怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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かぶきもの舞台から落ちる。少女は空から落ちる

~4月14日・昼・裏山の滝~

 

ザーーーーーーーーーーーーーーーー

 

歌右衛門「はんどまぁぁぁぁじんばらぁぁぁぁぁはらばりたやぁぁぁぁうぅぅぅぅん」「せぇぇぇぇぇぇぇい!!!」

 

カァァァァァァァァン

 

歌右衛門「今日この日、この世に居させていただき感謝…!自然に敬意を」

 

ザブザブ…

 

歌右衛門「この島の自然はよい…。心が清められ自然により近づくことができる…。」「…ぬ?」

 

木の間から空を除くと緑の魔方陣が音を立てて動いている。

 

歌右衛門「緑の魔方陣が音をあげておる、まっこと不思議なからくりだ。」「…ぬ?まだ何か光っておる…あれは…人間!」「これはまずい!」スタタタタタタタタタ…

 

~一方その頃・通学路~

 

美海「セニアちゃん、寮の生活はどう?楽しく過ごせてる?」

 

セニア「問題ありません。メンテナンス用品も持参していますし、住環境に不足している点はありません。」

 

美海「そっか、よかったぁ。ふふっ、青空寮も賑やかになってきて嬉しいな。」

 

空「そういえば、前から聞いてみたかったんですけど…。青空寮って私や先輩がくる前はずっと美海さんとソフィーナさんだけだったんですか?」「学校からも近いし、設備も整ってるのにそれが気になってて…」

 

美海「なんだかんだで増えなかったんだよねぇ。なんでなんだろ?青の世界の子は、家族と一緒に住んでる子も割りと多いから、そこせいかも?」ムムム…

 

空「なるほど。私なんかは一人暮らしに心躍ったものですが…」

 

セニア「!」ガバッ

 

セニアが急に空を見上げる

 

明日翔「どうした、忘れもんでも思い出したか?」

 

セニア「……門からの転移反応を検知しました。」

 

美海「え?こんな時間に珍しいね……?」

 

セニア「来ます。3・2・1───」

 

ピカーーーーゴウン…ゴウン…ゴウン…キラン

 

セニア「上空に生命反応を確認。先程の門を通ってきた生物だと思われます。」

 

空「上空って…あっ!あそこ見てください!人が落ちてきますよ!」

 

明日翔「人ォ?んなバカな…。」ジー…「…でも確かにゆ~っくり何かが落ちてきてんのは確かだ…。」

 

セニア「目標を補足しました。」ピピピ「空さんの言う通り、人型の生命体が減速しながら落下しています。」

 

美海「減速…エクシードかな。こんな転移、変だよ。何かの事故かも!」

 

セニア「落下地点を予測……」ピピピッ「公園の外縁部のようです。」

 

美海「怪我してるかもしれないし、行ってみよう!」

 

スタタタタタタ

 

~公園~

 

歌右衛門「この辺に命ある人間が落ちたはずだ…。」シュタタタタタタタ「!…命ある娘よ!意識はあるか!?」

 

スタタタタタタ…

 

歌右衛門「!何奴!」ジャキッ

 

明日翔「わー待て待て!俺だよ俺。」

 

空「空ですっ!あと青空寮の人たちですっ!」

 

歌右衛門「お主たちか、失礼した。お主らも落ちてきた命ある人間を見てきたのか。」

 

空「そうなんですっ。落ちてきたのはきっとこの子ですよ!」

 

緑色の髪…見た目は小学生か中学生ぐらい…独特な服装…か。

 

セニア「気を失っているようですが、外傷は見当たりません。」

 

美海「よかったぁ…」フー「でも、いったい何があったんだろう?」

 

???「うぅ…やめて!!いや……こないで!!」フルフル

 

美海「うなされて震えてる…やっぱり何かあったんだ…。」

 

空「危険な目に遭ったんでしょうか。やっぱり誰かに相談するべきでは…。」

 

???「う……ぅう…?」

 

歌右衛門「意識が、戻りそうだ。」

 

???「…………。」

 

空「だ、大丈夫ですか!?痛いところとかないですか!?」

 

???「お…お…。」

 

明日翔「お…?」

 

???「おなか…すいた…。」

 

シーン…

 

歌右衛門とセニア以外ズコーーーッ!!!!

