怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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残せた者たちの未来

~4月20日・黒の世界・黒枢城城門前~

 

ソフィーナ「ちょっと美海!それに皆も!一体どういうつもり!?」

 

美海「どうもこうもないよ。ソフィーナちゃんがいなくなるのなんて、絶対ダメだよ。」

 

ソフィーナ「だからって言って、さっき言ってた敵はなんなのよ。今まで聞いたこともないわよ?」

 

明日翔「そりゃあおめぇよ、言ってなかったからな。なんてたってそいつが出てきやがったのは今月からだし。」

 

ソフィーナ「……合点がいったわ。明日翔と空が毎晩、出かけていたのはそういうわけだったのね。」

 

明日翔「ま、そーゆーこった。」

 

ソフィーナ「どういうつもりで私たちに隠していたのかは聞かないけど…結果的にそれが救いの手になりそうね。」「その…わざわざ助けに来てくれて、ありがとう。」

 

美海「ほんとだよー!あんな話だなんて本当にびっくりしたんだから!」

 

空「そうですよ!ソフィーナさんが忙しくしてる間、寮もすごく寂しくなっちゃいましたし!」

 

セニア「新歓戦の頃の方が、明日翔の笑顔が多かったと思います。」

 

シルト「わたしのことも、色々感謝してるよー。つまり、皆ソフィーナが大好きってことなんだね。」

 

美海「何があっても、私の代わりに犠牲になるなんて、ダメだからね。」

 

ソフィーナ「そっくりそのまま返してあげる。なんとしてもこのチャンスはモノにするわよ。」「貴女たち…本当に馬鹿ね。信じられないくらいの馬鹿だわ。」

 

明日翔「むほほほ。馬鹿はお互い様だろうよ、友人のために命賭けれる馬鹿はよ。」「お前から貰った恩は、ここで返すぜ。」

 

ソフィーナ「それで、その敵の居所は目星がついてるの?危険な相手なんでしょう?」

 

ユーフィリア「はい。ですが、ソフィーナさんが力を貸してくれるなら、勝算は十分に。」

 

シルト「……わたしも、一緒に戦うよ。」「わたし、青空寮が好きだもん。わたしも役に立ちたい。」

 

空「シルトさん…!」

 

明日翔「さぁこれで役者は揃った!いっちょ奴らをぶっとばしにいこうぜ!」

 

美海「うん!みんなで、この世界を救おう!」

 

空「じゃあ、帰りましょう!私たちの、青空寮へ!」

 

~夜・青の世界・青空寮~

 

明日翔「た~だいま~!」

 

空「おかえりなさーいっ!ってみんなもでした。」

 

ソフィーナ「……帰ってこられると思っていなかったから、不思議な気分だわ。」

 

美海「えへへ、おかえり。ソフィーナちゃん。」

 

ソフィーナ「まだ、ずっといられると決まった訳じゃないわ。」「聞かせてもらいましょうか、エクストラを保持している『敵』とやらについて。」

 

明日翔「おし、まずはどんなやつかについてだ。お前らちゃんとついてこいよ?」

 

~説明中~

 

明日翔「…というわけで、この一ヶ月を閉じ込めたやつがものすごーく強くてエクストラがたくさんあると踏んでるって訳だ。」

 

ソフィーナ「ウロボロス…聞いた後でも信じられないわね。そんな存在が次元の狭間に潜伏してるなんて。」「でも信じないわけにはいかないわね。明日翔、空、生徒会長が目撃者だっていうのなら。」

 

美海「でも、同じ日が繰り返されてるなんて…そんなの、全然気が付かなかったよ。」

 

明日翔「そりゃそうだわな。1日が終わったらその日の記憶ぜーんぶなくなってんだもんよ。」

 

ソフィーナ「それで、相手の特徴は?」

 

明日翔「た~くさん。全部言えと言われたら小一時間はかかる。」

 

ソフィーナ「…これは、見た方が早そうね。」

 

明日翔「そゆこと。」

 

シルト「え?どうするの?」

 

ソフィーナ「ウロボロスは夜に現れるんでしょう?だったら、決まってるじゃない。これから皆で、そいつの顔を拝みにいくのよ。」

 

セニア「なるほど。口頭での情報伝達のみでは、具体的な敵戦力の分析には不十分ですからね。」

 

空「えっ、い、今からみんなで、ですかぁ!?」

 

ソフィーナ「当然でしょ。ゆっくりしてる時間はないんだから。」

 

ミコト「ふふっ、にぎやかになってきたね。」

 

明日翔「当然だろ?ソフィーナがいれば動き方も違う。」

 

ソフィーナ「さぁ、貴女たちも準備をしなさい。雑魚を倒して、それから大物対策を考えるわよ。ほら、すぐ!」パンパン!!

