怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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泥棒、お前の意思はあるか

~4月28日・夜・ステーション~

 

ステーションアナウンサー「青の管理区、青の管理区です。黒の管理区へは、15分後の19時 15分に発車いたします。」

 

ソフィーナ「…ふぅ、今日は色々あって疲れたわね…。」「研究がたて込んでしまったし美海が心配するから早く帰らないと…。」ツカツカ

 

ソフィーナ(世界接続…あともう少しで見えてくるのに…。)

 

ブウウウウウウウウウ……キッ!

 

ソフィーナの目の前に見たことのあるオープンカーが横切り、止まる。

 

ソフィーナ「?」「…あの車は…。」スタスタ

 

ソフィーナはオープンカーを覗く。

 

明日翔「よう。」

 

ソフィーナ「…明日翔。」

 

明日翔「乗れよ、送るぜ。」

 

ブウウウウウウウウウウウウウウン…

 

 

 

明日翔「ちょうどついたところか?」

 

ソフィーナ「ええ、少し研究がたて込んでしまって。予定よりも遅れてしまったわ。」「貴方は何しに?」

 

明日翔「そらお前、迎えに来たんだよ。」

 

ソフィーナ「…本当?それ。」ジト

 

明日翔「信じてねぇのか?」

 

ソフィーナ「貴方は分からないわねぇ…、紳士なんだかそれともノンデリカシーなんだが…。」ジトー

 

明日翔「むほほほほ、どっちだろうな?」ゴソゴソ

 

明日翔はタバコを咥えて、ライターを内ポケットから出そうとする。

 

ソフィーナ「はい。」パチン!

 

ソフィーナが指パッチンで人差し指に火を召喚する。

 

明日翔「センキュー…ぷはぁ~。」

 

火をつけて一口吸って煙をはく。

 

ソフィーナ「…隠す気もないって顔ね。」ジト

 

明日翔「隠す理由もねぇしな、悪党が綺麗なままでいるのは疲れるのよ。」

 

ソフィーナ「そのまま足を洗えばいいじゃない、悪党なんてなって得することなんてないわよ。」

 

明日翔「バカいえ、俺は生涯泥棒よ。俺が盗む理由は得だけじゃあねぇ、スリルよ。」「いかに美しく盗むことができるか、それを達成するスリルがやめらんねぇのよ。」

 

ソフィーナ「変なこだわりねぇ…私としては、更正して欲しい…なんて言わないけれど。」「美海や空の前ではきれいなままでいる姿勢は評価できるわ…巻き込みたくないのね。」

 

明日翔「本来俺は関わっちゃいけない人間だかんねぇ、ウロボロスの一件も本来なら俺一人で出来たらよかったんだがなぁ。」

 

ソフィーナ「あんなバケモノ、貴方一人で相手できるわけないでしょ。」「…不可能を可能にできる男なのはわかってるわよ。」ジト

 

明日翔「おほほほ、先に言われちまったなぁ!巻き込んじまった以上みんなを傷つけないように頑張るさ。」

 

ソフィーナ「ふふ、そうしなさい。」

 

ソフィーナは頬杖をついて、月に照らされた海を眺めている。

 

明日翔「青の世界の月も、捨てたもんじゃないだろ?」

 

ソフィーナ「そうね、平和で…夜を淡く照らしてくれる。好きよ。」「…いつまで、この光景が見られるのかしら。」

 

明日翔「いつでも見に来ればいいさ、この景色はどこにも逃げねぇよ。」

 

ソフィーナ「この車にのって受ける夜風も…なにかこう、寂しい気持ちを起こしてくれるわね、何故かしら。」

 

明日翔「疲れてんじゃねぇのか?こういうときは美味しいもの食べて寝るに限るぜ。」

 

ソフィーナ「そうね。」「…みんなは晩ごはん、もう食べたのかしら。」

明日翔「みんな、腹空かせて待ってるぜ。」

 

ソフィーナ「…そう。」ホッ

 

