怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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愛すべき日常

~4月26日・昼・青空寮~

 

昼休み直前。昨日、俺たちは死闘を繰り広げてクタクタだってのに教室にはただならぬ雰囲気が立ち込めていた。

誰もが、授業が終わる瞬間…その合図を見計らい全員が突撃してきた。

 

テオドーチェ「明日翔!選抜戦になんで会長参加してたのだ!?」

 

シンシア「あの会長の愛人という噂について、釈明を。」

 

ルルーナ「あの小さい子って統合軍の子?私、見たことないんだけどー?」

 

明日翔「おいおい、質問は一人一回順番に頼むぜ?俺ぁ聖徳太子じゃねぇんだぞ?」

 

選抜戦に勝利して、初めての登校。俺たちのE.V.E.の活躍は大々的に報道され噂に色々脚色がついている。

 

美海「通りまーす、通りまーす!明日翔くんはこれからお昼ごはんでーす!通してくださーい!」

 

人々を掻き分ける。

 

ルルーナ「じゃ美海でいっか。あのさー、どういう流れで選抜戦に出ることになったの?てゆーか強くなかった?」

 

美海「うぇ!?それは私から勝手には答えづらいっていうか…。」

 

ソフィーナ「ちょっと、そこを通してもらえるかしら。そもそも私、二人とランチの約束が…。」

 

アルマリア「ソフィーナ先輩!新歓戦で私と組むのを棄権して、選抜戦に出場したのはどういうことなんですか!?」

 

ソフィーナ「アルマリア!?貴女、違う学年なのにどうしてチャイム直前にこのクラスにいるのよ!?」

 

セニア「仕方ありません。ここは私が引き受けましょう。スモーク、投下。」ポイ

 

カレン「させません。」「空間歪曲フィールド展開、弾頭を消去します。」ピリピリッ

 

辺りに電磁波が展開されスモークは生滅する。

 

セニア「カレン、なぜここに。密集空間内でのあなたのエクシードの使用は、非常に危険ですよ。」

 

カレン「そんなことはどうでもいいのです!セニアはいつになったらラボに帰ってくるのですか!?」プンプン

 

明日翔「救援が襲われちゃ意味ないっての…。」

 

シンシア「さぁ。」

 

テオドーチェ「答えるのだ!」

 

俺たち4人はジリジリと窓際に追い詰められる。

 

美海「明日翔くん、どうしよっか、これ…?」コソコソ

 

明日翔「…ん~…。」「逃げろぉ!」ガラッ

 

後ろの窓を開ける。

 

明日翔「残念でした、またどうぞ~!」ピョーン

 

美海「!まってよー!」ピョン

 

ソフィーナ「ちょっと!待ちなさい!」ピョン

 

窓から飛び降り、ベランダの柵に腕時計のワイヤーを射出して引っ掛け勢いを止めて着地する。

 

ソフィーナ「いやぁ~!」ポスッ

 

明日翔「あらこんにちは。」

 

落ちてきたソフィーナを受け止める。

 

美海「にゅっ!」フワフワ

 

セニア「降下成功です。」ピョンピョン

 

美海は検知されない程度に風の力を使い着地し、セニアは壁を伝って降りてきた。

 

明日翔「ほんじゃにげっぞ!」スタタタタ

 

走る。

 

クラスメイト達「卑怯だぞー!答えろー!」

 

明日翔「悔しかったら捕まえてみな。だけっどもよ、簡単には捕まらねぇぜ?あーばよー!」

 

美海「でもこれ、明日もこうなりそうだなぁ…。」

 

明日翔「そんときゃまた逃げりゃいいのよ、何ブームってのは過ぎるのは速いもんさ。それまで逃げ続けりゃあいい。」

 

ソフィーナ「いったいそれがいつになることやら…。」

 

セニア「ですが…悪くないですね、日常が戻ってきた感覚がします。」

 

明日翔「まぁ、それもそうだな。」「悪くねぇ。」

 

