ウルティマ地獄編   作:XX(旧山川海のすけ)

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大地の鎧の性能を実感したリルファ。
しかし何故、彼女は単独行動をしていたのだろうか?


第十九話 世界の王

★★★(リルファ)

 

 

 実は先日から休暇を取ってるんだよね。

 今はどうも休みをとるタイミングらしいんだけど。

 この間のロイヤルシティでの出来事も、休暇中のこと。

 

 西部デパートという場所に行って、休暇を取るための手続きを踏んだ。

 休暇を取るにあたって……

 

 馬の仮面と道具類一式を引き渡す。

 

 休暇にこれらは持っていけないらしい。

 私たちの仕事を引き継ぐ交代要員の人が、これを使うんだって。

 

 それが誰かは知らないけど。

 

「ルロードさん、一緒にお酒を飲みに行きませんか?」

 

 先日、引ったくりを捕まえたので、守衛に謝礼として金一封を貰った。

 こういうお金って、思い切ってパーッと使うべきだよね。

 

「え? 俺を誘うの?」

 

 ちょっと驚いていた。

 いや、だってルロードさん、ライフエナジーを一番稼ぎにくいのに、一生懸命だったじゃないですか。

 それを労いたいんです。変ですか?

 

 そんなようなことを言ったら、ルロードさんは

 

「分かった……ありがたく、御馳走になるよ」

 

 ……なんかすごく、嬉しそうだった。

 

 

 

「平和だね……」

 

「そうですね……」

 

 丸いテーブル席。

 チーズをつまみに、ふたりでワイングラスを傾けながら。

 私たちは大通りを見ていた。

 

 大通りは色々な人が居て。

 

 馬車で荷物を運んでいる人。

 露店でアクセサリーを売っている人。

 何かを話し合ってる人。

 

 それぞれで人生があり、家族がある。

 こんな人々を守るために、絶対に使命を果たさないといけない。

 それを、私は使命を進める中で強く思うようになった。

 

 それが、勇者の仕事なんだね……

 

 パパパーパパパーパパパー パパパーパパパパパパパーパ

 

 ……聞き覚えのあるバンド演奏。

 これは国歌かな?

 

 ということは……

 

 豪華な馬車がゆっくりと大通りを進んでくる。

 その馬車を守る様に、長い隊列が太鼓やトランペットを演奏しながら進む。

 

 ……これは……

 

 王様の、パレード……!

 

 ときどき王様が自分の権力を示すために、デスガルチの防具屋に緊急特別税を掛けて実行するんだよね。

 

 いつ見ても感動する。

 ああ、この人がこの世界を支配している人なんだ、って。

 

 いくら陛下が残虐でも、この気持ちは捨てられない。

 むしろ、徳のある王様は、そうであるべきなんだと。

 

 それを、パレードを見る度にいつも思うんだよね。

 

 そう、私が感じ入ってジーンとしながら、両手を組み合わせて感激していたときだった。

 

「死ね! ロードブリティッシュ!」

 

 強い、陛下への呪詛の言葉が轟いたんだ。

 

 その次の瞬間だった。

 4つの人影が飛び出してきて

 

「ゴメドラ!」

 

「ゴーメードーラー!」

 

「ゴメドラー!」

 

「ゴメドーラ!」

 

 一斉に呪文を詠唱して攻撃して来た。

 

 そう……4人の魔術師が、各々の発射ポーズで、メドラ系最強魔法のゴメドラを、その両手を向けて陛下に放ったんだ。

 当たればドラゴンすら仕留めかねない最大級の火球魔法……!

 

 そんなものを陛下に向けて放つなんて……!

 なんて恐ろしい真似を……!

 

 巨大な火球が陛下に迫る。

 しかし陛下には、それを避けることができない……!

 

 直撃する。

 そして炸裂した4つの火球が、激しい炎を上げ、粉塵を巻き上げた。

 

「……やったか?」

 

 魔術師の1人がそう口にした。

 

「ナナ、ロク、ハチ……仇はとったよ」

 

 感じ入って泣いているものもいた。

 だけど……

 

「……残念であったな」

 

 その粉塵の中から。

 何事もなかったように、王様が歩み出てくる。

 その法衣は焼け焦げており。

 王様は素っ裸でだった。

 その下の肉体……

 

 まるで彫刻のような美しさであり……

 その背中の筋肉には、鬼が棲んでいた。

 

「王に逆らった罪は七族に及ぶ……それを存分に心得よ」

 

 王様は、全くの無傷だった。

 

「そんな……」

 

「これで死なないなんて……」

 

 絶望に陥る魔術師たち。

 そんな魔術師たちに。

 

「いいか、王族というものはな」

 

 その目の前に、一瞬でテレポートをするがごとく踏み込んで。

 

「一番強かった戦士や盗賊、海賊、山賊の……」

 

 その手刀で、魔術師の頭を叩き割った。

 そして

 

「成れの果て。……つまり、お前たちは絶対に我に勝つことはできないのだ」

 

 くだらない内容の書類にハンコを押すような感じで、襲撃者たちの命を奪っていく。

 そして

 

「次に生まれてくるときは、絶対に人間には生まれぬように」

 

 そして最後の1人の首をねじ切った後に、陛下は仰ったんだよ。

 優しい声音で。

 私たちとしては、陛下に逆らったのだからそれは当然だと思ったのだけど。




王様:何をしても絶対に死にません。あんたが冒険に行きなさいよ、というのはお約束。このゲームで最強のキャラクターは彼です。
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