怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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この男、善人かそれとも悪党か

~5月8日・朝~

 

新入生交流プログラム四日目。昨日と同じく、無線機からナクルの声が響く。

 

ザーーーーーーー…ブツッ…

 

ナクル「おはよう、新入生諸君ー。今日の残りチームは12チームとなりましたー。」

 

アルマリア「あら、ずいぶん減りましたね。何かあったんでしょうか?」

 

空「多分、滞在可能エリア外のチームが移動したことで接敵が発生してしまったんだと思います。」

 

紗夜「そっか…滞在可能エリアが減るってことは、移動しないといけないチームが出てくるから。」

 

空「はい、私たちは隠れやすい地形で、かつ滞在可能エリアだったのでラッキーでした。」

 

ナクル「なお、予告した滞在可能エリアについてだけどー。エリア外に足を踏み入れてしまったチームと、寝坊でエリア移動ができかかったチームがいましたー。」「今日も明日の滞在可能エリアを発表するけど、きちんと地図をみて確認しておくことー。それでは今日も張り切って、ブルーミングバトル、スタートー。」ブツッ

 

~~~~~~~

 

天音「今日は滞在可能エリアから外れちゃったね…。」

 

明日翔「しょうがねぇ、パパパっと撤収して移動すんぞ?」

 

空「なら、いつ移動するか決めましょうか。紗夜さん、いつ移動しますか?」

 

紗夜「…あれ?」

 

空「…?紗夜さん、どうしてんです?」

 

紗夜「…ねぇ、ステラ見てない?」

 

空「ステラさんですか?あれ、そういえば…いませんね。」

 

エルエル「あれー?どこ行っちゃったんだろ。」

 

天音「テントにもいないの?」

 

紗夜「うん。…ステラに限って寝坊はないし、でも姿が全然見当たらないの。」

 

ナイア「大方、ロードワーク中じゃないのぉ~?…いや、飛ぶならエアワーク、かな?」

 

ナイアがそう呟くとけたたましいジェット音と共に降りてくる。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!ギィィィィィィン!!!スタッ

 

ステラ「正解。ちょっと遅くなった。」

 

ステラに紗夜が詰め寄る。

 

紗夜「ス~テ~ラ~!?どこ行ってたの!?」

 

ステラ「朝の暖気運転のついでに、周囲の索敵をしていた。現在は交戦時間前。この段階で周囲のチームの配置を把握しておけば、こちらが有利。」

 

アルマリア「あら、気が利くじゃないですか。」

 

空「そっか…飛行できるのはステラさんがいるんだから、こうやって索敵できるのはいいですね。」

 

紗夜「そうかもしれないけど、勝手に行くのはやめて。何をするにしても事前に報告してくれないと。」

 

ステラ「?なぜ報告の必要があるの?現在は交戦時間前で、先頭は発生しない。心配無用。」

 

紗夜「そういう問題じゃなくて…!!」

 

明日翔「まぁまぁ、そうカッカしなさんなって。」

 

ナイア「そーだよそーだよ、リラーックス、リラーックス。」

 

二人で間に入って仲裁する。

 

ナイア「不足の事態が発生したとき、ステラの動向がわからないと対応できないでしょー。それにもし移動するってなった時、ステラを探すのとキャンプの撤収が重なると…どうなると思う?」

 

ステラ「……リソースの無駄が発生する。なるほど、理解した。無駄があると遅くなる、次からは報告するようにする。」

 

