*「んー、じゃあ護身術覚えちゃう?」
護身術…?
てか、なんでそんな話に飛んだんだろうか。
不思議そうに振り返る私に、大界王は続けて言った。
*「ユキナちゃん、今は気の扱いとか出来ないでしょ。
パイクーちゃんに教わった方が良いんじゃない?」
「他が黙ってないくらい可愛いなら身を守るすべも身に付けないとね」…なんて言われたが、それもそうか。
でも気、か。出来るかな…。やった事ないし。
そう思いながら目を閉じると、自分の周りに、空気中に、体の中を巡るように緑色に輝く何かがある事に気づいた。
もしかして、これが 気?
ものすごく暖かいな…気って。
【……どうやら気を感じ取るところまでは出来ているようです。パイクーハン、誘導してあげてください】
*「っ、はい!」
気に集中しているためか、真理やパイクーハンの声がどこか遠くに感じる。
でも、聞こえないほどじゃない。
*「体の中心近くに
次に両手を体の前で構えて、気溜りからゆっくりでいいから両手の方に気を流すイメージをしてみろ」
言われた通り体の前に両手を持ってきて、気溜りがある心臓の辺りからゆっくり流すようなイメージを繰り返す。
イメージするなら、心臓から指先、手のひらに血を流していく感覚だろうか…。
イメージに慣れたら、目を開いて手のひらに集中する。
すると少しずつ両手の内が温まりだし、次の瞬間。
『……出来た』
両手の中に、緑色に光り輝くサッカーボールサイズの気が出来ていた。
それを今度は体の中に戻そうとイメージすると、スルスルと小さくなっていって ついには消えた。
*「…驚いたな。こういうのは初めの1回で出来る事じゃない」
パイクーハンがポツリと呟く。
そんなに難しいんだ、これって。
*「舞空術もやってみるか?
今度は先程のように球体にするイメージではなく、浮き上がるイメージを持って気を放出してみろ」
『イメージ…?』
*「そうだ。先程のは無意識に丸く形作ったようだが、そのイメージでやると地面がえぐれるから…そうだな。
風の層を作るイメージでやってみろ」
要は、弱めのジェット噴射だろうか。
そういえば、ビーデルも悟天も…最初に飛んだ時のエフェクトがそんな感じだったなぁ。
そんな事を考えながら、足裏からゆっくり気で作った風を噴き出させるイメージで念じる。
*「………っ、おお!」
大界王の驚きの声、パイクーハンの息を飲む音が聞こえた。
【…流石です、ユキナ。浮けていますよ】
『…何cmくらい?』
周りを見渡すと集中力が切れそうなので、足元を見ながら真理に問いかける。
上から見下ろす限り、パイクーハンの頭が私の腰辺りだからだいぶ浮けてそうだけど。
【50cmは余裕です】
結構飛んだな?!
なんか、急に怖くなってきた…。そろそろ降りよう。
出力を弱めていくとゆっくり降下して、トスッという音と共に足が地面に着いた。
*「驚いたな。これ程とは…」
パイクーハンの呟く声が聞こえる。
私もびっくりだわ、こんなの。
『(まさかここまで出来る体に再構築されてるとは思わんやんけ…)』
→
気の流れや出し方は 漫画のエフェクト=イメージが大事、という設定にしました。
確かに一般人であれを習得するのは大変そうなのでね( ̄▽ ̄;)