怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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軍師ナイア、目覚める

~5月8日・夜中~

 

皆が寝静まった頃…

 

エルエル「むにゃむにゃ…すぴー。」Zzz…

 

アルマリア「すぅ…すぅ…。」Zzz…

 

ナイア「すや~…。」Zzz…

 

天音「…う…うう…、こわいよぉ…。」ゴソゴソ

 

~夢の中~

 

ブチコロセー!ウチマクレー!

 

バババババババババババ!バキューン!バキューン!ドカーン!

 

潰れたバーのカウンターのしたで震えて泣いていてる。

 

中学時代の天音「…お父さん…お母さん…助けてぇ…ぐすっ…ぐすっ…。」

 

バキューン!バキューン!バキューン!ドガン!

 

銃声と共に扉を蹴破る音が聞こえる。

 

???「ったくよー、ギャングの抗争に俺を巻き込むなよなぁ?」「とりあえずここでやり過ごすか、よっと。」スタッ

 

天音「ひぃっっ!」ガクガク

 

???「お、先客か?」

 

天音「…え?」

 

天音の目の前に隠れたのは同じくらいの背丈の学生服を着た少年だった。

 

少年「よう、初めまして。」

 

天音「う、うん…。君は…?」

 

少年「へへへ、ちとしくじっちまってな。ドンパチに巻き込まれちまってよ」「なんでお前みたいなのかこんなとこにいんだ?パパとママはどこいった?」

 

天音「うん…お父さんとお母さんとはぐれちゃって…探してたら…こんなところにきちゃって…」

 

少年「そっかそっか、じゃあ俺がお前の親ンところまで案内してやるよ!俺もここから逃げたいしな。」ニコ

 

天音「え…?…でも、外に出たら危ないって…。」

 

少年「心配すんなって、あいつら頭単細胞だかんよ。目の前しか見れねンだ。」「ちょうどあそこに出口がある、そっからでようぜ。」ビシ

 

バーテンダーが控える部屋の方向を指差す

 

天音「…うん…君のお名前は?私は天音。」

 

少年「天音ちゃんかぁ、俺は…。」

 

バキューン!バキューン!

 

天音「ひっ!」

 

少年「ここもボチボチやばそうか。」チラ「逃げるぜ?心の準備はいいか?」

 

天音「…う…うん!」「こわいけど…お父さんとお母さんに会いたい…!」

 

少年「しっかりとついてくんだぜ!」グッ

 

天音の手を引っ張って出口から逃げる少年。

 

~現実~

 

紗夜「…n…ね…天音…?」

 

天音「う…ん…?」ギューッッッッッ

 

紗夜「…苦しくて眠れない。」ムギューッッッッ

 

紗夜を強く抱き締めた状態だった。

 

天音「わぁっ…!ごめん…!」パッ

 

紗夜「…ずいぶんとうなされてたね。」

 

天音「うん…中学校の頃を思い出しちゃって…。」

 

紗夜「…ギャングの抗争に、巻き込まれちゃったんだよね。無理もないよ。」

 

天音「うん…でもなんでだろう…今まで夢には出てこなかったのに…。」

 

紗夜「仕方ないよ、今は普通の生活とは違うことをしてるんだもん。見えないストレスが溜まってるんだと思う。…帰れたら、ゆっくりしようね。」

 

天音「うん、お風呂入りたいなぁ。」

 

紗夜「うん…。」ニコ

 

~翌日・5月9日・朝~

 

新入生交流プログラム5日目、無線機からナクルの定期連絡が届く。

 

ナクル「おはよう、新入生諸君ー。重要な報告があるー。2チームが重大なルール違反が発覚したー。そのチームは鎮圧されて、失格とないっているので心配されめいー。」「というわけで、現在残っているチームは8チーム。ついに一桁突入ー。ちょっと減りが遅いー。」

 

天音「確かに…昨日は12チームだったよね?」

 

紗夜「昨日戦った2チームをうちらが倒したから…他に4チーム戦って勝敗がついて他チームが戦闘を回避したことになるね。」

 

空「あるいは、どこかのチームも2チーム撃破した可能性もありますっ。」

 

