怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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俺たちの強さを探れ

~4月8日·朝·青空寮~

 

朝俺たちはリビング集まる。集まった理由とは…

 

美海「これより、作戦会議を行います!」

 

明日翔「いよっ!」パチパチ

 

美海「私たちに足りないのは、ズバリ!必勝パターンだと思うの!。」

 

空「必勝パターン…?」

 

美海「うん。昨日帰ってから、私なりに考えてみたの。」「悔しいけど…今のままじゃ、私たちは新歓戦で勝ち抜くことはできない、って。」

 

空「そうですね…昨日戦ったカレンさんも、助けてくれたセニアさんも、すごい強さでした。」「正直あの人たちに勝てるイメージはぜんぜん湧きません。ソフィーナさんも同じくらいの強さでしょうし…」

 

美海「うん、でもね、私はこう思うんだ。」「私たちとソフィーナちゃんたちの差はきっと、単純な戦闘能力の差じゃない…って。」

 

空「美海さん、それってどういうことですか?」

 

美海「じゃあ質問。ソフィーナちゃんやセニアちゃんの強さってどういうところだと思う?」

 

空「そうですね…引けを取らない火力でしょうか。」

 

美海「まあ、それもあるんだけどね。でもそれ以上に対応がうまいんだよ。」「つまり、その場その場での状況判断能力の高さ。それが私たちより圧倒的に優れていると思うの。」

 

空「確かに、あの3人が慌てているところは過去の映像でもほとんど見たことがありません。」「昨日のカレンさんもそうでした。」

 

明日翔「昨日俺たちが二手に分かれて逃げたとき、あいつはお前らではなく俺のほうを狙ってきた。」「単純な理由だ。俺が一人であることと俺一人正面からやりあったところで勝ち目がないからだ。」「まぁ、簡単に言えばその時誰を狙えばいいか。最良の判断ができるのさ。」

 

美海「そう。カレンちゃんの対応が上手だったから、私たちは最後まで後手に回らざるを得なかった。」「これに関しては明日翔くんが初めから逃げの一手だったのもあるけどね。」ニガワライ「そのせいで私たちは、チームの優位性をほとんど失ってたと思うんだよね。」

 

空「じゃあ、私たちも状況判断能力を磨けば、それが必勝パターンになるということですか!?」

 

美海「ううん。もちろんそうなれば一番いいんだけど…新歓戦までは、もう時間がないでしょ?」「それで提案なんだけど…作戦や戦術よりも私たちの『強み』を追求してみない?」

 

空「強み…ですか。」

 

美海「うん、強味を追求することで、私たちの必勝パターンが見つかるかもって思ったんだ!」「どう…かな?」

 

空「私はいいと思います!必勝パターン…響きもかっこいいですし!」「私、なんだか勝てる自信がわいてきました!」

 

明日翔「まぁ今考えたって間に合うわけもないしな。」「で、俺たちの強みとはズバリなんだろうな?美海。」

 

俺たちは美海に視線をやると、彼女は自信満々にこう答えた。

 

美海「うん、それは今から考えるんだけどね!!!」

 

空「ですよねえ…」ガックリ「私、やっぱり勝てる自信が少しなくなりました…」ショボン

 

美海「だから二人にも手伝ってほしいの。3人ならきっと、私たちの強みが見つかるよ!」

 

明日翔「にょほほほ、その行き当たりばったり。きらいじゃないぜ。」「よ~し各自で強み探しの冒険へとしゃれこもうじゃないの!では行こう!」

 

俺たちは解散し『強み』を探る日とした。一番知ってそうなやつは…一人いたな。

 

~昼・公園~

 

俺は公園である人間…いや魔女を待っていた。

 

ソフィーナ「待たせたわね。」

 

明日翔「おぉ、ソフィーナ。待ってたぜ、お前さんの事をな。」

 

ソフィーナ「…その口説き文句のような話し方は相変わらずね。」ジトッ「それで?わざわざこんなところに呼び出して、私に話ってなにかしら?」「…まあ、大体の察しはついてるけれど。一応、貴方の口から聞いておくわ。」

 

明日翔「察してくれてたか、そっかぁ。」「…勝つ方法が知りたい。」

 

ソフィーナ「…呆れた。普通それを私に聞く?」「私は新歓戦で貴方たちと戦うかもしれない相手よ?退学がかかってて必死なのはわかってるけど…」「…あら、自分の退学なんかどうだっていいって顔ね。」「だったらあなたは、何のために戦おうとしているの?」

