~5月11日~
新入生交流プログラム七日目。
ザーーーー……ブツッ
ナクル「えー、今日は皆さんに悲しいお知らせがあるー。なんとまだチームも残ってるー。」「むー…最終日までに決着がつけば実質バカンスだと言うのにー。全日程は9日間、本来は今日辺りで決着がついて2日間くらい遊ぶ予定だったー。そろそろキャンプも飽きてきたんじゃないー?迅速な結果を望むー。」「生徒会からは以上ーれっつふぁいてぃーん。」ブツッ
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!ギィィィィィィン!!!スタッ
ステラ「帰還。…周囲分布を報告する。」
カキカキ…
ステラ「…周囲の分布報告は以上。」
紗夜「ありがとう、ステラ。助かる。」
ステラ「…。」ニコ
地図に書かれたポイントを皆まじまじとみる。
ナイア「おー、すごいじゃん。全チームの位置がわかってるのはデカいよ。」
ステラ「もう滞在エリアが少ないから。見通しも比較的いい場所が残ってる。」
空「本格的に光線を促してる、ってことでしょうか。」
紗夜「5チーム…昨日から1チームから減ってないってことは、昨日は戦況が動かなかったってことかな?」
アルマリア「やっぱり、打って出ればよかったんじゃありませんか?」
ステラ「どこも、移動途中の仮キャンプのようだった。すぐにみんな移動するかもしれない。」
ナイア「ありうるねー。今の配置を見ると、どのチームも位置が離れてる。これはどのチームも安全の確保を重視してる、ってことだろう。」「さ~て、ここで問題、ででん。この先の終盤戦、なにに注意すればいいと思う?」
明日翔「ずばり…有利ポジだな?」
ナイア「ぴんぽーん、その通り。今回のルールだと、戦場がキモになるからね。」
空「さすが先輩。バトロワ終盤のポジション取りの重要性を理解されてるとはっ…!」
エルエル「でも、他のチームもバトルしないように動いてるなら…同じこと考えてたりしないかなぁ?」
ナイア「おっ、エルエルいいところに気がつくねぇ~。えらいぞ~。」ナデナデ
エルエル「えへへー、それほどでも~。じゃあそれで、どうするの?」
アルマリア「ふむふむ…一番有利なところを確保…。」「攻め入る敵を撃破していく。これですね!地図を見てください、このエリア端の高台。ここは一度陣取れば攻めるのは容易ではありません。ここを他のチームにとられる前に、ステラさんとエルエルさんに先行してもらいましょう。」
紗夜「その高台は有利だけど…アルマリア、大事なことを忘れてるよ。」
アルマリア「大事なこと?このワタシがですか?」
ナイア「明日は滞在可能エリアが減るってこと。」
空「これまでの減り方を見ると、その高台は明日、移動しないといけなくなりそうですね…。」
ナイア「3位に入るなら、それでいいと思う。けど、目標は1位なんじゃなかったっけ?」
天音「なら、明日も滞在可能エリアに入りそうな場所で、比較的有利なところとかはどうかな?」
紗夜「なるべく、周りが確認しやすいところがいいね。ステラもずっと飛べる訳じゃないし。」
ステラ「む…。」ムスッ「1日くらいならずっと飛行していることは可能。」
ナイア「いやいや…。それで疲れて動けなくなっちゃったら本末転倒でしょーが。無理して出掛けることはないよ、今日は周りのチームに少しでも数を減らしてもらお。」
エルエル「バトルしないってこと?」
ナイア「そ。今日の状況を見て、もっと慎重にいくか、アグレッシブにいくかを決めればいいんじゃない?」
紗夜「アルマリア、いいかな?」
アルマリア「…勝つためなら仕方ありません。ワタシもイノシシではないですから。」
エルエル「…んふふ。」