ソフィーナはどこか安心した顔をした。

 

明日翔「…。」ニヤリ「ついたぜ。」

 

話していたら青空寮に着いたようだ。

 

ブロロロロ…キッ

 

明日翔「タクシー料金はとらねぇぜ。」

 

ソフィーナ「…。」

 

明日翔「どした、降りねぇのか?」

 

ソフィーナは目を瞑って考えたあと、口を開く。

 

ソフィーナ「…車庫は近いのかしら?」

 

明日翔「あん?あー遠くはねぇな。」

 

ソフィーナ「せっかくなら車庫まで付き合うわよ。」

 

明日翔「美海が心配するぜ?」

 

ソフィーナ「私だけが先に帰って貴方がいなかったら本末転倒でしょ?」ジト

 

明日翔「ははは!ちげぇねぇ。」

 

ブウウウウウウウウウウン…

 

車を車庫に戻し、青空寮に戻る。

 

~青空寮~

 

ソフィーナ「ただいま、遅くなったわね。」

 

空「おかえりなさい、ソフィーナさんっ!」

 

美海「ソフィーナちゃーん!」ムギュー「食べずに待ってたよー!」スリスリ

 

ソフィーナ「ちょっ!帰って早々に抱きつかないで!」

 

シルト「わたしもまーぜて!」ムギュー

 

ソフィーナ「あ、ああ…。心配かけたのは謝るから…。」

 

セニア「暖め直しました、食べましょう。」

 

美海「えへへ~。ソフィーナちゃん、晩御飯たーべよ!お腹減っちゃった!」グイグイ

 

ソフィーナの袖を美海は引っ張る。

 

ソフィーナ「分かったわよ、私は逃げないわよ。」スタスタ

 

明日翔「…ふっ。」

 

微笑ましい光景をみてそっとリビングから去る。腹は減ったけど…まぁいっか。

 

~翌日・4月29日~

 

翌朝、食卓には珍しい光景が見えた。

 

明日翔「おはようさん…あらら?ソフィーナがいない。」

 

空「いつもは一番に起きてくるはずなんですけど……。もう、出発してしまったとか?」

 

セニア「いいえ。セキュリティによると、本日、青空寮に出入りした人はいません。つまり、ソフィーナはまだ寮内にいるようです。」

 

空「セニアさん、いつのまにそんなものを…。」

 

明日翔「外には出てない、しかしここにはみんないる…ここから導き出せる結論は…あのソフィーナがおねぼうさんか!?」ニヤニヤ

 

セニア「考えにくいことですか、その可能性は高そうです。」

 

空「先輩…なんで嬉しそうなんですか?;」

 

シルト「わたし、ソフィーナより早く起きたことないよー。こんなこともあるんだねぇ。」

 

明日翔「まっこと珍しい現象だ、こいつぁ雪がふっちまうな?」

 

美海「ねぇ、明日翔くん。ソフィーナちゃんを起こしてきてくれない?」

 

~2階~

 

明日翔「あんな真面目ちゃんがおねぼうさんねぇ、珍しいこともあるもんだ、こいつの部屋を開けるのもこの島に来た初日以来だな。」「あんときゃ、部屋間違えて怒られたっけなぁ。」

 

コンコン

 

明日翔「ソフィーナお嬢様?朝でございますよ。」

 

…。

 

明日翔「?いねぇのか?勝手に開けちまうぞー開けたー。」ガチャ

 

ソフィーナ「あ!ちょっとま…あ。」

 

明日翔「あっ。」

 

透き通るような白い肌に、華奢な肩。どう見ても着替えている最中の女がいた。顔を見合わせ、静寂が訪れる。

 

ソフィーナ「き……。」「きゃああああああああ!!!!!」ブン!

 

眷属「きゅきゅーっ!」ズシーーーン!

 

明日翔「ぶええっっ!!!」ドシャーン!