 

セニア「意思が戻って何よりです。」

 

歌右衛門「『腹が減っては、戦はできぬ。』ということだな。」

 

明日翔「まぁこいつのこともな~んもわかんねぇしな。腹ごしらえがてら聞き出すか。」

 

~商店街~

 

???「おいしぃ~!わたし、こんなのはじめてたべたかも!ねえ。これ、なんていうたべもの?」

 

明日翔「たこ焼きっていう大阪のソウルフードさ。知らねぇのか?」

???「たこやき?ふ~ん、なんだかおかしななまえだね!」「でも、おかげでおなかいっぱいになったよ!たすけてくれてありがとう!」

 

美海「ふふふ、よかった。じゃあ、今度はあなたのこと聞いてもいい?」

 

???「わたしのこと?」

 

美海「うん。お名前とか、住んでる場所とか、空から落ちてきた理由とか…。」

 

シルト「わたし……わたしのなまえは…シルト。すんでるところは…あれ?」

 

美海「どうしたの?」

 

シルト「わかんない……名前しか思い出せないの…」

 

明日翔「思い出せないぃ?」

 

歌右衛門「記憶を失くしてしまっている。何か強い衝撃があったに違いない。」ズサッ

 

歌右衛門はシルトの目線に会わせて屈む。

 

歌右衛門「命ある娘よ、記憶は自分の名前だけか?なにか他に覚えていることはないか?」

 

シルト「……わたし、すごく怖かったの。誰かに追いかけられて…その人から逃げてきたことだけ…覚えてる。わたし、空から落ちてきたの?」

 

明日翔「あぁ、お空からふわぁ~っとな。」

 

歌右衛門「よほど恐怖したに違いない。情の無い奴らだ…。」

 

セニア「シルトさんを追っていた人は、あなたと同じような服を着ていませんでしたか?」

 

シルト「……多分、同じような服をきてたと思う。」

 

成る程、なんとなく察しがついてきたぜ。

 

セニア「やはり、そうですか。明日翔も、同じ考えと思われます。」

 

空「先輩、どういうことですか?」

 

明日翔「こいつぁ十中八九緑の世界の人間だぁ。服装のデザインがグリューネシルトのものによく似ている。何かが理由で軍に追い詰められてたんだよ、それも記憶を失くすぐらいにな。」

 

歌右衛門「軍とやらもむごいことをする。年の瀬もいかぬ娘を、よく命を繋いだ。」

 

セニア「統合軍は他の世界の組織とは一線を画しています。他世界の干渉を非常に嫌い、介入すると…。」

 

明日翔「俺達が危ねぇ、普通なら即刻送り返すのが自然の考えだだが…。」

 

空「そんな!それはいくらなんでも可哀想ですよ!」

 

シルト「イヤッ…!」シュタタタ…ヒョコ

 

シルトが怯えた表情で歌右衛門に隠れる。

 

美海「シルトちゃん?」

 

シルト「あなた、明日翔っていうんだよね。明日翔とおさむらいさんは、わたしを守ってくれる?」「わたし、あなたに守ってほしい…だめ?」

 

空「私は、シルトさんを一旦青空寮につれていくべきだと思います。緑の世界と話をするにしても、それからでも遅くないと思いますしっ。」

 

シルト「あなたたちと一緒に行きたいな…。」

 

明日翔「こ~らまた妙なやつ保護しちまったもんだぜ。どうしたもんか…。」ポリポリ「まだ自立できるような年でもねぇし…。」

 

歌右衛門「年の瀬もいかぬ子供だ、連れて帰っても自然は見逃してくれる。」

 

美海「やっぱり一度、青空寮に来てもらおうよ。とにかく一度休ませた方がいいと思う。」

 

明日翔「まぁ~そうすっかぁ~、学園も完全に安全とは、言いがたいしなぁ。わりぃなセニア、今んとこは保護だ。」

 

