DATE A LIVE Variante spirit   作:レゾリューション

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第2話

確かに変身はした。だが、どういうわけか姿は仮面ライダーディケイドではなかった。

 

鏡のようなガラス窓に映った自分の姿を見て、明那は絶句する。

 

(……ちょ、ちょっと待って!? なんで、私があの少女の姿になってるの!? しかもめっちゃ恥ずかしいんだけど⁉︎)

 

それは、さっき上空から降ってきた、美少女の姿そのものだった。

 

「貴様……何故、私と同じ姿をしている……!」

 

その美少女が、驚愕と怒気の混じった声で問い詰めてくる。

 

「す、すいません! こっちも何がなんだか分かんないです助けてください!!」

 

明那は慌てて早口で答える。

 

「ちょっと待って! 私だって知らないの!」

 

「……もういい」

 

少女が静かに言い放つ。

 

鏖殺公(サンダルフォン)

 

 彼女が名を呼ぶと同時に、その手に握られた巨大な剣が唸りを上げる。そして、明那へと振り下ろされた。

 

 その一撃を、明那はぎりぎりで回避する。

 

地面に走る裂け目。立ち上がる砂埃。どうすればいいか思案する暇もなく、次はミサイルのようなものが空中から殺到してきた。

 

そのときだった。

 

少女が手を前にかざす。すると、光の粒が空間に展開し、半球状のバリアが明那たちを包み込んだ。まるで熾天覆う七つの円環(ローアイアス)のような神話的防壁だ。

 

(なにそれ……私も真似できたりしない?)

 

明那は無理だと分かりつつ、淡い期待を胸に秘める。

 

「こんなものは無駄だと、何故学習しない」

 

少女は冷たく言い放ち、次の瞬間、飛来するミサイルを剣の一振りで叩き落とした。

 

「消えろ……消えろ……全部、一切合切、無くなってしまえ!」

 

 

その叫びには、激しい憎悪と絶望が滲んでいた。おそらく彼女は、何度も何度も、同じような敵と戦ってきたのだろう。明那はそんな風に感じ取っていた。

 

そして――新たに迫る脅威。今度は、空から飛来した者たちが、ビームソードのようなものを展開し、明那たちへと突っ込んできた。

 

その中の一人が、ビームソードを構えながら明那に斬りかかろうとする。彼の口から、ぽつりと名が漏れた。

 

「……鳶一?」

 

彼の視線の先にいるのは、あの白髪の少女。どうやら、彼女とは面識があるらしい。

 

状況はまったく理解できないが、話せば分かるかもしれない。そう思った明那は、敵に声をかけてみた。

 

「ねぇ、鳶一さんとやら。攻撃をやめてくれると嬉しいんだけど」

 

だが、その返答は無慈悲だった。

 

「あなたが何者であろうと――この世にいる限り、私はあなたを倒す」

 

完全に対話は拒絶された。

 

(……やっぱり無理か。現実は非情ってやつだな……)

 

再び、敵がこちらへと迫ってくる。斬りかかる瞬間、明那は咄嗟に身を翻して回避するが、このままでは持たない。武器も、手段も、何もない。

 

焦る明那が自分の腹に手をやると――消えていたはずのベルトとカードホルダーが、いつの間にか出現していた。

 

「っ……!」

 

確かな手応え。彼女はホルダーから1枚のカードを抜き取り、すぐさまベルトへと装填する。

 

 

       《ATTACK RIDE》

         〈鏖殺公〉(サンダルフォン)

 

電子音声と共に、明那の右手にあの巨大な剣が現れる。重厚な装飾の施されたその刃は、確かに先ほどの少女――“精霊”が振るっていたものと全く同じものだった。

 

(よし……鏖殺公を呼び出せた。これなら――戦える!)

 

だが、その確信は一瞬で打ち砕かれた。

 

ズキン、と。腹の奥底から、鋭い痛みが駆け抜ける。体中を何か異質なものが流れ始め、血の気が引いていくような感覚。寒気と吐き気が同時に襲ってきて、視界がぐらりと揺れる。

 

(なに、これ……体の中が、変わってく……?)