 

明日翔「なんのためにって…前も言っただろ?」「…俺の夢のためさ。」

 

ソフィーナ「ふぅん。夢、ねぇ…。」

 

~過去の回想~

 

明日翔「夢を見たんだよ。」「夢ってのは追い続けるものだと俺は思ってる。」「追いかけても追いかけても掴めない。近付いたら遠くなっていく。それが俺の夢なのさ。」

 

~現実~

 

ソフィーナ「はぁ…貴方は本当にロマンチストよね…。」「いいわ。勝つ方法ではないけれど、ヒントくらいは教えてあげる。」

 

明日翔「ソフィーナ、恩に着るぜ。」ニヤリ

 

ソフィーナ「まったく…貴方の真面目な顔見てると調子が狂うわ。…言っておくけど口説き文句を言うのは誤解を生むわよ。気をつけなさい。」「あともう一つ。美海と空を仲間だと思っているなら、退学しても構わないなんて、絶対に口に出すんじゃないわよ。」「あの子たちを悲しませたら、私が消し炭にするから、いいわね?」

 

明日翔「ああ、その時はチリひとつ残さないでくれよ。」

 

ソフィーナ「まったく…じゃあ、レクチャーを始めるわよ。」

 

明日翔「お願いしまぁ~す。」

 

「チームを勝たせるには、まず貴方がエクシードの事をもっと理解しなさい。」「エクシードは、プログレスに備わっている異能の事よ。その能力は、プログレスによって異なるの。」「例えば美海は、風の操作する力を持っている。それくらいあなたも知っているでしょう?」「風で相手を吹き飛ばすこともできれば、風の剣を作り出すこともできるわ。」「一言で風の力といっても、アイデア次第で無限に応用が利く強力なエクシードね。」「貴方に一度、してやられたことよ。」

 

明日翔「ああ、炎を風に乗せて返したあれか。」

 

ソフィーナ「さて、私はあらゆる魔法が使えるけれど…その中でも何が得意かわかるかしら?」

 

明日翔「ああ、炎の魔法だ。」

 

ソフィーナ「その通り。私の得意技は炎の魔法よ。見てなさい。」ボッ

 

彼女が右手に力を込めると小さな火の玉が現れる。

 

ソフィーナ「それだけじゃなくて、これを応用すると…」パキパキ…

 

左手に氷の塊が現れた。

 

明日翔「な~るほどねぇ、つまるところ熱を自在に操る魔法といったところか。」

 

ソフィーナ「この二つの魔法は、逆に見えても実はどちらも熱操作の延長線上にあるもの。」「つまり、炎の魔法も、氷の魔法も、根本にある考え方は同じ。」「魔法とは、物理法則を書き換えるもの。私はそのすべてをエクシードとして扱うことができる。」「どう?私のエクシードの万能さがわかったかしら?」

 

明日翔「ああ、よくわかったさ。…願わくば敵として当たりたくないとも感じたな。」

 

ソフィーナ「貴方が弱気になってどうするのよ…。」ジトッ「…とまあ、エクシードの使い方次第で戦術の幅は広げられる。」「でも、だからといって何でもできるわけじゃないわ。いくらエクシードでも理を曲げることはできない。」「人間も同じよ。人はそれぞれ、向き不向きというのがある。」「美海にさっきみたいなことができると思う?」

 

明日翔「無理だろうな。そんなこと考えちまったらあいつは迷っちまう。」

 

ソフィーナ「そうね、よくわかってるじゃない。」「あの子は、あれこれ考えて戦うタイプじゃない。」「むしろ何も考えず真正面から突っ込んでいくときがあの子の力が最も発揮されるとき。」「もし『強み』を活かしたいのならば、まず理解してあげなさい。美海の事も、空の事も。」「貴方なら、そのくらい簡単でしょう?」ニヤニヤ

 

明日翔「いってくれちゃって。」

 

ソフィーナ「結果がどうなるかは、きっと貴方の頑張り次第よ。わかってる?αドライバーさん?」

 

明日翔「恩に着るぜ、おかげで何か掴めた気がするよ。いつか礼はするぜ。」

 

ソフィーナ「礼ならいいわ。私と当たったときに、結果で見せて頂戴。」「…やっぱり貴方は笑ってる顔が一番よ。」ボソッ

 

明日翔「?なんかいったか?」

 

ソフィーナ「気のせいよ。少しは手ごたえがあるといいけど。貴方たちと戦う瞬間を楽しみにしているわよ。」

 

明日翔「ああ、首洗って待ってろよ。」

 

こうして俺はチームの『強み』を見つけれた気がする。大会まであと二日…

 

 

~4月9日・朝・練習用アリーナ~

 

美海「空ちゃん!今!」

 

空「はいっ!解除します!」

 

シュバッ!!!!ババババン!!!!

