~5月18日・朝~
アルマリア「…やはり、不純異性交遊ではありませんか?」
天音「えぇ~?そうかなぁ…私は普通に見えるけど…。」
紗夜「だよね。先輩後輩って言うか、あくまで懐いてるって関係に見えるけど…。」
ナイア「わかんないよ~?家ではバレないように隠してるとか。」
紗夜「そ、それで夜中に夜の外で、ってこと…!?」
アルマリア「お友だち専門家のエルエルさんは、どうお考えになります?」
エルエル「うーん…。」「スッゴク仲良しだと思う!」ニッコリ
紗夜「あぁ…。」ガクッ
ナイア「ははは、おこちゃまにはまだちょーっと早かったかな。」
エルエル「子供じゃないよー!同じ学年でしょー!」
ナイア「本当にそうかな~?がおー!食べちゃうぞ~!」
エルエル「わぁーっ!」
ワーキャーツカマエターツカマッターウリウリーキャー
天音「でも、どうなんだろうね…実際…。」
明日翔「何がだ?」
天音&アルマリア「わーっ!?」ピョーン
明日翔「ぐっどもーにんぐ。」
紗夜「…入ってきたなら入ってきたって言ってよね。」
アルマリア「そうです。」
明日翔「ごめんねぇ。ついつい、コソコソ話してたもんだからさ。んで?なんの話してたんだ?」
アルマリア「いえ、なんの話でもありません。」
明日翔「いいじゃねえか、教えろよ。同じ釜の飯食った仲だろ?」
ナイア(盛大な誤魔化し方だなぁ…。)
エルエル「ねぇねぇ、明日翔くん!昨日の夜どこ行ってたの~?」
一年生達(あ。)
明日翔「昨日の夜か?そうさよなぁ…言うならばデ」
ナイア「エルエル~?今日はあたしと早めに投稿しよっかぁ。」スタスタ
エルエル「え!ナイアちゃんから誘ってくれるなんて珍しい~!うん、一緒にいこいこ~!」スタスタ
明日翔「あ、ちょいちょい!まだ回答が終わってねーっての。」
ガチャ…バタン
明日翔「…行っちまいやがった。なんだぁ?」
紗夜(き、聞きたい…なにかあったのは明日翔先輩の方じゃないの…って!)
ガチャ…
空「先輩、ヒメ会長が朝、生徒会室に顔を出してほしいって連絡が。たぶん昨日いらっしゃらなかった件だと思うんですけど…。」「あ、みなさんおはようございますっ!今日は先輩をお借りしていきますねっ!」
明日翔「なんだ呼び出しかぁ?ったく、朝ぐらいゆっくりさせてくれよなぁっての。」「いよっせい。」スッ
ソファーでグデーンと寝ていたのでからだを起こす。
空「先に外にいますね。」スタスタ
明日翔「あいあいよー。」
ゆっくりとリビングの出口に向かう。その際に紗夜の後ろを通りすぎたので…
明日翔「ばーっ!」ガシッ!
紗夜の後ろから肩をがっしりと掴む。
紗夜「わーっ!!な、な、なに!?」
明日翔「からかいたくなっただけ。」
紗夜「サイッテー!」スパーン!
明日翔「いってぇ!」
明日翔の頬にビンタしてとてと爽快な音が鳴った。
紗夜「空が待ってるんだから、遊んでないで早く行って!」
明日翔「へーい…。」ズキズキ
ガチャ…バタン
紗夜「ふぅ…。」
一同「…。」
紗夜「き…き…気になるー!!!」
天音「同じ寮で暮らしている二人が…って、ロマンチックだけど実際一緒にいると緊張するね。」
アルマリア「ですが、ワタシたちが口出しして二人の関係が壊れてしまうのも、美しくありませんよね。」
紗夜「でも…知りたい。」(というか、あの人デートって言い欠けてなかった?)
