*「なっ…?!だ、ダメです!許可出来ません!!」
慌てた様子で拒否してくる神様。
『あら?どうして?』
*「奴は危険です!貴女に何かあったら…」
『貴方の首が飛ぶ、とか?』
口ごもった彼の言葉に続けて言うと、彼はヒュッと息を飲んだ。
『結局 身の保身?私に何かあって 貴方の首が飛べば大魔王も消滅するんだから、積極的に関わらせると思ってたけど』
*「い、いえ…それは」
『…大魔王だけ消えて自分は生き残りたい…とか思ったんなら、軽蔑するわよ』
そう言ってジト目で見れば、居心地悪そうに目を泳がせる神様。
…て、これじゃいじめだわ。
いじめに来たんじゃないし、悪いのは先代神様だってのに…。
『…ひとつ聞くけど、切り離した心ってどこに行くと思う?』
目も合わせず呟くと、「は…?」という間抜けな声が聞こえる。
『答えは、どこにも行かない。ずっと切り離した本人に付き纏う。
貴方、ずっと後悔してるでしょ。切り離した事』
顔だけ振り返って問えば、身じろぐ神様。
『考えた事あるの?相手の気持ち』
*「そ、それは勿論!人間達には悪い事をしたと今も…」
違う。そうじゃない。
確かに彼の片割れが魔族となり、人を殺 めた。
魔族にやられた者の魂は成仏する事無く現世を彷徨う羽目になる。
それに対して後悔し懺悔するのは結構だ。でも。
『本当に考えた事あるの?
「自分自身に裏切られた、ピッコロ大魔王の気持ち」を』
*「っ」
グ…と言葉に詰まるのが目に見えた。
『人との触れ合いで生まれた悪の心がピッコロ大魔王なのよね?
人と触れ合うだけで生まれる…そんな悪の心って言ったら、怒りと憎しみしかありえないじゃない。
貴方達、人間達からいじめられてたんじゃないの?』
*「…それ、は」
神様の声が弱々しい。心当たりはあるのだろう。
私は今一度向き直って、彼をじっと見た。
『人種差別されてたなら、貴方もピッコロも深く傷付いたはず。
そんな中、先代に「悪の心は醜いから捨てろ、人を見守る上で邪魔だ」とでも言われた?
だからって「はいわかりました」って切り離したら、ピッコロからしたら…ずっと信じていた自分自身に見放された事になるのよ?
逆の立場だったら、貴方だってつらいでしょ?』
*「……」
神様は、ピクリとも動かなくなった。
苦渋の表情で足元に目線を落としている。相当
その後ろでは、ミスター・ポポが神様を気遣うようにオロオロしている。
『…もう行くわね。
貴方だけ幸せになってるのは不公平だと思うから』
私はそう呟いて背を向け、神殿を飛び出した。
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