 

空「は、はいぃ~~~~!」ドタバタドタバタ

 

美海「あははっ。頼りにしてるよ、ソフィーナちゃん!」

 

明日翔「お~し、俺らもいっちょう助けに…あれ?」

 

振り返ると城琉が椅子に座って頬を冷やしていて歌右衛門が介抱している。

 

明日翔「どしたの城琉っちゃん、これからってときによ?」

 

城琉「…歯が痛いんだ。」

 

明日翔「歯ァ?おめぇまだ虫歯治してなかったんかよ。」

 

城琉「…すまねぇが数日はパスさせてくれ、医者にいってくる。」

 

歌右衛門「我は竜の字を監視する。すまぬが、明日の字。自分で何とかしてくれ。」

 

明日翔「はぁ~あ…歯が痛くて銃が撃てないガンマンなんて、皆に笑われちまぁ。」

 

城琉「うるせぇ。」

 

とりあえず青空寮のメンバー全員でウロボロスを退治しに向かった、人が多いからかやはりスムーズに倒すことができた。明日はこのメンバーをどう使うかを考えなきゃあな。

 

~4月21日・朝・青空寮~

 

翌日、ウロボロスを解析し確認するため関係者が青空寮に集まる。ちなみに俺の仲間は歯医者にいったらしい。

 

ソフィーナ「ウロボロスの存在は確認できた。αドライバーがいないと戦えないっていう特殊性も理解できた。エクストラを蓄積してることも、昨日のウロボロスを調べた結果、間違いないことがわかったわ。」

 

ユーフィリア「よかったです。これで私のいっていたことが嘘ではないことがわかってもらえたでしょうか?」

 

ソフィーナ「理屈の上ではね。そもそも、嘘だったりしたら貴女のことを消し炭にしてたところだけれど。」

 

空「あのぉ…。そもそも『エクストラ』って何ですか?なぜそれで『紅き月』を修復できるっていうお話になっているのか、私はついていけていないんですが…。」

 

美海「私もはじめて聞いた言葉なんだけど、授業で習ってないよね?」

 

セニア「はい、わたしのメモリにも記録されていません。安心してください、美海の居眠りとは無関係です。」

 

美海「よかった~!お話がするくる進むから、常識のはなしなのかと思って聞けなかったよ~!」

 

ミコト「知らなくても当然だよ。エクストラの存在は、各世界でも一部の人しか知らないものだから。」

 

ソフィーナ「明日翔、貴方なら知ってるでしょ?説明してくれないかしら。」

 

明日翔「俺か?実は俺もしらねンだわ。」

 

ソフィーナ「え?」

 

明日翔「あ?」

 

………………………。

 

ソフィーナズコーーーッ!!!

 

ソフィーナ「馬鹿じゃないの貴方!何も知らないのに魔女王様にあんな啖呵を切ったわけ!?!?」

 

明日翔「おいおい、交渉のハッタリってのはこう言うことに使うもんだぜ?」

 

ソフィーナ「とほほ…。」ガックリ「…エクストラっていうのは、世界接続の後に発見されたエネルギーのことよ。」

 

空「世界接続の後に発見された…?いきなり、現れた未知のエネルギーってことですか?」

 

ソフィーナ「実はそうでもないのよ。今まで見つかっていなかったのは、エクストラがそれぞれの世界に別の世界で存在していたからなの。」

 

明日翔「ほーん…てこたぁよ、話の流れから察するに黒の世界ではエクストラは魔力になる。ってこったな?」

 

ソフィーナ「あら、もう気がついたの?流石といったところね。その通り、エクストラは黒の世界では魔力として存在しているの。」

 

ミコト「各世界固有のエネルギーになる前の状態が、エクストラと呼ばれるものの正体というわけだね。」

 

空「えーっと…つまり…。」グニャグニャ

 

明日翔「まぁ、お金みたいなもんよ。日本円がエクストラだとしたらアメリカじゃドルになるしヨーロッパではユーロ、みたいなな?」

 