ステラ「なら、調べればいい。」
紗夜「ステラ!いたの!?」
ステラ「いた、最初からずっと。」「なんの話かはよくわからなかったけど、今の話はわかった。明日翔と空が夜間外出を行っている際、なにをかているかを偵察すればいい。」
天音「お、おおー!」
アルマリア「ステラさんなら、空さんたちに気付かれずに尾行することができそうですね。」
ステラ「任せて。偵察は得意分野、夜間飛行もお手のもの。」
紗夜「新入生交流プログラムで培った偵察技術が、こんなとかろで活きることになるなんて…。」
天音「明日翔先輩も、まさか自分が偵察される側になるとは思ってないだろうしね…。」
紗夜「それじゃ、どうする?」
~~~~~~~
アルマリア『寮の入り口に、ワタシのエクシードのセンサーを仕掛けます。夜の外出はそれでわかりますから、その時にステラさんに連絡します。』ザーッ
ステラ『わかった。連絡があったら緊急発進する。』ザーッ
明日翔「ほうほう、なるほどねぇ…。」スチャ
モノクル型のデバイスを目につけて、会話を盗聴していた。
空「昨日深夜の外出が見つかってしまったんでしょうか…何か、言ってたんですか?」
明日翔「いんやぁ?気にすんな。」
空「というか…いつの間にそんなものを仕掛けたんですか。」
明日翔「簡単さ。」
~実はあのとき…~
明日翔「ばーっ!」ガシッ!…スチャッ
肩をつかむ瞬間に紗夜の制服の襟首にマイクを隠す。
紗夜「わーっ!!な、な、なに!?」
紗夜がビックリしている間、どさくさに紛れて小型マイクをそっと襟首に隠しておいたのさ。
~解説終わり~
明日翔「あいつすげぇ勢いでひっぱたきやがってよー、あーいてて。」
空「それは先輩が悪いですよ!ソフィーナさんが相手なら先輩は今ごろ消し炭ですっ。」
明日翔「おほほ、そいつぁちげぇねぇな。」
~数時間後・放課後~
今日は紗夜のチームがフルメンバーで練習をする日らしい。もう既に見に行く理由ってのはないが…ちと顔を出してみるとしよう。その辺にいた空を捕まえて、練習用アリーナへ行く。
明日翔「ひょっこり。」ヒョコッ
空「こそそっ。」ヒョコッ
入り口からこっそりと様子を覗く。
紗夜「私たち、次の段階に進むときだ思うの。」
エルエル「次の段階って~?」
ナイア「新入生交流プログラムはうまくいったじゃん。チーム解散も回避できたし、何をするのさ?」
紗夜「みんな、忘れてない?明日翔先輩は、私たちのαドライバーじゃないんだよ。」
天音「あはは、今は青空寮で生活してるから、つい忘れそうになっちゃうよね。」
紗夜「だから、明日翔先輩の力なしでプログラムと同じことができるようになること。これが、私の考えてる次の段階。」
ナイア「え~?でもそれってもーっと頑張ろうってことでしょ?めんどくさいなぁ…。」
紗夜「けど、明日翔先輩なしで前と同じ成績だったら…また同じピンチになるかもしれない。」
天音「その時は、もっと頑張らないといけなくなるかもだね…。」
ナイア「うげ、それはイヤだな…。んじゃ、具体的になにをどうするのかを考えよう。」
エルエル「ナイアちゃんって、めんどくさいことから逃げるとき、スッゴク前向きだよね。」
天音「ぶれなくて、ナイアらしいよね。」
明日翔「お~邪魔しま~す、噂に導かれて来ました~。」
空「お邪魔しまーすっ!」
紗夜「明日翔先輩!来てくれたんだ。」
アルマリア「今は明日翔さんがいなくても、チームの強さを発揮したいと言う話をしていたんです。」
空「元々みなさんのチームはバランスが良いといいますか、安定しそうですけど…。」
紗夜「うん。ナイアとステラは役割がはっきりしてる。二人とも、元々担当分野はすごく得意だし。課題だった連携も、新入生交流プログラムでだいぶとれるようになったと思ってる。」
ナイア「おぉ珍しい~。紗夜がそんなに褒めてくれるなんて。」
ステラ「同意、今日は更なる要求があると思ってた。」
紗夜「事実は事実なんだから、ちゃんと褒めるってば。私のことなんだと思ってるの?」
