~5月6日・昼・無人島~
新入生交流プログラム二日目、チームの統率に不安の残す立ち上がりをみせたが今だ戦闘は起きていない。
天音「暇だね…。」
エルエル「もうお昼ごはんにしちゃう?」
紗夜「ダメに決まってるでしょ。戦うべき時か来たら戦うんだから。」
空「あの、紗夜さん。戦うってことは、負ける可能性も存在するってことですよ。3位に入らないと解散なんですから、まずは生き残りを優先した方がいいのでは?」
紗夜「それは…分かってる、3位以内に入ることが大前提だってことは。でも、その『結果』って、こそこそ隠れて手に入れた3位でいいの?」「このプログラムは、毎年エクシードの強化を目的に行われてるんでしょ。私たちの目的は3位以内でも、学園から見たプログラムの評価基準は違うかもしれない。だから…。」
明日翔「おいおい…紗夜ちゃんは頭が固いねぇ?ちったあ肩の力ぬきな?」
紗夜「先輩、これはチームに関わる大切な─」
明日翔「紗夜、お前たちに求められてるのは結果ってのを忘れしちゃいないよな?過程なんてのはどうでもいいのよ。」「別によ、戦えなんて条件は求められてねぇわけだ。ならよ、どんな手使っても許されるってことじゃねぇか?もちろん、最低限ルールはあっけともな。」
紗夜「それは…そうだけど…。」
明日翔「目に見えたリスクを回避するのも戦いのひとつってことだ。それこそいきなり襲われなけりゃ─」
???「たーのもーっ!」
一同「!?」
エルエル「なになに~!?」
ステラ「気をつけて、敵襲と思われる。」
???「たのもー、ですよー!あなたがたは完全に包囲されてまーす!」
空「この声は…新田さん!」
新田「ふっふっふーん、大正解です!」
こいつは…プログラム初日でごねてた女か。
天音「どうやってここが…。」
新田「簡単なことです。昨日、尾けさせていただきました。
空「あまりにシンプルな方法!」
新田「蒼月さん、あなたのチームが連携を不得手としていることは、調査済みです!いくらプログレスが強力でも、連携が足りていなければ烏合の衆と同じ!」「よって、このプログラムで練度が上がる前に、早々に倒しておくべきと判断しました!いざ尋常に勝負です!」
紗夜「しょうがない、やるしか…って、ナイアとアルマは?」
ステラ「上空からは見えなかった、居場所不明。」
紗夜「…んもー!こんなときに!先輩、空!いきなりだけど、力を貸して!」
新田「ぱひゅーん!」
新田と言う女は、パンダを召還し攻撃を仕掛けてくる。
明日翔「避けろ!」サッ
新田「逃がしませんよ~?」
パンダの突撃を避け続ける。
明日翔「ステラ!上を飛んで人数を数えて報告してくれ!紗夜と天音はこのパンダたちを押し退けろ!」
ステラ「了解、すぐ戻る。」ボン!
紗夜「わかった!天音、サポートお願い!」
天音「うん!」
天音は弓矢を召喚する、これが天音のエクシードか。
明日翔「空とエルエルはこの二人が崩れないようにサポートしてやってくれ。」
エルエル「うん!わたしがんばる!」
空「はいっ、承りましたっ!」
パンダや他学生の攻撃を弾き攻撃を仕掛け続ける、そうするとステラが戻ってきた。
ステラ「戻った、相手は4人。間違いない。」
明日翔「4人か…やけに少なくねぇか?」
ステラ「うん、少ない。」
明日翔「わるいな、紗夜に合流してやってくれ。」
ステラ「了解。」ボン!