 

ドタドタドタ…

 

美海「明日翔くん!ソフィーナちゃん!どうしたの!?」

 

騒ぎを聞き付けた美海と空が様子を見に来ると、お怒りモードのソフィーナと眷属に顔を押し潰されて壁に押し付けられてる明日翔がいる。

 

ソフィーナ「ちょっとまってって…。」ガシッ「言ったでしょー!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

空「わーっ!ストーップ!ストーップ!」

 

美海「ソフィーナちゃん、落ち着いてっ!」

 

~~~~~~~

 

その後なんとかソフィーナをなだめすかすことに成功。しかし、学校の時間にはギリギリだ。

 

空「危ないところでした…先輩が消し炭になる前にシールドが間に合ってよかったです。」

 

セニア「GJでした、空。αドライバーは、自己にフィールドを店内できませんから。」

 

シルト「明日翔はソフィーナを起こしにいってくれてたのにー。」ジトー

 

ソフィーナ「わ、悪かったわよ。あそこまでやるつもりじゃなかったの。」

 

空「まぁ、返事を待たずに部屋に入っている訳なので…ソフィーナさんが怒るのもわかりますけどね…。」

 

明日翔「いでででで…」ゴキッゴキッ「それは悪かったっての。」

 

ソフィーナ「まったく…人の気も知らないで。」ヤレヤレ

 

美海「えーっと、みんなにお知らせがありまーす!」「このままだと予鈴に間に合わないかも!」

 

時計を見ると、もう数分で予鈴……校門がしまっちまう時間だ。

 

明日翔「あ~ららら、こいつぁてぇへんだな。」

 

空「わ、私の皆勤賞の夢が、たったの一ヶ月で…無念…。」ガクッ

 

美海「空ちゃん、諦めるのはまだ早いよ!」

 

空「え?」

 

美海「言ったでしょ?ピンチの時は助けるって。明日翔くんもいれば、無敵だよ!」

 

ソフィーナ「…ちょっと、美海。貴女まさか…。」

 

美海「大丈夫だよ、ソフィーナちゃん。私もうコツ掴んだから。」

 

剣をかざし方向を定め、風を起こす。

 

美海「方角よーし、風向きよーし。いくよー?」「エアリアル・ロード!」ビューーーン!!

 

下方向に瞬間的に風をお越し青空寮のメンバー全員を吹っ飛ばす。

 

空「ひ、ひえーーーーっっっっ!!!」

 

一瞬にして学園に到着、ゆっくりと着地。

 

美海「到・着!ギリギリセーフだね!」

 

ミコト「…時間的にはね。けど、校則的にアウトだよ。青空寮諸君。」

 

ミコトがどこからともなく美海の背後から現れる。

 

美海「うっ!ヒメ会長!?」

 

ミコト「はぁ…E.V.E.で勇姿を見せたチームが揃いも揃って校則違反とは…嘆かわしいとはありゃしない。誰に似たんだろうか…。」「あとで全員、生徒会室に来るように。」

 

全員「はーい…。」

 

ミコト「…ところで一人足りないね?」

 

全員「?」

 

シルト「…あれ?」

 

セニア「…明日翔がいません。」

 

全員「あーっっっ!!!逃げた!!!」

 

ミコト「とほほ…。」ヤレヤレ

 

~教室~

 

明日翔「おはようさ~ん。」

 

ルルーナ「明日翔じゃーん、おはよー。今日は一人なんだねー、美海はどしたの?」

 

明日翔「さぁ?今ごろ寝坊して焦ってんじゃない?むふふふ。」

 

ついさっき空中にいたとき…。

 

明日翔「こいつぁスリリングだぁ!」ヒューーー「さて、一足先に離脱すんぜ。」ボソ…パシュッ

 

最後尾だったんで、学園内の大木に腕時計のワイヤーを引っ掛けてそっと逃げたのさ。

 

明日翔「うひょひょひょひょ。」

 

ルルーナ「まぁ、そのうちくるっしょ?待とうよ待とうよ。」

 

その後やってきた美海とソフィーナに死ぬほど詰められた。

 