紗夜「?なに、エルエル。」
エルエル「ううん。なんか、楽しくなっちゃって。」
紗夜「真面目にやってよ?残ってるのはきっと強豪チームばっかりなんだから。」
エルエル「は~い。でもね、みんなで集まって、意見出しあって、みんなでそれをやって…このプログラムでこういうことができて、チームって感じがしてたのしいなぁ~。」
アルマリア「その前までだって、そういう場面はあったでしょう?」「…ありましたっけ?」
ステラ「さぁ。そういった情報は記録してないから不明。」
天音「あはは、ステラらしいね…でも、今こうしてみんなでひとつの目標に取り組めたのは、はじめてかもね。」
ナイア「今までは紗夜が一人でギャーギャー言うだけだったからなぁ~。」
紗夜「ちょっとっ!そんなことっ!…あったかもしれないけど…。」
アルマリア「まぁ、こういうのは悪くないんですね。エルエルさんもそう言いたいんでしょう?」
エルエル「うん!」
ナイア「本当かぁ?じゃあ…こちょこちょこちょー!」サワサワ
エルエル「わー!やめてー!」
ワーワーキャーキャークスグッタイーホンシンヲイエーコチョコチョーハハハー
~~~~~~~
砂浜を歩いているとアルマリアが地面に何かを設置していた。
アルマリア「…ふぅ。このあたりは、これでいいですね。」
空「アルマリアさ~ん、お疲れ様ですっ!それがアルマリアさんのトラップですか?」
アルマリア「ええ。ステラさんがこまめに偵察してくれているとはいえ、絶対はありませんから。ですが、この一帯の足元にトラップを仕掛けておけば不意打ちを防げます。」「ここは見通しがいいですから、存在に気付ければすぐ対応できますしね。」
空「アルマリアさんのエクシードは、本当に何でもできますね。地を使ってトラップも作れるなんて。」
アルマリア「フフフ。なんでもとはいきませんけど、まあある程度は、ですね。だけど…結構な血をトラップに使ってしまいましたから、不意のバトルが心配ですね。」
明日翔「安心しろぉ、そのためのチームであり俺様さ。」
アルマリア「ええ、チームの皆さんや明日翔さんがとても優秀だと言うことは、よくわかっています。でもそれとは別に、エースであるからにはワタシだってバトルで華々しく活躍したいのです。」「そう!例えるなら、理深き黒魔女、ソフィーナ先輩のように!」キラーン
明日翔「ソフィーナかぁ…。」
あいつは頼りになる、青空寮の母といっても過言じゃねぇだろう。俺がいまこうしているのもあいつのおかげだ。…そういえば、アルマはソフィーナに尊敬の眼差しを向けている瞬間を何回も見たな。
明日翔「ソフィーナに憧れてんのか?」
アルマリア「ええ、その通り。アナタだって何度も間近で見ているでしょう?あの方に美しく鮮やかな技の数々と来たら…黒の世界に生まれずとも、憧れずにはいられません!」
エルエル「あたしもブルーミングバトルで見たことある!ドッカンドッカンいろんな魔法を使う人だよね!」「でも、アルマリアちゃんってとっても強いんだから、頑張ったら追い付けるんじゃない?」「それこそ、血を吸うとか!ヴァンパイアって、血を吸うとす~っごく強くなれるんでしょ?」「そーだ!ソフィーナちゃんの血を吸ったらどうなんだろ?」
アルマリア「ワタシがソフィーナ先輩の血を!?!?!?」
明日翔「ソフィーナの血?頼めばもらえんじゃねぇか?」
アルマリア「どうやってですか!?まさかこれなら青蘭島に帰るとでも!?」
空「う~ん、先輩がどうしてもってお願いするなら、貰えそうな気もしますけど…。」
アルマリア「そ、空までそんなことを。青空寮の方々は、仲良しなんですね………。」「あの、つかぬことをお聞きしますが……」
明日翔「?」