セニア「わかりました。明日翔に従います。」「では、速やかに青空寮に移動しましょう。時間をかけるほどリスクが増大します。」「学園の連絡はDr.ミハイルに要請しておきます。うまく理由をつけてくれると思います。」

 

空「そうと決まれば、一度寮に戻りましょう。シルトさんのお部屋も準備しないとですね。」

 

足早に戻る途中セニアが話しかけてきた。

 

セニア「ふと、気になったことがあるのですが…」

 

明日翔「どした?」

 

セニア「たこやきは中にたこが入ってない場合、『やき』になるのでしょうか?」

 

明日翔「はぁ~…」ガックリ「お前の興味関心はそこかい…」

 

~青空寮~

 

美海「今日はシルトちゃんはここに泊まってもらって大丈夫だよ。ソフィーナちゃんには、帰ってきたら連絡するから。」

 

明日翔「ここなら心配いらねぇ。ここには強い連中ば~っかりだからな。」

 

シルト「うん!ありがとうー!」

 

空「それにいても、シルトさんがゆっくり落ちてきたのって、何だったんでしょうね?」

 

美海「多分、エクシードだと思うよ。私の風の力じゃないかな。」

 

美海は風の力を使いフワフワと浮かぶ。

 

歌右衛門「自然の…力だ…、それを操るとは感無量だ…。何度見ても美しい…。」

 

シルト「わぁっ…すごい!美海、浮いてるよー!すごいすごい!」

 

美海「えへへ、ありがとう。」

 

空「やはりシルトさんはプログレスなんでしょうか?」

 

美海「うん、多分ね。私はそう思うよ。」

 

シルト「ねえねえ、明日翔は今のできるの?わたしもできるかな!?」

 

明日翔「俺にもできるぜ?んん…!とりゃあああ!!!!」ピョーン

 

ジャンプすると空中浮遊する。

 

シルト「わーすごいすごーい!」

 

美海「ええ!?なんでえ!?」

 

空「そんなまさか…男性にエクシードが付くはずが…あ」「…」ジトー

 

明日翔「なんだよ空、疑ってんのか?」

 

空「…歌右衛門さん、お仕置きしちゃってください。」

 

歌右衛門「…合点。でやぁっ!」ジャキッ「今、噓の命を奪い真実に命を吹き込んだ。」チンッ

 

明日翔「あれ?あらぁ~グエ」ドシーーーン!!

 

空「透明な糸で自分を釣るなんて言う映画みたいな演出はやめてください。いつ仕掛けたんですか。」ジトー

 

明日翔「いててて…いいだろ、ちょっとは楽しかったんだから。」

 

ボケとツッコミをしている横目で美海はシルトに問いかける。

 

美海「シルトちゃん。プログレスとかエクシードって聞いたことない?」

 

シルト「プログレス?エクシード?うーん…聞いたことあるような気もするけど…。でも思いだせないや、ごめんね。」

 

美海「ううん、いいのいいの。またゆっくり思い出せばいいの。」「今日は疲れてるだろうから、ゆっくり休んで。また明日、お話を聞かせてくれる?」

 

シルト「うん!」

 

空「じゃあ私、シルトさんをお部屋まで案内しますね。どうぞ、こっちです。」

 

シルト「ありがとうー!それから…明日翔にもお侍さんにも、私をここに連れてきてくれてありがとうー!」「えへへ、わたしのこと、よろしくねー。」スタスタスタ…

 

明日翔「よ~し、とりあえずは一件落着~。歌右衛門、追手が来るかもわからねぇ、ここにいてくれねぇか?」

 

歌右衛門「合点。この命、我が命をとして御護りする。」

 

明日翔「ほんじゃ学園に行くとしますかぁ~。」

 

~昼・青空学園・カフェテリア~

 

美海「ねぇねぇ、明日翔くん。」

 

明日翔「おん?どした?」

 

美海「明日翔くんの知り合いの歌右衛門って人、どんな人なの?」

 

明日翔「あいつか?馬鹿正直な奴だよ、役に入れ込みすぎて実際そうなっちゃったやつなんだから。」

 

