怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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堕ちた軍人

~5月21日·朝~

 

ミコトに朝、画像を共有されて驚愕するふたり。その画像にはナイアが遊園地を破壊している姿があった。

 

ミコト「…犯行時刻は昨日の深夜。」

 

空「どうしてナイアさんがこんなこと!?」

 

明日翔「軍師は寮にいたしなんなら、夜喋ってたぜ。」

 

紗夜「そ、そうだよ。私たちは一緒にいた、アリバイはちゃんとあるよ。」

 

ミコト「うん、キミたちがウロボロス退治に赴いていたのは当然、知ってるよ。じゃあ、その後の足取りは?」

 

明日翔「公園であいつと会ってる、その後一緒に寮に戻った。」

 

ミコト「…そのあとは?」

 

明日翔「何が言いてぇ?」

 

ミコト「つまり、そのあとナイアがなにをしていたかキミたちも知らないというわけだ。キミたちが青空寮に戻ってから、青の管理区まで移動するのには、十分な時間があった。」

 

紗夜「まさかナイアを、疑ってるの?」

 

ミコト「私自身はあまり、彼女がそんな面倒なことをするとは思えないし。けど…監視カメラの映像があって、アリバイがない…というのは、証拠として非常に強い。」「まだこの映像は風紀委員に渡っていないけれど、容疑者となってしまうのは間違いないだろう。もちろん、内密に進めてもらうようにはする。だけどもし、クロの扱いになってしまったら…」「犯罪行動をした生徒がいるチームに対して、私が便宜を図るのは難しくなってしまう。」

 

空「つ、つまりチームの実績作りに生徒会のサポートが受けられないってことですか?」

 

ミコト「残念ながら、そうなるね。」

 

紗夜&空「…。」

 

紗夜「どうして、こんな時に…。」

 

空「け、けど!私たちの誰からも気づかれずに、青空寮を抜け出すなんて無理なのでは?」

 

明日翔「いーや、軍師なら出来るぜ。むしろ…お手のもんだろ。」

 

ナクル「んにゃ、そのとーりー。ナイア・ラピュセアなら、能力的に可能と思われる一。」

 

紗夜「ナクル…どういうこと?こっちには夜が得意なアルマリアだっているんだよ。」

 

明日翔「いいや、そういう問題じゃないぜ。このヤマは一歩先を言ってるヤマだ。」

 

ナクル「ナイアは統合軍の特殊部隊の元前線指揮官一。アルマリアがいくら優秀でも、学生の目を盗んで寮を抜け出すくらい朝飯前のはずー。」

 

空「特殊部隊の…!?」

 

紗夜「指揮官....!?」

 

明日翔「やっぱそっちの出だったか。どーりで尾行がうまいと思ったわけだよ。」

 

ナクル「うむ一、正直、統合軍の期待の星だった一。まぁ色々あったんだよー。」「とにかく、統合軍に確認が来た場合は、『能力的に遂行可能』という回答になるってことー。ナクルそして、この件が明らかになれば、統合軍はナイアの身柄の引き渡しを求める可能性大一。」

 

ナクル「『処罰はこっちで行う』ってね一。」

 

空「そんなことになったら、チームは…。」

 

紗夜「実績を示すチャンスもないまま、解散。…そんなの、あんまりだよ。」

 

ミコト「さっき言った通り、私たちはナイアのセンは薄いって思ってる。」

 

ナクル「んでも、ボクたちがそれを証明するために動くのはムリー。だから、先に声をかけた一。」

 

ミコト「できるのはキミたちしかいない。 誤魔化せて1日やそこらだ。それでも…キミたちなら、やるって言うでしょ?」

 

明日翔「当たり前だ。」

 

紗夜「ナイアに濡れ衣を着せるなんて…許せない。絶対に捕まえる…!」

 