ナイア「ん~えらいっ。」

 

紗夜「わかってくれたら…いいんだけど。」

 

明日翔「まぁこいつだって良かれと思ってやってくれてたわけだしな。今日のところは寝ぼけてたってことで、手打ちにしようじゃないの。な?」

 

紗夜「う、うん…。」

 

どうやらこの場は収まったようだ。

 

空「ははぁ…ステラさんには理屈で説明するとわかっていただけるんですね。」

 

天音「さっすがナイア。まるでリーダー経験者みたい。」

 

ナイア「あはは、冗談。リーダーなんてアタシができると思う~?」

 

エルエル「う~ん…すっごくのんびりしたチームになりそう…。」

 

ナイア「でしょ~。まぁ、このチームがそうなるなら歓迎だけどねん。」

 

紗夜「なるわけないでしょ。バトルロワイヤル3位以内が目標、忘れてないよね。」

 

アルマリア「もちろんです。昨日は連携の練習もできましたし、今日はその成果を示したいですね。」

 

エルエル「その前に、朝ごはんにしようよ!バトルの時間になると危ないかもだし!」

 

ナイア「賛成~。作戦は食べながら話せばいいじゃん。」

 

紗夜「はぁ~…じゃあ天音、準備お願いしていい?」

 

天音「もちろん。それじゃあちょっと待っててね。」

 

朝御飯中…

 

エルエル「ん~ん~ん~♪」ムシャムシャ

 

ステラ「エルエル、ご機嫌。どうしたの?」

 

エルエル「ん~?何でもないよー♪」

 

ステラ「そう。」

 

~エルエルの回想~

 

スタスタスタスタ…

 

エルエル「わーん!遅刻だよぉ~!昨日なんであんなに夜更かししちゃったんだろぉ~!」ピーーッ!

 

…ギュン!!

 

エルエル「わぁっ!」「スッゴク速い…もう見えなくなっちゃった。なんだったんだろ…。」

 

…ーーーーーン!!!

 

エルエル「って、こっち来た!?」

 

ゴーーーーーー!!!スタッ

 

エルエル「わきゃぁっ!?…あれ、女の子?」

 

ステラ「何してるの、こんなところで。もうすぐ授業始まる。」

 

エルエル「寝坊しちゃって…。あ、もしかしてあなたもお寝坊さん?」

 

ステラ「違う、自分は練習。朝ならずっと、学園とあそこの港を往復してた。」

 

エルエル「朝からエクシードの練習してるの!?すごぉい。頑張りやさんだぁ~!」

 

ステラ「うん、速く走るのが好きだから。学校にいくなら、捕まって。連れていく。」

 

エルエル「え!?いいの!?」

 

ステラ「自分なら一分もかからない。そうすれば、授業に間に合う。」

 

エルエル「わぁ!ありがとう!とっても助かっちゃう!」

 

ステラ「いくよ。」

 

ギィィィィィィィィ!!!!ボン!!!!ギューーーン!!!

 

エルエル「きゃ~~~~っ!すごいすごい、すっごく速い!流れ星みたい!」

 

ステラ「…流れ星、悪くない。」

 

エルエル「…あ!そうだ、ねぇねぇ!」

 

ステラ「口を閉じることを推奨、舌を噛むと危険。」

 

エルエル「あたしエルエル!よろしくね!」

 

ステラ「自分はステラ。」

 

エルエル「運んでくれて、ありがとう!」ニコニコ

 

ステラ「どういたしまして。」ニコ

 

~現在~

 

エルエル「んふふ~♪」

 

微笑ましい光景が見れるなか、一方違う卓では。

 

明日翔「残りチームは、12。そろそろ中盤戦ってとこかぁ?」

 

天音「ステラのおかげで、どこに人がいるのかわかるのは助かるね。」

 

空「そうですね。ここからは、ポジション取りと戦況把握がより大切になってきます。」

 

