ゼロ、エンカウンター
今回のあらすじ
ツライさん視点
正史のとこは簡略化
───仕事は辛いか?
だが続ける他ない。
道はそれだけだ。
EDF6 荒廃世界 大尉より
「前哨基地へ配属する。 言い訳はあるか?」
発電所の調査任務は失敗。
ラプチャーが
その責任を問われ、カウンターズは前哨基地へ左遷となる。
「あります」
「ない。
直ちに荷物を纏めて移動したまえ。 以上だ」
尋ねておきながら、容赦無くバッサリ切るアンダーソン副司令官。
規律の教育。 手を出されないだけ良い。 ここで食い下がらない指揮官は賢明であった。
素直に敬礼して踵を返す。 それ以上も以下もない。
そうしてカウンターズは前哨基地に左遷。
そこは正史において、基地とは名ばかりの荒地だったのだが……?
「……前哨基地とは名ばかりやね」
どうもツライさんです。
発電所に潜入するトコまでは上手くいっていたんやがね。 情報を得てさて帰ろうというトコで発見されてやむ得ず交戦、すると連鎖爆発かなんかで施設が見事に吹き飛んだ。
その責任から左遷されて
でもね、左遷にしては良い所でビビっとる。
「基地ちゃう! こんなんただの街やん!」
「なら住めば良いでしょ」
ピナにツッコミを受けつつも感嘆したい。
指揮官室と宿舎を備えた塔型コマンドセンターを中心に、武器庫やレーダー施設、発電所、工房、アークと行き来する貨物駅や地上とを繋ぐエレベーターとした重要施設が周囲を囲む。
その合間を縫うようにして、喫茶店のような飲食店とした娯楽施設、ホテル、売店、福利厚生関係の施設が建ち並び、草木が揺れている。
それらを
ニケによるニケの為のニケによる基地。
そう指揮官が演説してもええんやない?
いやぁ、本当に左遷先なんスかね?
「初っ端から豪華やとツライさん」
ワイが言えば、ピナが反応してくる。
「分かりやすい改変だね。 でもなんで疲労感を出してるの? ニケの待遇が改善されているのは良い事だよ」
「汚くてボンビーな場所で生活してきた分、綺麗で豪華なのを見ると反動ダメがデカいんや。 どこかで会った気がするアンダーソンの前でもせやったが。 ピナは平気そうやけど、脳内ダメコンしてんの?」
「あー……そう言う事いうんだ? じゃあ
「
そんな目で責めんどいて?
悪い事いった覚えもあらへんし。 下は言うたが。
まぁニケによっては、アークより居心地良さそうなのは認める。
基地とは名ばかりのニケの街。 楽園と地上の間。 安全やないが危険過ぎてもない。
兵士の休息所。 天国の外側。
「わぁ! ここが噂に聞く前哨基地なんですね! 軍事施設とは思えない街並みです!」
ネオンがはしゃいだ。
いや……噂になっとるの?
対するアナス、じゃなくてアニスは困惑顔。
笑顔で不信と悲観を隠さぬ小娘やが、己の思考の逆を往く光景……都合の良いモノに遭遇すると対応に困るらしい。
「……いやホント。 なんでだろうね?」
「ワイらが知るか。 本部に問い合わせろや」
ついツッコミを入れるも、棒立ちしている訳にもいくまいて。
案内役の
前任者がしっかりしていたのか、綺麗に掃除がされており、ニケ用の宿舎のシャワーもしっかりお湯が出る。 ソファやベッドも丈夫かつ柔らかい。
「良いですね! 十分暮らしていけます!」
「怖いわ。 どんな悪い事をすれば、ニケにここまで配慮できるの?」
不信のアニスは放置、ウチらはヒソ活。
「……上から指示来とらん?」
「聞いてないよ。 今のところね」
慌てても良い事はないってか?