最初にごねてるのを見たときには7人はいたはず、今この場にいるのが4人だとするなら他はどこに…、まさか。
明日翔「…空、ここは任せた!俺は少し野暮用だ!」スタタタタタ
空「え、えぇ!?先輩!」
~~~~~~~
なんとかパンダの猛攻を耐え、新田を含めた他学生を撃破した紗夜たち。
新田「くっ、なかなかやりますね…!しかーし!こちらにはまだ伏兵が!」
ザッザッザ…
ナイア「伏兵ってのは、この子たちのことかい?」ドサ
茂みから現れて担いできた向こうのチームメンバーの一人を床に置く。
新田「ぎくっ!?なぜそれを…。」
紗夜「ナイア!どこ行ってたの!?」
ナイア「散歩だよ散歩。そしたらたいちょーを偶然見つけてさぁ。
アルマリア「みなさん、見つけておとなしくしてもらいましたよ。」
明日翔「散歩経路が近くて助かったぜ、俺自身が手を出すことはできねぇからなぁ?」
新田「な…な…な…!」
紗夜「ってことは…伏兵はなし。バトルはこっちの勝ち…ってことでいいんだよね?」
新田「話が違います!ぜんぜんばっちり連携ができているのはなぜ!?それになぜ作戦が!?」
空「それは、まぁ…先輩がいるからじゃないでしょうか。」
新田「先輩?このプログラムは一年生しか参加してないんじゃ…。」
空「先輩は編入生なので、特別に参加してるんです。」
新田「道理で後ろの方から指示が聞こえるなーと思いました!それにいなくなったと思ったら作戦がばれてるし!卑怯ですよ卑怯ー!」
明日翔「ごめんねぇ?やけにそっちの人数が少なかったもんで、辺りを探させてもらってたんだわ。まったく生徒会もひどいことするねぇ?」
新田「…はっ!…あなたが…噂の先輩ですか?」
明日翔「噂?モテる男ってのは罪なもんだね、そうさ。俺は明日翔、不可能を可能にできる生徒会員だ。」
新田「明日翔…さん…。素敵なお名前ですね…とても新田と言う名字と相性が良さそうです。それに、この胸のときめきはいったい…!?」
明日翔「?」
紗夜「えっ…と…。私たちの勝ちで、いいんだよね?」
~~~~~~~
しばらくして、紗夜が声をかけてきた。
紗夜「…お疲れ様、先輩。どうだった?うちのチーム。結構すごかったでしょ?」
明日翔「ああ、見させてもらったぜ。実力は文句のつけようがねーぐらいにな。」
紗夜「私たちには乗り越える力がある、もっと…私たちにはできることがあるはずだよ。」
明日翔「紗夜、すぐに思い詰めるのは悪い癖だぜ。そんな顔歪ませちまってるとよ、シワになっちまうぜ?」
紗夜「はぁ!?…もう!真面目にいってるんだってば!」プンプン「…ああほら!何言おうとしたか、忘れちゃったじゃない!」プンプン
明日翔「うひひひ、いい反応だぁ。」
紗夜「はぁ………明日翔先輩って、いつもそんな感じなの?」
明日翔「どうだろうなぁ?相手によるかもしれねぇな、なんてったって反応がいいから。にひひ。」
紗夜「…それは私だからそうしようって思ったってこと?」
明日翔「そゆこと。」
紗夜「…はぁ…分かってるの。自分の温度と、みんなの温度が合ってないって。でもその差をどうすればいいかわからない。私はこのチームで上を目指したい、このメンバーならやれるって思ってる。」「なのにみんな…すごく実力があるのに、それを全力で発揮しようとしない。だから、私がもっと強くなって、みんなが頼れるリーダーにならなきゃ…」
明日翔「紗夜、何度も言ってるだろ?肩の力抜けって。お前が頑張ったって他人がどうこうできる訳でもねぇんだかんよ。そんなに責任自分で抱えちまうと、どこかで…ボカーーーン!ってなっちまうぜ?」
紗夜「先輩…。」
エルエル「紗夜~明日翔く~ん、今のうちにお昼ご飯にしようって~!」
ステラ「付近に敵性反応なし、問題ない。」
紗夜「あ、うん!すぐ行く!」
明日翔「じゃあぼちぼち飯にすっか。」
紗夜「うん…。」「明日翔先輩、なろうね、3位以内。」
明日翔「もちろんさ。」グッ
サムズアップ。
紗夜「ね、ねえ…ところで…さっき言ってたことだけど……。」
明日翔「?なんだぁ?なんの話だ?」
紗夜「だから、しわのこと。あと…ついてないよね?」
明日翔「ああその話か?ついてないぜ、でもこれからついちまうかもなぁ?」