ステラ「!」「情報、役に立ってる?」

 

天音「うん、とっても!偵察してきてくれてありがとう、ステラ。」

 

ステラ「…どういたしまして。」

 

紗夜「でもさっき言ったように、勝手に行くのはなしだよ。もしみつかったら、ステラが戻る方向でこっちの居場所がバレるリスクもあるし。」

 

ナイア「それは同感だねぇ。空を飛べるのはステラだけじゃないだろうし。」

 

エルエル「ん!」「ステラはスッゴク速いから大丈夫だよ!」

 

ステル「うん。もしみつかっても、振り切ってくる。」

 

ナイア「はぁ…このノーテンキどもめ~…。そんなじゃあ戦場だと…やられちゃうぞ~がおー!」

 

エルエル「きゃ~、ナイアかいじゅうに捕まっちゃう~。」

 

ワーワーキャーキャーツカマエターツカマッターウリウリーキャー

 

明日翔「まるで姉妹だ。」

 

紗夜「もう!今日の作戦を決めるんだから、遊ばないで。」

 

ナイア「あーあ、怒られちゃったー。」

 

エルエル「ナイアのせいだもんー。」

 

イッタナーウリャーキャークラエーオーン

 

明日翔「さしずめお前はこいつらのお袋ってわけだな!ぬふふふ。」

 

紗夜「保護者になった覚えはないよ…。」

 

ステラ「ん…。」「心配は不要。追い付かれなければ、見つからない。偵察できれば、有利に動ける。」

 

アルマリア「それはそうですけど….。」

 

ステラ「リスクがあるのなら、自分がもっと速くなればいい。…明日翔の意見も聞きたい。」「速くなるためにはどうすればいい?」

 

明日翔「そこ俺に聞くのかぁ?そうさよなぁ…、俺はギリギリを責めるのが好きだかんよ?ぶつからないギリギリまで攻められるように地形を把握をするなぁ?」

 

ステラ「地形の情報密度で、ルートや体の使い方が変わってくる。よく知ってるね、さすがリュウセンに勝った男。」

 

明日翔「ありゃたまたまさ。」

 

空「けど、スピードアップの前に、バトルロワイヤルで勝ち残ることも大切ですよっ。」

 

ステラ「理解はしている、自分の偵察が有用なことも。だから次は、もっと遠くまで確認してくる。周囲の地形情報から、最適やライン取りを設定。期間も早められるはず。じゃ、行ってくる。」

 

ギィィィィィィィィ!!!!ボン!!!!ギューーーン!!!

 

空「へっ!?今ですか!?ちょっまっ、ステラさ~~~~ん!!!」

 

紗夜「こらーっ!もう交戦時間始まってるって!…あーもう!見えなくなっちゃった!」

 

明日翔「ありゃすっげぇな。もう豆粒みたいな大きさにしか見えねぇ。」

 

アルマリア「確かに、ちゃんと報告はしてくれましたけど…。」

 

ナイア「ちゃんといってくれるようになっただけいいじゃんか。これも成長だよ、成長。」

 

エルエル「だいじょーぶ、すぐ戻ってくるよ、きっと。」

 

ナイア「ま、アタシらはステラがちゃんと帰ってこられるように、一仕事しないとだね。」

 

ガサガサガサッ!!!

 

αドライバー「敵が欠けたぞ!取り囲めーっ!」

 

エルエル「ひゃっ!?あ、あれ?いつのまにかぐるっと囲まれてる~!?」

 

アルマリア「交戦時間開始直後にしかけてくるなんて、好戦的な方々ですこと。」

 

ナイア「ちーっとキャンプの場所も悪かったなぁ…。」

 

空「戦闘準備です、皆さん!」

 

紗夜「わかってる!もう、ステラってば…だから言ったのに~!」

 

αドライバー「いけーっ!突撃だーっ!」

 

敵チーム「おおおおおおっっ!」

 

ナイア「朝から気合い十分だねぇ。」

 

天音「みんなを強化するよ!がんばれ!」

 