明日翔「…。」

 

~~~~~~~

 

一旦頭の中を整理するために外に出て状況を整理する。タバコを吸い、ニコチンを入れて落ち着かせる。

 

明日翔「統合軍にハメられたか、汚ねぇマネしやがって。」

 

城琉「いきなり朝っぱらからとんでもねぇニュースだ。」

 

明日翔「そっちに動きは?」

 

城琉「ああ、さっそくあの女を回収するために動き回ってるぜ。すぐにでも関係者が来るはずだ。」「まぁ、長く見て1日ってとこだろ。最悪、今日くるんじゃねぇか?」

 

明日翔「今つれていかれんのは困っちゃうんだわ。せめてもう2日ぐらい待ってくれりゃいいんだがよ。」

 

ガサ…ガサガサ…

 

???×2「…。」コソーリコソーリ

 

謎の人物が背後をとり、こっそりと近付く。

 

城琉「2日か、まぁ出来なくはないが。酒じゃなくて、アガリももらわねぇと割に合わねぇな。」

 

明日翔「アガリぃ?おいおい俺らこの島に来てからお宝なんて見つかってすらないんだぜ?」

 

城琉「お前が探すのサボってるからだろうが。」

 

???×2「…。」コソーリコソーリ…バッ!!!

 

謎の人物二人が二人を襲う。

 

バァァァン!ドギューン!!

 

???×2「カッ…ハッ…。」バタッバタッ

 

フシュ~…

 

城琉「何かと入り用でな、ゴム弾を入れててよかった。」

 

明日翔「最近夜な夜な作ってた麻酔弾だ、人間相手はこれでなんとかなんだろ。」「実弾だったら、引けねぇとこまできちまうからなぁ。」

 

謎の人物の首筋には小さい注射器が刺さっている、それをブチッと抜く。

 

明日翔「さて、ご開帳~。」

 

なぞの人物二人のフードをとる。そこには顔がそっくりな男二人が正体を表した。

 

明日翔「こいつぁそっくりだな、双子か?」

 

城琉「双子揃って殺し屋か?…いや、こいつら。」

 

明日翔「知ってんのか?」

 

城琉「こいつらはライト兄弟だ。兄のダニー・ライトと弟のボニー・ライトって名前のな。」

 

明日翔「ライト兄弟?飛行機でも作んのか?」

 

城琉「まぁ間違っちゃいねぇな。簡単に言えば、電気光学者とエンジニアでいろんなもんつくってた兄弟だ。裏じゃ色々ささやかれてな、マフィアからガラ引き取って電気で拷問してるだのいろんな人体実験してるだの黒い噂が多かったやつだ。」「去年行方不明になってサツにパクられたって聞いたが、こんなとこで目にするとはな。」

 

明日翔「お、獲物見っけ。」ゴソゴソ「スタンガン一本か。」ビリリリッ!!!「うへぇぁ。」

 

城琉「どうやら俺たちも狙われてるみたいだな。」

 

明日翔「ま~た厄介なのが増えちまったぜ。」ポリポリ「とりあえずこいつらはミコトに引き渡すとすっか。他の奴らに見られるとまずい、人払い頼むわ。」

 

城琉「おう。」

 

~~~~~~~

 

しばらくすると風紀委員とミコトが姿を表す。

 

ミコト「おはよう、さっきぶり。」「キミたちは本当にトラブルを呼ぶね?この人たちは、風紀委員で拘束する。そのうち事情聴取の時間をとると思うからそのつもりでね。」

 

明日翔「あいよ、まかした。」

 

ミコト「よし、捕縛して無力化しておいてね。」

 

風紀委員A&B「アイアイサー!」ゴソゴソ

 

風紀委員A「うわぁ、何この人。趣味悪。」

 

風紀委員B「何このリモコンみたいなの、こわ…。」

 

風紀委員がライト兄弟の武器等を押収し、捕縛する。

 

ミコト「ここは任せたよ。」「…少し離れたところで話そうか。彼も呼んできて。」

 

ミコトに連れられ少し離れた場所で話をする。

 

シュボッ!…フーッ…

 

ミコト「一服中?」

 

明日翔「ああ、朝から情報量が多いぜ。」

 

ミコト「私もね、ついさっき情報が入ってきたばっかりなんだ。誰がなぜこうしたのか…まだ調査の稟議もあげられていない状態だ。」「それで、次はこの騒動。疲れちゃうよ、誰かさんのせいで。」

 

明日翔「おいおい、そいつぁ俺のせいなのか?」

 

ミコト「うん、キミのせいだよ。」「…もう教えてくれてもいいんじゃない?先月シルトを誘拐しようとした犯人…そしてこれ。…何者?」

 

