怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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第三章「エールフレンド復調大作戦」
お友達になろう


~5月1日・朝・青空寮~

 

少し早くに目が覚めた、時計には「5月1日」と刻まれていて、それを感慨深く思いながら窓の外を見る。

 

明日翔「…ふっ。」

 

コンコン

 

空「せんぱーい、起きてますかー?」

 

明日翔「入りなー?」

 

ガチャ

 

明日翔「どした、まだ下に降りるにゃちと早い時間だ。」

 

空「いえ、なにかあったってわけじゃないんですけど、今日から5月1日ですよってことを先輩に伝えたくて。」「ウロボロスと戦ったり、ソフィーナさんを助けたり、色々ありましたけど…ちゃんと来られましたね!」

 

確かに4月は本当に色々なことがあった、5月にたどり着けたのはユーフィリアの時間跳躍、青空寮の仲間たちのおかげだ。

 

空「それじゃ、支度ができたら来てくださいね!みんな、待ってますから」「改めて、おはようございます、先輩!」

 

~リビング~

 

シルト「おっはよー、明日翔!今日もいいお天気だよ~。風が気持ちいいの。」

 

ソフィーナ「おはよう。紅茶は飲む?私の分のついでに二人のも用意するけど。」

 

明日翔「二人?」

 

ドタドタドタ…

 

美海「ソフィーナちゃんありがとう!やっさし~!」ムギュ「おっはよー、みんな!」

 

ソフィーナ「朝から元気ねぇ、貴女らしいわ。」

 

美海「明日翔くんと同じタイミングなら、寝坊にはならないよね?」

 

セニア「審議対象ですね。どうでしょうか、ソフィーナ。」

 

ソフィーナ「まぁ、紅茶が冷める前に起きてきてるし、今日は許してあげましょう。」

 

美海「わーい、ありがとー!」スリスリ

 

ソフィーナ「紅茶淹れるから、離しなさい。」ジト

 

美海「えへへ~。」パッ

 

ソフィーナ「まったくもう。そんなんで大丈夫なの?生徒会の『執行部』のお目付け役なんでしょ?」

 

シルト「えへへ~。寮の代表、交代したかったら変わってあげてもいいよ。」

 

ソフィーナ「あら、名案ね。美海はついこの間まで、目をつけられる方だったわけだし。」

 

美海「!」ビクッ

 

セニア「『執行部』の対ウロボロス以外の任務とは、ぐたいてきにどのようなものなのでしょう?」

 

美海「わかんない。ヒメ会長は、『生徒会の何でも屋として雑務を振ることもある』っていってたけど。」

 

空「なにせ私たちも昨日任命されたばかりですし…あはは…。」

 

ソフィーナ「体のいい雑用係に使われないといいんだけど。」

 

セニア「必要なときは、応援を要請してください。あなたたちだけが危険を引き受けなくてもよいのですから。」

 

シルト「うんうん!わたしも、いつでもお手伝いするからね。」

 

空「はい、その時はよろしくお願いします!」

 

ドゥルルルルルパンザサードアレ?ペケッ

 

明日翔「?」「さっそく業務命令が来たみたいだぜ。」

 

─────────────────────────────

今日の昼休み、生徒会室まで来てくれる?頼みたいことがあるの。

ランチはご馳走できないけど、お茶くらいは用意しておくから。

それじゃ、待ってるね~。

─────────────────────────────

 

明日翔「…だとさ。」

 

シルト「なになに、呼び出し?」

 

空「そうみたいです、なんでしょう?」

 

ソフィーナ「『頼みたいこと』ねぇ……また面倒事を押し付けられないといいけれど。」

 

明日翔「ま、俺がいりゃあ突拍子のないことも頼めねぇさ。」

 

~数時間後・昼・生徒会室~

 

空と二人で生徒会室に行く。

 

空「失礼しまーす…」ガチャ

 

ミコト「よく来た。無事に5月を迎えられてなによりだよ、ほんとにお疲れさま。」

 

お出迎えはミコトとナクルのいつものコンビだ。

 

ナクル「…?」「かいちょー、4月が終わったら5月が来るのは青の世界では当たり前ー。」

 