~~~~~~~

 

ドガガガガガガ!ズシャーン!ゴウン!ザシュッ!

 

敵プログレスA「ぎゃん!」ドサッ

 

αドライバー「だ、駄目だ、勝てねぇ!撤退だぁ!」

 

スタタタタタタ…

 

紗夜「逃げた、追うよ!」

 

明日翔「おっと待ちな紗夜。」ガシッ

 

明日翔は紗夜の肩をつかむ。

 

紗夜「先輩!?今ここで仕留めないと、次にまた…。」

 

明日翔「こんだけ派手にドンパチしちまったんだ、戦闘終わりの俺たちを狙ってる連中がいてもおかしくないぜ。」「ここまで一方的に戦闘を進めたんだ、もう喧嘩は売ってこないさ。」

 

紗夜「…うん、わかった。先輩に従う。」

 

明日翔はみんなの方に振り向く。

 

明日翔「…て、ことで。暫定俺たちの勝ちってことだ。」

 

空「はぁ~…な、なんとか撃退できましたっ…!」ホッ

 

エルエル「お疲れ様~!みんなすごい!つっよ~い!」

 

天音「明日翔先輩のお陰だね。リンクがあったから、すぐに立て直せたよ。」

 

明日翔「そうかあ?お前らがよかったんだよ。」

 

紗夜「うん。それに前よりも、スムーズに動けた気がする。」

 

エルエル「指示もスッゴクわかりやすかったよね!」

 

天音「うん、あたしたちも見習わなきゃ。」

 

紗夜「…短期間だけど、私たちのこと。よく見てくれてるんだね。」

 

明日翔「まぁ、仕事だしな。にひひ。」

 

アルマリア「…それにしても、昨日に続いて今日も奇襲を受けるなんて…不覚です。」

 

ナイア「気配を消すようなエクシードがあったんだろうねぇ。直前まで気がつかなかったよ~。」

 

アルマリア「ステラさんの偵察情報があっても、全ての情報を押えられるとは限りませんね。」

 

ナイア「そりゃそーだ、視界が悪い場所もあるし。残りのチームの位置が全部把握できるまでは要注意だね。」

 

紗夜「ん…。あ、ステラ帰ってきた。」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!ギィィィィィィン!!!スタッ

 

ステラ「帰還。」

 

紗夜「ス~テ~ラ~!?どこ行ってたの!?」

 

再びステラに詰め寄る。

 

ステラ「?報告した通り。より遠くまでの偵察を試みていた。けど、センサーに接敵反応があったから戻ってきた。…もしかして、もう終わった?」

 

空「はい。先輩のお陰で、なんとかなりましたっ。」

 

ナイア「一応、ちゃんと襲撃に気づく準備はしてたんだ。やっぱ成長してるんじゃない?」

 

天音「あはは…あとは突然さだけ、改善されるといいんだけどね…。」

 

ステラ「何か問題ある?」

 

紗夜「問題ある!次から単独行動するときは、私が明日翔先輩の許可をとってから!ステラだって、実戦経験も積みたいでしょ。」

 

ステラ「…。」ジッ…「確かに、了解。次からは偵察前に許可を取るようにする。」「明日翔。仲間への支援、感謝する。それから、先程の助言でタイムも縮小できそうだった。」

 

明日翔「そうか、9日間頼むぜ。」

 

ステラ「任せて。」ニコ

 

~~~~~~~

 

敵プログレスA「はぁ…はぁ…つ、強すぎる…!」

 

敵プログレスB「1人欠けてたはずなのに…!」

 

敵プログレスC「連携がとれてないって聞いたのに…!」

 

敵プログレスD「αドライバーの操縦がうますぎる…!」

 

敵プログレスE「サポート役の攻撃支援も的確で…」

 

αドライバー「はぁ…はぁ…。αドライバー…なぁ…。」「…俺に、考えがあるぜ…にひ、にひひひひ。」

 

数時間後…。

 

~~~~~~~

 

交戦時間終了1時間前、俺と天音は近くの川にいた。濡れタオルなどを用意するためだ。

 

天音「今日はもう戦うことはないかなぁ?」

 

明日翔「わかんねぇぜ、腹減ってるところを襲ってくるかもな?」

 

天音「あはは、そうかも。」「ねぇねぇ、明日翔先輩。」

 

明日翔「どした?」

 

天音「明日翔先輩は憧れてる人とかっているの?」

 

明日翔「憧れてる人ぉ?んー…別にこれと言っている訳じゃねぇけど。なんでだ?」

 

天音「そうなんだ。明日翔先輩は、頼りになるから。誰か、そうなるきっかけがあったのかなぁって。」

 

明日翔「まぁ、色々あんのよ。」

 

天音「そっか。…実は私ね、紗夜とはちょっと違うんだけど…憧れてる人がいるんだぁ。その人、年齢と背格好は同じくらいだったんだけど私のこと守ってくれて。」

 

明日翔「へぇ、そいつぁ勇敢だな。」

 

天音「でしょ?その時、旅行で海外にいて…そこで不幸にも悪い人たちの戦いに巻き込まれちゃって。…お父さんとお母さんと離れ離れになって泣いちゃったんだけど、助けてくれたんだ。だから、その人が私の憧れなの。」

 

明日翔「…そうか。」

 

天音「…?先輩、どうしたの?」

 