紗夜「…もう!」プンプン
明日翔「うひひ。」
そうして新入生歓迎プログラム二日目が終わる。
~翌日・5月7日・朝~
新入生交流プログラム3日目。昨日は結局、新田の襲撃以降、戦闘は発生しないまま交戦可能時間は修了した。
ザーザーザー…ブツ…
ナクル「あーあー。新入生諸君、聞こえてるかなー?」
電波の悪いラジオのようなノイズとともに、支給された無線機からナクルの声が響く。
ナクル「初日を生き延びたチームはおめでとう、このまま一位目指して頑張るべしー。惜しくも脱落したチームもお疲れ様ー、統合軍の短期集中ブートキャンプでばっちり鍛えていってねー。」
ナイア「げげぇ…脱落者のトレーニングってあれなの?ぜーったいやりたくないなぁ…。」
明日翔「おう、ずいぶん顔色が悪くなったじゃねぇか。そんなキツいのかぁ?」
ナイア「うん。統合軍の精鋭だって初日は音を上げるぐらいにはヤバいシロモノさ。」
ナクル「さてさて、バトルロワイヤルのこれからの流れを説明しておくー。」「新入生チーム20チームのうち、残り16チーム。うーん、思ったより残ったー、みんな慎重派だねー。」「なのでこれからは、最終日に向けて滞在可能エリアを毎日縮小していくー。翌日の交戦可能時間になるまでエリアに入ってないチームは、脱落となるので注意することー。」
エルエル「えぇ~!じゃあせっかく張ったこのキャンプも移動しなきゃいけないの~?」
空「エルエルさん、安置収縮は原作からバトロワの定番です。そういうものなんですよ。」
アルマリア「明らかに異常なルールなのに、当たり前のように受け入れているんですね、空は…。」
ナクル「では、明日の滞在可能エリアを発表するー。エリア外のチームは、今日中に移動を終わらせておくことー。ではー。」ブツッ
~~~~~~~
天音「滞在可能エリア、入っててよかったね。」
空「ですね、エリア内かエリア外かで、行動の自由度が大きく変わりますから。」
アルマリア「それで?今日はどうするんです?」
紗夜「それなんだけど…今日はここで、みんなの連携とかエクシードの訓練をしたいの。」
ナイア「訓練~?もうこの状況が訓練みたいなもんじゃん。昨日もアタシら抜きで勝ててたし、なんでまた?」
紗夜「…みんな、学園での自主練習、まったく来てなかったでしょ。」
ナイア「うげ。」グサッ
アルマリア「な、なんのことでしょうか?」グサッ
紗夜「昨日勝てたのは、明日翔先輩っていうαドライバーがいたから。由美は私たちを舐めきってたからなんとかなったけど、これから先もうまく行くとは限らない。」「だから、余裕のあるうちにこのチームで動きを固めておきたい。そういえば明日翔先輩は、いきなりステラともリンクできてたもんね。」
ナイア「え、マジ?」
ステラ「マジ。リンクによる速度と戦闘力の向上は、数値としても現れてる。だから自分は賛成。ただ待機するよりも速度向上の方が見込めるほうが効率的で有意義だと考える。」
アルマリア「バトルロワイヤル博士の空の意見はどうですか?」
空「博士じゃないですっ。けど、そうですね…」「今日は滞在エリア内で、移動の必要もないですしここに留まることは問題ないと思います。」
明日翔「ですが、昨日みたいな奇襲には注意が必要ですね。」
天音「ナイア、簡単なトラップみたいなのって、用意したりできる?」
ナイア「できるけど…めんどくさいなぁ~。」
エルエル「ナイア、私も手伝うよ。」
紗夜「それじゃ、今日はここで訓練。明日翔先輩は、気になるプログレスとテクシードの確認をしてもらって。」
明日翔「はいはい~。」
ナイア「うへぇ~い。」
アルマリア「だから、それは拒否なのか同意なのかどっちなんですか?」
~~~~~~~
空「先輩、誰のエクシードの確認をしましょうか?」
明日翔「そうだな、俺が気になっているのは…。」
というのも数日前…
~初日~
ナクル「これこれ、センパイ。ちょっとだけ助言しておくー。」
明日翔「お?そいつぁありがてぇな。んで、どんなことだ?」
ナクル「紗夜のチームのナイアについてー。」
ナイア…銀髪でグリューネシルトでも特殊な制服着たあの女か。