ミコト「大まか、その認識で問題ないかな。このエクストラは、青の世界でのみ元の姿で存在できる。…とはいっても為替差みたいなものはないけどね。」

 

ソフィーナ「世界接続のあとで、他の世界都の違いの研究が進むなか、その存在が『発見』されたというわけ。」

 

空「なるほど……だから『大量のエクストラ』は、『大量の魔力』と言い換えることができるんですね。」

 

ミコト「そういうこと。わかってもらえたかな?」

 

ソフィーナ「まぁ、とにかく重要なことは…」

 

ユーフィリア「上位個体を倒せば誰かを犠牲にしなくてすむと魔女王に宣言したことが、事実と言うことです。」

 

ソフィーナ「それで、その肝心の上位個体とやらはどこにいるの?昨日の口ぶりだと、居場所はわかっているのよね?」

 

ユーフィリア「はい、明日翔さんと空さんのお陰で。ですが、戦闘は明日にならないと不可能です。」

 

ソフィーナ「どうしてよ?潜伏場所がわかってるなら、さっさとケリをつければいいじゃない。」

 

ユーフィリア「潜伏してるのが『明日』だからです。」

 

すこしソフィーナは考えたあと、納得した顔を見せた。

 

ソフィーナ「……理解したわ。時間の狭間に潜伏してるってのは、明日にならないと接触できないって意味なのね。一体、そんな存在を貴女がどうやって探知しているのかは気になるところだけど……?」

 

ユーフィリア「企業秘密です♪」

 

空&美海「???」

 

二人は話についていけてないようだ。

 

ソフィーナ「今日のところは、それで引き下がってあげるわ。貴女には借りができることになりそうだしね。」

 

空「それなら、明日に向けてバトルの練習をしませんか?みなさん、同じチームになったことはないですよね?」

 

美海「空ちゃん、ナイスアイデア!E.V.E.の練習にもなるし、一石二鳥だね!」

 

ソフィーナ「美海…バトルの練習には賛成だけれど、それとE.V.E.になんの関係があるのよ?貴女は出場しないでしょう?」

 

ミコト「ああ、私が誘ったの。E.V.E.本戦の方じゃなくて選抜戦のチームにね。」

 

美海「なんと、相手はE.V.E.本戦の優勝チームなんだって。」

 

ソフィーナ「…。」「…はぁ!?ヒメガミノミコト、貴女また自分の興味だけでそういうことを…。明日翔、貴方がαドライバーなんでしょ?チームの枠は?」

 

明日翔「どれどれ…。おー!丁度黒魔女が入るのにピッタリのポジションがあるんだ!」

 

ソフィーナ「そう。なら、一連の問題が無事解決した暁には、私も入ってもいいかしら?」

 

空「ソフィーナさん…!」

 

ソフィーナ「貴方との新歓戦の約束、破ってしまったもの。これで埋め合わせをさせてちょうだい。」

 

美海「もちろん、大歓迎だよ!」ムギュー

 

ソフィーナに抱きつく。

 

ソフィーナ「ちょっ………美海、抱きつかないでっ。私は明日翔に聞いてるんだけど!?」

 

美海「えへへ~。いいじゃーん。」スリスリ

 

セニア「…アリーナの使用申請、完了しました。明日翔、いきましょう。」

 

明日翔「気が利くなぁ、セニア。じゃあ、事前練習といこうか。」

 

美海「あっ、待ってよ~!私たちも一緒に行くから置いてかないで~!」

 

ソフィーナ「待ちなさ~い!」

 

~練習アリーナ~

 

明日翔「さぁ~て、俺たちが考えたとっておきの作戦を伝える!」

 

ユーフィリア「明日戦う上位個体は、高い戦闘力を有します。そのため、小さなミスでも危険を招きます。このリスクを防ぐため、基本はツーマンセルで行動来てください。」

 

美海「つまり、二人編成で3チームに別れるってこと?」

 

ユーフィリア「はい。まず、私と美海さん。私たちは前衛です。足止めをしながら、ダメージを与えるのが役割です。」

 

美海「うん、りょーかい!」

 

ユーフィリア「次に、ソフィーナさんとセニアさん。後衛として、大火力で攻撃してください。うまく私たちの隙を消してくれると助かります。」

 

セニア「わかりました。得意分野なので任せてください。」

 