美海「へぇ~…、歌右衛門さんは学園には来ないのかな?」

 

明日翔「そりゃそうだ。あいつはもう成人なんだから。」

 

美海「え!そうなの!?」

 

明日翔「そうだぞ。八代目中村歌右衛門、歌舞伎役者の家系で生まれその名を襲名した根っからの歌舞伎役者。実際に舞台に立ってたところも見た。」

 

美海「結構すごい人なんだ…でもなんでこんなところに?」

 

明日翔「そ~れがあいつもわかんねんだと、覚えてんのは滝行してたところまで何だと。」

 

美海「あはは、まるでお坊さんだね。どんな演技をしていたの?」

 

明日翔「壬生浪、あらくれ、ならずもの…とりわけ荒っぽかったり悪いヤツが多かったな。俺たちといたとき、あんな感じで刀をぶら下げてたからなまじ演技力はすごかったよ。」

 

美海「へぇ~…」「もしかして明日翔くん、悪い人なの?」

 

明日翔「へぁ?なぁ~に言いだすんだ急に。」

 

美海「いや、その話の流れで行くと明日翔くんが悪い人だからついてきたことになるけど…」

 

明日翔「まぁまっとうな生き方をしちゃいないわな。安心してくれ?別に人襲ったりとかそういうのはしてねえ、思春期にあるような奴だと思ってくれ。」

 

美海「むむむ…、今日のところはこのくらいにしておくよ。」ジトー

 

明日翔「にょほほほ、そうしてくれると助かる。」

 

今日はまた妙な奴を拾っちまったもんだぜ。グリューネシルトが追う程の女…なにか匂うぜ、こいつぁ。グリューネシルト絡みだとアイツと話し合う必要があるみてぇだ。今日のところはとっととウロボロス退治して明日について考えねぇとな。

 

~4月15日・朝・青空寮~

 

それは、いつもの朝食の時間に唐突に放たれた一言だった。

 

シルト「ねえ、明日翔!」

 

明日翔「あん?どひたの?」モグモグ

 

シルト「今日、わたしとつながってくれない!?」

 

明日翔&空「ぶーーーーーーっ!!!!」「ヒ、ヒエェーーーー!!!」「わわわわーーーっ!!!」ズシャーーン

 

お茶を吹いて後ろに倒れる

 

空「ごほっごほっ!…お茶が…のどに…」

 

明日翔「いててて…なぁ~に言い出すのよ、急に。せめてもうちょっと大人の階段上ったらどうなの?」

 

シルト「そうなの?でも、空も美海もセニアもすぐに明日翔とリンクしたんでしょー?」

 

明日翔「ああそっちのはなしね…まぁそりゃそうか。」「よっこいしょ、いてて。」

 

空「先輩、払いますよ。」パンパン

 

シルト「私がプログレスなら、明日翔とリンクできるんだよね?」

 

美海「うん、多分大丈夫じゃないかな?」

 

空「先輩の場合、プログレスの相性問題でリンクできなかったことないですもんね…。でも、急にどうしたんですか?昨日はエクシードの事も知らなかったのに…。」

 

???「私が伝えたのよ。」

 

声の主はリビングの扉を開けて入ってくる

 

空&美海「ソフィーナさん!」「ソフィーナちゃん!」

 

明日翔「ソフィーナ!」シュタタタタ「久しぶり。」

 

ソフィーナに素早く近づく。

 

ソフィーナ「あなたは相変わらず距離感が近いわね、離れなさい。」ジト

 

白い生命体「むきゅ」ブニュ

 

明日翔「ぶべら」ムギュ

 

顔にソフィーナの召喚した生命体が顔にくっついてきた。こいつなかなか離れてくれねぇんだよな。

 

美海「おかえりなさい、いつ帰ってきたの?」

 

ソフィーナ「ついさっきよ。心配かけたわね。」「それから…明日翔。」

 

明日翔「ん~~~~ん゛っ!」スポン!!「あ~苦しかった…あん?どした?」

 