ミコト「ふふ、その通りだね。日常とはそうあるべきだ。そして、生徒会はその日常を守るためにある。」

 

明日翔「おおっと待ちなミコト、またまた前置きが長くなりそうだぜ?用件を先に言いな。」

 

ミコト「うー…つれないなぁ…もう少し生徒会長っぽいトークに付き合ってくれてもいいじゃない。」

 

明日翔「んでよ、早速仕事が舞い込んできたってことなんじゃあねえのか?」

 

ミコト「察しがいいね。その通り。頼まれてほしいことがあるんだ。」

 

天使「お願いしたいのは、私たちのことなの!」ピョコッ

 

明日翔「うわぁ~っ!」ステーン!

 

下から当然現れた天使に驚きひっくり返る、知らないやつだ。

 

ミコト「彼女が今回の依頼人だ。まずは自己紹介をお願いできるかな?」

 

エルエル「高等部1年、赤の世界の天使、エルエルです!えへへ、よろしくね空ちゃん!」「おにーさんは何て言うの?」

 

明日翔「よっと。」シュタッ「そうだなぁ…あしながおじさんって呼んでくれるかな?」

 

空「先輩、ここでふざけたら勘違いされますよ。」ジト「この方は、明日翔先輩です。私たちの頼れるαドライバーですよ!」

 

エルエル「よろしくねー!明日翔くん!」「っていうか、空ちゃんて生徒会だったんだね!」

 

空「はい…昨日からの新米ではありますが…。」

 

エルエル「そうなんだぁ!じゃあ炊きたてホヤホヤだね!」

 

明日翔「随分仲が良いな、知り合いか?」

 

空「はい、隣のクラスなんです。合同授業で何回かご一緒しました。」

 

エルエル「それはもう友達だよー!あたしのエクシードも知ってるでしょ?」

 

空「はい。それはもちろん。『エールフレンド』ですよね?」

 

エルエル「うん、だいせいかーい!」

 

ミコト「今回の執行部への依頼は、それに関するものなんだ。詳細を話す前に、場所を変えようか。見てもらった方が早いと思うし。」「悪いけど空、アリーナでエルエルとブルーミングバトルしてみてくれる?」

 

~練習用アリーナ~

 

空とエルエルのブルーミングバトルを見る。見てはわかったことは、こいつの技には一貫性がない。全く別物の技を繰り出すことができることだ。空の『ホライゾン・ブルー』ですら、全く同じものを繰り出せたほどだ。

 

ズシャン!

 

エルエル「ぴゃあ!強いね、空ちゃん。今のがαドライバーのリンクなんだ!?」「E.V.E.の優勝チームに勝ったのも納得のすごさだよー!」

 

空「いえいえ、そんなことは。やっぱり先輩のお力あってこそのことですし…。」

 

エルエル「またまた、そんなに謙遜しちゃって~。」ウリウリ

 

明日翔「なるほどな、お前の能力。読めてきたぜ…。ずばりいっちまえば他のやつの能力を丸々コピーできやがるな?」

 

ミコト「そうだね。正確に言うと…彼女は『友達』のエクシードを借りることができるんだ。」

 

空「『友達』の数だけ多彩なエクシードを使える、すっごいエクシードですよね。」「うまく扱うには練習も必要でしょうけど、おともだちの多いエルエルさんにぴったりですっ。」

 

エルエル「エヘヘ~、それほどでも。それに、すごいのはあたしに力を使わせてくれるお友達だけどね。」「でも…エールフレンドでね、チームの子のエクシードが借りられないの。」

 

空「えっ?それはとても大変なことなのでは…?」

 

明日翔「はは~ん…ってことはよ、俺たちに頼みたい仕事ってのは、ずばりこいつの能力の不調の解決だな?」

 

ミコト「うーん半分正解で半分不正解。…実を言うとエルエルのエクシードは問題のほんの一部でね。明日翔と空に依頼したいのは、彼女の所属するチーム全体について。」「エルエルの所属するチームは、各世界のエース級新入生が集まったチームなの。当然、それぞれの世界から結果求められている。」「だけど、今はエルエルがチームメイトのエクシードを使うことができない。『友達』であれば、その友人のエクシードを使えるはずのエルエルが、だ。」

