*「あのぅ…ユキナ様??」
呼ばれた声にハッとしてそちらを見ると、北の界王が心配そうにこっちを見ていた。
*「大丈夫ですか?何か思案されていたようですが…」
『…大丈夫よ。ごめんなさい。
ちょっと、ピッコロ大魔王を生み出した諸悪の根源である、地球人と先代神様に怒ってただけ…』
そう返すと、心底不思議そうな顔をする北の界王。
*「ピッコロ大魔王が、地球人と先代神によってつくられた…と?」
まるで、その考えははなから無かったかのようにキョトンとしている。
『…分離させたのは今の神でしょうけど、間違いなく諸悪の根源はその2つよ。
地球人達が人種差別で神を除け者にせず、その半身のピッコロ大魔王の本体である悪の心を受け入れてさえいれば……大魔王はそもそも生まれなかったはずじゃない?』
そう零すと、「むぅ……確かに、それも一理ありますな」と返事が返ってくる。
『…ピッコロ大魔王が復活して何日経ったの?』
*「今日の昼頃に復活しております」
昼…か。
確か設定では、復活から…マジュニア誕生であるピッコロ記念日まで数えで僅か約2日しかないはずだから…。
『(今は確か地球では夜…。あと1日半の猶予しかないのね。明後日の昼には、ピッコロ大魔王は悟空に倒される…)』
それまでに、一度は接触しておきたい。
原作とは異なるけど、どうしても…あの寂しさを少しでも取り除けないだろうか、と思ってしまう。
『…わかったわ。ありがとう』
私はそう返して、人の来ない原っぱへと来た。
ここなら修行した技を使っても、証人になる人物が居ないから 歴史改変にはあまり繋がらないだろう。
気を集中させ、目当ての人を探す。
確か、前に1度だけ父である大界王と共に閻魔の手伝いをしに行った。その時に見かけただけの彼の気を、必死に探す。
この気を探れないと、彼の元に瞬間移動なんて夢のまた夢だ。
『…居た!』
目当ての気を見つけた。
次の瞬間には目の前の景色が移り変わり、見慣れた白い大理石の建物が目の前に拡がった。
*「っな、何者だ?!」
唐突に現れた私に、警戒する目の前の人物。
…まあ、当然か。向こうは私の事は知らないはずだし。
『…初めまして、地球の神。私はユキナ…大界王の娘です』
うん。まあ間違いでは無い。
大界王神である真理の娘って事にはなっているが、大界王の娘になりたいと言ったのも私だし、嘘はついてない。
この頃の神様って界王神の存在知らないし、こう言うしかなかったんだよね…。
*「だ、大界王様の…!?」
その名を聞くとオドオドし出す神様。
…大界王の部下だからって無理しなくていいとはいえ…ビクつき過ぎじゃない?大丈夫?
『
…所で、貴方に折り入ってお願いがあるんだけど』
*「な、なんでしょうか? 」
『私がこの後ピッコロ大魔王に接触しても、無視して欲しいのよ』
そう答えると、目玉を飛び出させそうになりながら驚く神様。
まあ、上司の娘である私を危険に晒す事になるって思ってるんだろうけど…そのくらいは勘弁して欲しい。
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