ナイア&ステラ「…。」プイ
二人は明後日の方向を向く。
明日翔「言うなれば親」
俺がフォローを入れようとしたとたん…
アルマリア「紗夜さん、ご自覚がないかもしれないですけど…プログラム前は小姑みたいでしたよ。」
紗夜「こじゅ…!?」
明日翔「お~いいやがった。」
アルマリア「あくまでプログラムの『前』の話です。今はちゃんとリーダーと認めていますから。」
エルエル「ねぇねぇ、紗夜ちゃん。あたしは~?」
紗夜「エルエルは友達を増やすこと。エールフレンドで使えるエクシードを増やすことを一番にしたいから。」
エルエル「つまり…今まで通りってこと?」
紗夜「それだけじゃなくて、もっと他のチームの子とも仲良くしていいよ。」
ナイア「新しいエクシードが使えるようになれば、戦術の幅も増えるし、他チームの研究もできるってことか。」
アルマリア「となると、紗夜さんの言う『次の段階』のキーになるのは、ワタシたちというわけですね。」
紗夜「そう。私たちがプログラム中、明日翔先輩の恩恵が大きかった。それがないことを考えると、個の力をのばすなら、この三人かなって。」
アルマリア「そういうことでしたら…ワタシは大丈夫です。高貴なる吸血鬼ですから。血を吸えば大幅にパワーアップ。αドライバーの支援に匹敵する力を発揮できるでしょう。」
エルエル「…あれ?でもその状態のアルマリアちゃんって、あたしたち見たことなかったよね?」
天音「だね。アルマはあんまりピンチにならないから、見る機会がなかったのかな?」
紗夜「ねぇ、アルマリア。一回でいいから見せてくれない?血を吸ったアルマリアの力がわかっていれば、私と天音の基準も…。」
アルマリア「…そういえば、今日は明日翔さんと個人練習の約束をしていたんでした。」
明日翔「へぁ?」
アルマリア「さぁ、行きましょう。」ガシッ
アルマリアは俺の制服の襟首をつかむ。
アルマリア「今日はこれで失礼しますね。」ズリズリズリズリ
明日翔「あ~~~~れ~~~~!」
紗夜「ちょっ!?アルマリア!?」
~~~~~~~
なかば逃げ出したかのようなアルマリアに引きずられて学校の中庭までやってくる。
明日翔「あちちちち、お尻が破けちゃうでしょーが。」
立ち上がって引きずられてついた汚れを払う。
明日翔「で?お前、血を吸わないのはなんでなんだ?」
アルマリア「…ワタシは…血が吸えないんです。紗夜さんたちもワタシが血を吸えないのを知らないんです。」「今までは、ワタシの力はチームでも一番でした。ですから、そもそも血を吸う必要もなかった。けれど、これからチームが上を目指すなら…。」「もっと強さを求めるのなら、そうはいかなくなるのかもしれません。それに…。」
明日翔「それに?」
アルマリア「強い人と戦うのは嫌いじゃないけれど、負けるのは好きじゃないんです。」
明日翔「んなこといってもなぁ、その辺は所謂基礎練習ってのが必要なんじゃねぇのか?」
アルマリア「なんだか野蛮じゃありません?できればどんなときでも、ワタシは気高くありたいのです。」
明日翔「いやぁ野蛮でもないさ。プロってのは基礎練習の上になりたってるもんだぜ?」
アルマリア「…ワタシは、人の血は吸えない。つまり、吸血鬼の真の力を使うことができない。」「ですからこれからは、ワタシのせいで負けるなんえことも、起こってしまうかもしれません。自分だけが負けるわけではなく、チームの足を引っ張るのはごめんです。」
アルマリア「それで負けちまったらまぁしょうがないと思うしかねぇさ、出来ねぇもんは出来ねぇんだからよ。」「因みに何が原因なんだ?人間の血がいけ好かねぇとかか?」
アルマリア「…恥ずかしいからです。」
明日翔「へぁ?」
アルマリア「…恥ずかしいからです、ましてや…それを人前で行うなんて。」
明日翔「恥ずかしいかぁ、そいつぁ難儀な問題だな。見てくれを気にするお前にとっては。」
アルマリア「吸血鬼にとっての吸血は食事であり、娯楽です。多くの同族は、より好みの血を求め、気に入った人間を手元に置くことだってあります。」