ソフィーナ「ま、美海の動きに会わせられるのは私くらいでしょうね。」

 

ユーフィリア「それから、空さんとシルトさん。お二人は全体支援と明日翔さんたちの護衛です。何かあったらおしまいですから。」

 

空「はい!この命に代えましても!」

 

シルト「それは代えたらダメじゃないかな…?」

 

ユーフィリア「あと…ヒメガミノミコトさんと明日翔さん。全体の指揮をとりつつ崩れたチームのカバーをお願いします。これは、広い視野で冷静に状況判断ができるあなた方にしかお願いできません。各チームの攻撃時にリンクを。」

 

ミコト「うん、適材適所だね。任された。リンクは頼んだよ?」

 

明日翔「任せな。」

 

ユーフィリア「本当だったらαドライバー同士で組ませたかったのですが…予定してた本人は歯が痛いと。歯のお手入れはしっかりしてほしいものです。」

 

明日翔「全くだ。」

 

ユーフィリア「それにともない歌右衛門さんもいません。師弟同士シルトさんと組ませたら攻撃と支援の両立もできますし明日翔さんの負担も減るのですが…致し方ありません。」

 

明日翔「ま、いねぇやつの文句いったってしょうがねぇや。じゃあ、今度は動きの確認だぁ!」

 

ローテーションしながらフォーメーション、立ち回りなど確認しながら各々の特性を確認していく。 その中でも、美海とソフィーナの連携力は凄まじいものだった。並大抵で合わせられるものではない。

 

 

美海「ソフィーナちゃん、今!……ってわぁ!」

 

ソフィーナ「いちいち言わなくても大丈夫よ。私が合わせてあげるから、思い切り動きなさい。チームは組んだことはなくても、今まで何回貴女と戦ってきたと思ってるの?」

 

美海「………うん、わかった!ソフィーナちゃんこそ、ちゃんとついてきてね!」

 

これを遠巻きに見つめる。

 

空「美海さんとソフィーナさんのコンビネーション、すごいですねっ。」

 

シルト「うん。二人とも、お互いの考えてることがわかってるみたい。」

 

ユーフィリア「まさにベストパートナーですね。黒の世界から連れ戻せて、本当によかったです。」

 

セニア「ユーフィリア。それを言うなら、貴方の行動精度も異常と言わざるを得ません。」

 

ユーフィリア「えっ、私ですか?」

 

セニア「先ほどの連携時、あなたは私の戦術予想と完全に一致した行動をしていました。データリンクでもしていなければ不可能な制度です。あるいは、未来でも見えてない限りは。」「あなたはいったい、何者なのですか?」

 

ユーフィリア「…それはいずれ、きちんとお話しします。まずは明日の戦いに集中しましょう。」

 

セニア「……わかりました。あなたの性能は興味深いです。見たことがない技術なのに、まるで知っているような気がします。」

 

ユーフィリア「ふふ、そうですか?もしかしたら私たち、相性が良いのかもしれませんね。」

 

セニア「少なくとも戦闘面においては、そのようです。」

 

明日翔「お~いアンドロイドのお二人さん!作戦会議だぁ!」

 

ユーフィリア「は~い!ただいま!」スタスタ

 

二人床に座って話をする。

 

明日翔「お~し、お前らを読んだ理由は敵にとある性質があるところにあるんだ。心して聞いてくれ?」

 

セニア「霧化するウロボロス…その他に何か性質が?」

 

明日翔「こんのウロボロスちゃんがよ?どういうわけか白の世界特有のエクシードのシステムに異常を発生させる性質があんだわ。いわゆる『電磁パルス』みたいなやつよ。」

 

セニア「ジャミング…ということですか?それは…困りましたね。ブルム・エクス・マキナの通信エラーは普通は起こりませんから、相当のジャミングと予想します。」

 

明日翔「あいつらの時の流れを止める能力と同じようなもんなんだろうなぁ。これを今から対策するのはちょっち厳しいもんがある、ってことで今からどうすっか考えるってわけだ。」

 

ユーフィリア「システムエラー…ですか…。」

 

一同「うーん…。」

 

セニア「…!」ピコーン「…明日翔、ひとつ案が浮かびました。この対策について、任せてくれませんか?」

 

明日翔「ほう、いいね。ほんじゃお前に任せるわ。」

 