アルマリア「アナタはソフィーナ先輩のことをどう思ってるんですか?」
明日翔「ソフィーナ?あいつは…俺にとっちゃ可愛いやつだよ。色々とな。」
アルマリア「へぇ、ソフィーナ先輩にそのような目を向けているんですね。アナタのような人が手を出していいような方じゃないんですよ?」「まぁでも、ソフィーナ先輩を可愛いと感じる審美眼は、認めてあげてもいいですね。」
明日翔「あいつにゃ色々世話にはなったっけども、いろんな所見てっとかわいいとこあんだよな。」
アルマリア「でも、追い付きたい人の血を吸って追い付くって、なんだかちぐはぐじゃないですか?」
空「それは確かに…本末転倒感がありますね。」
アルマリア「でしょう?ですから、ワタシはまず自分で強くなりたいんです……いや、少し違いますね。」「ワタシは、自分が納得できる自分になりたいのかもしれません。ソフィーナ先輩と、、自信を持って肩を並べられるような。」
エルエル「同じようなこと、紗夜ちゃんも言ってたよね。」
アルマリア「そうそう。紗夜さんはソフィーナさんのチームメイト、美海さんのファンでしたね。」「このプログラムが始まってから、なにかと紗夜さんには親近感を抱くことが多いですね。これまでは単に、青の世界の強くて将来性のあるプログレスという印象でしかなかったですけど…よくよく話してみれば、共通点が多いものです。」
明日翔「憧れの対象に近づく向上心とかな。」
アルマリア「ええ。今の自分に満足せず、日々精進し、理想の自分に近づこうと努力する。その気持ち、よくわかります。そして、とても素晴らしいことだと思います。」
エルエル「紗夜ちゃんのこと、前よりも知れたってこと.それっていいことだよね?」
アルマリア「さぁ、それはわかりませんけど…知らないよりは、いいんじゃありません?チームメイトですし、お互いの考えがわかった方が、何かと好都合ですし。」
エルエル「そうだね、えへへっ。」ニコニコ
アルマリア「何です?嬉しそうに。」
エルエル「あたしもね、アルマリアちゃんのことちょっと知れて、嬉しかったなって思って。もっともっと、アルマリアちゃんのことも紗夜ちゃんのことも知りたいな!」
アルマリア「別に構いませんけど。…ふふ、アナタもおかしな人ですね。」
~数時間後・夜~
夜中、空が浜辺を歩いているとエルエルと出会う。
エルエル「あ、空ちゃん~。お散歩?」
空「あっ。エルエルさんこそ、こんな時間にここで何を?まだ寝ないんですか?」
エルエル「あたしはね~…ほら見て。お星さまがよく見えるの。」
エルエルは夜空を指差す。
空「おお~、本当ですねっ!このところ綺麗な夜空を見る暇がなくって…素敵ですっ。」
エルエル「お星さまってさ、よ~く見ると、色んな色や光の輝きがあるよね。大きさも違って見える。」
空「そうですね、おそらく私たちが知ってる以上の星が夜空にはあると思いますっ。」
エルエル「ね~。ここから見えるだけでも、数えきれないくらいあって、その一個一個が違ってて…。」「あたしね、みんながいつも一緒で全部同じだったらいいのにっておもってたの。でもその…みんなって、全部違うんだね。お星さまみたい。」
空「そうですね。私とエルエルさんも、全然違います。」
エルエル「ね~。あたしたぶん、みんなと一緒にいたいからみんなか大好きだったんだ。でも今はちょっと違って、みんなが大好きだから一緒にいたい。」
空「んー…ちょっと、難しいですね。それは違う意味なんですか?」
エルエル「うん。ちょっと違う。うまく言えないけど…えへへ。」「そろそろ寝よっか。紗夜ちゃんや天音ちゃんが心配するかも。あったかいお茶もらって、一緒に寝よー?」
空「はいっ!」