昨日までは連日死闘を繰り広げ、ようやく日常を取り戻せたんだ。これもひとつ、取り戻せたものってやつか。

ちなみにお昼は食べれなかった。

 

~数時間後・夕方・青空寮~

 

夕食時、青空寮の食卓には、普段よりも豪華な食事が並んでいた。

 

シルト「わー、ごちそうばっかり!食べていいの?」

 

ソフィーナ「ずいぶん豪勢ね。まさか美海、貴女、今日の昼食が食べられなかったからって…。」

 

空「違いますよ、ソフィーナさん。今日はソフィーナさんの『おかえり会』です!」

 

ソフィーナ「おかえり会…?」

 

美海「うん!ソフィーナちゃんが、ちゃんと青空寮に戻ってきたお祝い!みんなで企画したんだよ!」

 

ソフィーナ「喜んでくれるのは嬉しいんだけど、この前も祝勝会をしたばかりじゃない。」

 

美海「あのときは私たちが本当に大丈夫か、まだわかってなかったでしょ?」

 

ソフィーナ「…その割には貴女、あのときだいぶはしゃいでなかったかしら?」

 

美海「嬉しいことは、何度お祝いしたっていいじゃない。」

 

シルト「そうだよ!わたし、パーティー大好きだし!」

 

ソフィーナ「…。」「…まぁ、ダメとは言わないけど。」

 

目を閉じて少し間を空けて目を開け、見渡す。

 

ソフィーナ「…でもこの感じ、本当に青空寮に帰ってきたって実感が沸いてきたわ。」

 

明日翔「楽しそうでいいじゃねぇか、退屈よりましだろうよ。」

 

ソフィーナ「あら、他人事のようにいってるけれど、貴方も相当楽しそうに見えるわよ?」

 

明日翔「俺は騒がしいのが好きなんだ。」

 

ソフィーナ「ふふ、そうね。どっちかと言うと騒がす側だろうし。」

 

明日翔「わかってんじゃないの。」

 

ワイワイガヤガヤ…

 

~一時間後・夜~

 

セニア「…ソフィーナ。質問なのですが、これからの拠点は、引き続き青空寮で問題ないのですか?」

 

空「…?セニアさん、それってどういうことですか?」

 

セニア「ソフィーナが青空寮に住んでいたのは、美海を監視し、友好関係を築くためでした。しかし現在、その目的は必要がなくなっています。」「一方で、ソフィーナには世界接続の原因究明というタスクが残っているはずです。ならば、充実した設備のある黒の管理区の方が、都合がいいのではないでしょうか?」

 

ソフィーナ「…研究の観点だけで言えば、セニアの言う通りね。」「だけど、魔女王には好きにしろって言われたの。だから、そうさせてもらうつもりよ。私は青空寮の居心地が気に入っているの。家と仕事場って、違うものでしょう?」

 

美海「ソフィーナちゃん、これからもずっと一緒にいようね!」ギューッ

 

ソフィーナ「こら、すぐ抱きつかないの。」

 

美海「えへへ~。」「これでみんな、元通りだね!明日翔くんのお陰だよ、ありがとう。」

 

明日翔「?」「俺は大したことはしてねぇさ。お前たちが頑張った結果ってやつよ。」

 

美海「違うよ!明日翔くんもみんなも頑張った!みーんな頑張ったもん!」

 

ソフィーナ「そうよ、今回は自分を労いなさい。貴方は私と美海の命を救ったんだから。」

 

明日翔「そういわれっちまうよ、なぁんかムズムズしちまうなぁ。」

 

ソフィーナ「貴方がなるべく私たちに干渉しないようにしているのは分かっているけど、貴方も青空寮の一員なんだから。」

 

明日翔「…そうか、じゃあ今日ぐらいはそうするわ。」

 

ソフィーナ「ふふ、そうしなさい。」「そうそう…美海、貴女こそ気を付けなさいよ。」

 

美海「え?どういうこと?」

 

ソフィーナ「こんないい物件の青空寮に、今年まで貴女と私しかいなかったのは魔女王のせい、ってわかったでしょ?つまり、青空寮の人員には魔女王が口出しできるのよ。」「あんまりボケーッとしてると、貴女のほうが追い出されちゃうかもしれないわよ?」

 

美海「えええーっ!そんなぁー!」ガーン!!