 

ナクル「調査の結果、エルエルのエクシード自体に問題はないっぽいー。」

 

明日翔「まぁ見ての通り、空のホライゾン・ブルーは使えてたわけだしな。」

 

ミコト「しかも、エルエルとチームメイトの関係が悪い訳じゃなさそうなんだよね。」「というわけで、明日翔くんにはチームに参加し、問題を突き止めて解決をしてほしい。」「キミであれば、人間を客観的に見ることができるだろうし…なにより、短期間でチームをまとめあげる手腕は、この私が身をもって体験しているからね。」

 

ナクル「うむー、会長の贔屓目抜きでもセンパイは適任だとおもうー。問題解決を示すミッションも、追って用意するようにしておくー、さたをまてー。」

 

エルエル「それじゃあ、明日翔くん。改めて…あたしの友達になってほしいな!」

 

明日翔「今更何いってんのさ、もう俺達友達だろ?」ニヤリ

 

エルエル「!わーい、そうだね!新しい友達が手伝ってくれるって、ワクワクする!仲良しチームをつくろー!おー!」

 

エルエル「できることからやっていけば、今より仲良くなるよね!きっと!」

 

空「ですね!応援してます、先輩、エルエルさん!」

 

明日翔「な~に言ってんのよ空、お前もやるんだよ。」

 

空「…えぇ!?」

 

ミコト「空、キミにはチームに参加してほしいの。というか、そのために呼んだんだし。」「プログレス同士でしかわからないことや、話せない悩みなんかもあるかもしれない。それに、明日翔だけを知らない子しかいないチームに放り込むのはかわいそうでしょ?」

 

空「先輩なら何とかしそうな気もしますけど…私は助手ということですね。」

 

ミコト「そういうこと。これは明日翔と親しいキミにしか頼めないことなんだ。」

 

空「先輩と親しい…へへ。」「はいっ、承りました!」

 

エルエル「えへへ、空ちゃんも手伝ってくれるんだ。嬉しいなぁ~!」

 

空「不束者ですが、よろしくお願いしますっ!」

 

エルエル「フツツカ…って、なに?」

 

明日翔「足を引っ張るかもしれませんが~ってことよ。」

 

空「先輩、そういうことは言わないでくださいっ。」ジト

 

明日翔「おほほほ。」

 

ミコト「ひとまず、エルエルがチームメイトのエクシードを使えるようになるか、を指標にしてくれるかな?」「幸い、エルエルのエクシードは問題を解決したかを判断するのに、とても便利だから。」

 

エルエル「ちょっとー!人のエクシードをリトマス紙みたいに言わないでよー!」

 

空「あ、それはしってるんですね。でも、エルエルさんのエクシード自体に問題がないとすると…。」

 

明日翔「他のメンバーとの問題と考えるのが丸いか?」

 

ミコト「うーん。エルエルのエクシードの『友達』と基準は、まだ未解明な部分もあるんだけど…。」

 

ナクル「彼女以外にも、何かしらの課題がある、と考えるのが妥当と思われるー。」

 

空「でも、人間関係の問題なら、ヒメ会長が見れば一発なのでは?」

 

ミコト「『関係』の問題ならね。だけど、『縁』というのは人と人との間にしか生まれないもの。もし、問題が各々の心の内にあるものなら、それは私の専門外って言うわけ。」

 

空「確かに…それなら、リンクでプログレスの心とふれあえる、先輩の方が向いてますね。」

 

ナクル「それに、いちいち生徒会長を一つ一つのチームに首を突っ込ませるわけにはいかないー。ゆえに、生徒会の何でも屋の出番ー。」

 

明日翔「なるほどなぁ、まぁ何でも解決する実行部隊。やらないわけにゃいかないよな。」

 

空(そういえば、そういうことになってるんでした。)

 

ミコト「本来の仕事があるなか、負担をかけて悪いけど…よろしくね。」

 

エルエル「よろしくお願いします!空ちゃん!」

 

空「はい、こちらこそですっ!」

 

エルエル「あと…あしながおじさんこと、明日翔くん!」

 

明日翔「おう、よろしくな。」スッ

 

右手を差し出す。

 

エルエル「うんっ!」ギュッ

 

握手を交わす。さて、どうなるかな?