ナクル「減りが遅いので毎日エリアを縮小していくー。」

 

アルマリア「ちょっと。途中でルールを変えるのは、公平じゃいんじゃないですか?」

 

空「いえ、アルマリアさん。こういうのには途中でのルール変更は付き物なんです。」

 

天音「それも、ゲームでの知識…?」

 

空 「はい、そしてだいたいは…ルール変更を認められない人から脱落していっちゃうんです…!」キラーン

 

アルマリア「…青の世界の文化は難解ですね。」

 

ナクル「なお、最終日前に決着がついた場合はその時点でプログラムはおしまい。」「その場合、終了予定日まで遊んでオッケーになるので、積極的にバトってほしいー。それでは、今日も安全に御武運をー。」ブツッ

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!ギィィィィィィン!!!スタッ

 

ステラ「偵察より帰還、状況を報告。索敵指定範囲内に2チームを確認。それ以外にはいなかった。」「一応、念入りに確認した。隠密状態のチームもいないはず。」

 

 

周囲を飛行していたステラが、交戦可能時間になる前に帰ってくる。

 

明日翔「せんしゅー、引き続きよろしく頼むな?」

 

ステラ「問題ない、了承した任務は遂行する。」

 

紗夜「残りは私たちを除いて7チーム。そのうち2チームが近くか…。」

 

空「バトルを避けるなら、移動するのも手ですね。」

 

ナイア「だね~。交戦可能時間の移動でも、敵の位置がわかってるなら話は別だ。」

 

天音「ステラのお陰だね。」

 

ステラ「えへん、それほどでもない。」キラーン

 

アルマリア「…あの。そろそろいいんじゃありまそん?」

 

エルエル「そろそろって?朝ごはんの準備する?」

 

アルマリア「そうではなくて、攻撃です。今まで守りに徹してきましたけど、いい加減こちらから仕掛けませんか?」

 

ナイア「まー、そろそろ頃合いかなと思わないでもないけど。リーダーはどうなの?」

 

紗夜「私も、アルマリアと同じ意見。昨日や2日目の奇襲も、なんとかしのげた。今の私たちは結構、戦えるんだと思う。」

 

アルマリア「どうせ最後は戦わないと行けないんです。肩慣らしは早いほうがいいんじゃないじゃありません?」

 

紗夜「…。」ジーッ

 

アルマリア「なんですか、紗夜。そんな珍しいものを見たような顔で私を見て。」

 

紗夜「ううん。アルマは一位になるつもりなんだなって。」

 

アルマリア「?やるからには当然でしょう?何か問題がありますか?」

 

紗夜「ううん、ない。…そうだね、がんばろう。」コクッ

 

アルマリア「ええ…けれど、大切なのは姿勢でなく結果です。戦うからには勝たなくては。」

 

空「そうですね。近くに2チームいますから、どちらかが移動するまで待ちましょうか?」

 

明日翔「んー…いーや?最後まで近づいてもいいかもなぁ。」

 

空「先輩、何か考えが?」

 

明日翔「この無人島に来てかは俺なーんもしてねぇからよ、ちと作戦を考えてたわけよ。」トントン

 

こめかみを指でトントンする。

 

ナイア「その作戦、ちょーっとまった。」

 

ナイアが意見を言ってきた。全員がないあの方を見る。

 

明日翔「お?ナイアっちゃん、珍しいな。」

 

ナイア「んにゃぴ、たいちょーの作戦を使うのはもう少し待とっか。…アタシにもいい考えがあるんだ。」ニヤリ

 