~一方その頃~
明日翔「…。」スタスタ
俺はエリア内の森を調査していた。
明日翔「ここだな、こいつぁ戦闘の跡だ。」
地面の荒れよう、木々のダメージを見るにここは派手な戦闘があった場所。痕跡を見るに、爆発なども起こっているようだ。
明日翔「なぜかはわかんねぇっけども、辺り全体がぬめっとしている。そして何より…無人島にゃ不自然な匂いがするぜ…?」クンクン
弾けた木片の欠片の匂いを嗅ぐ、匂いを見ると石鹸の匂いがする。
明日翔「この戦いの痕跡、ヌメリ気、そしてこの匂い。…こいつぁ…。」
考え耽っていると後ろから声をかけられる。
ナイア「たいちょー。」
明日翔「こいつぁ珍しい。軍師じゃねぇか、こんな時間に何してんだ?」
ナイア「寝てたらノド乾いてさ、水飲もうと思ったらたいちょーの背中が見えたから着いてきたんだー。たいちょーもこんな時間に熱心だねぇ。」
明日翔「なぁに、これも仕事の一つさ。みんなが休んでるときに仕事をするのが裏方ってもんだろ?」
ナイア「こんな時間に仕事しなくたって、寝てりゃいいじゃん。んで、何か収穫はあった?」
明日翔「ああ、俺の想像も含めってとこにはなっけどもな。」「こいつぁ厄介なやつがいるぜ。俺がてこずっちまうぐらいのな。」
ナイア「へーぇ…。」ニヤニヤ
~翌日・5月12日~
新入生交流プログラム8日目。残りチームは4チームと宣告された。
ナイア「残りのチーム数は4チーム…ま、減っただけ良しとするか。」
天音「昨日の話に出てた高台は、やっぱり今日の滞在可能エリアから外れちゃったね。」
ステラ「偵察の結果、昨日の戦闘はその高台を巡ってのものだったと思われる。」
空「わ、狙いにいかなくて正解でしたね。明日は移動しないといけないわけですし。」
…てことは、夜見た痕跡は少なくとも2日前か…。二日たてばそれなりに痕跡は消えそうなもんだが…相当の能力があるってことか、ますます嫌な想像が働くぜ。
紗夜「逆に言うと、今日はまだ高台が使える。昨日勝ったチームがギリギリまで粘る可能性はあるよね。」
ナイア「だねー。けど、長距離狙撃ができるプログレスがいるとかじゃないと、そこまで驚異じゃないと思う。」
ステラ「偵察した限りでは、高台以外の2チームは移動の準備をしているようだった。どちらも、地形的優位な場所を目指している。」
アルマリア「それはどういう判断になるんですか?」
ナイア「明日が最終日ってことは、今日発表された滞在可能エリアが最終的な戦闘区域になるならね。明日優位に立つために、リスクをとって交戦可能時間中の移動を選んだんだろう。」
紗夜「っていうことは…今日、高台チームと交戦を考えるチームはいないってことだよね?」
天音「紗夜、何か作戦があるの?」
紗夜「うん、ステラ。その移動しようとしているチームは、同じ場所を目指してるんだよね?」
ステラ「肯定。」
紗夜「ナイア、空。最終的に3チームで膠着するって、あんまりいい状態じゃないよね?」
空「ですね。バトロワでは最後の3チームでバトルに加わらなかったチームの勝率が高いですしっ。」
天音「こないだの漁夫…だっけ?それが怖いもんね。」
アルマリア「なるほど…紗夜の考えていることがわかりしたよ。その2チームが終わったところに仕掛けにいくんですね!」
紗夜「ううん…その逆。高台チームを倒しにいこうと思うんだけど、どう?」
アルマリア「どうしてですか!高台は明日、滞在可能エリアから外れるんですよ?」
紗夜「今日あそこに攻め込もうとしているチームはいない。けど、今移動してる2チームの戦闘に絡んだら、高台チームが来るかもしれない。」
空「高台チームは、結局どこかのタイミングで移動しないといけないですからね。他チームが戦闘中とわかっていれば、移動しても安全なわけですし。」