うへぇ、一生何もできずに血を吸われ続けるなんざ考えたくねぇな。
アルマリア「ですが…ワタシは、あの吸血後の同族の恍惚とした雰囲気がその…あまり…。」
明日翔「みっともなくてみてらんねぇってことか?」
アルマリア「そう、そうなんです。わかってくれます?」
明日翔「まぁ、油断して痛い目見てるやつは何人もみってきたっしな。それを見ると確かに嫌かもしれねぇな。」「ほんじゃ吸血で強くなるのは諦めなくっちゃな。…そんじゃ、基礎練習をしていくしかねぇなぁ?」
アルマリア「それは、ワタシに吸血鬼として特性を無視して強くなれ…ということですか?」
明日翔「エクシード諸々の精度を高くするしか道はねぇだろう。端からみりゃハンデになっちまうけどよ。」「血、吸いたくねぇんだろ?仮に血を吸っても負けちまうことがあったらメンツ丸つぶれだしな。」「それに、まだまだ伸び代はあると思うぜ?」
アルマリア「私のエクシードには、まだ成長の余地があると?」
明日翔「ああ、お前の血液を操る力ってのは広いぜ。血の量とか、起動のタイミングとか。もっと削れるところがあるぜ。」「お前は才能がある。だけっどもよ、才能だけが全てを解決する訳じゃないんだぜ?」
アルマリア「…わかりましたりアナタがそう言うのなら、やってみます。」「『血を吸わない』のは、ワタシが決めたことです。それでチームを負けさせるわけには行きません。より鍛練が必要ですね。」「明日翔さん、ありがとうございます。ワタシがこのチームよためにやるべきこと…見えてきた気がします。」
明日翔「大したことは言ってねぇけど、見つかったんなら何よりさ。」
アルマリア「…私は戻ります、明日翔さんは?」
明日翔「俺か?俺はちとトイレに行ってから戻るぜ。」
アルマリア「そうですか。…では、お先に。」スタスタスタ
アルマリアは足早にアリーナまで戻っていった。
明日翔「…さて、もう出てきていいんじゃねぇか?ユーフィ、ミコト。」
ガサガサガサ
ユーフィリア「明日翔さんにはバレてしまいますね。」
ミコト「すごいね、どうやって見つけるんだい?」
低木の影から隠れていたユーフィリアとミコトが現れる。
ユーフィリア「空さんは?」
明日翔「あいつは、アリーナにいるぜ。」「本題はよ、どうやらあいつら俺たちが夜に外出してることを感づき始めてるらしいんだわ。」
ユーフィリア「それは大変です。どうにか、巻き込まないようにしないといけませんね。」
明日翔「今日、あいつらが俺の事を尾けてくるって情報もあんだわ。…そこでよ、少しビックリさせてやらねぇか?」
ミコト「ほう、内容は?」
明日翔「作戦はこうだぜ?」
~数時間後・夜~
紗夜「…アルマリア。センサーはどう?」
アルマリア「今のところ、センサーの反応はまだです。…いえ。」「撤回します、今つかみました。」
紗夜「よし、セニア。発進準備して!」
セニア「了解、エンジン起動準備完了。いつでもいける。」
アルマリア「ですが、空さんの反応しか関知できませんでした。明日翔さんがいません。」
エルエル「えぇ~?じゃあ、外には出てないのかなぁ?」
ナイア「…いやぁ、外に出るためには玄関からなんて法則はない…でもそんなことある?」
紗夜「…まさか。」
紗夜とナイアは明日翔の部屋の階まで駆け上がり、明日翔の部屋の前に立つ。
紗夜「先輩!いる!?空がいなくなったの!」ドンドンドン!!
扉を叩くが返答は帰ってこない。
ナイア「…こりゃ、たいちょーにしてやられたね。」ガチャ
明日翔の扉はカギがかかっておらず開くと誰もいない。しかし、窓が空いていた。
紗夜「嘘、窓から?」
ナイア「わかんないけど、今日のたいちょー尾行計画に気が付かれてたね。勘が鋭い男だよ。」
紗夜「ステラ、緊急発進!先輩はすでに外!空を追って!」
ステラ「了解。…エンジン起動!」
ギィィィィィィッッッッ!!!パーーン!!!ギューーン!!
~一方その頃~
歌右衛門「さぁぁっっ!」ズバッ!!
バァァァン!バァァァン!バァァァン!