~お昼・カフェテリア~

 

今日のお昼は珍しくみんな予定があるらしい、というわけで久々に相棒との食事だ。カフェテリアまで駄弁る。

 

明日翔「…ってことがあったわけよ。」

 

城琉「全く、逃げ足の早いやつだ。呆れたよ。」

 

明日翔「面倒なリスクは回避するもんさ。」

 

カフェテリアに入り、食券を買って並ぶととある二人組が目の前に現れた。

 

ミコト「あら、君たちも食事?奇遇だね。」

 

ナクル「やっほー。」

 

明日翔「おやおや、生徒会長さんではありませんか。こんな時間にお昼でっか?」

 

城琉「またこの女か…。」ボソ

 

ミコト「私たちもこれからお昼なの。…誰かさんたちへのお説教があっあからね。」ジト「…まぁこれに懲りたら人目につくところで校則違反はしないことだね。」

 

明日翔「まさかぁ、誰のことだか身に覚えもございません。」

 

ミコト「言い訳かベタすぎるよ…。」

 

ナクル「かいちょー、甘い。普通なら風紀委員に引き渡しするところー。」

 

ミコト「ははは、明日翔くんたちには生徒会としても借りがあるの。大目にみてよ。」

 

ナクル「いいよー。わたしは忠告するだけー。決めるのも責任を取るのもかいちょーのしごとー。」

 

ミコト「よし、それじゃあ一緒にお昼にしようか。」

 

城琉「俺は降りる。」スタスタ

 

明日翔「待ってくれよぉ城琉、もう食券買っちまったんだぜ?」

 

城琉「お前とこの女が絡むとろくなことがねぇ。」

 

ミコト「わぁお、散々な言われよう。」

 

城琉「日頃の行いだ。」

 

各自食事をもらうと席に案内される。通称VIPと呼ばれる席だ。

 

ミコト「いつも空いてるんだよ、こんなにいい席なのにね。」

 

ナクル「違うー。かいちょーがいつもここに座るから、みんなが遠慮して使わなくなっただけー。」

 

ミコト「そうなの?私も学生の一員なんだから、そんなこと気にしなくてもいいのに。……ともあれ、そういうわけでここなら気軽におしゃべりができる。生徒会室ほどでさないけどね。」「ちょうどキミたちに会えたのは好都合だったな。聞きたいことがあったから。」「ナクル。悪いけどすこし外してくれる?」

 

ナクル「えぇー…今からぁー?」ガックリ「そういう用件なら先に言って欲しかったー。」ジト

 

ミコト「だってー、私一人で明日翔くんを誘ったら噂がたっちゃうでしょー?」

 

ナクル「それは日頃の行いのせいだー。横暴をやめろー。このきつねうどんの食べ頃をかえせー。」プンプン「でも軍人にとって上の命令は絶対なのだー。センパイ、またどこかでー。」スタスタ

 

明日翔「こんど、天そばおごってやるよ!」「…わりぃことしたな。」

 

ミコト「いいのいいの。あとでちゃんと埋め合わせするから。」

 

城琉「…俺も外した方がいいか?」

 

ミコト「いや、キミはいたほうがいい。」

 

城琉「へっ、面倒なこった。」

 

ミコト「さて…キミたちとしたかった話というのはウロボロスのこと。キミたちの、ウロボロスとの戦いの関わりについてだ。」「ウロボロスによる、一日のループは、この青蘭島…ううん、世界全体の問題だ。」「だというのに、その対応は現在…事実上ユーフィリアとキミたちに一任されている。大々的に公表しないのは、信用できて、対応できる人員が極端に少ないためだ。」「なにせ、ウロボロスと戦うためにはαドライバーと強力なプログレスが必要不可欠だからね。」

 

明日翔「ああ、そうだな。」

 

ミコト「そんな危険な存在が─」

 

城琉「女」

 

城琉が口をはさむ。

 

城琉「前置きが長くて眠りそうになったぜ。」「本題はなんだ。」

 

ミコト「…これまでブルーミングバトルや異世界に関わることはなかったはず。」「……キミたちは、自分の意思で選択できてる?」

 

