや無事ちゃうんやけどな」

 

 

とりま、ラピを地上に放棄せず回収出来て良かった。 あの時は指揮官共々放心しかけた。 一瞬だけやが。

 

 

「ごめん。 皆には苦労をかけたわ」

 

「……色々と慣れていかないとな」

 

 

ラピの姿と報告に、複雑な表情の指揮官。

初めてのピンチやったろう。 ラピの頭が捻られるという、ショッキングなモンを見たのもあるか。 なのに今や平然としている。 ニケという存在が人と違うというのを受け入れ難いか。

ホント、早めに慣れてもろて。 でなきゃ敵に撃たれる前に自分で頭をブチ抜いて死ゾ。

 

 

「……ここが、これから私たちが過ごす前哨基地ですか……何だか色々言いたげな顔ですね。 こんな機会ですから申し上げますが……うむ」

 

 

ラピが言い淀む。

疑問に思うアニスら。

 

ワイとしてはアレやな、指揮官がニケに慣れていない件を言いたいのかと。

優し過ぎると、ツライさんになるゾと。

 

 

「どうしたの?」

 

「まさか、ちゃんとくっ付いてなかったですか?」

 

あなたたち、臭い

 

 

違った。 勘違いやった。

切実で容赦無くバッサリいきおったわ。

 

 

「えっ」「!!」

 

「……潜入経路が排水路でしたからね」

 

「これはツライさんですね間違いない」

 

 

アニスは一瞬呆けて。

ネオンはショックを受けた。

ワイらは慣れてるからか、あぁ……である。

 

 

「そう? 嗅覚センサーを切ってたから知らなかったわ」

 

「ちょっと待って下さい! 指揮官とラピはちゃんとしていて、私たちは何なんですか、このザマは!」

 

 

アニスは動揺を隠し、ネオンは己の境遇に憤慨し始める。 指揮官は見兼ねてシャワー室へ行くよう促した。

 

 

「……全員、洗ってこい」

 

「はーい」

 

「指揮官、外で待ちましょう」

 

 

大丈夫組は出ていき、臭い組はシャワー室へ駆け込んだ。 臭いってのは慣れると気にならなくなってまうもんで。

でもいざ他人に言われるとショックよな。

 

 

「あれ? 宿舎でそれぞれ浴びればエエやん。 なんで指揮官室のを使うん?」

 

「だって、1番近かったじゃない?」

 

「そうですよ! 使える時に使う! 使えるモノは何でも使う! これが上手く生きるコツなのです!」

 

「……ピナ、洗いっこしよ?」

 

「嫌だよ!? ツライ、変なところ触ってくるの知ってるんだからね!?」

 

 

唐突な風呂回ならぬシャワー回、しかも混浴的素晴らしきシステム。 これこそ使える時に使わずして何になる!

 

 

「ツライの精神、どっちつかずだよね!?」

 

「アニス! ピナが恥ずかしがって適当言うて逃げるんやけど!」

 

「ピナ、駄目じゃない。 ここは仲良く行きましょう? ほらほら、お姉さんたちが優し〜く洗ってあげるから」

 

「そうですよ! 裸の付き合いというヤツです! 同じ部隊員同士、親睦を深め合いましょう!」

 

「先が思いやられる!?」

 

 

外から溜息が聞こえた気がするが、気にせんでいこう。

改変調査任務も今は置いておく。

今すべきことは洗浄やからな!

 

*1
マリアンのもある




更新常に未定

任務中の会話記録:
アニス「なによあれ」
ネオン「人間の機械を操作してます!」
シフティー「今までこの様な報告は……!」
ツライ「……いや、ハッキリ確認出来なかっただけで100年前からやもな。 例えば宇宙ステーションとかな」
ピナ「人間の機械が使えるということは、兵器も使える可能性もあるということだよね」
ネオン「なんと。 では私が丹精込めて練り上げた火力が奪われる恐れがあると。 許せません!」
アニス「いや、ラプチャーの兵器は人類のを上回ってるでしょうから、わざわざ使う理由がないでしょ」
ツライ「分からんよ? 未知のものより知ってるものだからこそ、恐怖を与えられるってのもあるんやで」
アニス「あはは、他も涙もないラプチャーが、そんな意味ないことする?」
ラピ「調査という目的は達成しました。 撤収しましょう」
(ビーム発射音)
アニス「気付かれた!」
シフティー「グレイブディガー、来ます!」
アニス「穴を掘るヤツね……!」
ツライ「墓掘り人? 度し難いやっちゃ」
ピナ「……墓荒らし」
(砂嵐)(中略)
アニス「指揮官様、しっかりして! ラピは死んじゃいない!」
ネオン「戦闘に集中します! ラピをお願いします!」
ツライ「殿は引き受ける! 指揮官、引き摺ってでも連れ帰れ!」
ピナ「援護する!」
ネオン「私も続きます!」
(銃声/爆音)(以下略)
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