 

空の展開した障壁がなくなった瞬間、美海の風の刃が放たれる。そして風が吹き抜けた後は的が粉砕していて土台のみがそこに残された。

 

明日翔「お見事。」パチパチ

 

空「速度、威力、制度!それも完璧ですよ、美海さん!」

 

美海「空ちゃんのタイミングもバッチリだったよ!これなら攻撃に集中できそう!。」

 

大会はあと二日。ようやく息があってきたということか。

 

美海「なんだか力が抜けて、スムーズに打ち抜けたよ。空ちゃんのカバもーすごくよかった!。」「でも、明日翔くんに言われた通り、何も考えないようにしただけなのに、どうして?」

 

空「私も先輩に言われた通り、ただ美海さんの動きを見ていただけですよ?」

 

明日翔「ああ。それは、今までは私が合わせないと~って考え過ぎちまってたんだ。」

 

美海「そっか。確かに…私が調子いいときって、あんまり考えずに戦ってた。」「チーム戦だからって、無理に二人に合わせようとして逆にリズムがおかしくなっちゃってたんだね。」

 

空「私、何をすればいいのかわからなくて、迷っちゃうことが多かったんですけど…。」「さっきが、美海さんが動きやすいようにって思ったらうまくいった気がします。」「つまり、美海さんは何も考え…いえ、自由に動いてもらううのが、一番強いってことなんでしょうか?」

 

明日翔「ま、そういうこった、うひひひひ。」ニヤニヤ

 

美海「あはは…それはそれでちょっと複雑だなぁ。でも、決め事が簡単なほうがよさそうだね。」「私がとにかく攻撃。空ちゃんは私をサポート。」

 

空「ですね。美海さんが「得意」をずっと発揮できるように、牽制と防御を頑張ります!。」

 

美海「後ろから全体が見える明日翔くんは、タイミングを見計らって私たちとリンクして。」

 

空「同じ攻撃でも、αドライバーの援護あるなしで、相手の予想を上回れるようになる、ってことですね。」

 

美海「うん、いまから攻撃パターンを準備していくより、アドリブを活かすほうが私たちにあってそう!。」「もちろん、これでソフィーナちゃんやセニアちゃんに勝てるかどうかはわからないけど…。」

 

空「でも、今までよりも少しだけ、勝てるかもって気持ちになってきましたよ!さすが先輩ですね!」

 

美海「うん!明日翔くんのおかげで、私も自信がわいてきた!」「いけるよ、新歓戦!私たち3人で、絶対優勝しようね!。」

 

喜ぶ二人をみて安心した、ふとよそ見するとある人影がみえた。

 

ソフィーナ「どうやら、手助けする手間は省けたみたいね。」「ふふっ…貴方たちがどこまで戦えるのか、私も楽しみにしているわ。」

 

ソフィーナ、恩に着るぜ。

 

~休み時間、教室~

 

休み時間、いつもどおりクラスメイトに美海は囲まれている。

 

ルルーナ「美海、最近なんか楽しそうだねー。」

 

美海「え?そうかな?」

 

ルルーナ「うんうん。やる気に満ち溢れてるというか、なんでも自分からやろうとしてる感じ。」

 

シンシア「それに、居眠りもしてないしノートもまじめにとってるし。」

 

美海「み、みんなよく見てるなあ…。」

 

ルルーナ「あー!もしかして明日翔が青空寮にきたかとかー?」

 

シンシア「何でもかんでもコイバナに持ってかない。フェルノが飛んでくるよ?」

 

美海「あはは。自分ではそんなに変えてるつもりはないんだけど…」「でもほら、もうすぐ新歓戦でしょ?結構、燃えてるのもあるかな。」

 

ルルーナ「おー、じゃあ優勝も自信ありな感じ?」

 

美海「うん、絶対優勝するよ!」

 

