怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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沈み行く月

~5月22日・朝~

 

朝、リビングは重い沈黙が立ち込める。軍師が犯人と言う情報がSNSで広まり始めていたからだ。

 

紗夜「…ふーっ。」

 

空「…紗夜さん、大丈夫ですか?」

 

紗夜「ん…ちょっと疲れてるかもってだけ。」

 

新たなチームの実績作り、仲問が犯人として疑われている状況、夜のバケモノ退治。今はチームの有用性を証明しなければならない時期。精神にガタが来たって不思議じゃない。

 

紗夜「みんな、ナイアがやったって噂してる。」

 

エルエル「そーだよ!あたしたち、ずっとお話してたもん。」

 

アルマリア「でも、このお話は生徒会が内密にしてくれてるんでしょう?」

 

空「はい。ヒメ会長とナクルさんが情報管制をしてくれているはずです。」

 

アルマリア「それなのに、なぜ…。」

 

ナイア「人の噂なんてそんなもんさ。事件を隠そうにも、実際に壊れたものはあるわけで。アイツならやりかねない、って空気になってるし。」「情報を隠してる分、みんな知りたがる。『いったい誰がやったんだ?』ってね?」「ただまぁ…アタシの普段の素行がちょっとばかり悪かったのはマズかったかもね。アイツならやりかねない、って空気になってるし。」

 

天音「ナイア…犯人扱いされてるのに落ち着いてるね。」

 

ナイア「だって、アタシやってないんだもん。疑われてるからって焦ってもしょうがないでしょ一。」「噂なんてちょっとたてば違うトレンドにすり替わるさ。」ニヤニヤ

 

空「す、 すごい胆力ですわたしなら半泣き問達いなしですよ、今の状況っ。」

 

紗夜「…私は、ちょっと許せない。」「ナイアは時間にルーズだし、訓練もサボるけど人に迷惑をかけたりすることは絶対にしないでしょ。」グサグサグサッ

 

ナイア「おおっふ、けなされてるのか信用されてるのかわかんないけど、まぁそうだね。」

 

紗夜「なのに、証拠もないまま犯人がナイアだなんて…無責任すぎる。」

 

ナイア「いやー、アタシの映像があるんでしょ?どうやったのかわかんないけどさ。噂が立つのはしょうがないけどさ、犯人は面倒なことしてくれるよ、まったく。」ヤレヤレ

 

アルマリア「生徒会長が…ジョウホウカンセイ…でしたっけ?それをしてくれているということは、ナイアさんが犯人ではないと考えているということですよね。」

 

空「はい。今は風紀委員さんが捜査を進めてくれているんですけど、まだ犯人の手がかりはないらしくて。」

 

ナイア「んで、アタシが映った映像だけはあると。うーん、そりゃ容疑者になるのも仕方ないね。」

 

紗夜「ナイアは、腹が立たないの?今の状況に。」

 

ナイア「噂はしょーがないと思ってるけど、犯人に対しては怒ってるよ。」 「けどアタシは実際やってないし、それを生徒会も信じてくれて、 風紀委員も捜査してくれてる。」「紗夜、それよりも実績を作る方を考えようぜー?捜査の方は任せられても、こっちの方はアタシたちだけで何とかしなきゃいけない問題だ。」「チーム、解散したくないじゃん?」

 

紗夜「うん…そうだね。」

 

~~~~~~~

 

朝の紗夜の様子が気になり、彼女の姿を探すことにする。相当メンタルやられてるだろう、元気が全くない。

 

空「先輩、きょろきょろしてどうしたんですか?どなたかお探しです?」

 

明日翔「紗夜を探してる、あいつは今しんどい状況下におかれちまってる。

 

空「紗夜さんならさっき、寮を天音さんと出ていくのを見かけましたけど…。」

 

明日翔「様子を見に行こう、思い詰めちまってるかもしれねぇ。」

 

元々、このチームの目標設定や意思決定は紗夜が担っている。

判断が早くできる代償に、この次々負担が降りかかる状況下で紗夜に集中してしまうしんどさは察するにあまりある。

 

~~~~~~~

 

青空寮の庭の一角にある休憩スペースに、紗夜と天音の姿はあった。

 

天音「紗夜、昨日あんまり寝てないでしょ。」

 

紗夜「それは天音も同じでしょ。解散してから、3時間くらいは布団にいたし。」

 

天音「それでその3時間、 寝付けなかったんでしょ。」

 

紗夜「…。」

 

天音「隠さなくてもわかるよ。ずっとチームのこと、考えてくれてたことくらい。」

 

紗夜「だって…解散したくないもん。」

 

紗夜「今のチームは、自力で組んだチームじゃない。だけど、やっと仲良くなれたんだよ。これなら憧れに手が届くかもって時に『やっぱりなしで』なんて…。」

 