 

~夜・玄関前・ウロボロス退治後~

 

ユーフィリア「お二人とも、今日もお疲れさまでした。」

 

空「こちらこそですっ。5月になっても、ウロボロスはまだいるんですね。」

 

ユーフィリア「ええ。私が追っている存在を倒さない限り、この戦いは続くことが予想されます。…お二人を巻き込んでしまっていることは、申し訳なく思っています。」シュン「本当は、私だけで決着をつけられればいいんですが…。」

 

空「もう、ユフィさん!私たちはもう仲間じゃないですか!寂しいことを言わないでくださいっ。ねぇ先輩?」

 

明日翔「これまで色々やって来たからな、とことんやってやるさ。」

 

ユーフィリア「ふふ……そうですね。もうこうなったら、付き合ってもらうしかないですもんね。」

 

空「でも、毎日ウロボロスが潜んでいるってことは、上位個体もまだいる、ってことでしょうか?」

 

ユーフィリア「可能性が高いですね。ウロボロスを統括しているのか、その他のなにか、別の目的があるのか………。」

 

明日翔「考えられるとしたら、俺の命が狙いってこった。」

 

ユーフィリア「少なくとも、毎日倒しているウロボロスとは別の役割が与えられていると考えるのが自然です。それを探るのが、私の最重要任務と言えるでしょう。」

 

空「任務…。」「あっ!任務で思い出しました!」

 

ユーフィリア「どうしましたか?」

 

明日翔「実は空と俺で、例の執行部の仕事をすることになったんだ。」

 

依頼されたエルエルのエクシードの不調、及びエルエルのチームの課題解決のために今動いていることを伝える。

 

ユーフィリア「執行部の『表の任務』ということですね。わかりました。」「そちらを私が手伝えない分、支障が出ないよう、私も最大限協力をします。なんといっても、お二人はまだ学園に来て1ヶ月の学生さんなんですから。」「世界のピンチとか毎日のループとかの前に、まずは学園生活を楽しんでくださいね。」

 

明日翔「なぁ~にいってんのよ、お前も学生だろ?…便宜上は。」

 

ユーフィリア「!私も…?いえ、私は…。」

 

空「ユフィさんは未来から来たとしても、未来を知っている訳じゃないんですよね?だったら、私たちと同じじゃないですか。」

 

ユーフィリア「それは…そういう面も、ないとは言い切れないですけど。」

 

明日翔「だー!もうじれってぇなぁ!あれはあれ、それはそれだ。楽しめるもんは楽しまなくっちゃなぁ?」

 

空「そつですね。貴重な学園生活です、大事に過ごさないと、もったいないです!」

 

ユーフィリア「…。」「…ありがとうございます。それじゃあ、これからはちょっとだけ、お言葉に甘えさせてもらうかもしれないです。」

 

空「はい、大歓迎ですっ!」

 

~翌日・5月1日・朝・通学路~

 

朝、空と登校をしていた時…。

 

空「…例の任務、どう進めましょうか?」

 

明日翔「他のやつらを見ないとなんともいえねぇなぁ…。」

 

エルエル「明日翔くん、そ~らちゃん!おっはよー!」ドガッ!

 

明日翔「ぴけっ…うわーっ!」ドシャーン

 

背中にタックルをくらって転ぶ。

 

空「エルエルさん!おはようございますっ。」

 

エルエル「えへへ、二人のことが見えたから追いかけてきちゃった。」

 

明日翔「いってて…朝から元気一杯ってか?ぶつかるこたぁねえと思うが。」

 

エルエル「うん!とっても元気!」「今日から、二人は一緒のチームなんだよね。改めて、よろしくね!」

 

空「そういえば聞き忘れていたんですが、他のチームメイトさんはどんな方なんですか?各世界のエース級新入生ってヒメ会長はおっしゃってましたけど。」

 

エルエル「あ!昨日教えるの忘れてた!だけど、何人かは空ちゃんのクラスメイトだよ。」「蒼月紗夜ちゃんと、アルマリアちゃん。知ってるよね?」

 

空「はい。青空寮まで迎えに来てくださったこともありますし。」

 