ナクル「彼女はどうしようもなくやる気がなくて、いつもサボることばかり考えている不良軍人ー。しかし、それは世を忍ぶ仮の姿ー。かつて彼女は、将来を嘱望されたそれはそれは優秀な軍人だったのだー。」「それがなぜ、今のような昼行灯ガールに成り果ててしまったのかー?センパイには、話を聞いてあげてほしいー。」
~現在~
空「ナイアさん、いないですね…。どこにいったんでしょう?」
明日翔「さぁあな、探すしかねぇさ。」
空「あんまり練習には乗り気じゃなかった感じもしますし…、どうしましょうか…。」
明日翔「本人の自由にさせるしかないさ、やる気ってのは他人が出したところで長くは続かねぇ。待つしかねぇのよ。」
空「先輩は、どうしてナイアさんがあんな風になったんだと思いますか?」
明日翔「そうさよなぁ…、真偽はわかんねぇっけども大方想像はつく。」
空「どんな理由ですか?」
明日翔「アイツは将来有望な軍人だつて話た。ってことは、そんだけ戦場に駆り出されたって不思議じゃねえ。大方仲間と敵両方の血を見すぎちまったのが原因ってとこだろ。」「そういうやつが行き着く先は、血を見るのが怖くなって逃げ続けるヤツか頭のイカれた殺戮者。こうならなかっただけマシさ。」
空「うーん…。」
明日翔「こんな話はわからねぇ方がいいさ、わかんねぇほうがずっといい。」
???「へっくし!」
空「!?」
???「あ、やべ。」
空「今どこからか、くしゃみが聞こえませんでしたか?」
???「ふぁ~…寝てたらくしゃみでちった。」
明日翔「なるほど、歩兵にみつからないように木ノ上ってことか。」
ナイア「よっこいしょ。」スタッ「どーもー、生徒会のお二人さん。」
空「び、びっくりしました…。しかしどうして?」
ナイア「そりゃあ、風通しがよくてほどよく日当たりもあって昼寝場所に最高だからさ。」
空「わかってはいましたけど、お昼寝中だったんですか!?練習をするはずでは…。」
ナイア「こんなのいつものことだよ~。あたしがサボり魔だって、誰かから聞いてない?…あぁ、だからあたしのところにきたのか。真っ先に確認しないと逃げられるかも、と。」
明日翔「具体的な能力がわからんもんでな?お前のことが気になったんだ。」
ナイア「お?なんだなんだ、あたしモテ期か~?なーんてね。エクシードの確認をして回ってるんだっけ?」
空「はい。ナイアさんのエクシード、まだ見たことないので。緑の世界の方たちは、みんな自分だけの武器が召喚できるんですよね?ナイアさんはいったいどんな…。」
ナイア「アヴェンジェリア。」キューーン!!
ナイアが何気なく左腕を掲げると、そこからどこからともなく現れた銀色の小ぶりな籠手が装着される。
空「おおっ!その籠手がナイアさんのエクシードですか?」
ナイア「そう。逆襲の左腕・アヴェンジェリア。」
空「通り名まであるんですか?一体どんなことが──」
ナイア「はい、エクシードの召喚訓練終わりー。今日のところはここまでー。」
空「えぇ~っ!?」
ナイア「悪いけど今あたし、今日のメニューは体力温存の訓練だからさ。ちゃんと続けないと。」
空「…体力温存って、お昼寝ですよね?」ジト
ナイア「そうだよ、休めるときに休む。統合軍ではそう教えられるからさ。」
空「ナイアさん、どうしてそんなに訓練を避けるんです?」
ナイア「色々あるんだって。どーしてもって時は、ちゃんと仕事するしさ。」「必要最低限は参加してるんだから…それでいいでしょ、ね?」
明日翔「そのままはいと言う訳にゃいかねぇなぁ、やる気がねぇってことか?」
ナイア「ないない、ないよ。アタシにやる気なんて、あったためしがない。」
空「むむむ…」ジト(先輩、どうしましょう。全く説得できる気配がないです。)
ナイア「そういうことだからさ、他を子たちを見てあげなよ。そんじゃ。」
ナイアがこの場を立ち去ろうとする。
明日翔「おいおい、能力を見せるのが怖いのか?それとも…戦いが怖くて、逃げてんのか?」
ナイア「…。」ピタッ
明日翔「こーんな戦いに逃げてばっかりじゃあへっぴり腰なのも無利ねぇなぁ?ざーんねん、期待外れもいいとこだぜ。どーせ今までも仲間を見捨てて逃げてたんだろうなぁ?」
空「ちょちょちょ、先輩…!」
ナイア「…。」ビュン!