城琉「これで、終わりだな。」スチャッ
ミコト「さて、これで今日のウロボロスも退治完了。けどこれ…毎日どうやって探してるの?」
ユーフィリア「地道に足で、です、他のプログレスには感知できませんから。」
ミコト「よくそんな時間が…うん?」「ユーフィリア。キミ、ちゃんと授業にはでてるんだろうね?」ジト
ユーフィリア「小テストを含めた試験の成績は、いつも平均より上をきちんととってますよ?」
ミコト「うーん…ならいいけど…そこに、いつも授業を抜け出すおばかさんがいるから。」
明日翔「そのおばかさんって俺のことか?」
ミコト「キミ以外にだれがいるの…。」ガックリ「キミに関しては見逃すようにするけど、あまり問題になるようなことはしないでね。」
ユーフィリア「はい、ありがとうございます。」
テッテレッテーテッテッテーテッテレッテーテッテレッテー
明日翔「おっと空からの連絡だ。」ピッ「は~いこちら葛飾区亀有公園前派出所。」
空『先輩、作品が違います。そのボケ私にしか通じませんよ。』『ただいま、青空寮を出ました。恐らくですが、ステラさんが私を追っかけてきてるようです。』
明日翔「よ~しナイス囮、こっちも邪魔してくるやつは片付けたからよ。そのまま裏山に入ってきてくれ?こっちも準備する。」
空『わかりましたっ、では裏山で!』ツーツー…
電話をしている途中で城琉が双眼鏡を覗いて上空を偵察している。
城琉「ああ、見つけたぞ。同じ速度で飛んでやがる、たいしたもんだぜ。」「空の嬢ちゃんも気の毒なもんだ、こんなことに付き合わされるなんてよ。」
明日翔「しょうがないだろ?好奇心は自分の命を落とす危険があるって学ばせるためさ。」
ミコト「なにもここまでする必要はなさそうだけどね。」
明日翔「それはそう。」「よーしお前ら配置につけ~?お前たちの担当はな…。」
~~~~~~~
ステラ「空、裏山へ侵入。明日翔も裏山にいて合流すると推測。」
紗夜「わかった、そのまま空を追い続けて。後を追う。」ザーッ
ステラ「了解、偵察を続ける。」
ステラは空の同行を偵察し続ける、その時だった。
ボン!ピカーッ!!
ステラ「うっ…!強烈な閃光!…空を見失った、不覚。」
急に強い閃光が放たれ、ステラの視界は奪われる。空を見失ってしまった。
紗夜「ステラ、大丈夫?」ザーッ
ステラ「飛行に問題はない、強烈な光が襲ってきた。でも、空を見失った。」
紗夜「私たちもいく、座標を送ってほしい。」ザーッ
ステラ「了解、空を最後に捕捉した座標を送る。」
紗夜「ステラも合流しよう。バレないところで降りてきて。」ザーッ
ステラ「了解、麓で降下する。」
~~~~~~~
ステラは裏山の麓で降り、紗夜たちと合流する。裏山へ入り、奥へと進む。
紗夜「空を最後に見たのは、ここなんだよね?」
ステラ「うん、間違いない。そのあと、強烈な光に襲われて見失った。」
ナイア「光かぁ…フラバンか何かを使われたっぽいねぇ。…慣れた人間の手口だね、こりゃ。」
エルエル「ふらばんってなに?」
ナイア「フラッシュバンって言ってさ、すごーい眩しい光を出して相手の目を眩ませる爆弾のことだよ。閃光爆弾っていった方が分かりやすいかな?」
天音「閃光…爆弾…。」(すごい眩しい光…私はそれをどこかで…。)
アルマリア「!しっ!皆さん、お静かに。…あれは、空さんではありませんか?」
アルマリアが指を指した方向には、空とおぼしき影が見えた。
天音「あまり詳しく見えなかったけど…背丈はそれっぽいね。」
紗夜「追っかけよう。」
こっそりとその影を追いかけ、木の影に隠れながら様子をうかがう。
ステラ「あれは…木に隠れて顔が見えないけど空とおぼしき制服。青い服はわからない。」
紗夜「待って、あの服…見覚えがある。」
アルマリア「…もしかして、明日翔さんでは?今年の新歓戦の決勝、あの服を着て戦っていたのを見ました。」
エルエル「…そうだっけ?」
紗夜「…思い出した。確かにあれは、明日翔先輩のもの。先輩も木に隠れてて見えないけど、背丈も明日翔先輩そっくり。」
一年生視点では、空と明日翔が向い合わせのように見えている。
ナイア「随分距離近いなぁ…もしかして、朝の仮説マジだったりする?」
アルマリア「そうなれば、明日翔さんには不純異性交遊で罰を与えねばなりません。」
紗夜「問い詰めよう。」
明日翔と空がいるであろう木に紗夜と天音は近づく。
紗夜「明日翔先輩、現場は押さえたよ。言い訳ならあと…。」
天音「…えっ!?」
アルマリア「どうしましたか?」
紗夜「…いない。」
アルマリア「?どういうことですか。なんのことだか…!」
アルマリアが現場を覗く、そこには明日翔と空はおらず糸で巧妙に服が吊るされていただけだった。そして、木に貼り紙が貼られていた。
──残念でした。──
紗夜「…!」
天音「!うわぁぁっっっ!!」ビヨーン!!!
