ウルティマ地獄編   作:XX(旧山川海のすけ)

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黄金の洞窟に挑む四人の勇者たち。
中は世界で3番目に恐ろしい相手「デーモン」が徘徊していると聞く。
果たして四人の勇者たちはどう切り抜けていくのだろうか?


第十話 魔力魔法シーラ

★★★(リルファ)

 

 

 縄梯子を降りると、中は真っ暗だった。

 

「何も見えないですね……」

 

 私は手探りで道具袋から蝋燭を取り出して、火をつけた。

 ボウ、と明るくなる。

 

 目の前に広がる岩石の通路。

 

 ここを潜るんだね……

 

「皆が揃うまで待て」

 

 ウッドさんの言葉。

 私はそれに頷く。

 

 ぎしぎし音を立てながら、入口からさらに2人降りてくる。

 ルロードさんとガルネフさんだ。

 

 2人が降りてきて、全員揃った。

 

「では、行きましょうか」

 

 そう言って私は歩き出そうとした。

 

 目指すは下層。

 縄梯子か階段を探さないと。

 

 するとウッドさんが

 

「待った」

 

 私は止められた。

 あ、マッピングの準備ですか?

 

 私は手帳を出そうとしたんだけど。

 

「マッピングは要らない」

 

 私の様子を見て、何をしようとしているのかを察したのか。

 そんなことを言われた。

 

 ……え?

 

「マッピングなしでどうやってダンジョンを攻略するんですか?」

 

 本気で分からなくて聞き返した。

 すると

 

「ここでは攻略は関係ないな」

 

 ?

 理解ができない。

 

 そこで出たんだ。

 

「ガルネフ」

 

 ガルネフさんの名前が。

 

「え?……ボク?」

 

 ……あ、ガルネフさんの声。

 超久しぶりに聞いた気がする。

 

 

 

「ボクが何かすればいいのですか?」

 

 ……ガルネフさんは超無口なんだよね。

 魔法というか、攻撃魔法に魅了されてる人なんだけど。

 攻撃魔法が好きなクセに、なんか普段の様子はオドオドしてる。

 思い出すなぁ……

 

 

「喰らいやがれ! メドラー!」

 

 ……自己紹介の時。

 火炎弾を人差し指の先から発射する魔力魔法「メドラ」を見せてもらった。

 連続で5発まで発射できるらしい。ガルネフさん。

 イキイキしてた。

 

 

 ……ここでそのメドラが役に立つの?

 どゆこと?

 

「メドラを使う場面なのでしょうか?」

 

 オドオドとしつつガルネフさんがウッドさんに聞いていた。

 するとウッドさんは

 

「……魔力魔法で存在価値があるのは」

 

 スゥ、と息を吸い込み、ゆっくりと、重々しく

 

「クンテとウーラ、シーラ、そしてダキニ。メドラはそれ以下の重要性だ」

 

 暗に「そんなわけないだろ」と言われてしまった。

 どういうことなの……?

 

「じゃあ、何をすればいいので?」

 

「シーラだ」

 

 ……シーラ?

 それはどういう魔法……?

 

 私が顔に疑問符を浮かべていると。

 

「ダンジョンで一階下にテレポートする魔法だ」

 

 

 

 そんで。

 

 ガルネフさんはシーラを使って一回下に移動してはその場でキャンプ。

 精神力が回復したらまたシーラ。

 

 それを繰り返して、今7階。

 次で最下層。

 

 ……ダンジョンってこうやって潜るんだね。

 下の階層に繋がる階段やら縄橋子を探しているうちはダンジョン初心者。

 プロは魔法で降りるんだ。

 

「……メドラってあまり出番ないんですな」

 

 悲しそうな顔で。

 もそもそと硬いパンを食べている。

 

「積極的に使える魔法ではないんだよ」

 

 口の中のものを薄めたエールで流し込みつつ。ウッドさん。

 

「ああ……ゴメドラに憧れて魔術師になったのに……」

 

 メドラを扱ってるとき、ガルネフさんは本当に幸せそうだった。

 そうだったんだけど……

 

「なんで憧れたんですか?」

 

 そう聞いた。

 すると

 

「火炎弾を撃ち出す魔法は、魔法攻撃の花形ですし」

 

 だってカッコいいですよね。

 そう答えて。

 

 彼は硬いパンを口にした。

 

 ……ルロードさんは戦士の理想の在り方があったみたいだけど。

 ガルネフさんも似たようなものがあったんだなぁ。




ダンジョンで下の階層に降りるために階段を探しているうちはダンジョン敗北者なんですよ。
プロは魔力魔法「シーラ」か法力魔法「シーダ」で降りるんです。
どうせ、用事があるのは最下層だけなんですし。
(ダンジョンでしか入手できない重要物は全部最下層にあるので)
階段探してモンスターに遭遇したり、グレムリンに遭って食糧を奪われたり、風に吹かれて蝋燭の火を消されているうちは、まだまだ尻尾も取れない赤子の蛙です。
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