ソフィーナ「決勝で戦って、貴方の力を証明するって言いだしたのは私なのに、約束を破ってしまって、ごめんなさい。貴方の夢についても聞くって言ったのは私なのに…」シュン

 

明日翔「く~らい顔すんなって、お国の事情だろ?お国の事に関して咎めることはしねぇよ。」

 

ソフィーナ「ええ、まぁ…そうね。だけど、貴方との約束を反故にしたことに変わりはないもの。」

 

空「でも、ちゃんと優勝できましたし、先輩も学園に残れそうですし、万事何とかなりましたよね!」

 

美海「うん、明日翔くんも空ちゃんもすごかったんだよ。いろいろソフィーナちゃんと話したいことがあるんだ。それから今度の選抜戦の事も…」

 

ソフィーナ「…それよりもまずはシルトのことをどうにかする方が先じゃないかしら?」

 

美海「あっそうだった…ソフィーナちゃん、もうシルトちゃんとお話ししてたんだ?」

 

ソフィーナ「ええ、玄関先で偶然会ってね。正体不明、ワケありで素直に緑の世界に報告するのは気が引ける…。貴方たちのことだから、力になって上げたい~なんてことを考えていたんでしょう?」

 

明日翔「さすがはソフィーナ、俺たちの事はなんでもお見通しってわけだ。」

 

ソフィーナ「貴方の事はまったく見えないわよ。」ジト「…やることは一つよ。この子がプログレスかどうか、確かめればいいわ。ここは出身世界を問わず、プログレスが集う学園よ。それが証明できれば、正式に滞在できる。加えて、もしαドライバーとリンクできる高い可能性を秘めたプログレスであるのなら…」

 

明日翔「俺みたくワケありでも滞在ができるってもんだ。」

 

ソフィーナ「さすが、当事者は察しがいいわね。」ニコ

 

明日翔「俺は被害者だけどな…」ガックリ

 

美海「なるほど、明日翔くんがいればリンクの成功率も高いもんね。」

 

空「でも…もしシルトさんがプログレスじゃなかったら、どうなるんですか?」

 

ソフィーナ「それは確かめてから考えることでしょう?ねぇ、美海?」

 

美海「だね!それに大丈夫だよ、空ちゃん。シルトちゃんはプログレスって私のカンが言ってるから!」

     

明日翔「よ~しじゃあ練習アリーナで早速確認だぁ!すぐにでもいくぞぉ~!」

 

シルト&空&美海「おー!」

 

ソフィーナ「その前に朝ご飯は食べときなさい。」

 

明日翔「あ、はいぃ…わかりましたお母さま。」

 

ソフィーナ「だれがお母さまですって?」ジトー

 

明日翔「いやな~んでもありません。ええ。」

 

~昼・青空寮・練習アリーナ~

 

明日翔「いくぜ、セニア!」

 

セニア「エクシード…リンク!」ビリリッ「目標を粉砕します。」ズバババン

 

改めてリンクやエクシードを見てもらう。実際にリンクを行い的を破壊する。

 

シルト「わぁ~!すっごい威力!」

 

歌右衛門「見れば見るほどわからぬからくりだ…自然の力とは思えん。」

 

セニア「これがエクシード・リンクです。」シュウゥ…

 

シルト「攻撃も防御もパワーアップしてくれるんでしょ?αドライバーってすごいんだね!」

 

セニア「明日翔及びその周りは特別です。今まで、私とリンクできたαドライバーはいませんでした。」

 

シルト「早く私もやってみたいよー。エクシード・リンク!って。」

 

ソフィーナ「ふふ、そうね。そのためには、まずエクシードを使ってもらわないといけないけれど。」

 

シルト「むむむ…昨日の美海とか、今のセニアみたいなのを、私が出せればいいんでしょ?」

 

空「シルトさん!頑張ってください!」

 

美海「大丈夫?やり方とかわかる?」

 

シルト「んー、やってみる!お侍さん!見ててね!」

 

歌右衛門「うむ。この目で見届けよう。」

 

シルト「じゃあ行きまーす!」「…エクシードって、どうやったら使えるの?」

 

シーン…

 

歌右衛門以外ズコーーーッ!!!!!