明日翔「…。」

 

なるほど、一昨日来たあの青い髪の女と吸血鬼か…。

 

エルエル「それから、青の世界の彩城天音ちゃん。白の世界のステラちゃんと、緑の世界のナイアちゃん。それからあたしを入れて、全部で6人!リーダーは紗夜ちゃんだよ。」

 

空「紗夜さん、しっかりしてますもんね。リーダーなのは納得ですっ。」

 

エルエル「うん、チームのことを一番考えてくれてるよ!…ちょっと厳しいときもあるけど。」

 

空「チームのリーダーが厳しいのは、よくあることかなと思うんですけど…。エルエルさんから見て、チームで困ったことはあったりするんですか?」

 

エルエル「うーん、特には…?ナイアちゃんはサボったりするけど。一番困ってるのは、チームみんなのエクシードを、あたしがエールフレンドで使えないことかも。」「今までの連携ができなくなっちゃって、バトルだと困ることが増えたんだよねぇ。」

 

空「ふむふむ…次のチーム練習は、いつやるんでしょうか?」

 

エルエル「明日の放課後だよ!今日はお休みなの。」

 

空「なるほど…チームに問題があるのなら、他の方のお話も聞いてみたいところですが…。」

 

エルエル「あ、それなら!2人とも、お昼って予定ある?」「今日、天音ちゃんとランチするんだ!よかったら2人もこない?みんなで食べた方が楽しいし、それにあたしたちはもうチームメイトだし!」

 

明日翔「へぇ、そいつぁちょうどいいな。同席するとしようか。」

 

エルエル「いえーい、きーまりっ!天音ちゃんはチームのことなら何でも知ってるの。だから天音ちゃんに聞けば、チームのこと、もっと分かると思うよー!」

 

~昼・カフェテリア~

 

昼休み、教室まで迎えに来てくれた。空とエルエルと共にカフェテリアにやってきた。各々昼飯をかくほ、先に来ているはずの待ち合わせ相手の天音という女を探す。

 

エルエル「んーと…あ、いた!見つけた~!おーい、天音ちゃ~ん!」

 

天音「あ、来た。こんにちはー。」

 

こいつが彩城天音か…。

 

エルエル「お待たせ、天音ちゃん。席とっといてくれてありがとー!」

 

天音「ううん、先に着いてただけだし、気にしないで。明日翔先輩と空ちゃんですよね?初めまして、彩城天音です。」

 

明日翔「…。」ジーッ

 

天音「…?どうしましたか?」

 

明日翔「愛嬌のある顔だと思ってな?思わず見とれちまったぜ!」ニヤリ

 

天音「ええっ!?いやそんな…。」

 

空「先輩、ここでは抑えてくださいっ。」ドガッ

 

背中を叩かれる。

 

明日翔「悪い悪い、俺は明日翔。よろしくな?」

 

天音「あはは、新歓戦の優勝コンビが私たちのチームに入ってくれるなんて感激です!」「…褒めていただいてちょっと嬉しいです、ありがとうございます。」

 

エルエル「ちょっと天音ちゃん~!なんかカタいよ~。お仕事の人みたいだよ!」

 

天音「ええ~、だって緊張するよ。そもそも、なんで紗夜より私が先に会うの?」

 

エルエル「そりゃあ、天音ちゃんはメンバーのことよくわかってるし…あたしとランチの約束してたから。」

 

天音「期待の新メンバーをついで感覚で誘うなんて…エルエルらしいといえばらしいけど。」

 

エルエル「ええ~?だってもう友達だし、2人とも空いたんだからいいでしょー?」

 

最初のかしこまった雰囲気とは違い、エルエルと話す天音は気さくで親しみやすそうな印象受ける。パッと見、人間関係の問題じゃあなさそうか…。

 

明日翔「…。」ジーッ

 

天音「あ!ごめんなさい、エルエルと盛り上がっちゃって。」

 

空「いえいえ、こちらこそ突然お邪魔してしまってすいません。」

 

エルエル「も~!空ちゃんも、邪魔なんかじゃないってば!ねー、天音ちゃん?」

 

天音「はい、私が緊張しちゃってるだけで、ご一緒できるのはとてもうれしいです。」

 