明日翔「俺たちと同じ世界の人間さ。」

 

ミコト「それにしては殺意が高くない?」

 

明日翔「俺らが珍しいんだろ。」

 

ミコト「この青蘭島は、複数の世界のセキュリティを何重にも導入している。本来このような人たちは来ないはずなんだ。」「だけどどうしてか、この青蘭島に侵入してきている…これは由々しき事態だ。原因は知っておかないといけない。」

 

明日翔「確かに俺たちはその原因を知ってる。だけどよ、お前には立場ってもんがあるだろ?『青蘭学園は中立』…だろ?」「このゴタゴタは俺たちが解決しなくちゃいけないヤマだ。お前はイスに座ってくれたらいいさ。」スタスタ

 

携帯灰皿にタバコを捨て、その場を去ろうとする。

 

ミコト「あ、待って!」

 

明日翔「安心しろって。俺に立場は関係ねぇ、盗むものは盗むし盗むためならどんな手段も使う。」「生徒会執行部はオモテの顔、ウラの顔は筋金入りの泥棒だ。時には命だって盗むぜ。」スタスタ

 

ミコト「…。」

 

明日翔の顔はいつものニヤケヅラだが雰囲気、声には表現な時とは違う気迫が漂っておりミコトは動けなかった。

 

ミコト「…はぁ、わからず屋だなぁキミも。」「…もっと頼ってほしいのに。」

 

~青空寮~

 

青空寮に足早に戻り、空と作戦会議をする。

 

明日翔「…にしても時間がねぇなぁ。」

 

城琉「俺が風紀委員どもを妨害したところで持って1日だ。無事じゃすまないかもしれない。」

 

空「なんでお二人は戦うこと前提なのでしょうか。」「先輩、それよりも、こんな時こそ力を借りるべき人がいるんじゃないでしょうかっ!」

 

明日翔「?おい、そいつぁ誰のことだ?」

 

ガチャ

 

ユーフィリア「呼ばれてじゃじゃじゃじゃーん!」「明日翔さん、おはようございます。ユーフィリアです。」

 

明日翔「ユーフィ、そうかお前だったのか。確かに適任だぁ。」

 

ユーフィリアに現状の話を共有する。

 

ユーフィリア「なるほど…事情はわかりました。そういうことなら、時空跳躍の出番ですね。」

 

事情を聞いたユーフィリアは二つ返事でそう答える。

 

明日翔「んで、戻ったあとどうする?」

 

空「単純明快!ユーフィリアさんの力で、20日の夜に時空跳躍して遊園地を張り込めばいいんです。あとはそこに現れた人物を問い詰めれば真犯人は明らか!犯人もまさか、私たちが時問を遡って現場にいるなんて思うはずがないですからっ。」

 

ユーフィリア「ふふ、ウロボロスとの戦い以外で明日翔さんのお役に立てそうで嬉しいです。こういう事件の捜査に、私のエクシードはうってつけですからね。」「それじゃあ、早速現場に向かいましょう。」

 

ギューーーーーン!!!!ビリビリビリ!!!ゴォォォォ!!!!

 

~5月20日・夜~

 

明日翔「あー…やっぱ慣れねぇな、時間跳躍ってのは。体がムズムズすらぁ。」ゴキッゴキッ

 

城琉「本当に20日だ、どんな仕組みなんだ?」

 

ユーフィリア「企業秘密です♪」「さて、犯行時刻は、私たちがウロボロスを倒してから約1時間後。つまり、そろそろのはずです。」

 

空「もし、犯人がナイアさん本人だったらどうしましょう。特殊部隊の指揮官だったってことは本気を出せばものすごく強いんじゃ…。」

 

ユーフィリア「仮にナイアさん本人が相手でも、明日翔さんと空さんの支援があれば制圧可能です。犯人がミルドレッドさんみたいな規格外な相手だと、ちょっぴり自信がないですけど…。」

 

空「ユフィさん、変なフラグ立てるのやめてくださいっ。」

 

物陰に待機してから、数時間が経過しているが、何もない。

 

明日翔「空、ユーフィ、そっちどうだ?」

 

空「何も起きないですね…?」

 