 

空「そ、そうですよね。そこからですよね…。」「でも心配ご無用です!ここにはすごいプログレスの先輩たちがそろってますから!ね!皆さん?」

 

ソフィーナ「…私はそんな初歩的なこと、意識したことないわね。」

 

セニア「わたしはブルーミングバトル用に開発されたアンドロイドなので、歩くのと変わらない感覚です。」

 

美海「うーん…なんとなく力を入れたら使える感じかな。」

 

明日翔「あはぁ~あ」ガックリ「それじゃあなぁ~んも参考にならんでしょうが。」

 

空「仕方がありません、ではわたくしが…」ペラペラ…

 

空が教えているとソフィーナが耳打ちしてきた。

 

ソフィーナ「…ねぇ、明日翔。」コソコソ

 

明日翔「おん?どした?」コソコソ

 

ソフィーナ「…あの侍、なんなの?急に首突っ込んでくるじゃない。…わりとシルトがなついちゃってるし。」コソコソ

 

明日翔「俺の知り合いよ。たまたま保護した時一緒でさ、関わった以上最後まで面倒見たいんだってよ。」コソコソ

 

ソフィーナ「…まったく、貴方の知り合いは変なのばっかりね。」コソコソ

 

明日翔「ははは、ごもっともです…。」コソコソ

 

空の授業が終わったがシルトは難しそうな顔を押している。

 

シルト「むぅ~…なんだか難しそう~…。」

 

歌右衛門「娘よ。我が話も聞いてみよ。」「この世ありとあらゆる存在には命がある、これは自然の摂理と言うものだ。…すまぬ、的を出していただけるか。」

 

セニアは歌右衛門の前に的を出す。

 

歌右衛門「攻撃とは命の命のぶつかり合いと考えよ。今目の前にある命と我が斬撃という命を生み出しぶつけるっ!!!でやぁっ!!!」ジャキッ!!「今、我は斬撃という命を生み出し目の前の命に打ち勝った。」チンッ

 

目の前の的は横一直線、一寸狂いなく斬れ床に落ちる。

 

セニア「…。」ヒョイ「…ミリどころかマイクロ単位でズレておりません、斬り口に関しても並大抵の刃物では維持できないほどのものです。」

 

ソフィーナ「…ほんっと貴方の知り合いは変なのばかりね…。」ジトッ

 

明日翔「そこは素直に褒めちゃくれないのね。」

 

歌右衛門「娘よ、そのえくしーどとやら。使うと考えてはいかん、生み出すと考えるのだ。攻撃にも命は宿る。我なりの感覚は伝えた、実践してみよ。」

 

シルト「お侍さん!ありがとうー!チャレンジしてみる!」「命を…生み出す…生み出す…。明日翔、いいよ!」

 

明日翔「あ~んな話でホントに掴めたのか?」「じゃあ…いくぜ?」

 

シルト「エクシード・リンクー!」ビリリッ

 

力のつながりを感じると同時に、シルトの手から眩い光が放たれる。

 

シルト(命を…この手に生み出す!)ピカー

 

歌右衛門「!あ、あれは…!」

 

光が収まるとシルトの手に、植物の装飾が施された細身の剣が顕現していた。

 

歌右衛門(あれは…まさしく私が追い求めていた自然の力ぁっ…!!!このお方は自然の理解者であるというのかぁっ…!!!植物という自然に愛されなければ使うことのできぬ力ぁっ…!)

 

シルト「これが…私の力?」キラキラ

 

空「シルトさん、すごい!かっこいいです!」パチパチ

 

セニア「武装形成型のエクシード…緑の世界のプログレスが有しているエクシードの形態です。」

 

美海「やっぱり、シルトちゃんは緑の世界のプログレスだったんだね。」

 

ソフィーナ「それも、緑の世界の源流に近いエクシードね。植物の要素が強い特徴があるのが、その証拠よ。」

 

明日翔「…ほお、そりゃつまり─」

 

ソフィーナ「緑の世界でも珍しいエクシードのはず、ということね。」

 