アルマリア「ふむふむ…お互い1チーム倒して、最終的に1対1に持ち込もうというわけですか。」
紗夜「うん。…どうかな?」
アルマリア「ええ、私も賛成です。何よりも分かりやすいのがいいですね。」
空「残りのチームは4チーム。今日勝てば、3位以内は確定です。気が引き締まりますっ。」
アルマリア「でも可能なら、狙いは優勝、でしょう?」
ナイア「こらこら、向上心は結構だけど、あんまり上見てると足元掬われるよ~?」
エルエル「わかってるよー。まずは今日の1戦をしっかり、だよね!」
天音「あれ、エルエルがそんな風に言うの、珍しいね。なんだか頼もしいな。」
エルエル「えへへ~、そう?あたしね、今、負けないって気持ちがすっごいの!」
明日翔「優勝は、俺たちが頂こう。」
空「やりましょう、優勝!」
紗夜「うん、やろう。…あなたが言うと、本当にできる気がしてくる。」
明日翔「ほんじゃあよ、俺に考えがあんだ。よーく聞いてくれ?俺の作戦はこうだ…。」
~~~~~~~
上空。俺はステラに抱えられて高台チームのところまで運ばれる。
明日翔「おう、お前たち。こいつらの視線は2チームに向いてやがら、俺たちのことなんてまるっきり興味ねぇって感じしてんぜ?」
無線で情報のやり取りを行う。
~~~~~~~
ナイア「よーし、思惑通りってやつだ。」
天音「このタイミングでわざわざ滞在可能エリアの外とバトルしに来るとは思わないもんねぇ。」
アルマリア「今まで2度も奇襲されたんです。予習は完璧です!」
天音「あはは…やな予習の仕方だね…。」
明日翔「よーし、じゃあぼちぼちしかけっかぁ!」ザーッ「お前たち、遅れるなよ?」ザーッ
紗夜「了解!」
~~~~~~~
明日翔「いい答えだ。…いくぜ!急降下だぁ!」
ステラ「了解、急降下する。」ギューーーン!
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!ギィィィィィィン!!!スタッ
敵A「なに!?」
敵B「敵襲よ!人数は…二人!?」
明日翔「よぉ美味しいところを持っていこうと見下ろしてる高台チームの皆さん、ごくろうさ~ん?自分たちが美味しいところ持っていこうとするなんて。この俺様が見過ごすわけないだろ?」「優勝は頂くぜ?」ニヤリ
敵A「敵はたったの二人だ!やれー!」
ズシャーン!ビリリリ!ドカーン!
明日翔「おっとっと、派手におっぱじめちまったな。」「ステラ、後で落ち合おうぜ!」
ステラ「了解、離脱する。」
ギィィィィィィィィ!!!!ボン!!!!ギューーーン!!!
明日翔「ほんじゃ、俺も逃げますかぁ。果たして俺様を捕まえられるかな?」
敵B「ほざけ!」
~~~~~~~
ズシャーン!ビリリリ!ドカーン!
ナイア「おー、派手にやってんねぇ。」「たいちょーも突拍子もないこと考えるねー。たった一人で敵陣の中に行くなんてさー。」
空「まぁ、先輩らしいといえばらしいですが…。」
アルマリア「話を聞いてて思いましたけれど、あの人もずいぶんと命知らずですね。青空寮の方々がどれだけ肝を冷やしたのか、想像つきません。」
紗夜「明日翔先輩も、ずっと耐えられる訳じゃない。私たちも行こう。」
エルエル「あたしも、一生懸命頑張るから。できること全部やるからね。何でも言ってね!」
紗夜「エルエルはいつだってそうでしょ、いつも頑張ってくれてる。」
エルエル「え…?」
紗夜「それじゃ、行こう。」
空「エルエルさん?大丈夫ですか?」
エルエル「あ、うん!大丈夫!むしろ…絶好調かも!」
~~~~~~~
ズバーン!
敵C「ああ、もう!ちょこまかと!」ビュッ!ブンッ!