明日翔「いや?なんでも?」

 

ザーーーーピピッ

 

持っていた無線機がなる。

 

紗夜「先輩、天音!聞こえる!?」ザザッ

 

明日翔「紗夜?何があった、応答してくれ。」

 

紗夜「また敵に囲まれた、囲まれたんだけど…。」ザザッ

 

~~~~~~~

 

紗夜「…あまりにも数が多い、少なくとも10人はいる。ありえない。」

 

13人のプログレスたちに囲まれている。

 

明日翔「10人?そいつぁおかしいな。」ザザッ

 

ナイア「敵の敵は味方…ってね。いわゆる、チーミングってやつ?」

 

アルマリア「これは、ルール上ありなんですか…?」

 

空「ゲームの平等性が損われるので普通であれば禁止された行為ですっ。」

 

エルエル「こ、こんなにたくさん…!」

 

ナイア「向こうさんも必死だね、そこまでして勝ちたいんだ。」

 

~~~~~~~

 

紗夜「朝襲ってきたチームもいる!…見る限り、αドライバーがここにいないからそっちにいってるかも!…うわっ!」ザザッブツッ

 

襲われたであろう声を残して無線は切れた。

 

明日翔「こいつぁやべぇな、すぐに戻らねぇと。」

 

天音「うん!…きゃっ!」ガサッ!

 

明日翔「!?天音!」

 

αドライバーB「待ちなよ、兄ちゃん!」

 

αドライバーA「朝はよくもやってくれたな!」

 

男二人が天音を人質にとり、2対1の構図になる。

 

明日翔「やれやれ、女を人質にとるか。そこまでして勝ちてぇのか?プライドはねーのかよ。」

 

αドライバーA「うるせぇ!てめーをボコらねーと気が済まねーんだよ!恥かかせやがって!」

 

αドライバーB「アルセーヌ・ルパンだかなんだか知らねーけどよ、コソ泥が!ちやほやされてるあんたが気に食わねぇんだわ!」

 

明日翔「まったく…器のちいせぇ男どもだ、そんなんだから負けるし恥もかくんだろうがよ。」

 

αドライバーA「おい、こいつは俺がやらねぇと気が済まねぇ。」シャキン

 

そういうと一人はナイフを取り出す。

 

明日翔「おいおい、穏やかじゃねぇなぁ?」

 

αドライバーA「安心しろよ、先輩。ここで死んじまってもちゃんと事故として報告するからよぉ。」

 

明日翔「そんなもん持ち出しちまって、そんなもん捨てて女を解放すれば見逃してやるぜ?」

 

αドライバーA「うるせぇ!どこまでもスカしやがって、ぶち殺してやる!」グオオオ!

 

ナイフを持って突進してくる。

 

明日翔「やれやれ、警告はしたぜ。」「おらっ。」ブンッ!

 

αドライバーA「ぐああああ!」ヒューン!

 

αドライバーB「のわっ!」ドサッ!

 

天音「きゃっ!」

 

攻撃を仕掛けてきた一人と組み合ってもう一人の方に投げ飛ばし、

天音を救い出す

 

天音「はっ!逃げないと。」スタタタ

 

αドライバーB「ああ、女が!」

 

天音が俺のもとに駆け寄る。

 

天音「先輩、ありがとう。みんなが戦ってる、逃げよう!」

 

明日翔「いや…お前だけ先に戻っててくれ。」

 

天音「えっ!?先輩は!?」

 

明日翔「俺も一応生徒会だ。風紀を乱す人間は一応取り締まらないといけねぇ、それにこいつらに合流されても困る。」

 

天音「…。」

 

明日翔「大丈夫だって、必ず戻るさ。」

 

天音「…うん。絶対に、戻ってきてね!」スタタタタタ…

 

みんなのもとへ戻る、天音の背中を見送る。

 