なるほど、筋書きが読めてきたな…。シルト・リーヴァリンゲン、こいつぁ一癖も二癖もある娘だぜ。

 

シルト「お侍さん!できたよー!…あれ?」

 

歌右衛門「あ…かっ…」カランカラン

 

歌右衛門は明らかに動揺していて持っていた刀を床に落としてしまう。

 

明日翔「どうしたんだ歌右衛門、ブルブル震えちまってるぜ?」

 

歌右衛門「さ…さ…先ほどまでのご無礼!お許し願いたい!」ドゲザー

 

歌右衛門はシルトに対し人目を憚らず土下座する。

 

空「あ、あの…歌右衛門さん…急に何を…」

 

歌右衛門「手前!生国は日本国、近畿古の都の国、京都でございます!姓は中村、名は松詠!現在あらくれものを演じる身として修業を重ねていた半人前がひとりでございます!」「シルト殿!どうかシルト殿を師と仰がせていただくことはできぬでしょうか!」「演じることとは自分の身に命を吹き込むこと!自然を理解されている貴女ならばその心理に近づくことができる!どうか…どうか!!」ゴンゴン

 

何度も床に頭をついて懇願する歌右衛門。

 

シルト「うーん…いいよ!わたしにエクシードの使い方を教えてくれたし!」「今の私にはその…自然の理解っていうの、わからないけど何かの力になれたらいいな!」

 

歌右衛門「ありがとうございます!師匠!」

 

シルト「顔をあげてよぉ~!」アセアセ「これからは松詠って呼ぶね!よろしくね!松詠!」

 

歌右衛門「はい。よろしくお頼み申します。」スッ

 

歌右衛門は立ち上がる。

 

ソフィーナ「…役者さんの弟子入りは終わったかしら。」

 

明日翔「よ~し、プログレスであることもわかったし。忘れねぇうちに実践経験といこうや!」

 

空「ええっ!?」

 

明日翔「もちろんバチバチにやろうってんじゃあねぇよ?どんな時にどう使えばいいか知る必要があるだろ?いわゆるチュートリアルってやつさ。」

 

ソフィーナ「あら、いい考えね。私もシルトのエクシードには興味があるわ。」「私は美海と組ませてもらおうかしら。セニアと空、明日翔はシルトのチームね。」

 

セニア「わかりました。エクシードのポテンシャルは、実戦形式の方が測りやすいとのデータもあります。」

 

空「ソフィーナさんに…セニアさんまで!

?」

 

明日翔「こいつぁまた骨が折れそうだぜ。シルト!やるぞ。」

 

歌右衛門「まて!明日の字!」

 

明日翔「歌右衛門?どうしたよ急に。」

 

歌右衛門「その役目、我にやらせてはくれぬだろうか!?」

 

明日翔「歌右衛門、お前はαドライバーじゃないんだぜ?大体リンクできるかもわからないだろ?」

 

歌右衛門「頼む…!どうしても師匠の役に立ちたいのだ…!」

 

周りをチラ見するとシルト以外はヤレヤレといった反応だ。

 

明日翔「まったくお前は本当に日本人だよ。」ガックリ「シルト、空、セニア…申し訳ないけどあいつと組んでくれ。俺はあっち。」トボトボ

 

歌右衛門「かたじけない…。師匠、よろしくお願いします。」

 

シルト「いいよー!よろしくねー!」ニコニコ

 

ソフィーナ「…あれで大丈夫かしら。」ジト

 

美海「あはは…忠誠心が強いんだね…。」ニガワライ

 

明日翔「わりぃな、ああなると頑固なんだ。」

 

ソフィーナ「…ほんっとうに貴方の知り合いは変なのばっかりね、こんなこと言う義理はないけれど友人関係は見直した方がいいわよ。」

 

明日翔「あんなんでも俺の仲間なんだ。怒らせると怖いけど頼りになるんだぜ?」

 

シルト「早速わたしが教える番だね!リンクの方法はー…」「生み出した命を、つなげることだよ!」

 

歌右衛門「承知いたした…」「我が命…師匠に捧げる!」ビリリッ

 

シルト「松詠!成功だよ!」ビリリッ「エクシード・リンクー!」

 