明日翔「およっ、おろろっ。」スカッ「うっひょーい!」スタタタタタ
敵A「逃がすな!追え!」
ドドドドドドド!!!
逃げ続ける俺を追う高台チームたち。
明日翔「へへーん!こいつぁ刺激的だぁ!」「けど、見るのは果たして俺だけでいいのかな?」
ギィィィィィィィィ!!!!パーーーン!!!
敵D「ぎゃあっ!」ドサッ
離脱していたステラが後衛の一人を盛大に蹴り飛ばす。
コギィィィィィィン!!!スタッ
明日翔「ナイスキック。」
ステラ「ヒーラーの一人は潰した、いいやり方じゃないけどこれも作戦。」
敵E「ちょっと!大丈夫なの!?」
敵Dは不意打ちで高威力の蹴りを食らって再起不能となる。
敵A「こんな汚いマネ…正々堂々と勝負したいとは思わないの!?」
明日翔「わりぃな、少なくとも俺には正面でやりあう美学はねぇんのよ。」「それに、あんたらは俺たちがやりあったところで美味しいとこだけ持ってこうとしたんだ。それは汚ねぇとは思わなかったのか?」
敵A「ぐぐぐ…。」
明日翔「そうこうしてるうちに、来たみてぇだな?後ろ見ろよ。」
敵B「なに…?」クルッ
敵は後ろを振り返る。すると…
紗夜「ソード・ルミナスッッッ!!」ザシュッ!
敵F「あぁっっっ!」ドサッ!
紗夜たちが到着し、既に戦闘を開始している。
敵A「なんですって!?」
敵B「囲まれた…!いや違う!」
敵C「この男に気を取られているうちに、奇襲を受けてしまったんだわ…!」
明日翔「そういうことだ、ここまでご苦労さん。だけっども優勝は俺たちがいただくぜ?」
敵A「舐めるなッ!私たちは負けてない!」バーン!
全体にバフをかけたような光がかかる。
明日翔「おもしれぇ。」「行くぜ、お前たち!お前たちの力を見せつけてやれ!」
メンバー一同「はいっ!」
ドガガガガガガ!ズシャーン!ゴウン!ザシュッ!キーーーン!バーーーン!
~~~~~~~
戦闘が長引く、敵の必死の抵抗にメンバーが押され始めている。
天音「もう一息だよ、みんな…!踏ん張って!」
エルエル(勝てそうなのに…あとちょっとなのに…!もうちょっとが足りない!なにか、あたしにできること…みんなともっと繋がるために…したいこと…!)「あっ…!明日翔くん、リンクしよ!」
明日翔「…!考えがあるんだな?」
エルエル「うん!絶対成功する!」
明日翔「じゃあ行け!後悔すんなよ!」ビリリリッ!
エルエル「エールフレンド!天音ちゃんのエクシードで、みんなに力を!!!」
エルエルはなんと天音の召喚する弓矢を召喚し、皆にバフをかけた。
天音「!!」
アルマリア「これなら…押しきれます!」
ステラ「…!加速度上昇。こっちに引き付ける!」
アルマリア「紗夜さん、ナイアさん!」
紗夜「いける!」
ナイア「…あいよぉ~!」ニヤッ!
ズババババババ!ゴウンッ!ドシャーーン!
敵A「あ…ああ…。」ドサッ
~~~~~~~
エルエル「やったね、みんな~!」
ステラ「他のチームの決着も、ついたみたい。」
アルマリア「残すところそちらの勝利チームとワタシたちのチーム、2つですよね。これで明日は最終決戦です。」
天音「それよりエルエル、最後の!エクシード、使えるようになったの?」
ステラ「自分も驚いた、いつの間に?」
エルエル「あたしもびっくり。なんかね、気持ちがぐわぁ~ってして、今なら使えるって思ったの。」「えへへ~、これで何でもできちゃうよ~。」
天音「おかげで3位達成!これでチームも解散は回避できたんだよね?」
空「はい、おそらく!」
天音「そっかぁ…!よかったねぇ、紗夜。」
紗夜「…。」
天音「…紗夜?」
紗夜「…あの、みんな。ちょっとだけ話、聞いてもらっていいかな?」
明日翔「…。」スタスタ…ドン!ドン!