 

堪えきれず片膝をつきかけたが、気力を振り絞り耐える。痛みが徐々に収まり、代わりに妙な“重さ”と“力強さ”が全身に満ちていくのを感じた。

 

その瞬間、目前に迫る斬撃――鳶一のビームソードが容赦なく振り下ろされる。

 

「――っ!」

 

明那は本能的に剣を構え、受け止める。

剣と剣が激しくぶつかり合い、轟音とともに凄まじい衝撃波が巻き起こった。

 

 鍔迫り合い――その力は拮抗し、一瞬、空間が静止したかのようにさえ思えた。

 

次の瞬間、彼の身体が後方へと吹き飛ぶ。叫び声を上げながら、彼は数メートル先のアスファルトを滑るように後退していった。

 

「しまった……! 早く助けないと――!」

 

だが、状況はあまりにも厳しい。敵の攻撃は止む気配を見せず、彼に駆け寄る隙すら与えてくれない。

 

(このままじゃ、やられる……!)

 

明那は剣を握り直す。助けるためには、まず――目の前の敵を倒すしかない。

 

(ケリをつけるしか、ない……!)

 

 

初めての戦闘とは思えないほど、明那は相手、鳶一の動きについていけていた。だが、それでも実力も経験も、あちらが遥かに上。鍔迫り合いのたびに、じわじわと体力を削られていく。

 

息が荒くなってきた。次第に腕が重く感じる。このままでは――負ける。

 

そのとき、鳶一がふいに距離をとった。一瞬の判断だった。明那は足に全力を込めて踏み込み、前へと跳び出す。

 

剣を大きく斬り上げると、鳶一の手からビームソードが宙に舞った。その隙を逃さず、明那は背後に回り込み、剣を振り抜く。斬撃は鳶一の背中の装備、飛行用のバックパックに命中し、装置は火花を散らして機能を停止した。

 

これで逃げ道は塞いだ。あとは、彼を助けに行くだけ――そう思った明那が駆け出そうとした、そのとき。

 

「何故殺さない?」

 

低く静かな声が背後から投げかけられた。振り返れば、未だ立ち上がっている鳶一が、感情の読めぬ目でこちらを見ていた。

 

「生憎、私は人殺しにはなりたくないのでね」

 

明那は淡々と答える。その言葉に、鳶一はわずかに眉を動かしたが、それ以上は何も言わなかった。

 

 代わりに――あの少女が呟いた。

 

「……時間か」

 

その一言と共に、彼女の姿はふっと消えた。まるでそこに初めからいなかったかのように。

 

 鳶一も仲間と共にどこかへと姿を消した。

 

残された明那は、深く息を吐いた。そして、変身を解除する――が、その瞬間、身体が悲鳴を上げた。

 

視界が揺れ、膝が折れる。

 

(っ……やっぱり、限界……)

 

気力だけで立っていた身体が、地面へと崩れ落ちる。意識は朦朧とし、次第に暗闇へと飲み込まれていった――。

 

 

 

 

 

 

「………………はっ!」

 

明那が目を覚ましたのは、見慣れぬ天井の下だった。

 

「知らない天井だ……エヴァに乗るといつもこうだ……」

 

思わずつぶやく。気絶して目を覚ましたら一度は言ってみたいセリフ、個人ランキング堂々の1位。内心でガッツポーズを決めながらニヤついていると、不意に声がかかった。

 

「……目が覚めたね」

 

そちらを見ると、明那よりも明らかに不健康そうな女性が立っていた。白衣を羽織り、どこか疲れた目をしている。

 

「誰?」

 

「……ああ、私は村雨令音。ここで解析官をしている者だ。安心してくれ、簡単な看護はしておいた」

 

……全然安心できない。むしろこの人が一番倒れそうである。だが、それは今は置いておこう。彼女が気になっているのは別のことだ。

 

