脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
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今回のあらすじ
「今日は運が良い」

王女のクラウン。 フェンサー味もあるキロ。
白騎士なスノホワ。 音痴な苺鉄道アイドル。
成長したマリアン。
クリスタルの謎。 某サソリ。 忌まわしき過去?
1.5周年、原作の方で新情報の中……。
物語、世界はどこまで解明されるのか……


90.本日の予定外

 

 

戦いは続く。次の戦場で死ね。

 

EDF6 殿軍 重戦車兵に対して 軍曹 より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特殊個体トーカティブについては、殆ど分かっていない。

スノーホワイト曰く、奴が現れるようになったのはアークから光の柱が伸びて以降。 それが何かは不明。 ただ、アーク上層部が何かしら関与、秘匿している可能性が示唆されている。

その為、トーカティブは純粋な狂喜ではなく、人間の所業により生まれた何かしらの混ざり物、実験体なのではないか?

 

トーカティブ(おしゃべり)という暗号名(コードネーム)も誰がつけたのか。 ミシリスのシュエンは、どこで情報を得たのか。 なぜ奴は"()()()()()"なのか。 疑問は多い。 かといって憶測だけで語るのは限度がある。

 

我々はラプチャーについて何も知らない。

奴等の行動原理は。 目的は。 どこから来たのか。 何故人類を攻撃するのか。

プライマーの正体同様、明かされる日が来るのか分からない。 それでも歩む他ない。

 

幸い、今回は仲間が多くいる。

絶望も あの頃ほどじゃない。

 

この世界が変わった歴史なのか、そうではないのか。 我々は相変わらず認識する術がない。

 

それでも足掻く。

奴等に1発くれてやる。 そうだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもツライさんです。

何やかんやワイら含むカウンターズとワードレスは228(ベース)の前まで来てしもうた。

 

 

「基地への接近に成功」

 

 

ラピが報告。

彼女とワイとピナは山の稜線の陰で匍匐姿勢。

草木に埋もれてストームブリンガーなどとした飛行型からの視認性を下げつつ、基地方面の様子を両眼レンズで、ゴーグル持ちのワイは望遠モードで伺う。 できるだけ現場の状況を確認していく。

 

 

「……記憶より荒れとるな。 ()()()()

 

「この世界では無人だからね」

 

 

ピナとボヤく。

山に囲まれた平地に、ポツンと浮かぶ資材置き場と見間違う貧相な敷地。 囲んでいたフェンスの多くは薙ぎ倒されている。 コンクリな地面も割れていた。 描かれていた誘導線もズレているか掠れて読めない。

地下と繋がるAFVの非常用出入口となっているトーチカは……まだ使えそうやが。 隔壁を上げる為の非常用電源が生きているかは不明。 100年も放置やからな。 随分と怪しい。

あとは放棄され、錆びた戦車やコンバットフレームが鎮座しとる。 その横を、立派なラプチャーが4脚、6脚と移動中。

警備か。 発見されたらコーリングシグナル鳴らされて袋叩き。 この面子じゃ全滅や。 ストーム(プレイヤー)ゴッデス(女神)やないんやから。

 

 

「シフティー、聞こえる?」

 

『はい。 聞こえます!』

 

 

ラピがオペ子と話す。

前に続き溌剌シフティー。 暗いより明るい方がええから助かる。 ただしアニス、テメェは駄目や。

 

 

「任務内容をもう1度確認したい」

 

『あっ……了解しました!』

 

 

待てラピ。 なんでワイを一瞥した?

シフティーも何故察した声上げる?

ピナも倣うな。 ツライさんになる!

 

 

『今回の任務目的は、ラプチャーがベース228(駐屯基地)を占拠し続ける理由の調査です! 可能な限り接近、敵の把握に努めて下さい。 出来れば現地にいると思われる特殊個体トーカティブを観測、捕獲するようにとのことです!』

 

「ありがとう。 皆、分かった?」

 

 

だから皆としつつ、ワイをチラ見すんな。

居心地悪いんやって。 そんなにワイ、問題児に見えるんかな。 見た目だけならボロい量産型なんやけど。

 

 

「いやいや、この人数で?」

 

 

後方組、アニスは文句たらたら。

まぁ、それはワイもなので聞き流す。

 

 

「偵察はエリシオンのスカウティング(偵察部隊)がいるのに、わざわざ私たちが? それに捕獲だなんて無理。 特殊かどうかじゃなく、行為自体が正気じゃないわ」

 

「そうですよ! そもそもどうやるんですか?」

 

「……2人とも。 ここに来るまで話した筈よ」

 

 

ラピが何処か呆れた表情になっとる。

けど勘違いやな。 2人やない。 3人や。 ワイも聞いとらんかったからな!

 

 

「あ、そう? 試してるのよ。 ねぇネオン?」

 

「そうです。 答えはツライにお任せします」

 

 

話が流れて来たんやが。

それを右から左へ受け流す。

 

 

「ピナに譲るわ」

 

「あなたたち……」

 

「知らないんだね……」

 

 

ラピとピナ。 そんな目で見んといて?

悪いのはワイだけやないやろ?