天音「青蘭カップの入賞、ずっと夢だって言ってたもんね。」

 

紗夜「今なら、『夢』じゃなくて『目標』にできるよ。天音もそう思わない?」

 

天音「う…うーん…。それって『1年生だけのチームで

インターハイで入賞する』みたいなものでしょ?」

 

紗夜「それはそうだけど…明日翔先輩もいてくれる今なら、チャンスはあると思う。」

 

影で会話を聞く俺たち。

 

空(な、なんだか出ていくタイミングがないですね。)コソコソ(それにしても紗夜さん、天音さんの前だとちょっといつもと雰囲気が違いますね。)

 

明日翔(俺と会話してるときより素直だ。)

 

空「やっぽり同じ世界の方だからでしょうか?気を張らなくていいのかもしれないですね。」

 

天音「?…あれ。」チラリ「…明日翔先輩と空?」ツカツカ

 

明日翔「ぎくぅーっ。」ビクッ

 

空「ビクーッ。」ビクッ

 

天音「そんなところでなにしてるのー?」

 

空「あ、ええと、その、紗夜さんを探していまして。大丈夫かなあって。」

 

天音「紗夜ならあっちで考えごとしてるよ。…心配してくれてありがとね。」

 

空「天音さんと紗夜さんって、チームの中でも仲がいいですよね?」

 

天音「…あぁ!私たち同じ中学だったの。それでじゃないかな?」

 

天音「…紗夜も今、いっぱいいっぱいみたい。」

 

明日翔「無理もねぇよ、この短期間で修羅場に放り込まれてんだ。精神的に参ったって不思議じゃないさ。」

 

天音「そうだね、無理もないことだけど…明日翔先輩が相談に乗ってくれると、頼もしいな。」

 

明日翔「乗りかかった船だ、最後まで面倒見るさ。」

 

紗夜「…ん。」

 

紗夜がこっちに気がついたようで、近寄ってくる。

 

紗夜「明日翔先輩?それに空も…どうしたの?」

 

明日翔「お前がばたんきゅーしないか心配なってな?」「これから何するか、決めようぜ。」

 

紗夜「…もう、天音といい明日翔先輩といい、お節介ばっかりなんだから。ごめんね、心配かけて。」

 

空「チームの未来がかかってるんですから、当然ですよ!カイサン、ダメ、ゼッタイです!事件の犯人を突き止める以外にも、チームの実績をなにで証明するかを…ってあれ?」ヒョイ

 

明日翔「どした?空。」

 

空がしゃがんでベンチの下から何かを拾う。

 

空「ベンチの下にスマートフォンが…これ、紗夜さんのですか?」

 

紗夜「ううん。これはたぶん…。」パチッ「ほら、天音のだ。」

 

紗夜が示したスマホのロック画面には、チームの集合写真が表示されている。

 

空「天音さんって、本当にチームのことが好きなんですね…。」

 

紗夜「もう…天音は肝心なところで抜けてるんだから。」

 

明日翔「偉い対照的な二人だな?」

 

紗夜「よく言われる。でも、だからこそ一緒にいられるのかも。お互い、補い合えるっていうか…天音は、チームのことすごく見てくれてるんだ。」「私が意見を押し付けるだけだったときも、裏でフォローしてくれてたりとか。エルエルのエクシードが不調になったときも、 チームが崩れなかったのは天音のおかげ。」

 

空「うんうん。傍から見ていても、いいコンビだなって思います。」

 

紗夜「天音が…ううん。みんなが頑張ってくれてる分、私もリーダーとして頑張らないと。だから、実績作りの方法を考えなきゃ。」「…ねえ、昨日言ってた上位個体の退治だけだと弱いかな?」

 

明日翔「どーなっかねぇ、戦力としての証明にゃなるがあんまり大っぴらに明かせるもんでもないしなぁ。」

 

紗夜「そっ…か…交渉しないといけない相手は、各世界の上層部だもんね。難しい任務を達成しても、内容が秘密じゃダメか…うーん…。」

 

空「私たちはプログレスで、示すべきはチームの力。それも、証明するのは世界混合チームだからこその、可能性の化学反応なわけですから。」

 

明日翔「王道に、ブルーミングバトル主眼で考えた方がいいんじゃねえか?」

 

空「…となると、アルマリアさんが言ってた強豪チームを倒していくのはアリだと思うんです。もちろん、手当り次第だと準備期問も足りないですしこちらも疲れちゃうんですけど…。」

 

紗夜「…うーん…青蘭カップとか…どうかな?」

 

空「5月のブルーミングバトルの注目イベントといえば、という大会ですね。」

 

明日翔「今さらなんだけどよ、E.V.E.とは何が違うんだ?」

 