セニア「明日翔、これだけの人数とリンクするのは初めてのはず。体調に変化はないですか?」

 

明日翔「おん?大丈夫さ、この通りピーンピンしてる。」

 

セニア「そうですか、それはよかったです。」「いよいよ、明日が本番です。緊張されてますか?」

 

明日翔「何が起こるかわかんねぇからなぁ?ま、大丈夫だろ?なんてったって、お前たちがいるんだからな?」

 

セニア「信じてもらえて嬉しいです。」「…あなたの言葉を聞いて、わたしも心の準備が整いました。戦闘に乱数は付き物です。油断せずにいきましょう。」「明日翔。あなたはわたしが必ず守ります。ですから、私たちを支えてください。」

 

明日翔「もちろん。100%支援でお送りするぜ。」

 

セニア「何があっても、あなたのことを信じています。よろしくお願いします。」「ユーフィリア、もう少し動きを固めましょう。」スタスタ

 

ユーフィリア「はい♪」スタスタ

明日翔「ま、あいつらなら大丈夫だろ…。」

 

ミコト「明日翔、お疲れ様。」

 

ミコトが隣に座ってきた。

 

明日翔「ミコト。」

 

ミコト「キミが選んだメンバーはさすがだね。正直、ここまでとは思わなかったよ。」「ソフィーナのあれは、美海の動きをよく理解しているなんてものじゃあない。美海がもっとも動きやすいよう最善手をうち続けられるなんて、正直異常だよ。」

 

明日翔「まぁ、お互い一番そばでみてる相手だろうしなぁ。動きなんて誰よりも知り尽くしてるんだろうよ。」

 

ミコト「これは、選抜選も本当に楽しみだね。」

 

明日翔「ウロボロスってのも、控えてるけどな?」

 

ミコト「あはは、分かってるよ。…実は、前から一度見てみたかったんだよ。あの二人が組むところを。」

 

明日翔「ドリームタッグって奴だな。最高に面白い大会になるぜ?」

 

ミコト「そうなるといいなぁ、いや…そうなるよね。きっと。」

 

しばし静寂が訪れる。

ミコト「…明日のこと、心配だったりする?」

 

明日翔「あ?何も心配してねぇさ、むしろこいつらがいたらなんでもできる気がするぜ。」

 

ミコト「そっか。…私はちょっと不安だったんだ。…目の前で惨劇が起こるのを見てるから。」「でも、『今』ここにいるみんなの姿と、キミに繋がる縁の強さを見て確信したよ。明日翔だけじゃない、彼女たちが結んでいる縁は強い。今まで見たことがないほどに。」「だから明日翔。キミは、チームのαドライバーとしてどーんと構えていてほしい。彼女強さは、キミが誰よりも知ってるでしょ?」

 

明日翔「おほほほ。そいつぁ愚問だぜ?そんなもん、一番よくわかってるさ。」

 

ミコト「そっか、そうだよね。…明日翔、信じてるから。私とキミの仲間を信じなさい。」

 

明日翔「へへっ。」グッ

 

サムズアップする。

 

ミコト「ふふ。」ニコッ

 

~数時間後・夜・青空寮~

 

ウロボロス退治の前、ユーフィに声をかけられる。

 

ユーフィリア「こんばんは。少しお話してもいいですか?」

 

明日翔「おん?セニアとシルトを待たせちまってんだ、手短に頼むぜ。」

 

ユーフィリア「はい。では端的に…明日翔さんが覚えている『4月22日』についてです。私のセラフィック・エンジンがエラーを起こしたのは確かなんですよね?」

 

明日翔「ああ、ヤツの霧で使えなくなってた。」

 

ユーフィリア「エクシードは、似た者はあっても、同一のものは存在しないと言われています。その中でも、私の時間跳躍のエクシードは、類似能力すら確認されていない極めて希少なもの…だというのに、明日翔さんは、22日で死ぬ寸前に19日に戻ってきた…。うーん…私にとっても、そのループは想定外の事象です。」

 

明日翔「どーせ地獄も天国も受け入れ先がねぇってんで現世に追い出されたのよ。ま、神様に助けられと思っておこうぜ?」

 

ユーフィリア「いずれにせよ、情報不足ですね。ともかく今は、神様に与えられたチャンスを前向きに考えるとします。現時点で考えられる、理想的なメンバーが協力してくれることになったんですから。」

 