「引き摺ってでも回収したラピは? 首がとんでもない方向に回って虚空を見つめとったが」
「リペアセンター行き。 でも直ぐ来るって」
などと噂しとったら。
自動ドアがスライドし、記憶に住まう通りのラピがやって来おった。
「ボディを再整備し、復帰しました」
「あ、来た」「来ましたね」
「ご無事で何よりです」
「いや無事ちゃうんやけどな」
とりま、ラピを地上に放棄せず回収出来て良かった。 あの時は指揮官共々放心しかけた。 一瞬だけやが。
「ごめん。 皆には苦労をかけたわ」
「……色々と慣れていかないとな」
ラピの姿と報告に、複雑な表情の指揮官。
初めてのピンチやったろう。 ラピの頭が捻られるという、ショッキングなモンを見たのもあるか。 なのに今や平然としている。 ニケという存在が人と違うというのを受け入れ難いか。
ホント、早めに慣れてもろて。 でなきゃ敵に撃たれる前に自分で頭をブチ抜いて死ゾ。
「……ここが、これから私たちが過ごす前哨基地ですか……何だか色々言いたげな顔ですね。 こんな機会ですから申し上げますが……うむ」
ラピが言い淀む。
疑問に思うアニスら。
ワイとしてはアレやな、指揮官がニケに慣れていない件を言いたいのかと。
優し過ぎると、ツライさんになるゾと。
「どうしたの?」
「まさか、ちゃんとくっ付いてなかったですか?」
「あなたたち、臭い」
違った。 勘違いやった。
切実で容赦無くバッサリいきおったわ。
「えっ」「!!」
「……潜入経路が排水路でしたからね」
「これはツライさんですね間違いない」
アニスは一瞬呆けて。
ネオンはショックを受けた。
ワイらは慣れてるからか、あぁ……である。
「そう? 嗅覚センサーを切ってたから知らなかったわ」
「ちょっと待って下さい! 指揮官とラピはちゃんとしていて、私たちは何なんですか、このザマは!」
アニスは動揺を隠し、ネオンは己の境遇に憤慨し始める。 指揮官は見兼ねてシャワー室へ行くよう促した。
「……全員、洗ってこい」
「はーい」
「指揮官、外で待ちましょう」
大丈夫組は出ていき、臭い組はシャワー室へ駆け込んだ。 臭いってのは慣れると気にならなくなってまうもんで。
でもいざ他人に言われるとショックよな。
「あれ? 宿舎でそれぞれ浴びればエエやん。 なんで指揮官室のを使うん?」
「だって、1番近かったじゃない?」
「そうですよ! 使える時に使う! 使えるモノは何でも使う! これが上手く生きるコツなのです!」
「……ピナ、洗いっこしよ?」
「嫌だよ!? ツライ、変なところ触ってくるの知ってるんだからね!?」
唐突な風呂回ならぬシャワー回、しかも混浴的素晴らしきシステム。 これこそ使える時に使わずして何になる!
「ツライの精神、どっちつかずだよね!?」
「アニス! ピナが恥ずかしがって適当言うて逃げるんやけど!」
「ピナ、駄目じゃない。 ここは仲良く行きましょう? ほらほら、お姉さんたちが優し〜く洗ってあげるから」
「そうですよ! 裸の付き合いというヤツです! 同じ部隊員同士、親睦を深め合いましょう!」
「先が思いやられる!?」
外から溜息が聞こえた気がするが、気にせんでいこう。
改変調査任務も今は置いておく。
今すべきことは洗浄やからな!
更新常に未定
任務中の会話記録:
アニス「なによあれ」
ネオン「人間の機械を操作してます!」
シフティー「今までこの様な報告は……!」
ツライ「……いや、ハッキリ確認出来なかっただけで100年前からやもな。 例えば宇宙ステーションとかな」
ピナ「人間の機械が使えるということは、兵器も使える可能性もあるということだよね」
ネオン「なんと。 では私が丹精込めて練り上げた火力が奪われる恐れがあると。 許せません!」
アニス「いや、ラプチャーの兵器は人類のを上回ってるでしょうから、わざわざ使う理由がないでしょ」
ツライ「分からんよ? 未知のものより知ってるものだからこそ、恐怖を与えられるってのもあるんやで」
アニス「あはは、他も涙もないラプチャーが、そんな意味ないことする?」
ラピ「調査という目的は達成しました。 撤収しましょう」
(ビーム発射音)
アニス「気付かれた!」
シフティー「グレイブディガー、来ます!」
アニス「穴を掘るヤツね……!」
ツライ「墓掘り人? 度し難いやっちゃ」
ピナ「……墓荒らし」
(砂嵐)(中略)
アニス「指揮官様、しっかりして! ラピは死んじゃいない!」
ネオン「戦闘に集中します! ラピをお願いします!」
ツライ「殿は引き受ける! 指揮官、引き摺ってでも連れ帰れ!」
ピナ「援護する!」
ネオン「私も続きます!」
(銃声/爆音)(以下略)