明日翔「…聞かせてもらおうじゃないの?」

 

~~~~~~~

 

ガサガサ…

 

紗夜「…いた、敵チームその1。移動中かな?…まだこっちには気づいてない。」

 

ナイア「よーしよし、じゃあステラが戻ってくるまで待機だ。まだ見つからないようにね。」

 

キャンプを撤収して荷物を隠したあと、ステラを残し海沿いに展開するチームの近くに移動する。

 

空「紗夜さんの光を操るエクシード…光の屈折を調整して望遠鏡にもなるなんて便利ですね。」

 

紗夜「ちょっと力加減を間違うと、倍率がすぐ狂っちゃうんだよね。もっと練習してればよかった。」

 

ナイア「いやそんなニッチな使い方練習してどうすんの。普段は望遠鏡なり双眼鏡なり使えばいいじゃん。」

 

ザザー…

 

ステラ「報告、敵チームその2を発見。例の作戦の準備を始める。返信不要」ブツッ

 

天音「あ、ステラから連絡。敵チームその2を発見者、見つかったって!」

 

紗夜「作戦通りだね。みんな、バトルの準備して。」

 

ナイア「はぁ…めんどくさいなぁ。」

 

紗夜「もう、なんでよ。ナイアが言い出した作戦でしょ?」

 

~数十分前~

 

明日翔「…で、ナイアっちゃんの作戦を教えておくれ?」

 

ナイア「そうだねぇ…うまく行けばアタシたちのリスクも大きく減らせる作戦だ。」

 

ステラ「!分かった、電撃作戦。他のチームが来る前に、最初のチームを倒す。」

 

アルマリア「いいですね、鮮やかです。それでいきましょうか。」

 

ナイア「ちょいちょいちょい、それのどこがリスクが少ないのさ。下手うったら2チーム同時のバトルになるだろー?まったく…このノーキンどもめ。」

 

エルエル「…のーきんってなに?」

 

空「脳まで筋肉でできている…つまり、物事をパワーや力押しで解決しようとすることです。」

 

アルマリア「!失礼な!高貴なヴァンパイアになんてこと言うんです!?」

 

天音「まぁまぁ、抑えてアルマ。あくまで比喩だから。…それでナイア、作戦って?」

 

ナイア「んー…その前に…リーダーはどうするのがいいと思う?現在、付近に2部隊が展開していて、どっちも敵同士、交戦圏内にいる。アタシたちはこの敵をどちらも掃討して、安全を確保しつつ順位を上げたいって言う状況だ。」

 

紗夜「んー…。」「…!…もしかして、のれって私たちから仕掛けない方が有利?」

 

アルマリア「ちょっと紗夜さん!どうして消極的になるんです?頑張るんじゃないんですか?それにナイアさんも、有利はどこへ?もったいぶらないで教えてください!」

 

ナイア「ごめんごめん、『釣り』には我慢が大事だからさ。リーダーの攻めっけを確認したかったんだよ。」「たいちょー、たいちょーは『釣り』にたいしてどう思う?」

 

明日翔「釣り?釣り…おーん…!そういうことかぁ!」ピコーン

 

~現在~

 

ナイア「これより、例の作戦を開始する。」

 

ギィィィィィィィィ!!!!ボン!!!!ギューーーン!!!

 

白の世界のプログレス「!そ、空から敵が!はっ、森からも別部隊が!みなさん、バトルの準備ですー!」

 

空からあえて轟音を立てて接近するステラに海岸を移動していたチームが近づく。そして、ステラを見つけ追いかけていた別チームも、海岸のチームが戦闘態勢に入っていることを認識したようだ。バトルが始まる。

 

ナイア「よーし、いっちょあがり。あとは戦闘が終わるまで傍観。」「ステラー?うまい感じで離脱して、見つからないように戻ってこれる?」ザーッ

 

ステラ「余裕、会場に離脱して、大回りで戻る。」ザーッ

 

空「なるほど、漁夫ですか。」

 

エルエル「ぎょふ?なにそれ?」

 

明日翔「ことわざに漁夫の利ってのがあってよ、簡単に言えば戦ったばっかりのチームを襲って勝つことだ。」

 

アルマリア「そんなのアンフェアじゃないですか?なんだか釈然としませんけど…。」

 

明日翔「さすがはお嬢様だな。だけっどもよ、ルールには戦ったあとのチームを襲うなってのは記載されてねぇ。」

 

ナイア「嫌ならこのまま引き下がる。ただ、順位をあげるなら絶好のチャンスだ…どうする?紗夜。」

 

紗夜「…私たちの目標は、このプログラムで3位以内に入ること。やろう。」

 

ナイア「よしきた。」

 

空「なんたってチームでの解散がかかってますからね!それにバトロワでの漁夫は基本戦術です!」

 

紗夜「…ありがとう。相手のバトルが終わり次第、攻撃する。ここで勝ったら、目標に一歩近づける。」

 

天音「うん、わかった。」

 

アルマリア「まぁ、今回はリーダーにしたがってあげます。結果が大事なのは理解できますし。」

 

空「…。」ジーッ

 

空はナイアをみつめる。

 

ナイア「なに、生徒会の助っ人さん~。なんか気になることでもある?」

 

空「いえ、ナイアさんってよくサボってるって聞いてたんですけど、印象が違うなって。」

 

エルエル「珍しいよね~、ナイアがやる気出してるのって。」

 

ナイア「出してない出してない、楽をする工夫をしてるだけー。統合軍のブートキャンプなんて、ぜーっっったいにやりたかないからねぇ。」

 

明日翔「助かるぜ、ナイア。いや…?軍師だな。」

 

ナイア「なになに?みんなして?アタシは案を出しただけ。決断を下してるのはリーダーの紗夜じゃんか。」「おだてたってなにもでないよん?」

 

明日翔「本当かぁ?揺すれば作戦が出てきそうじゃねぇか?」

 

ナイア「ほほほ、打算的な目だねぇ。嫌いじゃないよ。」「使えるものは使う、頼れるものは頼る。…たいちょーもわかってるでしょ?」

 

明日翔「そりゃもちろん?」

 

ナイア「だよねぇ。」

 

空「…あっ!あっちのバトル、終わったみたいです!」

 

紗夜「よし、行こう!」

 

エルエル「で、でもまだステラちゃん戻ってきてないよー?」

 

紗夜「大丈夫。」「ステラ、作戦変更。そのまま最大速度で、敵チームに突っ込んで!私たちに遅れるなんてことがないようにね!」ザーッ

 

ステラ「…!」「当然。そっちこそ、周回遅れになるな。」ザーッ

 

紗夜「さ、走るよ!」

 

ナイア「ええ~…この砂浜を~?」

 

アルマリア「このタイミングを狙うといったのはアナタでしょう。いきますよ!」

 

ナイア「うへぇ~…。」

 

白の世界のプログレス「みなさん、お疲れ様でした~。」

 

ドドドドドドドド…

 

白の世界のプログレス「?」

 

明日翔「うおおおおおおお!!!突撃だぁー!!!」

 

エルエル「ぎょふれぎょふれー!!!」

 

白の世界のプログレス「わぁっ、びっくり!もう1チーム来たの!?今バトルが終わったところなのに~!」

 

アルマリア「フフフフ!油断しましたね、トトさん!その三すくみの勝利はワタシたちのチームです!」

 

トト「うきゃ~~~~!」

 

ドガガガガガガ!バン!ドゴッ!ゴウン!ザシュッ!ドシーーン!ギューーーン!ドシャーーーン!!!

 

