「あの腐れ脳みそ死なないかなー!」
「全ての悪事を吐き出させたら茈で消して良いってさ、長からも許可貰ってる。」
害脳が全国の集団昏睡の黒幕だと分かってからの呪術師達はてんやわんやであった。
特に裏方は無間地獄のような仕事量で飲み過ぎれば冗談ではなく命を削る魔剤を2週間も飲み続けていた。
それでも裏方には希望がある。
呪物を埋め込まれた人を特定さえすれば、極めて物騒かつ効率的に除去できる人物がいるので終わりが明確なのだ。
『何の為に儂が不滅の枠を常に1つ空けていると思っておる、殺して蘇らせれば呪物と本人は分離する』
害脳が計画途中だったのが幸いして、デスマーチは2週間程で収まった。代償として病院に現れる白髪の絶世の美男子、瞬間移動して現れては病室を血まみれにして消える男、そのフォローに走り回る呪術関係者が都市伝説的な立ち位置になりかけた事ぐらいだ。
そして慌しい2週間が過ぎた後には害脳の尋問が本格的に始まった。結果は特級案件の悪巧みがゴロゴロと見つかり九十九が過労で倒れ、夏油と五条も疲労困憊である。
「しっかし宿儺の器、虎杖悠仁君ね〜」
「女に寄生して生んだ…らしい…ね。善悪以前に生理的に無理、ソレが私を狙っていたとか」
「ハハハハハハハハ!!ウケる!!」
夏油は本当に吐きそうな顔で理解を拒んでいる。その夏油を見て爆笑している五条には天罰が下る。
「やめんか悟!」
「ッ!痛えな長!」
長による領域展延による拳骨。公式の場でも無いので名前呼び。因みに自身の領域展開が実質領域展延のような無色のものなので精度は折り紙付きである。
因みに2人の居た場所は総監部の最奥の手前、出頭させた者の緊張を緩和させる為に作ったゲストルームのような場所だ。
一般人にも特級術師にも安らげる場所を目指して作った為に溜まり場になりやすい。
総監部の一室を溜まり場にできる度胸を持った奴ら限定だが。
「傑、儂はお前の気持ちを1番理解できる……最強の盾たる不滅をストックして他の矛たる術式を同時運用出来れば最強、5歳児でも想像できるからな」
「それは……何回程で?」
「……1000から先は数えておらん」
「クッ……アッハハハハハハ腹痛えゴァ!!」
五条には2度目の鉄拳制裁が腹に突き刺さり悶絶している。
「長様が害脳を討伐したかったのには私怨があっても致し方ないと私は思います。」
「舐めるなよ私怨9割だ。私怨で害悪を殺して社会貢献できるのだから文句は言わせん。あの害脳程死ぬべき輩も少ないからな、個人的には数百年からの解放感で若干ハイになっておる!」
晴れやかな表情で数百年単位のストーカーの撲滅に高らかな笑い声すら上げる長、側近3人に存分に愚痴をこぼし喜び分かち合い、最後に同じく狙われた夏油のケアに来たのだ。
目的は達成されていないが夏油も笑顔を浮かべているので良しとする、苦笑いだが。