空「シーズン上位チームが集うE.V.E.とは違って、自由にチームを組めるのが魅力の大会です。普段組めないメンバーが組んだ終盤戦は、学園でもトップクラスの戦いと言われています。」「紗夜さんは青蘭カップに出たいんですか?」

 

紗夜「…うん。私、青蘭カップでゆっ…入賞するのが夢だから。」

 

空「…そういえば、美海さんが初優勝したのも青蘭カップでしたね。」

 

明日翔「そうなのか?」

 

紗夜「そう、そうなの。青蘭カップは縛りが少ないから、すごくのびのび戦えてて。」「そこで勝てたら、私も美海先輩みたいに

なれる気がしてて…。」

 

 

空「確かに、即席チームが多い青蘭カップなら、チーム練度の差は補えるかもしれません。」

 

紗夜「うん。私は、チームのみんなの力だけなら上級生にも負けてないと思ってる。」「そのためにも解散なんて、防がなくっちゃ。」

 

空「そうですねっ、がんばりましょう!」

 

~夜~

 

ユーフィリア「…明日翔さん、空さん。お話があります。 」

 

ウロポロス退治を終えた帰り道、ユーフィが真面目な顔でそう切り出した。

 

明日翔「その様子だと、上位個体のヤサが割れたか?」

 

ユーフィリア「はい。なかなか反応が掴めていませんでしたが、上位個体はおそらく、明日23日に潜んでいます。ただ…4月の時のような、明確な反応がないんです。居場所は明日になってみないと…。」

 

明日翔「明日、か…ってこたぁよ、20日に起きた事件とは無関になんのか?」

 

ユーフィリア「まだ断定はできません。 明日に潜んでいる上位個体が、どんな能力を持っているかが不明ですから。」「もし、犯人がウロボロスだった場合は、たとえば変身能力や光学迷彩能力…明日翔さんのような完璧な変装。」「あるいは、私たちの待ち伏せに気付ける、高い感知能力を持っている可能性もあります。」

 

明日翔「明日になるまでのお預けってやつか。」「んで、どうする。明日、あいつら(紗夜たち)を引っ張るか?」

 

ユーフィリア「今の紗夜さんたちにこれ以上の負担はかけたくないですが…チームの実績になるのは確かです。結果的に美海さんたちの助けを借りるにしろ、敵の能力くらいは把握したいですね。」

「私たちは使宜上『上位個体』を一括りにしていますが…それは毎晩のウロボロスを統括している、という共通の機能があるから、そうしているだけです。「それぞれの上位個体は、全く別の種族くらいの違いがあっても不思議ではありません。」

 

空「なるほど…私やユフィさんも、同じプログレスですけど、エクシードは全然違いますもんね。」

 

ユーフィリア「そういうことです。とりあえずの偵察戦だったとしても、なにが起こるかわかりません。」「明日翔さんには苦労を掛けますが、紗夜さんたちをよろしくお願いします。」

 

~5月23日・朝~

 

朝、なぜか早く目覚めてしまった。じっと、その時を待っていた…そしてその時は来た。

 

ユーフィリア「明日翔さん、ご報告があります。」

 

それを報告するユーフィの表情は硬い。

 

明日翔「…今日で確定か。」

 

ユーフィリア「上位個体の反応を確認しました、今日に潜んでいることは間違いありません。交戦の準備をお願いします。」

 

明日翔「…ああ。」チャキッ

 

抜いていたマガジンを拳銃に入れて、撃鉄を引いて弾を込める。

 

~リビング~

 

リビングに空を呼び、最初の作戦を伝える。

 

空「…まずは今回の上位個体の偵察をする…で、いいでしょうか?」

 

ユーフィリア「はい。今回の上位個体には、現段階で気になる点がいくつかあります。」「まず、反応が4月に戦ったものより微弱なこと。今日になるまで確証が持てるほどの反応がなく、今でも潜伏場所がうっすらとしかわかりません。単純に個体が弱い可能性もありますが、ステルスのような能力を持っていると考えたほうが自然です。」

 

空「ステルス…隠密能力ってことですか?」

 

ユーフィリア「はい。もしそれが可変だったら…。」

 

明日翔「後ろからズドン!…されちまうかもな。めんどくせぇやろうだよ。」

 

ユーフィリア「その通りです。ですから、捕捉できている今のうちに目視と能力把握だけは行っておきたいんです。」「敵に気づかれる前に、私が先行して偵察を行います。」

 

空「えっ?それは危険なんじゃ…。」

 

ユーフィリア「あくまで移動したりしないかの監視だけです。交戦はしませんから、 安心してください。」「そもそも明日翔さんがいないとウロボロスには千渉はできないですし。明日翔さんと空さんは、紗夜さんたちに事情を説明して追いついてきてください。」「黒の世界にいる美海さんたちにも連絡しておきました。今日中に戻ってこられるはずです。」