~~~~~~~

 

トト「う、うきゅ~~…もうだめぇ~~…。」バターン!ピヨピヨピヨ…

 

空「か、勝ちましたぁ~!」

 

天音「ま、まだ心臓ドキドキしてる…本当に勝っちゃった。」

 

アルマリア「当然です!だまし討ちしたようなものなんですから。これで勝たなきゃ格好悪すぎます。」

 

紗夜「だね。アルマリア、初手の攻撃、すごくいい動きだった。」

 

アルマリア「紗夜さんもなかなかでしたよ、連携もうまく行きましたし。」

 

ステラ「これで2チーム脱落、順位がまた少し上がったはず。」

 

エルエル「3位入賞に、また一歩近づいた。」

 

明日翔「流石は軍師の作戦だな、緑の世界の出身なだけあるぜ。」

 

ナイア「お。お得意のおだて作戦か?そうやって調子に乗せて、またうまいこと作戦考えさせようって?キミも中々にワルですなぁ~。」「でもこれで、このプログラムは働ききっちゃったかなぁ~。もう後は寝て暮らしたい。…ふぁ~ぁ…。」

 

大あくび。

 

空「ダメですよ!まだプログラムは終わってないんですから!」

 

ナイア「はいはい、わかってますよぉ。目標は3位、わかってりゅわかってりゅぅ~…。」「…。」スヤァ…

 