明日翔「?」

 

ミコト「上位個体との戦いは、命に関わる領域だった。キミたちがこの戦いに身を投じるのを望んでいないのなら、生徒会長として別の手だてを考えてる。」「今日話したかったのはこれ。…こんな話、ユーフィリアの前じゃできないから。」

 

明日翔「だってよ、城琉?選択できてるか?」

 

城琉「はっはっはっは!出来てねぇかもな、この戦いは降りるぜ。」

 

明日翔「おいおい、冗談寄せよ。」

 

ミコト「あのね、私はキミたちが心配で─」

 

城琉「…俺は美味い飯に美味い酒が飲めりゃいつだって銃を握る。」「こんなつまらんことで相棒に死なれたら困る、それ以外に理由が必要か?」

 

明日翔「そういうこと。明日が来ないと、俺を呼んでるお宝ちゃんにたどり着けねぇってもんよ。」

 

ミコト「なるほどねぇ…自分の欲望を無視して学園生活を送るのは難しいってことか。…まさに悪党って感じ?でも、そんなキミたちだから、あのユーフィリアがパートナーに選んだのかもね。」「通常では考えられない、まるで物語の英雄のような『縁』の収束点…。」

「これが、αドライバーの力ということかな?」

 

明日翔「まぁ、そういうことっしょ?」

 

ミコト「ふふっ、そういう自信があるのも悪くはないわね。キミたちがいてこそこ成果であるには間違いない。」「これからも、青蘭学園に力を貸してほしいな。」

 

明日翔「ここの連中はおもしれぇやつらばーっかりだ。おもしれぇやつらがたくさんいるところにはお宝がある。俺の鼻がそういってるぜ?」

 

ミコト「お宝、かぁ…聞いたこともないな。」「まぁともあれ、キミたちがそういう認識なら、私がとやかく言うのは余計なお世話だったね。」「時間をとってくれてありがとう。生徒会長として、キミたちが動きやすいように取り図らせてもらうよ。」

 

明日翔「それは助かる。」

 

ミコト「なにせ、キミの回りにはまだ、いくつか気がかりなことが残っているわけだし…。」

 

明日翔「俺の回り?なんかあったっけかなぁ?」

 

城琉「心当たりがありすぎて、検討もつかねぇな。」

 

ミコト「そりゃ悪党は敵も多いからね…」「キミを学園に編入させた者は誰かのか、ウロボロスの目的、シルトを追う謎の勢力…一昨日シルトをさらおうとした"そちらの世界で有名"な男性の詳細。」

 

城琉「…なに?」

 

城琉が反応する。

 

ミコト「おや?思わぬ魚が釣れたね。」

 

城琉「好奇心だ、気にしないでくれ。」

 

明日翔「そういえばあの男は今どこにいんだ?」

 

ミコト「うーん…本来緑の世界の法律で裁くべきなんだけど関連性が不明な以上今引き渡す訳にはいかないし、今は赤の管理区の地下牢に軟禁してる。」「尋問官に今、尋問を行わせてるから…内容はもう少し待ってて。」

 

城琉「精々口を割る前に殺すんじゃねぇぞ、人間は脆いんだぜ。」

 

ミコト「大丈夫だよ。…いずれキミの口からも知っていることを話してほしいね。」

 

城琉「その瞬間が来ればな。」

 

ミコト「ふふっ。これらの一件もウロボロスも…キミはこれらの謎と関わる位置にいる。仲間たちとの縁は、キミを強くする。そのことはキミも実感しただろう?」「けれどそれは、時にキミを縛る鎖になってしまう。その前に、キミ個人の見解を聞いておきたかったんだ。」「残念ながら、私は青空寮に住むわけにはいかないけれど…困ったことや、自分だけでは手に終えないことがあれば、いつでも連絡してきてね。」

 

明日翔「サンキュー、まぁなるべく連絡はしねえように努力するわ。」

 

ミコト「ふふ、そっか。なんにせよ、生徒会は学園生の。なにより私個人は、キミたちの味方だから。悪党はキミたちだけじゃないよ。」

 