テオドーチェ「おおー!ものすごい自信なの!!」

 

ルルーナ「美海がそこまでやる気出すって珍しいね。なにかいいことでもあった?」

 

美海「うーん、むしろ悪いことっていうか…退学がかかってるというか…」

 

ルルーナ「えっ?」ビックリ

 

美海「あっ、ううん!な、なんでもない!」

 

ふと目が合った。そうすると近付いてきた。

 

美海「ねぇねぇ、今日お昼一緒に食べない?」

 

俺は黙ってうなずく

 

美海「それじゃ後で学食に集合!遅刻厳禁!だからね!」

 

~昼・カフェテリア~

 

昼休み、先に食堂で待っていると手を振りながら美海がやってきた。

 

美海「明日翔くん、お待たせー。今日は何にするの?」

 

明日翔「そうだなー…今日はオムライスの日だな。」

 

美海「オムライス、定番だけどおいしいんだよねぇ。ふわふわの卵にケチャップが絡んで・・」ジュルリ「じゃあ、私もキミと同じのにしようかな!」

 

生徒たちの列を並び頼んだメニューをもって席に戻った。

 

美海「それじゃ、いただきます!」

 

明日翔「いっただっきまぁ~す!…うめぇ!」ガツガツ

 

食べていたら客人が現れた。

 

ルルーナ「あ、美海もこれからランチ?ちょうどよかったよー。」

 

美海「ん?なになに?」

 

ルルーナ「はい、今日の学食のデザート。あげるよー、これ好きだったでしょ?」

 

美海「え?でも、そんなの悪いよ。ルルーナちゃんも甘いの好きでしょ?」

 

ルルーナ「いーのいーの。私はリーリヤと半分こするしー。」「こないだ訓練手伝ってくれたお礼ってことでー。」

 

美海「ありがとー!じゃあもらうねー!」「ふふ、デザート付きになっちゃった。」

 

その後もあれよこれよと食べ物を分けてもらい気が付いたら山になっていた。

 

美海「あはは…これ、何人前だろ?」

 

明日翔「流石に多すぎだぜ。いつもこんな食ってんのかぁ?」

 

美海「そ、そんなことないよ!今日はみんながいろいろくれただけ!」「むむ…この量を食べきるのは難しいかも…」

 

明日翔「こりゃ無理ってもんよ、フードファイターじゃあるまいし。」

 

美海「う~ん…あ!そうだ!ちょっと待ってて!」タタタタ…

 

美海は席を外すとしばらくしてタッパーと袋を持って戻ってきた。

 

美海「お待たせ!容れ物借りてきたから、寮のお土産にして、みんなで食べよ!」「あ、でもイチゴと唐揚げは食べちゃおうか。どっちがいい?」

 

明日翔「そうだなぁ…唐揚げいただいちゃおうっかなぁ!」パク

 

美海「それじゃ、イチゴは私がもらうね。」パク「うん、おいしい!」「ふふ、お土産を先に食べちゃったのはみんなには内緒ね。」「私と君だけのヒミツってことで!」

 

こうして、昼食の余りを寮に持ち帰り楽しんだ。そして、夜にウロボロス退治にしゃれ込む。

 

~夜・青空寮の帰り道~

 

ウロボロスを処理し帰宅途中、見つかってしまった。

 

ソフィーナ「門限を破った上、こんな時間まで女の子を連れまわすなんて感心しないわね、明日翔。」

 

空「あっ、ソフィーナさん…ええと、これには事情が…」「まずいところを見られてしまいました…ど、どうやってごまかしましょう…」

 

どう言い訳するか考えていたところ、ユーフィが助け舟を出してくれた。

 

ユーフィリア「お二人を責めないで上げてください。こんな時間になってしまったのは、私が原因なんです。」「私はコードΩ00ユーフィリア。お目にかかれて光栄です、『理深き黒魔女』ソフィーナさん。」

 

そうか、ソフィーナと会うのは初めてだったか。

 

ソフィーナ「…貴女、本当に白の世界のアンドロイド?」

 

ユーフィリア「はい、見ての通り。」

 

ソフィーナ「見て気になったから聞いたのよ。あまりに人間らしすぎないかしら?」

 

ユーフィリア「はい。マスターがそのように作ってくれましたから。生体パーツもふんだんに使われています。」

 

