脳みそ抜かれて女の子になって人類守るんだよ!   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
ストーム1(ゼロ)と再会

今回のあらすじ
そして誰もいなくなる(味方除く)


92.狩人

 

 

敵の軍隊どころか種族諸共!

 

そんな権利があるんですか!?

 

 

 

 

 

あるとも!!

 

妻の仇だッ!!!

 

 

 

EDF6 刻の天秤 operation:Ω

オペ子とプロフェッサーの会話より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人類を圧倒、地上の支配者となった狂喜。

人智を超えた脅威的な数と進化速度を前に、人類は屈した。 足掻くほど沼に嵌り、遂には沈み、地下暮らし100年と相なった。

 

しかし、時代は転換期。

目に見える形で2つの鍵が現れた。

 

まず1つ。 特殊個体トーカティブ。

知性を持ち、人語を話すラプチャー。 どういう訳か一般に知られていない情報を知っている。 コイツを捕獲ないし解析出来れば、ラプチャーの正体を暴けるのではないか。 プライマーの時同様、打開策が浮かぶのでは。 そんな淡い希望が湧いてきた。

 

そして2つ目。 大量破壊兵器の脅威。

月まで届く核ミサイルN6。 人類の黒歴史である悪魔の兵器。 それが敵の手中にあるという皮肉。

 

発電所で機械を操作していたラプチャーが確認された以上、連中が使えないとは最早言い切れない。

直ちに発射能力の有無の調査、事実ならばコレを阻止。 もし発射されてしまえば今度こそお終いだ。 人類の活動圏は最早1ヶ所であり、他に逃げる場所なんて無いのだから。

 

進展か。 滅亡か。

人類は再び瀬戸際に立たされている。

例の量産型と英雄。 何よりリングを失わなければ、()()()が出来るとはいえ。

 

これら解決の為にEDFは動いた。

寄せ集めだが、生存率の高いカウンターズと、ミシリスのラプチャー捕獲部隊ワードレスを第228駐屯基地へ派遣。 ここにいるトーカティブとN6の手掛かりを探る。

捕獲や突入、制圧は無理でも何かしらの情報を得ようと試みたのだった。

 

が、カウンターズはトラブルメーカーか?

発電所を吹き飛ばした次は、トーカティブに捕捉され、全滅寸前、指揮官は拉致寸前。

そう、オペレーターのシフティーが報告してきた時はファッとなった。

まぁ敵にバレて襲われるのは想定内だし、緊急時用にバックアップチームをスタンバっていたものの、面倒が増えて喜ぶマゾはいない。 一介の指揮官と部隊とはいえ、見捨てる訳にもいかない。 特殊個体が指揮官に固執する理由も知りたいところだ。 それらデータ収集の為にも回収せねばならない。 ここを逃せば()()()により次のチャンスを妨害されるかも知れないし。

……なんかホワ◯トベース隊みたいに厄介者にも思えなくもないが、とりま急ぎ対処する。

 

EDFにかつて程の戦力は無いが、最強の兵士は未だ健在。 彼は生身の体が限界で、脳をコンバットフレームに移植しているが、卓越した戦闘力は違いない。 出し惜しみは無しだ。

総司令部はエデンに移り住んだストーム1、現ゼロに出動要請。 彼はメスドラと()()()()()していたが、改変者の急務だと伝えれば即座に飛んでくれた。

 

同時に王子様を援護するよう、前哨基地で雑用しているシンデレラにガラスの靴を履かせて戦地へ飛ばす。

該当地域を囲むように警邏任務や区画調査、ラプチャー殲滅を命じられていたバックアップの駆除チーム、近接部隊ら諸々は指定座標へと向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嵐が来た。

女神たちが台風の目。 基点だった。

彼女らを守るように四方八方を暴風が吹き荒れ、光線が硝煙弾雨と降り注ぐ。 狂喜は寄る事も出来ずに、散る事のみ許される。

 

足が。 頭部が。 全て裂かれる。 バラバラに。

認識できない、してはいけないナニかだ。

我々はソレに蹂躙されている。

人間じゃないナニか。 災害に近しいナニか。

 

 

───何が起きている?

 

今、何を相手にしている!?

 

風。 暴風。 嵐。

 

いや。 そんな生ぬるい相手じゃない!!

 

 

ラプチャーは慌てた。 ただアルゴリズム(手順・方式)に従い動くだけの機械が、まるで眠る感情を呼び起こされたように恐怖した。

 

蹂躙劇が逆転した。 卓上を反転したように。

蒸発していく群勢。 見た事がない武力。

 

震えた。 理解を超えたナニかに。

赤い目が現実を受け入れられないと、どうしようもないエラーをリロードして消そうと無駄な努力をし、理解出来ず、データストームとなり処理速度を低下させ、それが瞬きのように激しく点滅する形で現れた。

やっと砲口を闇雲に振り回す頃には目から光を失って崩れ逝く。

 

ひとつ。 ふたつ。 みっつ。

 

奴のインターフェイスが空気を震わす。

その度に仲間がモノ云わぬ鉄屑になる。

小さく落ち着いた、淡々としたもの。

我々より機械的。 それでいて怪物。

それは獲物を捌く。 カモを撃つ。 効率的に。

 

 

───────ッ!!