ユーフィリア「そんなはずはないんですけど…。」

 

ユーフィリアによると時空跳躍には一定の法則があるらしい。 その中でも重要なのは、自分たちが誰にも千渉しなければ、他の人物は同じ行動を取るというもの。

 

ユーフィリア「ウロボロス戦後、私たちは誰にも会わずにここに来ました。つまり、同じことが起こるはず…。」

 

城琉「ダメだ、全部見てきたが壊れた跡はねぇ。アテが外れちまったな。」

 

明日翔「ってことは…時空が歪んだか…?」

 

ユーフィリア「情報が不足していますね。ひとまず、21日を過ごしましょう。新しい情報を獲得できればなにか糸口が掴めるかもしれません。」

 

ギューーーーーン!!!!ビリビリビリ!!!ゴォォォォ!!!!

 

~5月21日・朝~

 

朝になり、ミコトからのモーニングコールがかかってくる。クローゼットには城琉とユーフィリアを押し込んで待機させている。

 

ヒメガミノミコト「揃ったね。明日翔くんには伝えたけどキミたちにとってよくないニュースがある。まず、この画像を見てくれる?」

 

共有された画像に映し出されたのは施設が大きく破損した青の世界の遊園地…ではなく「黒の管理区」の画像だ。

 

明日翔「…はぁ?」

 

空「黒の管理区!?」

 

ミコトとの電話を切り、二人を引っ張り出す。

 

城琉「やっぱり時空がネジ曲がってやがるな。」

 

空「監視カメラの映像には、遊園地の時と同じくナイアさんらしき人が映っていました。これって、犯人が私たちを察知して行動を変えたってことでしょうか?」

 

ユーフィリア「その可能性がないとは言い切れませんが高い可能性があります。私たちが気づかないどこかで、なにかに干渉してしまい、事象が変わった可能性です。」「『千渉』とは、なにもその人物に直接なにかをすることだけを指すわけじゃないんです。そうですね…たとえば私たちが移動中一匹の猫を驚かせたとしましょう。その猫が逃げ出して、ある人物がその猫を保護した。結果、その夜に出会うはずの人物と出会えない…なんてこともあるんです。」「この検証は、明日翔さんと出会うまでにとてつもない回数行ったので問達いありません。」

 

明日翔「知らぬところでネジ曲げちまうってことは…出待ちして叩きのめすのは、得策じゃねぇってことか。」

 

ユーフィリア「その通りです。ですが、『ナイアさんの身の潔白を証明する』だけなら、もっとシンプルな方法がありますよ。」

 

ギューーーーーン!!!!ビリビリビリ!!!ゴォォォォ!!!!

 

~5月20日・夜~

 

ウロボロスを倒した数時間後の夜に戻る。俺たちはナイアに声をかけた。

 

明日翔「よう、軍師。」

 

作戦はこれもシンプル。

 

~回想~

 

ユーフィリア「犯行時刻まで、ナイアさん本人のアリバイを作ってしまえばいいんです。それなら、少なくとも『犯人がナイアさんではない』ことだけは証明できます。私と空さんで、念のため遊園地と黒の管理区は見張っておきます。なにかあれば連絡しますね。」

 

 

~現実~

 

ナイア「なに一?たいちょ一、こんな夜更けに女の子を呼び止めるなんて、誤解されちゃうよー?」「まぁいっか、あとは寝るだけだし。たまにはたいちょーとお喋りも悪くなさそうだ。」

 

城琉「俺も混ぜてもらおう。」

 

ナイア「うげ、例のヒットマン。なんでこんなとこにいんのさ。」

 

城琉「俺はこいつの知り合いだ、至って不思議なことじゃないだろ?」

 

ナイア「確かに。」

 

明日翔「腰を落ち着けて、話そうじゃないか。」

 

~リビング~

 

ナイア「いいとこだよね一、青空寮。学校は近いし、施設も整ってるし。たいちょーの怪我もほぼ治ったし、もうちょっとでこの生活もおしまいって思うと、ちょっと寂しいね。」「ま、その前にチーム解散しちゃうかもしれないんだけど。」

 

城琉「お前は軍に戻るのか?」

 

ナイア「んなわけないじゃん。もうマジメに軍人やるのなんて勘弁してほしいよ。」

 