城琉「いいのか?こいつは無茶苦茶だ、そう簡単についてこれるようなタマじゃねぇぞ?」ニヤリ

 

ミコト「それはもう呆れるぐらいに知ってる。…キミはよく着いていけてると感心するよ、ある意味。」

 

城琉「はーっはっはっは!褒め言葉として受け取っとくぜ。」「こいつとの付き合いは俺が一番なげぇ、だからこそ相棒だ。」

 

明日翔「泣けるねぇ、お前は最高の相棒だぜ。」

 

ミコト「ふふふ…。じゃあ、お昼食べようか。」

 

明日翔「そだな。」

 

話が長くなってしまったが、お昼を食べた。

 

~数時間後・夜・青空寮前~

 

ウロボロス退治の帰り道…。

 

ユーフィリア「…あの。」

 

空「どうしたんですか、ユフィさん?」

 

ユーフィリア「少し、お時間いただいてもいいですか?お二人に、お話ししておきたいことがあるんです。」

 

明日翔「あぁ?今さらどしたの。」

 

空「そうですっ。そんなかしこまらずに気軽に何でもさなしてくださいっ。」

 

ユーフィリア「すみません、ありがとうございます。私がウロボロスと戦っている理由を…お二人にはお話ししておきます。」

 

明日翔「理由?そいえば、聞いたことなかったっけか?」

 

空「理由って…時間を進めるためじゃないんですか?」

 

ユーフィリア「私が…ウロボロスを倒す理由は…未来に、もう一度会いたい人がいるからです。だから…その未来のポイントにたどり着くまで私は時間の流れを解放していくつもりです。」

 

空「……ユフィさんの大事な人なんですか?」

 

ユーフィリア「はい、そうです。とても大事な人です。」

 

明日翔「未来にいる大事な人かぁ…そいつぁ時を進めないと会えねぇなぁ?」

 

空「はい、そうですっ!」「ユフィさんにたどり着きたい未来があるように、私たちにだって未来の夢がありますっ!それを奪われるわけにはいきませんよね!」キラーン「ウロボロスを倒して、未来を手に入れる。私たちの共通の目標ですっ!」

 

空が力説する。

 

ユーフィリア「…。」「…はい、一緒に、頑張りましょう。」「あのとき、あなたたちにお会いできて本当によかった…話を聞いてくださってありがとうございます。遅い時間に引き留めてしまいました。」

 

空「いえ、それでまた明日がんばりましょう。」スタスタスタ

 

空は足早に青空寮に戻る。

 

ユーフィリア「…。」「…明日翔さん。」

 

明日翔「どした?まだなにかあるか?」

 

ユーフィリア「…空さんの、ことなんですが。」

 

明日翔「?あいつがどうかしたか?」

 

ユーフィリア「……………。」「いえ、すみません。なんでもありません、行きましょう。」

 

明日翔「?何でもいいけどよ、プリン食べられたとかだったら代わりに叱っとくぜ?」

 

ユーフィリア「そこまで細かくないですよ…。」

 

ユーフィリア(後藤明日翔…同姓同名、同じ遺伝子をもった限りなく本人…しかし私の知っている本人とは性格も顔も何もかもが違う。それに明日翔さんの仲間の城琉竜泉と中村歌右衛門、そもそもこの二人は存在すら確認ができていない、もしかしたらいたかもしれないけど…。)(そして…)

 

(久遠空…。)

 

(あの人を私は…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(知らない…)

 




4月30日、これを越えれば5月だ。
改めて時間が流れるってのはありがたいもんだと実感するねぇ~?
こんな日はドライブでもしたかったがミコトから電話だ、まったく休日も振り回してくれちゃって。

次回「激動の4月、終演」

また会おうぜ?
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