紗夜「!」クルッ
明日翔が紗夜の背中をドンドンと鼓舞するように叩く。驚いた紗夜は明日翔の顔を見る。
明日翔「…にっ。」ニヤリ
紗夜「…。」コクッ
明日翔「…。」スタスタ…
明日翔の顔はニヤリと笑った表情を見せ、紗夜は何かを感じうなずく。明日翔はそれを見て森の中へと去る。
紗夜「…困ったな、何て言い出していいのかわかんないや。」「…みんな、ありがとう。」
アルマリア「…なんですか、急に。」ジト
エルエル「そうだよ~、何かお礼をいってもらうようなこと、したっけ?」
紗夜「その。そうじゃなくて…いやそうなんだけど…。」「3位以内に入れって言われたとき、うちのチームならやれると思ってた、みんな強いから。」「でもそれは今みたいな形じゃなくて、もっとそれぞれが勝手にやるような感じで…。ええっと…。」フルフル
天音「大丈夫だよ、ゆっくりで。みんなちゃんと聞いてるからね。」サスサス
天音は紗夜の背中をさする。
紗夜「…うん。その、実際やってみたら、バトルロワイヤルって複雑で、考えることもあって。私が考えていたような戦い方だったら、あっさり負けてたかもしれないって思った。」
「今までずっと、私が決めて、それをみんなに押し付けてたところがあったかもだけど…」「今回、みんなが力を貸してくれたから、勝てたって思ってる。それが、すごい達成感があって…。」
「…うまく話せてるかな。」
空「ちゃんと伝わってますよ、紗夜さんっ!」
紗夜「そっか。なら、よかった。…みんなも、聞いてくれてありがとう。改まってこういうこと言うのは、恥ずかしいけど。これが今の私の気持ち。」「本当に、ありがとう。」
深々と頭を下げる。
アルマリア「ど…どういたしまし…て。…もう、急に真面目な顔で話し出すから、何かと思えば。」
エルエル「そんなの、あたしたちだって同じだよ!」「あ、わかんない。あたしが同じってだけで、みんなは違うかも。でもでも!今はちょっと違う感じだってこと。紗夜ちゃんがいってること、よ~っくわかるよ。」
天音「うん。わたしもわかるよ、伝わってる。」「今日、3位以内には入れたのは、間違いなくみんながチームとして行動したからだと思う。もちろん、紗夜だってそのうちの一人なんだからね。」
ステラ「正確には、今日の結果ですでに2位以内。」
ナイア「だね、明日は頂上決戦だ。」
空「このまま、本当に優勝、いけちゃうかもですねっ!」
ナイア「かも、じゃなくてやるんでしょー?チームも仕上がってたし、あり得ちゃうかもね。…紗夜の熱血が、効いたんじゃない?にししし。」
アルマリア「そうですね。あなたの影響は、多少なりとあったと思います。そういう意味でもお互い様ですよ。」
エルエル「みんながんばった!みーんな、がんばったよ!」
空「はい、そう思います。皆さんが力を合わせた結果ですよ!」「うう…なんだか私、感動してきちゃいましたっ。」ウルウル
紗夜「ち、ちょっと、やめてよ。そういうんじゃないんだってば、恥ずかしいから…!」
ハハハハハハハ!!
明日翔「…へっ。」スタスタ…
木陰に隠れてそっと会話を聞いていた明日翔は森の中に消える。
次回、1on1開幕。
気がついたら無人島生活は最終日だぁ!このまま優勝は俺たちが頂いちまうぜ?と、思ってたら相手にはまさかまさかのあの女。
次回「その名は千尋」
そうかい、おめぇが絡んでたんだな。