紗夜「寝たし…。」

 

天音「あはは、でも今日は寝かせてあげよっか。」

 

明日翔「今日は珍しく指揮とってくれたからな。」「…?」チラ

 

離れた木陰でとある人物がその戦闘を眺めている、それに明日翔気がつく。

 

???「ふふふ…。」

 

目の端で捉えたが、見失う。

 

明日翔「…気のせいか。」

 

~翌日・5月10日~

 

新入生交流プログラム6日目。ナクルのいつもの朝の放送が終わり、残りのチームが6チームであることが告げられた。

 

アルマリア「6チーム…昨日ワタシたちが絡んだものしかバトルが起きなかったと言うことですか?」

 

ナイア「そーゆーことになるね。あーあ、もっとやりあってくれればラクなのになぁ~。」

 

天音「滞在可能エリアが想像以上に狭くなったから、みんな慎重になったのかな?」

 

空「あとは残っているチームが、戦闘経験よりもプログラムの順位を気にしているか、でしょうか。」

 

アルマリア「それならそれで好都合です。静観している間にワタシたちが倒せばいいんですから。ねぇ、紗夜さん?」

 

紗夜「…。」ボー…

 

アルマリア「…紗夜さん?聞いているんですか?」

 

紗夜「ん、へっ!?」「あ、うん。ごめんアルマリア。そうだね、1チームずつ撃破していければ理想だよね。」

 

アルマリア「もう、しっかりしてください。このプログラムで視野が広がったように思いましたのに、ワタシの思い違いでしたか?」

 

ナイア「…あー。」「もしかして、作戦決めるの時間かかりそう?」「だったら、二度寝してくるから、明日翔と空も付き合ってよ~。」ガシッ

 

後ろの襟を捕まれる。

 

明日翔「えぇ!?」

 

空「え、ちょ…ナイアさん!?」

 

オタスケ~~~~~~~~~~!!!!!ズルズルズルズルズルズル

 

~~~~~~~

 

ナイア「…よーし、これだけ離れたら誰にも聞こえないっしょ。」

 

空「あの、ナイアさん。これは一体?私たちも作戦立案にはいたほうが…。」

 

ナイア「んー、聞きたいことがあんだけどさ」「…このバトル・ロワイアル、3位にはいらないとなんかあんの?」

 

空「えっ!?」

 

明日翔「…。」

 

ナイア「…図星か…分かりやすいねぇ。」

 

明日翔「よう、軍師。いつから気がついた?」

 

ナイア「最初っから~、あの紗夜が目標を1位じゃなくて3位なんて言い出した時点でおかしいと思って気になってたんだ。」

 

明日翔「たしかに、あの紗夜が中途半端な順位設定をするのはおかしくはあるな。」

 

ナイア「んで、今日さっきのポケーッとした顔でしょ?明らかに順位でなんかがあるなって。それも、アタシたち全員に関係のあることが。」「生徒会から派遣されてるキミたちなら、当然知ってるでしょ?」

 

空(うぅ…先輩、どうしましょうか…。)

 

明日翔「…話すしかねぇみたいだな、この話は口止めされてたんだ。」

 

~~~~~~~

 

ナイア「はあ?チーム解散?なんだそりゃ。」「それがイヤでこのプログラムを頑張ってると。…そんなに必死にならなくていいじゃんねぇ?別にしろって言うんなら、したっていいじゃん。解散くらい。」

 

明日翔「って言われんのが嫌なんだとよ。そう言われるのがわかってっからあいつは」

 

エルエル「解散したくない!!」ウルウル

 

明日翔「!」バッ

 

ナイア「!おっと、エルエル…いつからいたの。」

 

エルエル「…。」プルプル「あたし、一緒のチームがいい!」ツカツカツカギュー

 

ナイア「おっとっと。」

 