「あの、もう1人……誰かここに運ばれてませんでした?」

 

令音は静かにうなずいた。

 

「ああ、君の隣のベッドで寝ているよ」

 

言われて横を見ると、確かにそこにもう一人、さっきの少年がいた。ちょうど彼も意識を取り戻し、ゆっくりと目を開く。

 

「……目が覚めたね」

 

「此処は……?」

 

「フラクシナスの医務室だ。君たちが気絶していたから、勝手に運ばせてもらった」

 

ふたりはまだ頭がボーッとしていたが、次の言葉で急かされる。

 

「目覚めたばかりで悪いが……君たちに紹介したい人がいる。着いてきてくれ」

 

明那と少年は靴を履き、令音のあとに続いて医務室を後にした。

 

廊下を歩きながら、少年は自己紹介を始めた。名前は五河士道、来禅高校の生徒らしい。どこか人当たりが良く、明那は(もしかしたら学校でも会うかも)と、ほんのり思った。

 

そうこうしているうちに目的地に到着した。目の前には自動扉があり、それがスッと開くと――そこには数人のクルーたちが、光るコンソールを操作していた。

 

艦橋のような場所だ。中央には艦長席らしき椅子が構え、まるでアニメでしか見たことのないような光景が広がっている。

 

思わず明那はぽつりと呟いた。

 

「……いやいや、なにこのSF感」

 

 

「連れて来たよ」

 

 村雨令音が扉の前で立ち止まり、そう言った。すぐにその言葉に応えるように、艦橋の奥から落ち着いた声が返ってきた。

 

「ご苦労です」

 

 声の方を見れば、長身の男が丁寧に一礼していた。軍服をきっちり着こなし、いかにも堅物そうな雰囲気だが、礼儀正しさがにじみ出ている。

 

「初めまして。私はこの艦の副司令、神無月恭平です。以後、お見知りおきを」

 

 男――神無月と名乗ったその人物が、軽く自己紹介をした。だが明那はその声に、なにか妙な既視感……いや既聴感を覚えていた。

 

(あれ、この声どっかで……えーと、ヤクルコ買ってくれた人?、時を止める吸血鬼?それとも赤木の白い彗星?……)

 

脳内でカオスな人名リストがぐるぐる回っているうちに、神無月が続けた。

 

「司令、村雨解析官が戻られました」

 

その言葉に応じるように、艦長席がゆっくりと回転する。そして現れたその人物を見て、明那は思わず目を見開いた。

 

艦長席に座っていたのは、想像していた「司令」とはあまりにも違う人物だった。

 

赤髪のツインテールを黒いリボンでまとめ、真紅の軍服に身を包み、口には堂々とチュッパチャップス。しかも身長は明那よりも低い。

 

パッと見、どう見てもイベント会場でよく見かける“やる気が本気なコスプレイヤー”である。

 

「歓迎するわ。ようこそ《ラタトスク》へ」

 

そのギャップに明那の頭は一瞬処理を放棄した。そして隣にいた士道も、何かに気づいたように目を見開く。

 

「……琴里?」

 

「え、まさか士道が探してた赤髪の女の子って……」

 

思わず口に出した明那の言葉に、士道も確信を得たように言った。

 

「こ、琴里……だよな? 平気だったのか?」

 

しかしその問いに返ってきたのは、想像以上に辛辣な返答だった。

 

「あら、自分の妹の顔も忘れたの、士道? 物覚えが悪いとは思ってたけど、ここまでボケてたのね」

 

司令官の座にある彼女、琴里は、兄に対して容赦ない口撃を加えていた。慣れているのか、容赦がないのか、その両方なのかは判然としないが、少なくともお口は大変よろしくないようだ。

 

明那は内心こう思った。

 

(……この司令、なかなかクセが強い)

 

司令官の正体が五河士道の妹、五河琴里だと知って、士道は思わず困惑した表情を浮かべていた。そんな士道に、明那は気軽に声をかける。

 