 

空「わわわ私ももしかして、相当頑張らないとまずかったりしますでしょうか…!?」アワアワ

 

ソフィーナ「まぁ、明日翔がいるなら…」「…って貴方が現状一番危なそうだけど…。」

 

明日翔「ま、あんだけ派手に動けば目もつけられちまうわな?」

 

ソフィーナ「まぁミルドレッド自身が一目置いてるから大丈夫でしょう。」

 

ソフィーナは一呼吸おいてこう語る。

 

ソフィーナ「…正直、この一月で貴女たちは見違えたわ。美海は特にね。貴女は長らく、ダイヤの原石と言われ続けてきたけど…その煌めきさ一時的で、突発的だった。」「けれど今は、自分の力でダイヤの輝きを示せてる。新歓戦やE.V.E.で、強くそう思ったわ。」

 

美海「んー…それは、たぶん目の前が見えるようになったからっていうか…。ふわふわしてた、やりたいこととか、やらなきないけかかったことが、決められるようになったから。」「うん、明日翔くんがいたからこそだね。」

 

明日翔「…。」

 

美海「私、ちょっと前まで、曖昧にしたまま毎日を過ごしてたと思うんだ。プログレスとか…エクシードとか。他の世界のこととか。」「一生懸命なつもりでも、ちょっとだけ他人事っていうか…私にとってどうなのかは、保留にしてた。」

「だけど、明日翔くんの退学とか、ソフィーナちゃんのことがあって。自分に何ができて、何をしたらいいのかってことも考えようって思ったの。」「私たちにできることって、たぶん今私が思ってるよりたくさんあるのかもって。」

 

セニア「そうですね。魔女王との交渉やウロボロスの戦闘は、最たるものでした。」

 

美海「だから…もし、ピンチになったら何でも言ってね。必ず、絶対に助けになるから。」

 

ソフィーナ「美海だけじゃなくて、私もね。明日翔は…いいえ。」「貴方たちは、私と、黒の世界の恩人だもの。」

 

シルト「むむ、二人だけじゃないよー!誰かが大変なら、私も手伝うもんー!」フタリトモムギュー

 

美海「あはは、シルトちゃん。ありがと、かわいいねぇ。」ナデナデ

 

ソフィーナ「貴女も抱きつくのね…。」

 

明日翔「そうだな。」「まぁ、何かあったら相談するわ。今さらなんもねぇけどよ。」

 

セニア「…そろそろ、食事にしましょう。せっかくの料理が冷めてしまいます。」

 

空「ですねっ!青空寮はこれからも一丸となって、頑張っていきましょう!」

 

一同「「「おーっ!」」」

 

~一時間後~

 

片付け中

 

美海「…ソフィーナちゃん…ずっと一緒にいようねぇ…むにゃ…。」ムギュー

 

シルト「ソフィーナ…離さないよー…すぴー。」ムギュー

 

ソフィーナ「あ、暑い…。動けない…。」ジト

 

美海とシルトに抱きつかれた状態で眠られたためソファーから動けないソフィーナ。

 

空「あはは…不安だったんでしょうね…昨日からずっとベッタリです。」カチャカチャ

 

セニア「美海は、ソフィーナと今までずっと一緒にいました。」「一番心が許せる存在なんでしょう。」フキフキ

 

明日翔「輝かしい青春だねぇ、眩しくて直視できないぜ。」コトッ

 

ソフィーナ「…美海は百歩譲ってわかるとして、何でシルトもなのかしら。」ジトー

 