 

 

「……捕獲の際は、同伴するワードレスが担当します。 お2人の能力、ミハラさんの感覚交換、ユニさんの感覚遮断を駆使し、特殊個体の拘束と捕獲を試みます。 合っていますか?」

 

 

ピナが後方のワードレスに尋ねれば、長身のミハラが謎に笑顔で上気し、ユニがイヤラしく舌をチロチロさせて頷いた。

 

 

「合ってるわ。 ピナはしっかり者ね」

 

「うんうん! 今度叩いても良い?」

 

「なんでですか!?」

 

「どんな音で鳴くのかなぁって!」

 

「勘弁して下さいよ……ッ!」

 

 

本気で嫌がるピナ。

けれど視線は基地を向いている。

 

良かった。 さすが真面目ちゃんやで。

新世界に旅立たず、一貫しておるわい。

そう。 ワイと違ってな(白目

 

敵を意識して控えめにワイワイする中、シフティーの無線が再度鼓膜を震わした。

 

 

『捕獲に関しては、最初に企てたミシリス・インダストリーと協議。 可能であれば、という事で落ち着きました。 なので無理にする必要はありません』

 

 

ああ、なるほど?

雰囲気的にEDFが上か。 中央政府(偉い人)エニック(管理AI)にチクられて大ごとになったり、ウチとの取引を潰されたくなかったら、言う事聞けよメスガキィ……的な揺りがあったか。

だとしたら、今回の任務は単純に偵察メインでも許される。 捕獲は建前。 偵察隊の戦力増強か何かしらの政治的都合でワードレスはカウンターズと行動しとる。

 

 

「あらそう。 じゃ、偵察だけやって帰りましょ。 見つかる前にね」

 

「アニス。 判断するのは指揮官よ」

 

「考えるまでも無い状況でしょ」

 

 

アニスに賛成や。 と、心で述べとくも。

真面目分隊長ラピ的には、飽くまでも判断は空気化しとる指揮官に委ねるべき、という規則を守りたい様子。 お利口なもんで。

 

対してワードレス。 何かしらの都合を感じているのかいないのか、反対も賛成もなく、ラピ同様に求めるのみ。

 

 

「そうね。 いつもなら、シュエンの任務は絶対だったけれど……今回はアナタの方が強いから、従うわ」

 

「ミハラと一緒なら、なんだって良いよ!」

 

 

仲が良いのは良き事で。

ワイとピナみたいに。 あいや、実はワイだけが友人やと勘違いしとる系やとツライさん……。

 

指揮官は皆の注目を浴びる中、指示を出した。

 

 

「よし、ここで暫く基地を観察。 戦闘はなし。 動きを見るだけ見て……」

 

 

刹那。 ピナが声を上げる。

 

 

「ちょっと待って下さい! 基地に動きが!」

 

 

慌てて見やる。

基地から けたたましい音。 敷地の隅の地面はハッチだったらしい、大きく開く。 すると下から何か丸っこくて黄色いロボットがリフトで上がってくる。 胸元には安全第一の文字。

 

 

「2足! アレが特殊個体なの!?」

 

「丸っこくて、分かりやすいデザインですね!」

 

 

アニスが当たらずとも遠からずな疑問を上げ、ネオンは相変わらず明るく呑気。

 

けれど、ワードレスは否定する。

 

 

「情報の2足らしい、という点は一致するけれど。 他の部分は全然ね」

 

「うん。 ユニも違うと思う」

 

 

そんな彼女ら相手に、ピナは嬉しそうに説明。

 

 

「バルガです! 先の大戦で活躍したという移動式人型クレーンです!」

 

「えっ! アレがクレーン!?」

 

「言われてみると、色がそんな雰囲気ですね」

 

 

2人の反応が嬉しいのか、続けるピナ。

いや雰囲気違くね? ワイにも そんな笑顔滅多に見せなくね? なんかツライさんになってくるんやけど?

 

 

「はい! 元は戦闘用ではありませんでしたが、質量兵器としての価値があり、改修されて使われました! ですが、アレの色を見る限り原型のままの様ですね!」

 

 

なんで急に滑舌なん? ロボット好きなん?

前も似た様な記憶があんねんけど。

 

今はそれどころではない。

バルガが急に現れた意図が分からん。

敵に乗っ取られとるにしてもや。 あんな非武装なモンを地上に引っ張り出して何になる。

 

ワイは指揮官に指示を求めようとして振り返り……硬直した。

 

 

「『ははは、今日は運が良い』」

 

 

ガラガラの、男の声。

指揮官以外の声を出すラプチャーが、2足でゴリラのような奴が、指揮官を掴んで此方を見下ろしていた。

足元には、いつの間にかやられたらしい、ラピが横たわる。 ピクリともしない。

 

 

「なッ!?」

 

 

未知への恐怖。 不意打ち。 体が硬直する。

何百年生きてるつもりでも、いまだに衝撃を受ける体なんやなって。 色んな意味で。

 

 

「『初めて見た時はただのデカい人形だと馬鹿にしていたが、気を逸らす程度には役立ったな。

人間に、フェアリーテールモデル レッドフード。 こうもアッサリやられると拍子抜けだが。 ああ、安心しろ他の人間モドキ。 わざわざ家に来てくれたんだ。 持て成してやる。 たっぷりとな。 ハハハ』」

 

 

ナニか喋ってる。

意味は頭に入ってこない。

だが、分かったコトがある。

 

 

()()()()()()()()()()……」

 

 

遅れて気付いた無事な面々の誰かが言った。

或いは己やったかも知れん。

 

間違いないやろう。

コイツがトーカティブ(おしゃべり)

 

背後の基地から、コーリングシグナルも聞こえてくる。 奴らが押し寄せる音が聞こえる。

 

逃げなきゃ。 いやでもラピと指揮官が。

前には未知のラプチャーが。

挟まれた状況で、どうするのが最善だ?

その判断を下せる指揮官は今、敵の手中。

 

 

「とりま言っとく。 エンカウンターやと……!」

 

 

こんなの聞いてないぞ、ワレェ……!

 

 




更新常に未定
登場キャラが多いと大変。
展開はゲーム史(正史)寄り。 運命は巡る……
とはいえ、モチベが続くか不安でもあり……
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