「士道の妹って、なんか特殊部隊に入ってるの?それとも隠れコスプレイヤー?私は断然、隠れコスプレイヤー説を推すね」

 

士道は苦笑いしながら答えた。

 

「いや、家じゃあんな格好してなかったし、口調もすごく変わってるんだ。お兄ちゃん、ちょっと心配になってきた...」

 

その言葉に琴里はピシャリと返す。

 

「全部聞こえてるわよ!隠れコスプレイヤーじゃないっての! 本当にここで司令やってるのよ!」

 

明那は「全部聞こえてたのか……そりゃそうだ」と心の中で苦笑いしつつ、とりあえず話の流れを変えようと質問を切り出した。

 

「あー、いくつか質問してもいいですかね?」

 

琴里はにこりと笑いながら答えた。

 

「いいわよ。私、心が寛大だから許してあげる。何でも聞いてちょうだい」

 

明那はそんな司令の寛大な心に、テキトーに感謝しながら次の質問を考えた。

 

 

明那が口火を切った。

 

「貴方たちは何者ですか?そしてなんの組織なんですか?」

 

琴里は眉をひそめてすかさず反撃する。

 

「それはこっちが聞きたいわ。あなたは何者?なんで精霊と同じ力が扱えるの?」

 

明那はニヤリと笑いながら挑発的に返した。

 

「疑問文を疑問文で返すとテストでバツになるって学校の先生に教わらなかった?司令官殿?質問しているのはこっちですよ。はっきり答えてもらいましょうか」

 

心の中で「人生で言ってみたかったセリフランキング上位入りだ!」と密かに喜んでいると、琴里は少し眉を寄せて答えた。

 

「……そうね、今はその質問に答えるわ。あれはさっきも言ったけど精霊は本来この世界には存在しないもので、現れるだけで関係なく周囲を吹き飛ばすのよ」

 

説明を聞いても壮大すぎてちょっと理解が追いつかない明那が士道に目を向ける。

 

「士道、話についてこれた?」

 

士道は苦笑いしながら首を振った。

 

「いや、壮大すぎてよくわかんね」

 

琴里はニヤリと笑い、

 

「ようするに、空間震ってのは精霊がこの世界に現れた時の余波だってことよ」

 

明那は納得しながらも内心で思った。

 

「なるほどね〜。じゃあ30年前に起きた空間震も精霊のせいってわけか。でも今回の爆発がもっとデカかったら、《オイオイオイ、あいつ死ぬは》、状態になるところだったぜ…」

 

今度は琴里が鋭く質問を投げかけた。

 

「で、なんで2人は警報発令中に外に出てたの?馬鹿なの?死にたいの?」

 

明那は言い訳めいた声で答えた。

 

「私は普通に逃げ遅れて……」

 

士道は胸を張って言った。

 

「俺はお前を探しに」

 

そう言うと士道は携帯を取り出して画面を点け、琴里に見せた。

 

「俺はお前がファミレスから動いていないと思って、ここまで来たんだ」

 

画面にはファミレスの位置が映っていたが、そこに琴里の姿はなかった。

 

「ああ、そういうことだったのね。ちょうどいいわ、一度見せようと思っていたところよ。フィルターを一回切るわね」

 

琴里がそう言うと、彼らが立っている場所が徐々に透け始めた。

 

「どう?驚いた?ここは天宮市上空、約15,000メートル。位置的にはちょうどファミレスの真上よ」

 

「つまり、フラクシナスは空中艦なのか」

 

士道が感心すると、琴里はまるで商品紹介のCMでもするかのように、手塩にかけた我が艦を誇らしげに見せた。

 

「さて、まずはこの映像を見て」

 

そう言ってスクリーンに映像が映し出される。

 

「これがAST。精霊専門の部隊よ。精霊が現れたら即座に処理するの」

 

明那は映像を見て思わず呟いた。

 

「処理って…まさか…」

 

「お察しの通りよ」

 