城琉「それが正解ってやつだ。」

 

ナイア「アンタみたいに、ヒットマンでもやろうかな?」

 

城琉「いやぁ、やめとけ。ライバルが増えるのはごめんだ。」

 

ナイア「にひひ、冗談。」「…たいちょ一のおかげで、このチームの居心地はずっとよくなった。」「前は『まぁ籍だけ置いとけばいっか』くらいの気持ちだったけど、今は違う。ちょっとくらいは、みんなのやりたいことに力を貸してあげるのも悪くないって思ってる。」「だから今回ばっかりは、やる気あるんだよ。」

 

明日翔「お、ついに軍師が目覚めるか?やる気になってくれんのは助かる。俺のリソースが減るからな。」

 

ナイア「まー知ってると思うけどさ。アタシは今回の話…各世界の上層部の中でも特に『ウチ』の強い意向があると踏んでる。自分の世界のせいで仲間を巻き込まれるならさすがのアタシも抵抗するよ。」「だからこそ、チームの実績作りは一発でぐうの音も出ないものにしないといけない。ワケわかんない理屈をこねくり回されて『やっぱダメでした、解散!』なんてごめんだよ。」「かといって、上位個体だっけ?超危険な相手と命懸けのバトルでみんなを危険に晒したくもない。」

 

城琉「分かるぜ、俺もこいつに振り回されてばっかりだ。」

 

ナイア「アンタがわかったらダメでしょ…。」

 

明日翔「ま、事実こいつとは何回も修羅場を潜ってるからよ。」

 

ナイア「ふーん、まあ大方察しはつくけどさ。」「にしても…たいちょーはさ。」

 

明日翔「あん?」

 

ナイア「アタシたちの仲をみょーに取り持とうとするよね?そうまでする理由があるの?」

 

明日翔「あ?何でだろうな?考えたこともねぇ。」

 

ナイア「まさか使命感だっていうの?どこまで真面目なの、たいちょーは。」

 

城琉「逆だ。こいつは何も考えてねぇいい加減なやつだよ。」

 

明日翔「俺が定めた目標は必ず達成する。それだけさ?」

 

ナイア「呆れたなぁ~。」ヤレヤレ「うん、でもまぁ、たいちょーがそういう人だから信用できるんだよね。アンタらの裏っかわがどうなってんのかなんて詮索はしないけどさ…もし」「アタシたちがバラバラになってもさ…紗夜たちのこと、助けてあげてよね。」

 

明日翔「へっ、任せな。」

 

ガチャッ…

 

紗夜と天音がリビングに入ってきた。

 

紗夜「あ、 ナイアまだ起きてる。明日翔先輩も。なに話してたの?」

 

ナイア「んー…たいちょーの女の子のタイプとか。」

 

天音「え、気になる。どんな人がタイプだったの?」

 

明日翔「そうだなぁ~…お前とかかな?」

紗夜の肩を豪快に抱き寄せる。

 

紗夜「!?」「~!!!ふざけないでっ!!!」スパーン!

 

明日翔「いってぇ!」

 

城琉「これだからこいつは。」

 

ガチャ…

 

続いてお風呂上がりのアルマリアがリビングに入ってきた。

 

アルマリア「紗夜さん、お風呂空きましたよ?…ってあら、こんな時間にみなさんお揃いですか?」

 

ステラ「それなら自分が入る、ロードワークが終わったところだから丁度いい。」

 

ステラと付き合ってたエルエルがちょうど帰ってきたようだ。

 

エルエル「そしたらステラちゃん、一緒に入ろうよ~。」

 

なんだかんだでその後、 ナイアたちとは夜明け近くまで話し込むことになった。

 

ナイア「…ところでさぁ~、アンタに聞きたいんだけど。」

 

城琉「なんだ?」

 

ナイア「アンタに言われてシャンプー変えようかな~とか思ってんだけど、髪長いのにサラサラじゃない?いつも何使ってんの?」

 

城琉「&honeyだ、金木犀とミモザの香りがする。この香りが好きなんだ。」

 

ナイア「へー、意外。」

 

城琉「使ってるのはラベンダー系か?」

 

ナイア「あたしが使ってのはそー、YOLUってんだけど実はさ~…。」

 