明日翔「それもそうだな。…んじゃいくか?」

 

ユーフィリア「はい。行きましょう!」

 

明日飛「おっし!セニアにシルト~?いくわよ~?」

 

セニア「お待ちしておりました、すぐにいきましょう。」

 

シルト「待ってたよー!」

 

~数時間後~

 

セニア「排除完了、終わりです。」

 

シルト「ふー!お疲れさまー!」

 

明日翔「じゃあ、おうちに帰りましょー!」

 

セニア「待ってください、明日翔。」

 

明日翔「あ?どした、改まって。」

 

シルト「えっーと…実はね、教えてほしいことがあるんだ!」

 

~一方その頃~

 

城琉「麻酔を打ったところがまだ痛ぇ…。」

 

歌右衛門「竜の字、歯は自然に生えてくることはない。もっと大事にせよ。」

 

城琉「歯は磨いてんだよ。虫歯になる歯が悪い…隣の部屋で休んでくる。」

 

ピーンポーン

 

セニア「城琉、私です。入りますよ。」ガチャ

 

シルト「松詠~!最近構ってあげられなくてごめんね~?」

 

セニアとシルトが部屋に入る。

 

歌右衛門「師匠!お疲れさまです、師匠の御指南頂けるのであれば私歌右衛門、いつまでも待ちます。」

 

シルト「うん!実はね、松詠にお願いがあるんだ!」

 

歌右衛門「はっ、私でできることであれば何なりとお申し付けください。」

 

シルト「実はね、松詠に剣の使い方を教えてほしいんだ!」

 

歌右衛門「我が剣術を、ですか?」

 

シルト「そうなの!松詠の剣術があれば、私のできることがもっとひろがるんだ!…ダメかな?」

 

歌右衛門「いえ、私でよければ…ご指南させていただきます。明日までは短い時間ですので、少ない術しか教えられませんが…。」

 

シルト「わーい!ありがとねー!」

 

~~

 

セニア「…城琉、入りますよ。」ガチャ

 

城琉「…セニアか。」

 

セニア「歯の状態は、いかがですか?治りそうですか?」

 

城琉「歯は抜いた。しかしどうも抜いたところが痛くてな…明日もちと、戦力になれそうにねぇ。25日には、間に合うはずだ。」

 

セニア「そうですか、…実は折り入ってお願いがあります。」

 

城琉「なんだ?改まって、言ってみろ」

 

セニア「あなたの銃が、明日の敵を迎え撃つのに必要なものかもしれません。…少し貸していただくことはできないでしょうか…?」

 

城琉「…こいつは、おもちゃじゃねぇ。」チャキ「そう簡単に貸せるような道具じゃないのはわかってるよな?ちゃんと理由があんだろうな?」

 

セニア「…はい。」

 

城琉「… 撃ち方を教えてやる。理由は明日翔にでも聞いといてやろう。」

 

セニア「…ありがとうございます。」

 

そして翌日、運命の日…。

 

~4月22日・朝・黒の世界・黒枢城~

 

リゼリッタ「………魔女王様。」

 

ミルドレッド「リゼリッタか。どうした?」

 

リゼリッタ「ソフィーナから、例の魔物を発見したと言う連絡が、本日、交戦するそうです。」

 

ミルドレッド「そうか、彼奴らのお手並み拝見だな。エクストラの貯蔵量から言えば、相当の難敵だろう。」

 

リゼリッタ「『紅き月』の状態は、大丈夫なのですか?」

 

ミルドレッド「うん?まぁ数日は持つだろう。あれのことは私が一番よくわかっているからな。…気がついたらレオナルドに一本とられてしまったわけだが。」「ともかく、ウロボロスの首があるとなれば別だ。打倒が叶えば、私は片腕を、お前は友人「失わずにすむだろう。」

 

リゼリッタ「………もしかして、魔女王様はウロボロスがなんなのかご存じなのですか?」

 

ミルドレッド「知っているわけではない。が、識っている。」「ウロボロスとは5つの世界全ての滴だ。お前もいずれ見える相手ゆえ、覚えておけ。」

 

リゼリッタ「やはり、魔女王様は全てをその眼で見通されていたのですね。」

 

ミルドレッド「…そのはずだったのだがね。私が知覚できない、因果の書き換えが起こるとは…この世の果てまで見通しているつもりだったが…実に面白い。原因はあのアンドロイドか…それとも泥棒か。」