話は淡々と進むが、士道がすかさず口を挟んだ。

 

「処理ってどういうことだ?」

 

「つまり、精霊を殺すってことでしょ、司令官殿?」

 

「ええ、その通りよ」

 

士道は顔をゆがめ、ひどく辛そうだった。

 

「なんでだよ…なんであんな悲しそうな顔していた女の子を殺すんだ?」

 

明那はその表情を見て胸が痛んだ。確かに、自分と同じくらいの年齢の少女が殺されるなんて酷いことだろう。しかし、相手は空間震を起こし、世界に甚大な被害を与える最強最悪の天災でもある。だからこそ、殺す以外に選択肢がないという意見も理解できる。

 

「他に方法があると思う?士道?」

 

琴里の問いに士道は答えられなかった。頭の中では、精霊が出現するだけで世界に深い傷跡を残す存在だと理解している。殺さずに解決することなど不可能だと知っているのだ。

 

いかん、重苦しい空気になってしまった。

 

そんな流れを変えようと、明那は前々から思っていたことを口にした。

 

「あるんでしょ、殺さないやり方が」

 

その一言が放たれた瞬間、艦内の全員が明那たちのほうを向いた。

 

琴里は挑戦的に微笑みながら言った。

 

「あら、これ以外にどんな方法があるのかしら?教えてくれる?」

 

明那は少し棘のある口調で反論した。

 

「根拠は二つある。一つは、このフラクシナスが私たちがピンチだったのに武力で解決しなかったこと。空中艦っていうくらいなら、武器の一つや二つあってもおかしくないのに、全く使わなかった。つまり武力以外の方法があるってこと」

 

明那の言い方にはやや恨み節が混じっていた。ぶっちゃけ、彼女が戦っている間に傍観していたことへの小さな反発が根底にあったのだ。根拠としては少しこじつけ感もあったが、話を続ける。

 

「そして二つ目が勝負どころよ」

 

明那は神無月司令の顔をじっと見つめた。

 

「なにより五河司令、あなたが私たち、特に士道に、早く大切なことを言いたそうな顔をしていたから」

 

「え?そんな顔してたかしら?」と琴里は慌てて否定する。

 

「めっちゃそんな顔してましたよ」

 

明那が口を挟み、琴里が周囲のクルーに「そんな顔してたか?」と問いかけるが、反応はまちまちだった。

 

すると、明那は追い打ちをかけるように宣言した。

 

「さっき私は司令官は言いたそうな顔をしているって言ったけど、あれは嘘だ」

 

「根拠が二つって言ったけど、それも嘘」

 

一瞬、艦内がざわついた。

 

「は?」

 

令音は理解する。

 

「なるほど、君は琴里に鎌をかけたってわけだな」

 

「その通り。今の反応からして、やっぱり方法は二つある。で、そのやり方には士道が必要ってことね」

 

「鎌をかけたっていっても、そこまで分かるなんて、あなた一体何者?」

 

明那は自信満々に答えた。

 

「見た目は高校生そのまんま、頭脳は高一レベル、テスト順位は332人中64位、その名は霜月明那!」

 

まるで米花町の名探偵みたいな自己紹介に、艦内の半分は引き気味、3割は驚嘆、残り2割は無表情というバラバラの反応を示していた。

 

 

明那はふっと真剣な表情に変わり、口調を引き締めた。

 

「ふざけるのはこれくらいにして。士道が鍵なんですよね。精霊を対処できるのは」

 

琴里も頷きながら続けた。

 

「ええ、その通りよ。士道、あなたはどうしたい?精霊を見殺しにするのか、それとも助けたいのか」

 

士道は迷うことなく答えた。

 

「助けたいに決まってるだろ」

 

それを聞くと琴里はすぐに動き出す。

 

「なら話は早いわ。早速訓練やら検査やら、やることがたくさんあるから行くわよ」

 

その言葉に続いて、士道は見るからに屈強な男たち二人に両脇を支えられながら運ばれていった。

 

 

 

 

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