 

 

恐怖の底への数え歌。

 

絶対強者。 理不尽。 或いは欲した父王。

 

 

「100年経っても雑兵はこの程度か。 いや、俺が変わったと云うべきか」

 

 

インターフェイスがまた空気を震わす。 それが世界を俯瞰している様に錯覚させた。

否。 悪魔や死神の声だ。

 

 

───────ッ!!?

 

 

理解も感情も無い、ただの機械(マシン)

そうあり続ければ苦しまず逝けたものを。

 

認識してしまった個体は狂ったようにビームを乱射した。 けれど光線は何も貫かない。 虚しく空気を震わすばかり。 処理速度が追いつかない。 何故当たらないのか。 ()()()()()()()()()()()なんて事はない筈だ。

ならば当たるまで撃てば良い。 そう慌てて周囲をスキャンする生き残りだが。

 

 

「遅い」

 

 

カメラとセンサーの死角から撃ち抜かれた。 コアに1撃。 ほぼ原型を留めながらも、目から光を失い崩れ落ちる。

ラプチャーの認識の外へ瞬間的に移動、処理が追いつかない、生物でいう動揺の内に彼は撃ち抜いた。 高速で立体起動をしながら、正確に弱点を撃つ。 そこに卓越した戦闘技能が垣間見れたが、この場で理解出来るのは、長年生きていたツライさんだけだった。

 

 

───────ッ!

 

 

逃げろ。 逃げるんだ。

何処へ? 遠くへ。 嵐が来ない場所へ!

 

基地のラプチャーは遁走を開始した。

とにかく此処を離脱したい一心だった。

上の命令なんて知ったものか。

 

死にたくない。 生きていたいんだ。

 

機械なのに。 血も涙もないのに。

今までが嘘のような、滑稽な動きを始める。

プログラムにない行動は、あらゆるバグを抱えたらしい。 残兵は4脚という安定的なスタイルにも関わらず山の斜辺から滑り落ちたり、仲間を踏み台にしたり押し除けたりしている。 生き残りたい。 壊れたくない。 野生的本能。 己が出来る最善の、全て。

 

だが"ストーム"は容赦しない。

彼もまた、()()()()()()のだ。

 

 

「シンデレラ。 やれ

 

 

そう空気が震わした刹那。

空から大量に降り注ぐ光線の雨。

無数の雫が大地に注がれ、地面が爆ぜた。 土埃の中に残りのラプチャーが沈み、晴れる頃には、もう動く者はいない。

 

 

「クリア。 敵影なし」

 

 

ゼロ以外は。

 

 

「仕事は終わっていない。 動ける者は指揮官とピナを守りに往くぞ。 それが最低限の任務なのだろう?」

 

 

周囲に寝転がるカウンターズの面々に語る。

暴風の中、再起動したものの状況を飲み込めず、そして動けずジッとしていたのである。

それが1番良い判断だった。 下手に動けばラプチャーと仲良死ENDだったであろうから。

 

 

「……エイレンのカスタム機? 貴方は一体」

 

「わぁ! 格好良いですね!」

 

「ゼロと名乗っている。 総司令部からの命令で助けに来たが、とにかく話は後だ。 分かるな?」

 

「分かってるわよ。 指揮官様を死なせる訳にはいかないわ。 絶対にね」

 

 

皆は立ち上がるも、最も重症なのはツライという。 胸部装甲やら他の防具やら初期の世界線より強化されているものの、腕払いではなくビームの直撃はツライさんであった。

 

けれども、それでもと立ち上がる。

 

 

ゼロ? はは、イメチェンか? イカスやん」

 

 

唯一、彼の正体に気付ける優越感。

故の無駄口を叩いて、機関銃を持ち直す。

弾帯は壊れてない。 銃身も歪んでいない。

背嚢も使える。 まだ、戦える。

 

 

「後で話そうや」

 

 

元旦那に色々聞きたい事あんねんけども。

今優先すべきは旧友と新米の救助。

そう脳も理解した。

 

 

「あんのストーカーゴリラ野郎にも話す事あるやろうからな。 皆共々」

 

 

人類よ、運命に抗え。

 

 




更新常に未定

ゼロ「連続して出撃する。 火竜は任す」
セシル「マニピュレータで殴るの止めて貰って良いですか? 整備する側にもなって下さい」
ヨハン「……休む間もないな」
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