明日翔「青蘭学園に在籍できるきっかけを作ったのはお前だろ?恩義でも感じてるんじゃねぇか?」

 

ソフィーナ「そういえば、そんなこともあったわね。」「時間の流れが早すぎて、遠い昔のようだわ。」

 

空「心を許せる…で、つかぬことをお聞きするんですけど…。」「先輩は、歌右衛門さんや城琉先輩とは長いんですか?」

 

明日翔「たいして面白くねぇぞ?」「そうだな…歌右衛門は5年くらいだけっども城琉は…何年だ?覚えてねぇくらい長い付き合いよ。」

 

セニア「その話、興味があります。城琉は何故、明日翔と?」

 

明日翔「そうさよなぁ~、俺が所用でフランスに…。」

こうして楽しい食事は終わりを告げた、日常が帰ってきてよかったと心から思う。

 

~数時間後~

 

ウロボロス退治を終えて帰還道中。

 

ユーフィリア「…お二人とも、もうお気づきだと思いますが…ウロボロスとの戦いは、まだ終わっていません。4月を封鎖していた上位存在の力は消えましたが、同種の力が潜んでいるのを、感じるのです。」

 

空「同種の力、ですか?」

 

明日翔「あんぐらい強いヤツがた~くさんいるってことだろ?何せ1年のうちに12回月は変わるからよ。」

 

空「じゃあ、5月も同じようにウロボロスに封鎖されてるってことですか!?」

 

明日翔「そりゃまぁ、4月だけなわけねぇもんな?」

 

ユーフィリア「私は、上位存在を倒せば1日を封鎖しているウロボロスも消えると考えていました。」「ですが…そうはならなかった。これは、一日を封鎖しているウロボロスたちが新たな上位存在の傘下に入ったためでしょう。」

 

明日翔「わかっちゃいたけど、長ぇ戦いになりそうだなこりゃ。」

 

ユーフィリア「…はい。実は私には、倒さなければならないある『敵』がいます。」

 

明日翔「へぇ、そいつぁ初耳だな?」

 

ユーフィリア「私はずっと、その存在を追ってきました。そしてその『敵』の反応を、あの上位存在のウロボロスから、強く感じるのです。」「だから、私は再びあの上位存在を探します。それで…その…。」

 

明日翔「今さらためらうようなことかぁ?」

 

空「そうですっ!ウロボロスを倒すには、先輩たちの力が不可欠!一緒にやりましょう!」

 

ユーフィリア「お二人とも…ありがとうございます。付き合わせてしまってすみません。」「ウロボロスを戦いには、私の時間跳躍のエクシードだけでは力不足です…力を貸していただけたら、心強いです。」

 

 

空「そんな言い方しないでください!ここは私たちの学園です!」「大事な学園を一緒に守れるのは、私は嬉しいです!誇らしいですよ!」

 

明日翔「何かあったら言ってくれ?あんなやつら一瞬で蹴散らしてやるからよ。」

 

ユーフィリア「ふふ。」「はい。頼りにしています、本当に…。」

 

~翌日・4月27日・朝・白の管理区~

 

久々の白の管理区、カレンから逃げて以来だ。セニアのメンテがあるらしく、俺は直々に同行を頼まれたのだ。だが…。

 

城琉「…何で俺もなんだ?」

 

明日翔「知らねぇよ、本人に聞きな。」

 

空「城琉先輩は、メカは好きじゃないんですか?」

 

城琉「俺は古いのが好きなんだ、どうもハイテクは好かん。」

 

空「現代人なのにもったいない…かっこいいじゃないですか!」

 

明日翔「だよなぁ~?城琉、たまにはハイテクもいいんだぜ?」

 

城琉「へっ。」

 

セニア「お二人は、機械が好きなのですか?」

 

空「どうなんでしょう?機械そのものが好きというわけではなくって…。なんと言いますか、青の世界の科学技術の遥か先にあるであろう姿に、ロマンを感じているのかも?」

 