エルエル「むっ…それ、禁止-!」

 

天音「それ?どれの話?」

 

エルエル「そのお仕事みたいなしゃべり方!もっとあたしたちといる時みたいにしゃべろうよ~!」

 

天音「そうは言っても明日翔先輩は2年生なんだし…。」

 

明日翔「んなこたぁ気にすんな、女に格差はつけない主義なんだ。」

 

天音「あはは…それではお言葉に甘えて…。」「えっと、まずは2人がチームに参加してくれる経緯を確認してもいい?」「エルエルからは、生徒会の人が手伝ってくれるってことしか聞いてなくって。」

 

俺たちが依頼された内容を伝える。

 

明日翔「…ってなわけでよ?コイツの不調の解決とチームの課題解決が俺たちの役割って訳よ。」

 

天音「へぇ~!生徒会ってそういう面倒まで見てくれるようになったんだね。すごいなぁ。私たちのチームの問題なのに…ごめんね。でも、助かるかも。自分たちじゃ見当がつかなくって。」

 

空「天音さんからみて、チームで気になったことってありますか?」「失礼ながら、天音さんとエルエルさん、全然問題がありそうに見えなかったもので…そうなると、他の方となにかあったのかなぁって。」

 

天音「エルエル、紗夜たちのことってもう話した?」

 

エルエル「えーっと…出身世界と名前だけは!あとは天音ちゃんの方が上手に説明できるかなって。」

 

天音「じゃあ、そこからかな。あくまで私から見たメンバーについてになるけど…。」

 

天音は携帯端末にチームメイトの写真を表示させながら、説明してくれる。

 

まずは蒼月紗夜。光のエクシードを使う、このチームリーダー兼エース。何でも一人できる、真面目で努力家な女。

 

アルマリアは、血を操る吸血鬼。チームの攻守の要、普段でもバトルでも頼りになるいいとこのお嬢様だ。

 

ステラ、城琉と組んでたとにかく速いアンドロイド。やはり速さへのこだわりは人一倍、しかしそれ以外ではマイペースなアンドロイド。

 

ナイア、緑の世界の軍人。防御とカウンターの技術は目を見張るものがある。しかし、やる気のスイッチが入るのがいまいちわからない普段はだらけている女。

 

明日翔「ほーん…こいつぁおもしれぇやつらばかりだ。」

 

空「ステラさんは新歓戦で戦いましたよね。」

 

天音「私の説明で、少しでも感じ、伝わった?」

 

明日翔「ん?ああもちろん、よく見てるだけあってしっかりと伝わったぜ。」

 

天音「うん、みんないいところがある、素敵な子達だよ。」「あ、それからもう一人、赤の世界の天使、エルエル。」

 

エルエル「えー!?あたしの紹介もしてくれるの?なんか恥ずかしいなぁ…えへへ…。」

 

天音「ふふ。エルエルは…見ての通り、いつも明るくて落ち込んでる時は力になってくれて…頑張りたいときは一緒に頑張ってくれる。みんなと仲のいい、誰からも好かれる子だよ。」

 

エルエル「も~!天音ちゃん、褒めすぎだよぉ~!///」

 

天音「だから…エールフレンドでわたしたちのエクシードが使えないって聞いたときは、何かの間違いって思ったの。早く不調の原因が

治るといいね…。」シュン

 

エルエル「うん…。」シュン

 

二人は暗い顔をした。

 

空(むむ、これは私たちも頑張らないとですねっ。)

 

明日翔「まぁそう暗い顔すんなって、俺は不可能を可能にできるって触れ込みなんだ。必ず、お前たちの問題を解決してやるぜ。」

 

エルエル「明日翔くん…ありがとう!」

 

天音「これからよろしくね!」

 

明日翔「いいってことよ。」

 

空「天音さんからの説明を聞いて、先輩から見て気になる人はいましたか?」

 

明日翔「気になるやつ?んーそうさよなぁ…。」

 

アルマリア、こいつはソフィーナから話を聞けるから一旦いい。

ステラはセニアが城琉にでもききゃなんとかなるだろう。

ナイア、こいつは緑の世界出身の軍人であることから、実力は折り込み済みとみていいだろう。

ってことはいの一番に見なくちゃいけねぇのは…。

 

