彼らは何のために自らの身体に焼き印を入れたのか?
……今、その意味が明らかになる!
★★★(リルファ)
「ユーの街に行く」
黄金の洞窟を出た後。
ろくに休みも取らずにすぐそう言われる。
「ユーの街ってどこにある街ですか?」
そう訊くと
「火山に囲まれた場所にある街だ」
そう、ウッドさんは歩きながら教えてくれた。
……また変なことを言われたぞ……
どんな街なんだ……?
「そこ、大丈夫なんですか?」
訊ねる。
すると
「大丈夫だ。溶岩はほとんど街には流れていない」
……流れてるところもあるんだ……
ほとんど、だから。
どんな街よ……?
ユーの街に着いた。
本当に火山に囲まれた場所にある街だった。
なんでこんなところに街を作ろうと思ったんだ……?
街全体はほとんど森だからまぁ、歩けるんだけど。
ところどころに溶岩が流れている個所がある。
「なんでこんなところに街を作ったんですか?」
隣を歩くウッドさんに訊いた。
ウッドさんは答えてくれたんだけど。
「さぁ? 人間嫌いの連中なんじゃないか?」
……なんですかその答え。
……まあ、住人はかなり少ないみたいだけども。
居るのは老人が多い気がするなぁ。
「食べ物屋と病院と教会しかない」
……なるほど。
老人メインの街っぽいですね。
そうしてしばらく歩き続けて
「ここだ」
ここに来るためにユーの街を訪問したらしい。
教会が建ってた。
……溶岩の海の真ん中に。
はあああああ?
「ちょっと待ってください!? なんでこんなところに教会が建ってるんですか!?」
「知らん。苦行の一種じゃないか?」
そんな馬鹿な!?
でも……
見ると、平気な顔をして、街の住人たちが教会を訪れている。
溶岩の海をざぶざぶ渡りながら。
なんで熱くないんだろう……とっても熱いはずなのに。
私は言葉を失った。
「多分彼らは火の印を押してるな」
顎に手を当てながら、ウッドさんがそう評した。
……あれを押してるの? ここの人、皆?
……私は自分の肩に触れた。
ここに押した2つの焼き印。
そのおかげで、私は6レベル以上に上げられるし、溶岩の上を歩くことも出来る。
ここの人は皆、あれを経験している……?
どういう人たちなの……?
ウッドさんは言ってた。
王の印は1階にあるところもあるけど、火の印は最下層まで降りないと手に入らないって。
ここの人たちは皆、それを成し遂げた人たちということになる……。
ここの人たち、何者なんだろう……?
「まぁとりあえず、行くぞ」
手で指示された。教会に入れということを。
あの中を歩くのか……
普通に歩くと死ぬ場所。
そこを歩いて教会まで行く。
火の印を押してるから死ぬことは無い。
だけど、勇気がいるよね。
だって、普通は死ぬんだもの。
息を呑みながら私は足を踏み出し。
溶岩の中に足を踏み入れた。
……?
おや……?
なんか……とっても温かくて、健康になる気がする……!
そっかぁ……火の印があると溶岩が温泉感覚になるんだね。
こころがほっこりしてきた。
ああ……
よく見ると、端っこの方で溶岩で足湯をしてる人いるよ。
……私は何故こんなところに街が出来たのか分かってしまった。
皆、これがやりたいんだ……!
火の印を取ってしまったばっかりに……。
★★★(ウッド)
神に祈ること。
それはここの教会でしか学ぶことができない。
だから俺はここにリルファを連れて来た。
そのために、火の印も取得させたんだ。
リルファが神父から祈りの言葉を学んでいる。
神に届くという祈りの文言を。
……リルファに最初の殺人による稼ぎをさせなかったのもこのため。
一度でも、金銭目的で人を手に掛けたものに神への祈りを口にする資格は無いと思うから。
「祈りなさい。祈りは、神の声を呼び起こす」
「分かりました」
……しっかり習得したようだな。
気が付くと、俺は微笑んでいた。
そのあと。
光の広場にやって来た。
溶岩と温泉で形作られた場所。
この街に来た意味。
そのもう一つの意味が、これだ。
「リルファ、この広場の中央で祈って来い」
「……分かりました。けど、その前に」
ちょっと溶岩に入って来ていいですか?
リルファは目を輝かせてそう言った。
……すっかり溶岩にハマったようだな。
まあ、気持ち良かったけども。
「いいぞ。だからまあ、行け」
リルファは頷いた。
そして。
リルファはざぶざぶ溶岩エリアを歩き回り。
その後、広場の中心に立ち、指を組んで祈りを捧げた。
すると。
『リルファよ……よく来たな。そなたの祈りに応え、銀の角笛を授けよう。そなたの前に蛇が立ち塞がったとき吹くが良い』
そんな神の声とともに。
リルファの目の前に、銀の角笛が出現した。
ユーの街が火山に囲まれているというのは勝手な解釈です。
山に囲まれているのは本当ですが。
あと、街中に溶岩が流れているのも本当。
……で。
このゲームをクリアするのに必須のコマンド「いのる」を習得させてくれる教会の入り口が溶岩で塞がれているんですよね。
なので、ここに入るためには捨てキャラを作って特攻させるか、火の印を取ってきて溶岩無効にするかしか無いんですわ。
街の住人がこの状況を満喫しているというのは、街の住人の女の「教会に行くと気が休まる」などという信じられない発言から想像しました。(溶岩で入り口を塞がれた教会でどう気が休まると言うんだい?)