エルエル「ナイアちゃん、お願い!チームから出ていかないで~!」ウルウル

 

~~~~~~

 

アルマリア「このバトルロワイヤルで3位に入れなかったらチーム解散!?」

 

ステラ「初耳。」

 

ステラが偵察から戻ってきた後、全音が集まってから敬意を説明する。

 

ナイア「てことは…知らなかったのはアタシとアルマリア、そしてステラの3人ってことか。」

 

紗夜「…。」

 

アルマリア「そんな重要なことを、どうして教えてくれなかったんですか?ワタシたちだってチームの一員です。解散ともなれば、他人事ではないんですよ。」

 

ナイア「まぁそりゃ、ワケがあんのはわかるけどさ。それも話してもらわないと、わかりようがないよ。こないだステラに情報共有するようにっていったのは紗夜じゃん?」

 

紗夜「う…それは…。」

 

明日翔「紗夜、腹ァくくれ。もう隠すことはできねンだ。」

 

紗夜「…うん。みんな、黙っててごめん。」「絶対秘密にしようとまでは思ってなかったんだけど…言い出すタイミングがなくて。」

 

アルマリア「それじゃあ、改めてうかがいますね。どうして話してくれなかったんです?」

 

紗夜「どうしても、チームを続けたかったから。強いチームで勝ちたかった。」「だけどみんなにとっては、このチームらどうしても維持したいものじゃない…そう思って…。」

 

ナイア「…否定はしないけどね。そもそも入りたいと思って入れてもらったわけじゃないし。」

 

アルマリア「まあ…それはワタシもそうですけど。」

 

ステラ「うん。」

 

紗夜「敬意はそうでも、私はみんな、それぞれすごいメンバーだと思ってる。」「今は目立った成績が出せてないけど、もっと上を狙えるチームだって。私はリーダーだし、このチームを解散させたくない。だから…。」

 

ナイア「ほんほん?…ははーん。」キラーン「さては、チームから抜けるためにわざと負けて解散したがるかも、って?」ニヤリ

 

紗夜「…うん。」

 

ナイア「…ふっ…くくくっ…あっははは!バッカだなぁ?そんな面倒なことするわけないだろぉ~?」

 

天音「ナイア…?」

 

ナイア「そりゃアタシは紗夜みたちに、絶対に勝ちたい!とかは微塵もないけどさ。だからってわざとこのチームを解散させよう、なんて陰湿なマネはしないよ。」

 

アルマリア「そうですよ!チームを抜けたいのなら、抜けたいと自分で申し出ます。わざわざそのためにバトルで負けて、無様と不名誉を晒すような真似、頼まれてもごめんです。」

 

ナイア「そーそー。それにアタシにとっても、このチームはそれなりに居心地いいんだぁ。ちょーっとサボったって紗夜に小言言われるだけですむし。」

 

ステラ「自分は、走ったり飛んだりする時間が確保できるならどこでもいい。だからここでもいい。別に現状に不満はない。」

 

紗夜「…。」ポカーン

 

アルマリア「なにをポカンとしているんですか、そんなにワタシたちのこと信用ならなかったんです?」

 

ナイア「まぁわからないでもないけどね。」

 

ナイア「自主練習は来ない、定期練習はサボる、自分の好きなことしかしない。チームそのものに不満があると思われてもしょうがないな~とは思うよ。」

 

天音「あはは…自覚あったんだ…ナイア…。」

 

ナイア「いや~、一度ユルくしだしたら歯止めが効かなくてさ。まさかそんなにヤバいとは。」

 

アルマリア「ワタシも、少し自己主張をしすぎたかもしれません。」

 

エルエル「…あたし、もっと起こるかと思ってた。みんなに内緒にしてたこと。」

 

ナイア「そりゃちょっとは不満だけどさ、でも理由もわかるし今話してくれたんだからオッケー。」

 

アルマリア「紗夜さんなりにチームのことを考えての判断だったわけですからね。」

 

ステラ「同意、理屈は通ってる。」

 

アルマリア「ですけど、そう何度も許しませんからね。」

 

紗夜「…うん。ありがとう、みんな。」

 

話し終わったあと、紗夜は一人青空を見ていた。

 

紗夜「…。」ボーッ

 

明日翔「よく、がんばったな。」ポン

 

紗夜の肩に手を置いて、明日翔は砂浜の方に去る

 

~~~~~~~

 

空「よかったです、ナイアさんたちがわかってくれて。」

 