明日翔「さて…これで遠慮する必要はなくなった。俺のやり方を教えてやるよ、坊やたち。」

 

~~~~~~~

 

ナイア「ひぃ~、流石にこの人数はしんどいね。」

 

アルマリア「天音も明日翔さんもいなんじゃ、人数不利で苦しいところがあります。」

 

ステラ「空だけじゃ、どうしても回復が足りない。」

 

エルエル「う~…負けたくないよぉ。」

 

空「うう…先輩…。」

 

紗夜「…天音…。」

 

取り囲まれ、絶体絶命のピンチ。

 

スタタタタタタ…

 

天音「エンジェル・ハイロゥ!」ビュババババッ!!

 

天音が召喚した弓矢を仲間たちに放ち、回復とバフを行う。

 

紗夜「これは…天音!?」

 

アルマリア「無事だったんですね!」

 

天音「説明は後でするから、今はこの場を切り抜けるよ!」

 

ナイア「おっけー、これでまだまだイケる。」

 

ステラ「天音がきた、これは大きい。」

 

空「天音さん!頼りにしてますっ。」

 

紗夜「さあ、かかってきなさい!」

 

ドガガガガガガ!ズシャーン!ゴウン!ザシュッ!

 

~~~~~~~

 

空「はぁ~…な、なんとか勝てましたっ…!」ホッ

 

紗夜「ありがとう、天音。助けに来てくれて。」

 

ステラ「天音が来ていなければ、負けていた。」

 

アルマリア「さすがに10人単位でかかられると、防戦一方になってしまいます。」

 

エルエル「とりあえず…2チーム倒したの…かな?」

 

ナイア「いーや、まだアタシたちは完全には勝ててないよ。」

 

エルエル「?」

 

天音「…先輩が…。」シュン

 

ナイア「たいちょーが未だに戻ってきてない。割りと長引いた戦闘なのに、ここに戻ってこないのはおかしい。」

 

紗夜「…助けにいこう!先輩が危ない!」

 