ソフィーナ「ふぅん、そう…セニアだけが最新鋭機かと思っていたけれど…。」「明日翔、本当にやましいことはしてないでしょうね?」

 

明日翔「ああ、誓ってしてない。」

 

俺はソフィーナをしっかりと見つめた。

 

ソフィーナ「…。」ジッ(またその真剣な顔…)「…まあそれならいいわ。ちゃんと帰ってきていることに変わりないし。」「人口精霊の掃除が始まってるから、部屋に戻るときは気を付けるようにね。」

 

ソフィーナは中に戻っていった。何から何までありがとうな。

 

空「ふぅ…びっくりしました。」

 

ユーフィリア「ええ、危うく時間跳躍するところでした。お目こぼしがもらえてよかったです。」ルンルン

 

空「なんだかユーフィリアさん、うれしそうですね?」

 

ユーフィリア「そうですか?ふふっ、そうみえるのはきっとソフィーナさんに会えたからですね?」

 

空「…?ユーフィリアさん、ソフィーナさんのファンなんですか?」

 

ユーフィリア「ふふっ、そういうことにしておきましょう。」「さぁ、ソフィーナさんに怒られないように、お二人は早く部屋に戻ってください。いったいった!」グイグイ

 

俺たちの背中をユーフィは押してきた。

 

空(またはぐらかされた気がします…)

 

こうして俺たちの一日が終わった。大会まであと一日か…。

 

~4月10日・朝・練習用アリーナ~

 

空「先輩!リンクを!」

 

明日翔「いけ!空!」ビリリッ

 

美海「たぁぁっ!」パーン!!「やったね、大成功!」「空ちゃんも明日翔くんもすごい!もう合図が無くても、連携は完璧だね!」

 

明日翔「予想以上に息が合ったらしい、ここにきて磨きがかかるのは俺にとってもありがたいことだ。」

 

美海「うん。本当にタイミングぴったりすぎて攻撃しながらビックリしちゃった。」「これなら明日の新歓戦もきっと大丈夫。あとは本番に向けてしっかり体を休めよう。」

 

空「えっ、でもまだ時間はたっぷりありますよ?」

 

明日翔「休むことも重要さ、空。俺たち今まで休む暇なかっただろ?」

 

美海「それに、休みながらでも出来ることはあるんだから。」「例えば…イメージトレーニングとか。」

 

空「い、イメージトレーニング!かっこいい響きです!。」

 

美海「でしょ?ソフィーナちゃんもよくやってるみたいだよ。」

 

空「それで美海さん。イメージトレーニングって、どうやるんですか?」

 

美海「どう?どうって…あれ、そういわれても…明日翔くん、どうやるんだろ?」

 

明日翔「そこで俺に振るかい?その話。」

 

美海「えーと…まず」

 

明日翔「あーあーあー!!!!今日は解散!!!かいさーん!!!明日のためにやすもーっ!!!閉店ガラガラ!!!また会いましょー!!!」

 

俺は強制的に練習を打ち切った。余計なことを考えさせないために。

 

~昼・青空寮~

 

寮に戻る。そしたらリビングでソフィーナが紅茶を飲んでいた。

 

ソフィーナ「あら、今日は早いのね。特訓はもういいの?」

 

明日翔「ああ、今日はもうオフだ。明日のためにな。」

 

ソフィーナ「へぇ、ずいぶんと余裕じゃない。」「でも、すこしだけ安心したわ。直前まで追い込むような練習をしていなくて。」「特に美海は、集中しすぎると周りが見えなくなるところがあるから。」

 

明日翔「友達想いだな。熱い友情だぜ。」

 

ソフィーナ「まぁ、否定はしないわ。あの子には、もっと前に進んでもらわないと困るもの。」「それじゃなきゃ、次期魔女王の友人としてふさわしくないでしょう?」

 

明日翔「素直じゃないなぁ。うひひひひ。」

 

ソフィーナ「…好きに言いなさい。それよりあなたも座ったら?特別に紅茶を淹れてあげるわ。」

 

明日翔「ほいじゃお言葉に甘えて」

 

俺は対面に座り紅茶を淹れていただいた。ゆっくりと飲ませていただく。

 

明日翔「こいつぁダージリンか?落ち着く味だ。」

 

ソフィーナ「でしょう。こうやって体をリラックスさせることも、時には必要なのよ。」「戦いを前にして、気持ちが高ぶっているときは特にね。」「体の力が抜けていくでしょう?」「ふふ…貴方たち、かなり無理をしていたものね。」「特訓の成果が見られるのが楽しみだわ。」