天音「ちょっとヒヤっとしちゃった。ダメだね、私もみんなのこと信じきれてなかった。」「でも…紗夜がみんなと向き合えてよかったな。きっかけになってくれてありがとう、明日翔先輩、空ちゃん。」

 

明日翔「軍師の感覚が鋭かった、あのまま隠し通すのは無理だったかもなぁ。」

 

天音「久しぶりに紗夜の力の抜けた顔を見られた気がする。紗夜とは中学校から一緒なんだけど…自分のことを話すのか苦手で、なんでも抱え込むタイプで顔もキリッとしてるから、クールでビシッとした怖い子に見られがちだったんだよね。」

 

明日翔「よくも悪くも、前しか見えてねぇ。熱意についていけない奴らが多いんだろうよ。」

 

天音「誤解されやすいけど、紗夜は怖いのじゃないよ。本人はあんまり、そうは思ってないみたいだけど。」「そういうまっすぐで不器用で、一生懸命なところ、私すごく好きなの。一緒のチームになって、近くであの子の頑張りを見るようになって…その姿が眩しくて。」「できれば力になりたい、彼女の憧れに近づく手伝いがしたいって思うようになって。それが今の、チームのみんなを支えたいっていう私を作ってくれたんだと思う。」

 

空「紗夜さんは、天音さんにとって特別な人なんですね。」

 

天音「紗代だけじゃないよ。チームのみんなが私にとっては特別。ずっと、何がしたいのかわからなかったの。そんな私にやりたいことをくれたのが、このチームなんだ。」

 

空「すっごく、すっごく素敵な思い入れだと思いますっ。そんな素敵なものを解散なんて、させませんから!私と…先輩が!ついてますからね!」

 

天音「ありがとう。そう言ってくれると、心強いな。」「…明日翔先輩。難しいこともあるけど…紗夜のこと、見ててあげてね。」

 

~~~~~~~

 

エルエル「ねぇねぇねぇ!ナイアちゃんもアルマちゃんもステラちゃんも!このチームがいいってことだよね!」

 

ナイア「うわぁ~来たぁ~。こういうのかうざったいから、口に出したくなかったんだよ~。」「このかわいいやつめ、うりうり~。」ワシャワシャ

 

エルエル「わきゃー。」

 

アルマリア「ワタシもそれほど、不満はありません。」

 

ステラ「自分も。速度を軽視しないかぎり、問題ない。」

 

アルマリア「強いて言えば、ワタシをもっとエース扱いしてくれれば言うことはないんですけど。」

 

紗夜「え?私はアルマリアがエースだと思ってるんだけど…。」

 

アルマリア「何をいってるんです?紗夜。あなたはいつも自分で突っ込んで、美味しいところを持っていこうとするじゃありませんか。」

 

紗夜「それは、リーダーとして一番危ないところを担当しようと思ってやってるだけで…。」

 

アルマリア&紗夜「…。」

 

アルマリア「…ワタシたちは、もう少し話をするようにした方がよさそうですね。」

 

紗夜「…だね。」

 

ステラ「提案、プログラム開始時と現在では、開示されていた情報に違いがあるよね?改めて、現状に即した目標設定をしたら?」

 

アルマリア「やっぱり、優勝じゃないですか?それなら誰も文句はないでしょうし。」

 

エルエル「優勝!いいねぇ~!」

 

ナイア「え~、3位に入ればいいんでしょ?3位でいいじゃ~ん。」

 

ステラ「1位、いい響きだと思う。」

 

紗夜「私は…もちろん、できるならしたい。でもステラがやる気なの、始めてみるんだけど…。」

 

ステラ「一番強いと言うことは、一番速いということ。4月の新歓戦では、2番だった。」「チャンスがあるなら、一位をとりたいと思うのは、レーサーとして当然のこと。」

 

紗夜「了解。…それじゃあ、これからの作戦会議、始めよっか。」

 




気がつけば無人島生活は7日目。チーム一丸で優勝を目指すべく、無人島を走る。俺たちならこのサバイバルを生き抜くのは簡単だろ?せいぜい頑張ろうじゃないの。

次回「光れよ絆、優勝まで突っ走れ!」

また会おうぜ?
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