 

リゼリッタ「…魔女王様?」

 

ミルドレッド「今になって未知を感じることがあるとは思わなかった。長く生きて損はないな、せいぜい面白い結末を見せたまえ、ソフィーナ。そして…泥棒よ。」

 

~青の世界・生徒会長室~

 

明日翔「ぶえーっくしっ!」

 

空「先輩、どうしました?」

 

明日翔「くしゃみが出ちまったぜ、誰かに噂されちまったかなぁ?」

 

ソフィーナ「学園で一番注目されてるαドライバーなんだから、噂くらいはされるでしょう。シャキッとしなさい、シャキッと。戦いの生命線は貴方なんだからね?」

 

明日翔「はいっ!お母様!」

 

敬礼。

 

ソフィーナ「だれがお母様よ。」ジトッ

 

ユーフィリア「いざとなったら私のエクシードがありますから、無理はしないでくださいね。」

 

空「ユフィさん、あんまりフラグになりそうなことは言わない方が…。」

 

ミコト「みんな、もう少し緊張しているものかと思ったけど、思いの外リラックスしてるね?」

 

美海「緊張はしてるんだけど…ソフィーナちゃんや明日翔くんと友人たち、私の人生がかかってるんだもん。やるしかないよね。」

 

ソフィーナ「そうね。黒の世界がかかっている以上、魔女王も条件を曲げることはないでしょう。巻き込むことになって、みんなには申し訳ないけど…。」

 

空「違いますよ、ソフィーナさん。みんなでなんとかできるチャンスを得たんです!」

 

シルト「うん!一人でいなくなるよりは、ずっといいことだと思う!」

 

ユーフィリア「その通りです。それに、巻き込んだと言う意味では、私が皆さんを巻き込んだともいえますし。」

 

ソフィーナ「利害の一致…というわけね。」

 

セニア「目的も、成果も、全員が同じものを望んでいる…。」

 

明日翔「まるで運命共同体ってやつだな!」

 

美海「セニアちゃん、いいこと言う~!俄然やる気出てきたよ!」

 

セニア「わたしの認識を述べただけです。ですが、モチベーションに好影響を与えられたのなら、嬉しいです。」

 

明日翔「じゃあ…行くか!」

 

ソフィーナ「……よろしくね。みんな。」

 

~夜・中央アリーナ~

 

『前回』と同じ場所に同じ時間。しかし、集まっているのは異なるメンツ。

 

ユーフィリア「皆さん、準備はよろしいですね…?」「…エクシード・リンク!」ザクッ!!!!

 

ユーフィリアが力を込めるのと同時に、一直線にエクシードが放たれ『あの時』とおなじように、何もない空間に亀裂が走る。

 

ユーフィリア「…きますっ!!!」

 

次元の亀裂から霧が現れ巨大なウロボロスの形をなす。

 

霧のウロボロス「ギュオオオオ…。」

 

シルト「ひっ……!」

 

ソフィーナ「あれが……」

 

美海「ウロボロス…!」

 

霧のウロボロス「ギュオオオオ…。」ドスン…ドスン…

 

ゆっくりと間合いをとってくる、こいつも『あの時』を覚えてる口か。

 

ミコト「ヤツが…明日翔と…空を…。」

 

空「『前回』はいっぱいいっぱいでどうすればいいかわからなかったですけど…『今回』はちょっと落ち着いてる分、ものすごく強そうに見えますね。先輩っ。」

 

ユーフィリア「予想の範囲内ではありますが、『こうあって欲しくなかった』ですね…。」

 

ソフィーナ「どんな相手でも、今、私たちがやることは変わらないわ。」

 

美海「うん!あれと戦って倒す!それだけだよ!」

 

空「ソフィーナさん!美海さん!」

 

明日翔「お前ら!泣いても笑っても命のかかった戦いが始まるぜ?覚悟はいいよな?」「…さぁ、第2ラウンドだ!」

 

ユーフィリア「戦闘開始ですっ!!!!」

 




ウロボロス…やっぱけた違いに強すぎんぜ、だけっどもよ?あんときの俺たちとはちがうんだなぁ?青空寮のメンバーの絆と努力、無駄じゃなかったってこと、ここで見せつけてやろうぜ?

次回「青空のように輝く絆」

不思議と負ける気が、しねぇな?
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