明日翔「おっと?」バシッ!
空「ひゃぁっ!」ドサッ
挑発していた明日翔を止めようとした空が尻餅をつく。ナイアが立ち止まった場所から踏み込みかなりのスピードで左手の突きを明日翔の顔面めがけて繰り出すが、明日翔が止める。
ナイア「やるね、紗夜を手玉にとったって噂は本物ってわけね。」ギリッ…
明日翔「ようやくお目覚めか?」グググッ…
ナイア「いよいしょっ!」ブン!
明日翔「けっ!」バスッ!
ナイア「ほっ!」ブン!
明日翔「おおっと。」サッ
ナイアの二段蹴りの一発目を腕で防ぎ、二発目を後ろに回って回避する。
ナイア「反応速度もその辺のやつの比じゃない、こりゃ勝てないわけだね。たいちょーなら、あの瞬間に何発も入れれたっしょ?入れなかったのはなぜよ。」
明日翔「俺に女を殴る趣味はねぇのさ。」
ナイア「にゃはは、実戦でそんなこと言えるかな?」「アタシを挑発してくれたんだ、容赦しないよ?」スッ
そういうと、独特の格闘技の構えをとる。
明日翔「カンフーか、中々乙な特技を持ってらっしゃる。」
ナイア「さすがたいちょー、いい眼をしてるね。…いくよ!」
空「ストーップ!ストーップ!!タイムタイム!!!」
空がナイアの体に抱きついて体をはって止める。
ナイア「おっとっと。」
明日翔「空、お前やるな。」
空「ほっ…」「先輩!ナイアさんと喧嘩をしに来た訳じゃないですよ!」プンプン
明日翔「ははは、悪ぃ。」
空「ナイアさん、ここはひとつブルーミングバトルで一戦交えるのはいかがでしょうか?」
ナイア「む…そういえばたいちょーはαドライバーだっけ、リンクでエクシードを強化できるとかなんとか。」
空「そうです!先輩は新歓戦優勝、選抜戦優勝チームにも勝利したすごい人なんですよ!」
ナイア「へぇ、それはそれは…。目立ちすぎて悪い連中に利用されないようにしなきゃね。」
空「お願いします、ナイアさん。ちょっとだけ!ちょっとだけでいいですから!」
ナイア「う~ん、しょうがないにゃぁ…。んじゃ、ブルーミングバトル一回だけね。派手に音を出すの禁止で。」「ただし、あたしが勝ったらそのあとは昼寝させてもらう、それでどう?」
空「乗ります!勝ったらナイアさんのエクシード見放題ってことですよね!?」
ナイア「いやまぁ…うん、そうだね。…ていうか空、なんでそんな前のめりなの?紗夜になんか頼まれてる?」
空「いえ、私自身がエクシードとかブルミーングバトルが好きで好きでしょうがないだけですっ!」キラーン「いいですよね!?先輩っ!」
明日翔「まぁ、しょうがねーか。いいぜ、やるか。」
ナイア「ありゃぁ、好きで好きでしょうがないの~…そっかぁ、困ったなぁ。こりゃあ負けられないぞ~。」
~~~~~~~
ナイアの戦いを見る、パッと見た印象派はさっき俺を攻撃してきたやり方とは打って変わって受け身が多いという印象だった。どちらかと言うと搦め手みたいな技巧派といったところか。
ナイア「うわー、やられちゃったぞー。」
空「やった!先輩勝ちまし─。」クルッ
空が俺の方に振り向く。
ナイア「隙あり。」スッ「アヴェンジェリア、解放。」ボン!