明日翔「蒼月紗夜、こいつだ。」

 

天音「うーん、一人で先走ってるところがあるとは言えなくもない…かも?」

 

空「となると、あとは皆さんとお会いしてからですね。次のチーム練習は明日なんですよね?」

 

天音「うん。基本的には平日は毎日やってるんだけど、今日は紗夜の都合が悪いからお休みになったの。」

 

空「…?」「紗夜さんがいないと、練習はお休みになるんですか?」

 

天音「そうなることが多いかなぁ。一番練習したがるのは紗夜だから。」

 

空「は、ははぁ…紗夜さんは本当にチームの中心なんですね。」

 

天音「本人もリーダー、すごく張り切ってるみたい。もしかして…明日から参加してくれるの?」

 

空「はい、そのつもりですっ。」

 

天音「それじゃ、連絡先聞いてもいい?練習場所の予約と連絡は、私の仕事なんだー。」

 

エルエル「明日から明日翔くゆと空ちゃんもはいった新チームかぁ。楽しみだなぁ~!」

 

天音「わたしで手伝えることがあったら、何でもいって。チームのために、できることをしたいの。」

 

明日翔「そうか。チームを今一番理解できてるのはお前さんだ、これからも頼りにするかもな?」

 

天音「うん、そうしてね!」

 

~~~~~~~

 

エルエル「じゃあまた明日ー!」ノシ

 

空「はいっ、お待ちしてまーす」ノシ

 

お互い別れ、各々歩き出す。

 

空「とりあえず明日、メンバーの皆さんとご対面といった形ですねっ。」

 

明日翔「ああ、そうだな。」「…うーん…。」

 

空「エルエルさんの不調について考えてるんですか?」

 

明日翔「ん?いやまぁそれもあるっけどもよ、個人的なことを考えてたんだ。」

 

空「何か思い付いたら、いつでもいってくださいね!」

 

明日翔「おう。」

 

…彩城天音…か…。

 

どこかで…会ったか?

 

~夜・城琉のアジト~

 

ヤニスパー…。

 

明日翔「…ってことがあってよ?まぁた忙しくなりそうだぜ。」

 

城琉「まったくお前がいるとどこもかしこもトラブルだらけだな。お祓いに行った方がいいんじゃないか?」

 

歌右衛門「運気は自然と和解をせねばならない。今すぐ、滝に打たれよ。」

 

明日翔「ば~か、そんなことしちまったらよ?俺の心が清められちゃうでしょうが。」

 

城琉「ある意味清いだろ、黒い意味でな。」

 

明日翔「そりゃごもっとも、一本とられた。」「でもよ、おもしれぇやつもいるぜ。ナイア・ラピュセアって聞いたことないか?」

 

城琉「ナイア…?機密資料室で見たことはある、確か緑の世界二枚看板のうちの一人…だったはずだ。」

 

明日翔「どうやらそいつが今回のチームにいるらしいんだわ。こいつぁいわゆるチャンスってやつじゃないのか?」

 

城琉「チャンスだと?」

 

明日翔「こいつはしっかりとした軍人それも、特殊な制服だ。そんじょそこらのやつよりか情報を持ってそうだぜ?」

 

城琉「なるほどな、俺のヤマってわけか。」「…報酬は?」

 

明日翔「おっちゃんのリブと響でどうだ?」

 

城琉「…。」ニヤリ「乗った。」

 

明日翔「むふふふふ、決まり~。」「歌右衛門ちゃんはよ、引き続きシルトの警護頼むわ。あの一件以来なんの音沙汰ないんだろ?」

 

歌右衛門「左様、あれ以来動きはない。」

 

明日翔「ま、そういうわけだ。」ケシケシ「各々、しばらくは自由行動といこうぜ?」

 

吸殻を灰皿に押し当てて火を消した。明日からまた忙しくなっちまうなぁ?




始まった5月の物語!今月の仕事はなんとチームの課題解決と来たもんだ、ここは一発、俺様がこいつらの問題を解決してやろうか。さてさて、あしたは蒼月紗夜のお手並み拝見といくかぁ!

次回「風に憧れた光」

また会おうぜ?
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