セニア「なるほど…ロマン、いずれ理解したい感覚です。」

 

明日翔「俺の話をすれば、こいつが割りと役に立ってるってところか。」スチャ

 

モノクル型を機械を懐から取り出す。

 

セニア「Dr.ミハイル製のマッピンクデバイスですね、お役に立てて何よりです。」「白の世界に好感を持ってくれていることを、その一員として嬉しく思います。」

 

しばらくして…

 

~ミハイルのラボ~

 

カレン「おかえりなさいませ、セニア。あなたの帰還を心から歓迎いたします。」

 

明日翔「…うげ…」ボソッ

 

空「うひっ」ボソッ

 

ミハイル「明日翔、久遠空。それと…リュウセン、お前たちもよく来たな。待っていたぞ。」

 

ミハイル「…どうした、そんなに身構えて。」

 

空「いえあの、数週間前にセニアさんが青空寮に引っ越してきた時…失礼ながらものすごく不本意そうだっあ記憶があるので…」

 

ミハイル「ああ、なるほどな。安心しろ、おかしな真似はさせん。お前たちは私の客だ。」「そうだろう?カレン。」

 

カレン「当然でございます。私がドクターの客人に危害を加えるなど、あり得るはずもございません。」

 

ミハイル「だそうだ。お前たちに聞きたいことはあるが…先にシニアのメンテナンスを済ませよう。」「それに当たってリュウセン、お前を呼んだんだ。」

 

城琉「俺か?おいおい、俺は機械は疎いぞ?」

 

ミハイル「いやいや、実は数日前急ピッチでセニアにとある機能を搭載してな…モデルがお前なんだ。実物に、完成品の確認をしてほしいと思ってな。」

 

城琉「なんとも使いにくそうな性能だな、…まぁ見てやるか。」

 

ミハイル「うむ、ではカレン。客人の相手を頼んだ。」

 

セニア「ドクター、それは少々危険ではないでしょうか。カレンは明日翔のことを快く思っていなかったと記憶しています。」

 

明日翔「そうだそうだー。」ボソ

 

ミハイル「そんなことはない。セニア、お前は自分の姉を信用できないのか?」

 

セニア「………」「それは。いいえ、カレンのことは信用しています。」

 

ミハイル「では、なんの問題もないな。行くぞ、セニア、リュウセン。明日翔たちはしばらく待っていてくれ。」

 

明日翔「はぁ…。」ガックリ

 

城琉「…で?その機能ってのは?」ツカツカ

 

ミハイル「ああ、その機能とは…」ツカツカ

 

奥の部屋に引っ込んでいった、この部屋には静寂が流れる。

 

………………………………………。

 

空「…。」ソワソワ「先輩、気まずい!チョーゼツ気まずいです!」コソコソ

 

明日翔「んなこというなよ、俺にどうしろって。」コソコソ

 

コソコソと作戦会議をしているとカレンが口を開いた。

 

カレン「さて…明日翔、久遠空。」

 

空「は、はいっ!」ビシッ

 

カレン「E.V.E.での選抜戦の優勝、おめでとうございます。どちらも見事ですか。」

 

明日翔「ぶっとばされると思いきや、意外な展開だぁ。どういう風の吹きまわしよ?」

 

カレン「ええ、そうでございましょう。」「わたくしはカレンのことが大好きです。大事でかわいい妹でございますから。セニアの成長こそが、わたくしの最大の幸せ。」「そのセニアが、その短期間で著しい成長を遂げたのは、あなたのおかげと判断します。セニアに、あなたが貢献したと言うのなら、青空寮やその寮生は有用な存在と判断します。ですから…。」

「これからも妹のことを…よろしくお願いするのでございます。」

 

空「は、はい!こちらこそよろしくお願いしますっ!」ペコッ

 

カレン「ただし!!!!」ドン!