ナイアが空との距離を急激に詰め、籠手を空の背中にかざすと衝撃波が放たれ、空にぶつかる。
空「きゃー!?」グラッグラッ「ぴえっ。」ポスッ
明日翔「おっとっと、危ない。」ガシッ
転びそうになった空を受け止める。
ナイア「敵前で背を向けるのはいただけないねぇ、バトルには負けたけど勝負には勝たせてもらったよ。」
空「えぇーっ!バトルには勝ってるじゃないですか!?」
ナイア「はは、それ実戦でも同じこと言える?青の世界の武道でも『残心』って言葉があるでしょ。それにやられちゃったとは言ったけど『参った』とは一言も言ってないわけだし。」
空「えぇ~~!先輩~!私のエクシード見放題、使ってもらいたい放題の野望がぁ~~~!」
明日翔「まぁまぁ、また今後も見れるっしょ。たぶんな。」ナデナデ
ナイア「その野望は潰えたけど、エクシードの能力は今のでわかったでしょ。」
明日翔「受け身の戦い方を見るに…お前の能力は、食らった攻撃を返すカウンターの能力って訳だな?」
ナイア「ぴんぽーん。あたしのアヴェンジェリアは、攻撃を吸収して、放出することができるんだ。」「いまのはぜーんぜんフルチャージじゃないから、転ばせるくらいの威力しか出なかったけど。これで勘弁してくれないかなぁ。あたしとしては出血大サービスだったんだけど。」
明日翔「うーん…まぁ、わからなかった能力については見ることができたし。これで手打ちにすっかぁ。」
ナイア「よしきた、話がわかるね~。」「それではナイア・ラピュセア、体力温存の訓練を続行するであります!じゃね~。」
明日翔「おっと待ってくれ、最後にひとつ。」
ナイア「?まだなにかある?」
明日翔「さっきは、悪かったな。」
ナイア「へへっ、いいよいいよ。見せなさすぎたこっちも悪かったし、ほんじゃお休み~。」ビュッ
ナイアは再び木ノ上を登りどこかへ行った。
~~~~~~~
ナイア「…よし。これでしばらく静かに眠れるな。さ~て、お昼ねといきますかぁ。」「…後藤明日翔、αドライバー兼生徒会ねぇ…。ありゃあ、普通じゃないね。もっと…ドス黒いなにかがあるはず、でなけりゃあたしの攻撃どころか紗夜の攻撃を避けれるはずがない。」「…やる気は出ないけど、みんなのためにマークはさせてもらうよ。」
~夜~
明日翔「…よし、誰もいねぇな。」
みんなが寝静まった時間にこっそりと抜け出してとあるものを確認する。
明日翔「今俺が持っている道具は…モノクルに腕時計、カバンの中に変装するための道具一式。あとは…こいつか。」チャキッ
懐から拳銃を取り出す。
明日翔「弾は10発、予備マガジンが2本。…間違っても抜くわけにゃいかねぇよな。使いどころがなければいいが。」
というのもまたまた数日前…
~初日~
ナクル「基本的に極端に行動を縛るようなルールはないので安心感されたしー、ただセンパイはちょっと特別なのだー。では、説明する-。」
明日翔「俺には特別ルールかい、縛ってくるねぇ。」
ナクル「センパイの立ち位置はあくまでもサポートー。センパイは、今までの戦いを見るにαドライバーと好戦的すぎるー。だから、制限をもうけさせてもらったー。」
明日翔「へいへい、んで?その制限ってのは?」
ナクル「制限といっても、センパイから手を出しちゃいけないってことー。センパイが手を出してしまったら新入生じゃ勝てるわけないー。というか本来αドライバーは戦うべきでないー。」「とはいえ、センパイが新しい戦術を広げた事実もあるー、現に模擬戦では新歓戦以来αドライバー同士の戦いが戦術として組み込まれ始めたー。」
明日翔「へぇ、そうなのか?」
空「はい、新歓戦と選抜戦以降αドライバー同士が決闘する場面も少なくないときいてますっ。」
ナクル「てことで、極力センパイには手を出さないでほしいー。」
明日翔「おいおい、てことは俺はやられっぱなしってことか?」
ナクル「けしてそんなことはないー。制限としてはセンパイが先に手を出さなければそれでいいー、やられたらやり返すのは大丈夫なのだー。」
空「それ、制限になってるんですか?」
ナクル「センパイに先手をとられてトーキック一発で沈むよりは全然経験になるー。それじゃ、よろしくー。」
~現在~
明日翔「そういえば新入生チームにも、αドライバーはいたな…果たして、俺に挑んでくるやつはいるかな?だとしても、こいつは使わないか…たぶんな。」
新入生交流プログラム三日目、終了。
無人島生活も4日目、なんかわかんねぇっけどもこの日は嫌な予感がすんなぁ?奇襲を受けたりしそうだ。
だけっどもよ、俺の手を借りなくても全員ぶっ倒せるはずだぜ?俺が出張ることがねぇといいな?
次回「この男、善人かそれとも悪党か。」
俺は泥棒なんだぜ?