 

明日翔「ああ、あいつらは物凄くがんばってる。それに報いないとな。」

 

しばし沈黙が流れる。先に口を開いたのがソフィーナだ。

 

ソフィーナ「私はこれまで、数えきれないほどのバトルを制してきたわ。」「その中でも、美海との戦いは特別よ。」「貴方が知ってるでしょうけど、私は今まで、美海に負けたことがないの。」「でもそれは、実力によるものじゃないわ。」「だって、あの子との戦いは私にとっていつも薄氷の勝利だもの。」

 

明日翔「そうなのか?いつもは余裕ありますって感じだったろ?」

 

ソフィーナ「…美海には言わないでよ?格好がつかないから」ボソ「それに、余裕で勝ってると思わせておいたほうが、こちらとしては楽なのよ。」「…まあ、今回はそんな楽させてはくれなさそうだけど。」「貴方や、空がいるものね。」「もちろん負けてあげるつもりは、これっぽっちもないから、勘違いしないでよ?」

 

明日翔「ま、そらそうだわな。わかってるよ。」ズズズ

 

ソフィーナ「…本音を言うとね、結構楽しみにしてるのよ。不確定要素の集まりみたいな貴方たちと戦うことが。」「貴方は編入してきたのが、今年でよかったわ。」「もし来年だったら、こんな風に戦ったりできなかったかもしれないし。」

 

明日翔「んぁ…?おい、そりゃどういうことだ?」

 

ソフィーナ「私は黒の世界の統治者、魔女王を継ぐ予定の才女よ。」「いつまでも、貴方と一緒にここにいるわけにもいかないわ。」

 

…立場の違いってことか。

 

ソフィーナ「…ごめんなさい。今の話も、美海たちには内緒にしておいて。」「…どうしてかしらね。今日は口が軽くなってしまったわ。」「今回の新歓戦、私は優勝を目指すわ。その途中で、貴方たちと戦うことになるはずよ。」「こういうことを柄じゃないけど…お互い力を尽くして戦いましょう。」「言っておくけど、私と当たるまでは絶対に負けるんじゃないわよ?」

 

明日翔「ああ、男に二言はねえ。約束するよ。」

 

ソフィーナ「新歓戦がおわったら…貴方の『夢』、聞かせて頂戴ね。」

 

明日翔「へっ…考えとくよ」

 

つかの間の休息が終わり、いつも通りウロボロス退治に繰り出す。

 

~夜・帰り道~

 

いつものメンツでウロボロス退治を行った帰り道、城琉が俺にこんなことを言ってきた。

 

城琉「すまん、明日翔。おれは明日、ウロボロス退治にいけねぇ。」

 

明日翔「おい城琉、ここにきて腰抜けかぁ?お前のマグナムがあればこわくねぇだろ?」

 

城琉「違う、新歓戦だ。…こいつをお前に預ける。」

 

渡してきたのは城琉の愛用の銃、マテバリボルバーだ。

 

明日翔「お前これなんで俺に?」

 

城琉「使わないためだ、銃を向けるならお前だけでいい。一発も使うんじゃねえぞ。」

 

明日翔「そうかい。なら俺のも渡すのが筋ってもんよな。」

 

俺の愛用のルガーMK2を城琉に預ける。

 

城琉「次会うときは敵同士だ。…せいぜい負けんじゃねえぞ。」

 

明日翔「お前も足元掬われねぇようにな。」

 

城琉「そんな、お前みたいな下手は打たねえさ。…じゃ楽しみに待ってるぜ。」

 

そう言い残し城琉は去っていった。

 

空「…私たち、大丈夫でしょうか…」

 

明日翔「大丈夫だよ、心配すんな。俺たちはこのために練習してきた。きっと勝ち上がれるさ…あいつもな。」

 

こうして一日は終わった、明日は大会本番…か。




ついに始まった新歓戦本番!1回戦二回戦順々に勝ち上がり、とうとう準決勝まで駒を進めることができたぞ!だがしかしあいつはこの大会を辞退して…?
セニアチームには「足りないものがある」とか言われちゃうしよぉ?どうすっぺかこれ?俺たちの勝敗はいかに…

次回「後悔しない選択を」

また会おうぜ。
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