 

カレンは机を叩いて明日翔の目の前で圧をかける。

 

カレン「わたくしは新歓戦でセニアを破壊したことは、許してませんからね!!!次に妹を傷付けたら、粉々にしてさしあげますのでお覚悟を!!!」ゴゴゴゴ

 

明日翔「へーへー…。」

 

カレン「お返事がちいさい!!!」

 

明日翔「は、はいぃ!!!」

 

カレン「いい答えです。ただし、ゆめゆめと忘れなきよう。セニアとあなたの個人的な関係については許可したわけではございませんから。」

 

~~~~~~~~

 

セニア『どうだ?そっくりか?』

 

城琉「こいつぁすげぇな、まんま俺を似せたってところか。」

 

ミハイル「セニアが『ガンマンモードが欲しい』と急に言ってきてな…急造ではあるが作らせてもらった。」

 

城琉「なんで俺なのかは疑問だが…」

 

セニア「それは、ガンマンのイメージに城琉がいたからです。」「銃も貰いました、まずは形からと。」

 

城琉「まぁ、否定はしないさ。」

 

ミハイル「具体的には、セニアの記憶データからお前の戦闘データを抽出してそれを投影するシステムだ、…サンプルが少なくて苦労したが。」「このモードを使うには、この液体式電子タバコを使う必要がある。」

 

城琉「この細い棒っきれがか、ほぼ普通のタバコと変わらねぇな。」

 

ミハイル「なにせ、扱うのはエクシードではなく実銃だ。万が一エラーが起こったら人が死にかねん。枷はかけさせてもらった。」

 

セニア「銃は、いつでも抜けるようにはしていますが…。使うことはしばらくないでしょう。」「元々、エクシードが使えなくなることを前提とした所持ですから。」

 

城琉「そうだ、くれてやった本人が言うのもどうかとは思うが。使わない方がいい、俺みたいになる必要はねぇ。」

 

ミハイル「さて、メンテナンスと新モードの披露は終わった。戻ろうか。」

 

城琉「…ところで、喫煙所はねぇか?」

 

ミハイル「?そもそも白の管理区どころか青蘭島は禁煙だが?」

 

城琉「…悪いな、変なことを聞いた。」

 

ミハイル「…?」

 

ここから数時間後の昼…

 

~昼・青蘭学園特別・廊下~

 

シルト「んー…トイレ…」パタパタ

 

ナイスボート中…

 

シルト「ふーっ!すっきりしたぁ。」「授業に戻らないと…。」パタパタ

 

用務員「…。」ソロソロ「…っ。」グッ!!

 

シルト「むぐっ!んー!んー!」バタバタ!!「んー…んー…。」ヘタ…「Zzz…。」

 

用務員?「…。」キョロキョロ「っ。」ヒョイ「…。」スタスタ

 

明日翔「おいおい。」

 

用務員?「!」

 

明日翔「関係者に成り済ますならまだしも、少女誘拐たぁほっとけねぇなぁ?」

 

用務員?「今すぐ回れ右だ、ガキ。命は助けてやる。」

 

明日翔「ここは異能力者が集まる青蘭学園様だぜ?俺にも何かあるって思わねぇのか?」

 

用務員?「男に能力がないのは知っている。」

 

明日翔「あっそ、随分舐められたもんだね。」

 

用務員?「ふん。」ドサッ「あいにくだが、消えてもらう。」シャキン

 

用務員はサバイバルナイフを向ける。

 

明日翔「そんな物騒なもんだしちゃって。」ヤレヤレ「あ!」ピシッ

 

俺は後ろの方向を指差す。

 

用務員?「?」キョロ「何もいな…ハッ!」

 

後ろを向いたその時には、首もとには刀の刃が押し当てられていた。

 

歌右衛門「動けば、斬る。」

 

用務員?「くっ…!」

 

歌右衛門「我が師匠に手を出すやつは、許さん。」「ぬん!」ボカッッ!!!

 