美海「すごい、普通は苦戦するリンクを一発で…」

 

明日翔「だろぉ?俺の仲間だぜ?こんぐらいできなきゃあなぁ?」

 

ソフィーナ「…心配は無用だったわね。」「すこしは楽しませてもらおうかしら?」

 

美海「じゃあ、シルトちゃんたち。準備はできた?」「ブルーミングバトル~!開始~!」

 

こうしてシルトのエクシードを確認しつつ、実戦経験を積んでもらった。さて…夜は…アイツらと話し合おう。

 

~夜・城琉のアジト~

 

ウロボロス退治をいち早く終え、城琉のアジトに歌右衛門と合流する。

 

明日翔「…ってことがあってよ?城琉、笑っちまうよなぁ。」

 

城琉「ははは、年の瀬もいかねぇ小娘に弟子入りか。よもやあらくれものがな。」

 

歌右衛門「貴様ら、師匠を愚弄する気か!?」

 

明日翔「待て待て、落ち着けよ。」「しかしこうして三人で話すのもいつぶりだ?2年ぐらい前か。」

 

歌右衛門「左様だ、時間の流れは早い。」

 

城琉「数えたくねぇなぁ。」

 

明日翔「2年前を最後にお前は後を継いだんだよな。歌右衛門、またこうして仕事ができるなんてな。」

 

歌右衛門「人生など、わからぬものよ。」

 

軽く昔話をしたところで本題に戻る。

 

明日翔「とりあえずシルトの実力はなんとなく分かった。これで生徒会に大旗振って学園に在籍させることができる、プログレスの証明はできるしな。」

 

城琉「しかし…色々匂う点もあるな。記憶がねぇのもそうだがこいつぁ本来グリューネシルトの山だ、こいつぁちぃとばかし難儀な議題になりそうだぜ。」「いくらあの女神でも緑の世界…つまるところグリューネシルトに干渉すんのはかなりリスキーだ。あの女がそう簡単に首を縦に振るかね?」

 

明日翔「振らせるしかねぇだろ、安心しろぉ、あいつなら俺がどうにかすっから。」

 

歌右衛門「頼むぞ、明日の字。こればかりはお主が頼りなのだ。」

 

明日翔「任せなって、交渉には自信があるんだ。」「俺が引っかかるのはグリューネシルトのどいつが追ってるかなんだ。城琉、もしかしたらこのヤマ、お前の─」

 

コツ…コツ…

 

話をしていると足音が聞こえる。

 

コツ…コツ…

 

明日翔「シッ、音がするぜ。」チャキッ

 

コツ…コツ…

 

城琉「…招かれざる客人ってやつか。」チャキッ

 

コツ…コツ…

 

歌右衛門「明日の字と竜の字は左右を、我は正面を陣取る。」シャキ…

 

それぞれ陣形を組み武器を構え招かれざる客人を待つ。

 

コツ・・・コツ・・・

 

足音が止まった。客人の動きを待つ。

 

???「そんな警戒しないで。武器を、降ろしてくれないかな?」

 

城琉「聞き覚えのある声だな…まさか。」

 

俺たちは武器を降ろし、ドアを開ける。

 

明日翔「お前は…。」

 

ミコト「やぁ。昨日ぶりだね…君の家はここだったかな?」

 

ミコトが微笑みつつ仁王立ちして立っていた。

 

明日翔「ヒメガミ…。お前どうしてここが?」

 

ミコト「三人の太くて堅くも奇妙な縁がみえてね、気になってきてみたの。…それで。」スタスタ

 

部屋の中に入ってソファーに腰かけると。

 

ミコト「どんな、話をしていたか聞かせてくれるかな?」

 




俺たちはシルトの滞在許可を取るべく赤の世界へ!でもざ~んねん、この話は全部昨日洗いざらい話しちまったのよ、許可がとれたかどうかはお楽しみ。
久々にソフィーナと話す時間もとれたし今までの振り返りがてら紅茶をたしなみつつ話でもすっかぁ!

次回「黒魔女の右腕の未来」

また会おうぜ。
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