スタタタタタタタタ…

 

~~~~~~~

 

紗夜たちは急いで川の近くまで走る。

 

紗夜「天音、道はあってる!?」

 

天音「うん、この先の川にいるはず…!」

 

ナイア「わざわざルール違反してまで襲ってくる野郎2人…考えたくないけど負けてたって不思議じゃないよ。」

 

空(先輩…。)

 

アルマリア「!川が見えてきました!」

 

ガサガサガサッ!!

 

森を抜けて川に出る。

 

紗夜「先輩、助けに───」「…!?」

 

ナイア「うわ、エルエル見るのダメ!」

 

ナイアはエルエルの目を瞬時に覆う。

 

天音「う…嘘…。」

 

アルマリア「…。」

 

アルマリアが絶句している。目の前に広がった光景それは…。

 

αドライバーA「ひ、ひぃぃぃ!」

 

明日翔「これで終わりか?」スタスタ…

 

αドライバーB「…。」

 

目の前に広がった光景、それは気絶するまで殴られて伸びているαドライバーBと散々殴られて戦意喪失してしまったαドライバーA。そして、ポケットに手を突っ込んで冷たく見下ろす明日翔がそこにいた。

 

αドライバーA「近づくんじゃねぇ!」シャキン「こいつが見えねぇのか!?」

 

明日翔「その向けたもん仕舞えよ、謝りゃ見逃してやっからよ。」スタスタ

 

持っていたナイフを明日翔に向けるαドライバーA、それに一ミリも怯むことなく近づく

 

αドライバーA「うああああああ!!!」ガバッ!!!

 

明日翔「っ!」ガスッ!

 

αドライバーA「ぎゃあああ!」ドサァッ!

 

明日翔「…。」ゴスッポチャ

 

ナイフを振りかざすも、トーキックを腹部に入れられてぶっ飛び、落としたナイフを川の方へ蹴り飛ばす。

 

明日翔「おイタが過ぎちまったな、ボウヤ。」スチャッ

 

αドライバーA「ひ、ひぃぃっっ!」

 

拳銃を怯えているαドライバーAの額に向ける。

 

明日翔「ルール無用ってんなら、俺もルール無用にいくぜ。」「青蘭のアルセーヌ・ルパン?俺は有名人じゃねぇ、青蘭島に潜む悪党だ。必要とありゃお前さんの命も奪ったっていいんだぜ?」ニヤリ

 

αドライバーA「あ…あ…!」ガクガクガクガクガク

 

不適な笑みを浮かべる。

 

明日翔「それとも俺がこいつを引けないとでも思ったか?残念、俺の手はもうとっくに、汚れてんだ。」スチャ…

 

トリガーに手を掛けた。

 

αドライバーA「いや…いやだ…!」ガクガクガクガクガク

 

明日翔「今まで無駄な人生ご苦労さん。お前のお母さんには、チームメイトをかばって名誉の死を遂げたって伝えとくぜ。」

 

αドライバーA「うわあああああああ!!!!!」

 

ナイア「撃つな!!!!!!!!!」

 

ドギューーーン!!!

 

空「ひぃっ!」

 

天音「…。」クチポカーン

 

アルマリア「…そんな。」

 

カランカラン

 

拳銃から飛び出た空薬莢が床に落ちる音がこだまする。

 

αドライバーA「ブクブクブクブクブク…。」ドサッ

 

αドライバーAの頭には銃弾は当たっておらず、泡を吹いて倒れる。

 

明日翔「空砲さ。」クルッ「最後まで悪党突っ張れねぇなら、最初からやるなっての。それに、お前一人殺したところで俺に何の得があるってんだ。」

 

トリガーガードに小指を引っ掻けて吊り下げるように持ち、拳銃の弾を抜く。

 

紗夜「…死ん…でない…。」

 

空「…ほっ…。」

 

ナイア「…。」

 

エルエル「ねー、もう目開けていいー?」

 

ナイア「んにゃ、まだ開けちゃダメよ。」

 

エルエル「はーい。」

 

明日翔「…お?」「お前ら!そっちは終わったのか?」

 

ようやく紗夜たちの存在に気付く。

 

紗夜「え?う、うん。天音のお陰でなんとか。」

 

明日翔「あぁそっかそっか!今日の交戦可能時間もおしまいだし、飯にしようぜ?腹減っちまってクタクタだぁ~。」グゥ~ッ「あららら、お腹が鳴ってやがんの、ぐふふふ。」

 

紗夜「う、うん…そうだね…。」

 

アルマリア「いつもの、明日翔さんですわね…。」ボソ

 

紗夜「空、今のは何…?」ボソ

 

空「私にもわかりません、こんなに怖い先輩は見たことが…。」ボソ

 

ステラ「…戦った時、こんなに威圧するようなことはしなかった。」ボソ

 

ナイア「…。」(…やっぱり、この男は隠している。自分は本来黒い人間と言うことを。)

 

明日翔「ナイアー?ナイアちゃーん?」フリフリ

 

ナイア「ちゃん!?たいちょー、どした?」

 

明日翔「ようやく気がついたなぁ、エルエル借りてもいいか?」

 

ナイア「へ?お、おん。」パッ

 

エルエル「わー!まぶしっ!」シパシパ

 

明日翔「暗闇からこんにちは。」

 

エルエル「あ!明日翔くんだ!無事だったんだね!」

 

明日翔「そーよ?俺は必ず戻ってくる男だ。さぁ、テントにでも戻って飯にしよーぜ?」

 

エルエル「わーい、今日は何にするのかなぁ?」スタスタ

 

明日翔「わっかんねぇなぁ、天音に聞こうぜ?」スタスタ

 

明日翔はエルエルと一緒にテントに戻る。

 

アルマリア「…いっちゃいましたね。」

 

紗夜「…私たちも戻ろっか。」

 

空「はい…。」

 

天音「…。」ポカーン

 

紗夜「…天音?」

 

天音「!?紗夜、どうしたの?」

 

紗夜「それはこっちのセリフだよ…。」

 

ナイア「大分ショッキングな現場だったから無理ないけどさ、口開けてポカーンってしてたよ。」

 

天音「えぇ!?そうだった?全然気がつかなかったや。…じゃあ、戻ってご飯にしよっか。」

 

紗夜「うん。」

 

修羅場その1、終わる…。

 

 




そろそろ無人島生活も折り返しにやってきた、そろそろ俺たちも仕掛けちまっていいんじゃねぇか?この俺様にかかれば、安全に安定して勝つことができるぜ?…ってナイアちゃん、何か考えがあんのか?

次回「軍師ナイア、目覚める」

また会おうぜ?
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