果たして彼らは無事「馬」を手に入れることができるのだろうか?
★★★(ルロード)
ムーンゲートを潜り抜けた先で、またムーンゲートを潜り。
計2回ほど命を賭けた結果、俺たちはようやくデビルガードの街に着いた。
デビルガードの街は、山の中。
山の中の、湖の上に作られていた。
ムーンゲートが無かったら、たちまち社会から断絶するような場所に、確かに街があったのだ。
デビルガードの街は元流刑人の街。
そのことに関しては頷くほか無かった。
街はほとんどが湖で。
飛び飛びにある島を接続する橋を作ることにより構成してる街。
つまりこの街は道が限定されてる。
非常に逃げづらい。
一目見て分かった。
ああ、この街の住人、多分こうしないと息をするように犯罪を犯すんだろうな、と。
さすがに流刑人の街だ。
「行くぞ。こっちだ」
まぁ、あまり差別的な思考は止そう。
俺たちはウッドさんの案内で、馬を買いに行くことにした。
四回橋を渡り、俺たちは馬小屋に辿り着いた。
馬小屋には、白毛やら、栗毛やら、黒毛やら。
様々な色の馬が居て、嘶いていた。
……こいつらの中の、どれかを買うんだな。
俺はそう、心の中で漠然と思った。
「親父」
「へい旦那。注文されてたやつ、出来てますよ」
親父が揉み手しながらそう愛想笑いをする。
「うむ」
鷹揚に頷くウッドさん。
この先に、俺たちが買う馬が用意されているのかな?
そのまま、言われるがままついて行くと。
「これです。人数分用意しております」
そう言われ、引き渡されたのだ。
仮面を。
色々な仮面だ。
仮装パーティに着けていきそうな目だけ隠すやつとか。
顔の上半分を全て隠す奴とか。
狐面とか。
髑髏とか。
様々な仮面が、4つ。
通された奥の部屋で、テーブルに並んでいた。
……なんだいこりゃ?
俺以外のメンバーも目を点にしていた。
「ありがとう。約束の金だ」
「まいど。ありがとうございます」
そんな俺たちを他所に、ウッドさんは店の親父にお金を払っていた。
そして
「どれでもいい。好きな仮面を手に取れ。そして被るんだ」
……それに何の意味が?
そう思ったけど、言われたからその通りにする俺たち。
そして、全員仮面を装着した。
俺が目だけのヤツ。
上半分全部隠すのがリルファ。
狐面がガルネフで。
ウッドさんが髑髏だ。
「……良く似合ってるぞ」
そう、ウッドさんは満足そうに言い、こう言ったのだ
「これから馬の召喚方法を教える」
……馬の召喚方法?
なんだいそりゃ?
★★★(ウッド)
俺たちの買った馬は、正確に言えば馬では無い。
正式名称:念獣。
召喚時の姿が、馬そっくりだから便宜上そう言ってるだけ。
具現化系の念能力で作り出した仮面を身に着け、掛け声とともに外すことで発動。
そう、例えばこんな風に
「ペル〇ナッ!」
仮面を外し叫んだその瞬間、俺の身に着けていた髑髏の仮面は燃えあがり消え、代わりにその場に一頭の馬が出現していた。
掛け声はなんでもいい。「来い!」でも「来て!」でも「これがもう一人の私」でも。
呼ぶときに掛け声を掛けること。それが重要なんだ。
「おおおおおお~!」
驚いているのがなんだか嬉しかった。
好きで身に着けた知識ではないが、こういうのはどうしても嬉しいものだ。
さて。
このようにいつでもどこでも呼べる馬。
一見、常時乗りっぱなしの方が楽なのではないか? と思ってしまうだろうが。
この念獣・馬は、召喚者のエネルギーを吸い上げてその存在を維持するので。
具体的に言うと、召喚中は異様に腹が減る。
だから食糧の残量を気にしなければいけないのだ。
……だから、使いどころを考えなくてはいけない。
馬:馬小屋で馬を買うと、3Dダンジョン以外どこでも馬の乗り降りができるコマンド「馬」を手に入れることが出来ます。
この馬に乗ると、敵キャラクターの移動速度が半分になり、相対的に自キャラが倍速で動いている関係になります。
ただし、乗ってる間、食糧の減りが増強されるので、注意が必要です。
……変ですよね。何故馬に乗ってる間だけ食糧の減りが増強されるんでしょうね?
いつでも乗れる以上、馬と冒険者は一緒に居るのは確定事項のハズ。
一緒にいるなら食糧の減りも一緒でしょ?