用務員?「かはっ!」ドサッ!

 

歌右衛門「安心しろ、峰打ちだ。いずれ目は醒める。」チンッ

 

明日翔「ナァイス、歌右衛門。よくここがわかったな?」

 

歌右衛門「師匠の同行は、修行をしながらでも自然が教えてくれている。」「これも師匠を護るためだ。」

 

明日翔「よくやるなぁ、この単純ナチュラル男さんよ。」

 

歌右衛門「で、こやつは?少なくともここの人間ではなかろう。」

 

明日翔「ああ、こいつは青の世界どころか青蘭島そのものとは無関係なやつだ。」「名前は…。」ガバッ「ダニエル・モリソン、エリートナイフマンと呼ばれた有名な傭兵だ。」

 

変装を引き剥がすと顔のゴツイ男が現れる。

 

明日翔「こいつぁ紛争地域を飛び回ってありとあらゆる指揮官を暗殺してきたエリートだったが、近年姿をくらました。こんなとこにいやがったとはなぁ。」

 

歌右衛門「このような殺し屋がなぜ師匠を狙う?狙われる道理はないはずだ。」

 

明日翔「それを調べるのが俺たちの仕事でしょうがよ?この話、ちぃーと臭くなってきたぜ、こいつぁ城琉に報告しねぇとな。」

 

歌右衛門「検討はついているのか?」

 

明日翔「まぁ大体な?」「こいつぁあくまで仮定の話だが、ここ最近世界の殺し屋が行方不明になってる事件が起きてんだわ。んで、こいつはここで見つかった。てことは、誰かがここには入れるように手引きしたんだ。俺みたいにな。」「時に話はかわっけどもよ、緑の世界の軍人の人数がどうも最新の記録と合わねぇらしいんだわ、毎日更新される記録が常に誤差を起こしてる。いったいなんでだろうな?」

 

歌右衛門「…まさか。」

 

明日翔「そして緑の世界には裏の組織があるとの噂がある。」「行方不明になった殺し屋、数の合わない軍人の記録、裏の組織、行方不明の殺し屋を手引きした存在。」「こいつの正体はは──。」

 

ミコト「授業中に何をしてるんだい?」スッ

 

明日翔「うわーーーっっっ!!」ピョーンズシャーン!

 

後ろに突然ミコトが現れてひっくり返る。

 

ミコト「まったく…奇妙な縁が見えたと思って来てみたら…。」ヤレヤレ「…でも、本当に奇妙な存在もいるね。」チラ

 

明日翔「よいしょっと。」ガバッ「ああ、招かれざる客ってやつよ。」

 

ミコト「シルトが拐われるところを助けてくれたんだね、そこは感謝しないと。」「けど授業を抜け出してるのは、いただけないね。そこはみっちり指導するよ。」

 

明日翔「まぁいいじゃない、いいじゃない。助かったんだし。」

 

ミコト「良くない。」

 

明日翔「はぁ…。」ガックリ

 

ミコト「とりあえずこの男の処分は風紀委員に上げておく、シルトを保健室につれていってあげて。教室には私から伝えておくから。」

 

明日翔「はいはい。よっこいせ。」

 

シルトをおんぶ。

 

ミコト「何者なの?この男は。」

 

明日翔「そりゃこっちの世界では有名な男さ。」

 

ミコト「…そっか。深く聞かない方が良さそうだね?」

 

明日翔「そういうこと。」

 

ミコト「わかった。…とりあえず、人命救助の協力に感謝する。」「それはそれとして授業を抜け出してる点に関してはお説教だからね。」

 

明日翔「へいへい…。」

 

 




いや~こっぴどくしかられちまったなぁ!渋々授業は受けてるが眠い眠い、眠りこけてたところに招待状が届いた。差出人はだれかな?最近いろんなことが起きすぎた、ゆっくりできるといいよなぁ?

次回「魔女のお茶会」

また会おうぜ?
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