天音が急に飛び上がって浮いてしまう。
紗夜「天音っ!」
天音「何これっ…!?動けない!」
ナイア「あれは…糸だ。下手に動いたら、肌が切れるよ!」
紗夜「待ってて、斬る!」ガキン!!「…斬れない!?」
天音の糸に剣を振るったが、糸がけた違いに堅く弾かれてしまった。
ステラ「敵の数を把握する。数十秒もらう…はっし─」
ナイア「!?飛ぶな!!細切れになる!!」
ステラ「?なんのこと、トラップしかけられ…。」「…!」
気がつくとステラには糸が巻き付けられていて、様々な木を介して巻き付けられており少しでも飛ぼうとしたら細切れになるところになる。
ミコト「ごめんね、キミたち。私は反対したんだけどね。」
紗夜「!会長…!あと…空!?」
空「うう…紗夜さん…ごめんなさいっ!」
ミコトと空が木の影から出てくる、ミコトの両手からは糸が伸びており様々な木を介して天音とステラに繋がっていた。
ステラ「空のエクシードで糸の強度が上がっている。このまま飛んでたら危なかった。」
ナイア「うへー、みつかっちゃったかぁ。」
ユーフィリア「エルエルさん、捕まえました。動いたら、だめですよ。」ギュッ
エルエル「わぁっ!」
ユーフィリアがエルエルの後ろから抱き締めて、離さない。腕も巻き込んで抱きついているため動くことができない。
エルエル「なんだか暖かいなぁ…。」
ナイア「おいおい、マジぃ?」
アルマリア「どこのだれかは存じませんが、エルエルさんをお離しください!」ビュン!
アルマリアはユーフィリアに向かって攻撃を仕掛ける。
ユーフィリア「歌右衛門さん、出番です。」
歌右衛門「あいわかった。」ビュン!「でやぁっっ!」シャキィッ!
歌右衛門が木の上から降ってきて、居合い抜きの要領で刀を抜きアルマリアの首元に峰を押し当てる。
歌右衛門「動けば、斬る。」
アルマリア「うっ…!」(は、速い…!このワタシが全く剣筋が見えませんでした…!)
ナイア「…最悪だ、尾行がバレてたんだ。」「アヴェンジェリア、この場を─」
城琉「おっと。」ジャキッ
ナイア「!?」
城琉「ここを吹っ飛ばされちゃ、俺の酔いざましのスポットが吹き飛んじまう。」
城琉はナイアの後頭部に、マグナムを突き付けている。
城琉「後を尾けるんなら、このぐらいやりな。」「よう、『昨日ぶり』だな?」
ナイア「…やっぱりバレてたかぁ。」スッ
ナイアはアヴェンジェリアを解除して両手をあげる。
城琉「尾行するときは、使うシャンプーぐらい変えとくんだな。」
ナイア「あー…そこで気がつかれるのね、勉強になるわ~。」
紗夜「み、皆…。」
明日翔「ラストは、お前だぜ?」チャキッ
紗夜「!!」ビクゥッッ!!
明日翔が暗闇の中から現れ、紗夜の後頭部に拳銃を突きつける。
明日翔「んふふ~。お前たち、まだまだ修行が足んねぇな?」「集団で襲うってのは、こうやるんだぜ?」
一年生組、制圧。
つーわけでよ、紗夜たちに例の活動がバレちまった。
美海たちもいない今、こ手を借りるのも悪い選択じゃあねぇ。だけっども、こ~いつらはまだまだ青いヒヨッコだ。なんだか嫌な予感がするぜ?
次回「一難去って今二難」
おいおい、こいつぁなんだぁ?