ブルーアーカイブ -キヴォトス消防学校活動記録-   作:フェデラルジオグラフィック

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ご無沙汰してます。

今回はエデン条約調印式。
補習授業部編は接点をどうしても作れないのでカットしました。シナリオは好きなんですがね。


Vol.3 エデン条約調印式
特別警戒任務


 

「……今回『エデン条約』の締結について、トリニティ・ゲヘナ・連邦生徒会のスポークスマンはコメントを差し控えている状況です……」

 

 エデン条約の調印式の当日、わたしは当番隊として詰め所の中でコーヒーをすする。

 

 

 

 FEMAはキヴォトスの消防隊である。ゆえに大規模なイベントの際は通常のシフトを組み替えてイベント会場そのものやその周辺に部隊を別途配置して特別警戒任務に当たることは当然の業務である。

 

 ましてや今回は「エデン条約」なるトリニティとゲヘナの和解の第一歩というキヴォトスでも一二を争う歴史的イベント。テロ対策のほうが優先事項であることを差し引いても、消防隊として失敗は絶対に許されない。

 

 そしてこういったイベントを成功に導く際に大事になってくるのは事前のすり合わせである。トリニティもゲヘナも歴史・規模共にキヴォトス最大級の学校。当然ながら自前の消防組織もあるし、治安組織は学外でもその精強さを響かせるほどの勢いを持っている。とはいえお互いに似たような仕事を抱える者同士、横のつながりは以前からあったので話し合いや調整はうまくいっていた。

 

 ……ゲヘナの上層部(パンデモニウムソサエティ)から謎の横やりが入ってくるまでは。

 

 どういう訳か分からないままゲヘナの消防隊は調印式場となる聖堂はおろかゲヘナ自治区内のみの活動とすることを言い渡されたのである。歴史的場面に立ち会えないことを伝えに来たゲヘナの消防隊長の悔しさに歪んだ顔は正直とても見ていられなかった。

 

 ついでに言えばこの横やりのせいでゲヘナ隊が受け持つ予定だったゲヘナ生向けエリアの警戒態勢に大穴が空くことになった。いかに明文化された条約が制定されるとはいえ、それは上層部間での話であって、一般生徒からすれば知ったことではない。なので一般生徒同士が不要に接近することはいらない摩擦を生むとしてそれぞれのトリニティとゲヘナ生が主に活動する区域は分離されてそれぞれの消防と治安組織が秩序維持を担当し、その間(調印式場以外)はプレスや他の学生が主に出入りし、ヴァルキューレとFEMAが秩序維持を担当する「緩衝地帯」として運用するという工夫がなされていた。

 

 その前提が崩された上、空いたところにトリニティを入れるわけにもいかず、最終的にFEMAがより多くの人員を配置することで話をまとめざるを得なかった。そのため当初はシャーレ当番として執務に当たる予定だったわたしがその追加配置の一隊である91大隊の隊長として、ゲヘナ生活動区域の最も聖堂に近い待機場所に配置されることになった。

 

 

 

 イベントに伴う特別警戒任務とはいえ、実際にやることは通常とそれほど変わらない。通報や異常に気付くまで待機して、何かあったら消防車に乗って対応するだけの話だ。違うことといえば、ここが慣れないトリニティの自治区であるということと、仮詰め所はプレハブなので通常のトレーニングはできないということぐらいだろうか。

 

 

 

 ピーピーピーピーピーピー

 

 臨時第91大隊

 指揮911 ポンプ912 はしご913

 トリニティ テムズ通り 3124

 ガス漏れ通報 警戒出場

 

 

 

 屋台が並ぶ通りでガス臭いという通報。指揮車に乗って詰め所を出発して数分で到着。ガス漏れの危険がある場合は現場の近くで車両を下り、徒歩で現場に向かう。エンジンの火で誘爆すれば大惨事だからである。

 

「ガスの匂いはしないな」

 

「風で散ったのかいたずら通報か」

 

「なんであれあれ手順通りに対応する。検知器を出せ」

 

 私の指示で各員はきびきびと行動を開始する。ポンプ隊は屋台のボンベに異常がないか確認し、はしご隊は地中図を見ながらガスの配管の上を検知器で撫でる。わたしと指揮要員は通報者を探しつつ地図を持って異常がなかった場所に印をつけていく。

 

 しばらくして各要員が集合する。

 

「912、屋台に異常ありませんでした」

 

「913、配管上でガス漏れはありません」

 

「911了解した。こちらでは通報者が見つからなかった。いたずら通報だろう」

 

「全く人騒がせな……てなんだこの音?」

 

 ポンプ隊長の言われる前から飛行機の音がする。しかしよく考えると明らかに大きすぎる。()()()()()()()()()()()()でもなければこんな大きな音には……

 

「おい、あれを見ろ!」

 

 はしご隊長が指差す方向に視線を向けると、エデン条約の調印会場になっていた聖堂が火柱を上げていた。その様子に気付くのと衝撃波がドンと通りを駆け抜けるのはほぼ同時であった。

 

 

 

「おい、早くいくぞ!何をぼやぼやしている!」

 

 呆然としていた一同を叱咤しわたしは離れたところに止めていた指揮車へと走る。ただ事ではないことは一目見てわかることであった。

 

 





エデン条約編は調印式そのものも大事ですがその前後のほうが話としては肝になってますよね。

問題は表の話じゃないので消防学校を絡めるのが極めて難しいことです…
こう考えるとシャーレという器のなんと便利なことか。
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