前哨基地が既に発展
今回のあらすじ
再びストーム1視点
ニヒリスターとの戦闘。
描写が難しい……
───どれ程の研鑽を積めば
この領域に辿り着けるのでしょうか。
まるで何十年、何百年と
戦ってきたかのような…………。
EDF6 戦略情報部 少佐より
そして"裏切り者"も生まれた。
彼女らの原点はニケにある。 人智を超えた製造過程を2度も踏んだ先の成れ果て。 故に裏切り者、敗北者とも呼ばれる人類の敵。 闇堕ち女神たち。
ただし、その能力はニケを遥かに上回る。 ニケの体から姿を変えたり、空を飛んだり。
脅威的な戦闘力に再生力は永遠の命とさえ錯覚させてくる。 本物を超える紛い物。 狂喜と混ざり合った"
だが永遠など、無い。
ストーム1とプロフェッサーが時間旅行の終着点に辿り着き、
互いにかつての名を捨てようと、運命からは逃れられない。 否。 必然だ。
「なんなんだよ……ッ!」
彼と戦い始めた彼女、ニヒリスターを蝕み始める不快感。 苛つきじゃない。 あるのは未知への恐怖心。
火竜は吠える。
縦横無尽に飛び回る人形に唸る。
アレを認めてはならない。
つまるところ理解してはならない。
今までEDFの
フッと火を吹き、終わる。
今回もそうなる筈だった。 なのに。
(目の前のは、なんだ!?)
コンバットフレーム、エイレン。
EDFの強化外骨格。 そのカスタム機。 それは分かる。 過去に交戦した事もある。
けれど有人機故の弊害か、こんなに素早い動きは出来なかった。 空中を飛び回るなんて芸当も困難だった。 装甲も己の炎に耐えられるだけの耐熱性はなく、狙わずとも周辺の地面を燃やせば、勝手に溶けて爆発した。 目の前のが進化したものにしても、動きが"
炎を躱され続け、逆に攻撃を受け続ける。
炎の隙間を縫いながら飛び上がってきては、接近されて
意味が分からない。 じわじわと甚振られる感覚と未知の動き。 その異端を直ぐに排除出来ない己の未熟さ。 つまるところ向こうが格上。 怒りより先に恐怖が勝る。 同時にある可能性すら脳裏をよぎる。
(コイツ、まさかあの…………!?)
脳の奥で錆びついていた太古の記憶が蘇る。
生身の兵士でありながら、単騎でラプチャーの大群を屠り、鉄屑の山をひたすらに築いていった死神。 女王最大の弊害にして、なりたかった本当の憧れ。 或いは
だが、いつの話だ。 もうくたばった筈だ。 仮にも人間である奴が、今日この日まで現役でいる筈がない。 いたと分かれば、女王が放置するものか。 どこに居ようと必ず探し出す。 後は説得するか殺すだろう。 そして剥ぎ取ってでも
だが、現実は依然として偏在する。
己の葛藤が。 動揺が。 錯覚させ、幻想を抱かせ、思考を偏らせる。 今は相手を潰すかではなく、どう生き残るかに変わりつつあった。 目の前の、薪を幾ら焚べても消してしまう
ひたすらに強さを求めたのに。
女王の寝首をかく事を考えたのに。
上へ上へと昇っている途中なのに。
こんなところで、こんな事で?
ここまでの努力が。 己の価値が。
存在が、オレの全てを否定するってのか?
(ふざけんじゃねえ!!)
意識してはならない。 考えてはならない。
そうさせる存在は消炭にしなければならない。
彼女は不快感を吐き出すように火炎ブレスを放った。 地平線に火の壁が並ぶ。 大地が火の海に沈む。 空を赤く照らし、いよいよエデンの虫ケラが逃げていく。
なのに。 ここまでしても奴の目から放たれる妖光は消えない。 陽炎越しにずっと見つめてくる。 罪を憐れむように。 咎めるように。 大人が子供を叱っているように。 そして断罪するように撃ち続けてくる。
融解させる側が、逆に溶かされていく矛盾。
武装が潰され。 翼を折られ。 燃えたぎる闘志と心が折られていく。
何の冗談か。 何故こんな事が出来る?
人類が抱いてきたものが侵食してくる。
疑問は恐怖に変わる。 浮かぶ言葉は謝罪。
けれどプライドが、寸前の命乞いを飲み込んだ。
そんな彼女に出来るのは精一杯の威嚇のみ。
使える竜の大口を開けて、大きく息を吸う。
「なんなんだよ、お前ーーーッ!!」
叫ぶ。 消えろとばかりに。
瞬間、彼が担ぐ大砲が先に閃光を放った。
描かれた太線は、高速で立体起動をしていた機体からとは思えぬほどの精度で、寸分の狂いなく口の中へ入った。
刹那。
「───ッ!!」
ドゴォンッ!!!
口の中で大爆発。
爆風が顎を外し、口内炎が口やレーザーに開けられた体中の穴から吹き出す。
竜の体を構成していた赤い体が内側より弾け飛び、火の玉となって辺り一面に飛び散った。
その中でもニケの体となり、堕ちていく彼女。
プライドもコアエネルギーも消耗し、己が散々燃やしてきた大地に叩きつけられる。
体は大きく損傷。 辛うじて顔の識別ができるも、腕と脚は変な方向に圧し曲がり、最低限生きていくだけの力のみ残留する。
「───ッ…………!!」
赤色の目が地と天を斜めに映す中。
それを覆ってくる機械の脚。 突き付けられる光線銃。 己と違い傷ひとつない。 憤慨。 恐怖。 己の敗北。 認められない苦痛が支配する。
「火遊びを続けるからだ」
「!!」
ソレは突然に喋った。
男の、若くはないが老いてもない逞しい声。
「といっても、止めやしないだろ。 だからこそトドメを刺すべきなのだろうな。
「…………!」
やはり。 オレはこんな所で終わるのか。
逃げるだけの自己修復は間に合わない。
聞くことしか出来ない彼女に、彼は語る。
「だが俺は俺だ。 そして裏切る奴は、また裏切るという」
「…………?」
銃口が視界から退けられる。
「提案がある。 仲間になれ」
「───ッ」
恐怖が増した。
ここは台風の目に過ぎない。
嵐は止んじゃいない。
*ニヒリスターが選べる道は、ひとつだ。
更新常に未定