彼らは使命を果たすことが出来るのだろうか?
★★★(リルファ)
「四人の勇者たちよ、よくぞ参られた。今、この地の果てで恐ろしい悪魔エクソダスが目覚めようとしている。もしもエクソダスが目覚めたなら、この平和な国を闇が支配するだろう。勇者たちよ、エクソダスが完全に目覚める前に、エクソダスを封じ込めこの国の平和を守ってくれ。さあ、旅の支度を整えるがよい」
謁見の間。
私たちは国王ロードブリティッシュ陛下の前で、膝を折ってその言葉を賜った。
私たちは選ばれし者。
選ばれし「20人の冒険者」の一人。
私の名前はリルファ。
小人族の20才の女。
職業は騎士。
家族を街の中心部に住まわせるためにこの「20人の冒険者」に志願して、合格したんだ。
何が何でも、使命を果たさなきゃ。
その意思で、今ここに居る。
そして。
私の他にも3人、今日この場で国王陛下の言葉を賜った人が居る。
私の傍で同じく膝を折ってる人。
獣族の男性。
名前はルロード。
私の先輩。
獣族の男性らしく、筋肉質の体をしている人なんだけど。
種族特有の毛深さを嫌ってて。
よく体毛を剃ってる人。
顔つきは精悍な感じで。
熱い人なんだろうなと思う。
年齢は22才で、職業は戦士。
その隣の人。
名前はウッド。
妖精族の男性。
年齢は60才。
妖精族は端正な顔立ちの人が多い。
そして長命で、不老。
ウッドさんは60才だけど、人間族でいえば20代に見える。種族特徴で耳は長いけど。
そういう私も、小人族は成人しても人間族の10代の姿にしか見えないので、子供っぽいとよく言われてしまうのだけど。
ウッドさんの職業は盗賊。
元々、犯罪者だったらしい。刑期の短縮が目的でこの「20人の冒険者」に志願したと言ってたな。
髪の色は緑色で、顔つきも妖精族らしくハンサムなんだけど、ちょっと怖い人なんだ。
そして最後の人はガルネフ。
魔族の男性。年齢は50才。
魔族はこの世界で最も長命な種族で、魔力の扱いに優れる人々。
ただ、長命ではあるが、妖精族同様外見の状態は人間族を比較対象にはできない。
ガルネフさんの場合、人間族で言えば30代に見えてしまう。
その他は、尖った耳と蒼い肌が特徴。ガルネフさんの場合、その上白い髪色だ。
この人は魔術師。
究極の魔術師になるために、この「20人の冒険者」に志願したって言ってた。
「さあ、受け取れ勇者たちよ」
国王陛下がそう仰られた。
とても豪華な法衣に身を包んだ、この世界の王様。
この世界で最も偉い人。
白い髭を生やしていて、威厳もバッチリだ。
ルロード先輩の夢は、この人の近衛兵になることなんだ、って言ってたけど。
ドキドキする。この人が国王陛下……!
初めてお会いするけど、感激と興奮しか無かった。
そして、下賜されたのは……
それぞれ、ナイフ1本と、100ゴールドだった。
えっと……
「ナイフ1本と、100ゴールドずつ配って、それで世界を救ってくれって。ムチャが過ぎると思いませんか!?」
私は謁見が終わった後、仲間内で不満をぶちまける。
100ゴールドじゃ鎧を買うことが出来ない!
無茶苦茶だ!
私がそう、憤慨していたら。
「落ち着けリルファ」
そう、ウッドさんが言ったんだ。
ウッドさんはこう言った。
「……確かに100ゴールドずつしか下賜されていないから、我々全員分を集めても、400ゴールド。少なすぎるな。しかし」
カラン!
ナイフがテーブルの上に投げ出される。
「……これの意味を考えろ。100ゴールドしか下賜されていないことの意味は、全てここに込められている」
んん?
それはどういう……?
「グダグダ言うよりも、見せた方が早いな。……ついて来い!」
そうして。
私たち4人は、ウッドさんの案内で……
なんと、王城の郊外に連れてこられてしまった。
私はドキドキする。
……危険だからだ。
何故危険なのか?
それは……
この国では、犯罪者は全て死刑になるという厳しい法律がある。
1ゴールド盗んだだけでも、犯罪者はその命をもって償わないといけない。
犯罪が発覚したら、守衛が集まって来て、犯罪者を寄ってたかって嬲り殺しにする。
それがこの国の法律だ。
だけど……
王城や街の敷地の外まで逃げおおせれば、その罪は帳消しになる。
そういう法律もあるんだ。
だから……
必然的に、郊外は無法地帯。
郊外では、窃盗、強盗、殺人、強姦。
なんでもありだ。
だって、すぐに逃げれるもん。
私が家族を街の中心に住まわせたい理由がこれ。
この恐ろしい法律体系から、家族を守りたいから。
私は、そんな危ない無法地帯「郊外」に連れてこられた。
一体、何がはじまるというの?
恐怖交じりのドキドキで、興奮してしまう。
「さて、着いたぞ」
そこは郊外の住居だった。
小さな家がポツンとひとつ。
その傍で、男性が一人、薪割をしていた。
「あいつだ」
ウッドさんが言う。
事も無げに。
そして、言ったんだ。
「ルロードよ」
「なんスかウッドさん?」
ルロードさん、何を言われるのかと思っているのか。
ちょっと困惑した感じで返事をする。
で。
次にウッドさんが言った事は、私たちの予想を超えていたんだよね。
ウッドさんはこう言ったんだ、
「あの男を今から殺してこい」
次の話で行われることは、実際のゲームでもできます。
何故か攻略サイトに書かれてないんですけどね。