シャンプーで盛り上がれる男と女。

 

~5月21日・朝~

 

ナイアの姿は、港湾施設で目撃されていた。

 

紗夜「な…ナイア!?」

 

ミコト「…犯行時刻は昨日の深夜。」

 

明日翔「そいつぁおかしいな、俺たちとナイアは朝まで話してたぜ。朝までな。」

 

紗夜「そう、そうだよ。私たち、ずっと一緒に寮で話してた。」

 

ミコト「それはよかった。ナイアにはちゃんとアリバイがあるってことだね。」「監視カメラで見る限り、ナイアにしか見えないけど…ここは青蘭学園だ。そういった機械を欺くエクシードがあっても不思議じゃない。」「映像は風紀委員に回して、ナイアに嫌疑をかける目的で行われた可能性があるって伝えておくよ。いやー、よかった。このタイミングでナイアが犯罪者になるだなんて、こっちも困っちゃうからね。」

 

空「やりましたね、先輩っ!」

 

紗夜「でも…犯人はなんでこんなことを…?」

 

明日翔「俺達をハメようとしてるやつらがいるんだろ。」

 

~数時間後・夜~

 

ナイア「たいちょー、ありがとね。」

 

いつものウロボロス退治の後ナイアがこっそりと話しかけてきた。

 

明日翔「あん?礼を言われることはしてないさ。」

 

ナイア「またまた。港湾施設の事件アタシが疑われてたんでしょ?たいちょーが生徒会長に説明してくれたって聞いたよ。」

 

明日翔「俺は顔が利くからな、権力者に事実を伝えただけさ。」「…ってかおまえ、シャンプー変えたか?なんか覚えがあるな。」

 

ナイア「うわ、もうバレた?」「たいちょーの相棒から教えてもらったやつ。センスがいいね~、たいちょーのそういうとこアタシは好きだよ。んじゃ、話はそれだけだから。」

 

ナイアは足早に去っていった。

 

ユーフィリア「ナイアさんの潔白が証明できて、よかったですね。」

 

空「ユフィさんの時空跳躍のおかげです。あれがなければどうなっていたことか。」

 

明日翔「ユーフィ様々だったぜ、こればっかりは俺にはどうしようもねぇ。」

 

ユーフィリア「それよりも、犯人の正体です。犯人は私と空さんの待ち伏せを、2度も回避しています。偶然の可能性もありますが、やはり…。」

 

明日翔「考えとしては安直だが、ウロボロス以外のセンはないか。」

 

ユーフィリア「はい。ですが…20日には、上位個体の存在が感じられないんです。」

 

空「そっか…ユフィさんは、ウロボロスの気配を感じられるのに、それがないってことは…」

 

ユーフィリア「4月に戦った上位個体とは異なる、何らかの特殊な能力を持っている可能性があります。それに『ナイアさんになりすまして、犯罪をする』なんてことをする動機も不明です。」

 

空「確かに…。」

 

 

明日翔「俺たちをハメようとしてる奴らがいるんだろ、…多分な。」

 

 

ユーフィリア「流石にそれは考えすぎかも知れませんが…ただ、犯人がウロボロスかもしれないというのは紗夜さんたちにとっては吉報ですね。ウロボロスが敵であれば、私たち執行部の出番です。」「生徒会にも働きかけられますし、紗夜さんたちを協力者にしている間は、チーム解散も防げます。」

 

空「な、なるほど…!」

 

ユーフィリア「明日翔さん、この猶予時間をうまく使ってください。その間に私も、上位個体の居場所を突き止めてみせます。」

 

明日翔「ああ、任せたぜ。」

 

ナイアになりすます何か、俺を襲ってきた殺し屋たち、お上の解散の命令…俺はどうもウロボロスだけが原因だと思わねぇ。

 

明日翔「バケモンだけじゃねぇ、次に戦うのは人間…か?」

 




またまたナイアさんですよ~?
インターネットってのはテキトーだよね、もう犯人はアタシだと思われてるみたいだ。
ま~噂なんてのはそのうち消えるし、紗夜の心境を考えたらアタシのものなんてチンケなもんさ。

次回「沈み行く月」

さすがに元気無さそうだなぁ。
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