 

明日翔「あいつら、戻ってくるのか。わりぃことしちまったな。」

 

ユーフィリア「まず、私が監視を。それから紗夜さんたちと威力偵察。」

 

空「本格的な交戦はその後ってことですね。」

 

ユーフィリア「はい。その結果、事前に準備が必要なようなら、時間跳躍して作戦を練り直しましょう。」「では、後程。」

 

ユーフィリアは一足先に青空寮を出る、紗夜たちを呼び寄せて、今日がヤマ場であることを伝えることとする。

 

~~~~~~~

 

紗夜「今日がボス戦ってこと?」

 

空「はい。急なお話で申し訳ないですけど…。」

 

紗夜「ううん。近々あるってことは聞いてたし、ここで問題が1つ解決するなら助かる。」「みんなも、いいよね?」

 

一同は首を縦に振ったが一人はじっと止まっていた

 

ナイア「…。」

 

明日翔「軍師、踏ん切りつかねぇのか?」

 

ナイア「確認だけど、アタシたちの仕事はあくまで敵の戦力を把握するための偵察戦ってことでいいんだよね?」

 

明日翔「ああ、その手はずになってるはずだ。」

 

空「たぶん夜には美海さんたちも戻ってきてくれるので、

みなさんが無理をする必要はないですっ。」

 

紗夜「…美海先輩が…。」

 

アルマリア「でも、別に倒せそうなら倒してしまっても構わないんでしょう?」

 

明日翔「…倒せるもんなら、な?」

 

アルマリア「良かったです。それなら、ワタシたちが実績を積む

チャンスはあるということですね。」

 

ナイア「それよりもアタシはどう偵察だけで済ませるつもりなのかが気になるね。こっちがそのつもりでも、向こうがやる気ならどう離脱するのさ?」

 

空「ええと…あまり詳しくはお伝えできないんですが、ユーフィリアさんは時間干渉系の能力があるんです。」

 

ナイア「へぇそりゃまたレアな、なるほどね。たいちょーのリンクもあれば、シッポ巻いて逃げ出す時間くらいは稼げるってことか。」

 

ステラ「その支援が使えない場合も問題ない、いざとなったら自分が運搬する。」

 

天音「いくらステラでもチーム全員は過積載だと思うよ…。それであの、今日の学校ってどうなるのかな?」

 

空「ご協力いただけるのなら公休扱いで欠席にはならないのでご安心くださいっ。」

 

天音「あ、そうなんだ。それならよかった。」

 

紗夜「今はユーフィリアさんが見張ってくれてるんだよね?」

 

空「はい。今のところ敵に動きなし、とのことですっ。」

 

紗夜「じゃあ、準備ができたら出発しよう。これをやり遂げて、事件の犯人を見つけて…私たちのチームの力を証明しよう。」

 

各々が各部屋に戻り決戦に向けて準備を始める。

 

ナイア「…ふーっ…。」(紗夜…むやみに突っ込まないといいけどなぁ。)

 

~数時間後~

 

アナウンサー「本日の運勢の最下位は残念!水瓶座のあなた!今日はもしかしたら大ケガをしてしまうかも!?ラッキーアイテムはラベンダー系のものがいいでしょう!」

 

電化製品屋に展示されたテレビはいつも通りのほのぼのしたニュースが流れている。一方俺たちはューフィリアから連絡のあった潜伏地点に向かう。青の管理区にあるアリーナだ。…事件が最初に起きた場所と同じ…か。

 

テッテレッテーテッテッテーピッ

 

明日翔「あいよ、様子はどうだ?」

 

ユーフィリア「明日翔さん、対象が移動を開始しました。追跡しますので、位置情報を共有します。」

 

モノクル型デバイスの地図機能にユーフィリアの座標が表示される。

 

明日翔「空。」

 

空「…。」コクッ

 

どうやらアリーナから遊園地に向かってゆっくりと移動しているようだ。ここからだと、そのままアリーナを経由して向かったほうが早いだろう。

 

ユーフィリア「対象、遊園地の敷地内で停止しました。このまま監視を続けます。ふう…今日が平日でよかったです。」

 

明日翔「全くだ。」ピッ

 

アルマリア「遊園地に向かうのなら、進路はこのままアリーナを突っ切って進めばいいですよね?」

 

明日翔「そうだ、その方が早くつく。」

 

エルエル「…。」キョロキョロ「今日って、ブルーミングバトルの授業とか

ないんだね。だーれもいないよ。」

 

天音「そうみたいだね。お昼にこんなスカスカなんて、珍しい。」

 

エルエル「えへへ、いつかあたしたちもスタンドを満員にして、

大欲声の中でバトルしたい─。」

 

エルエルが夢を語っているときその時は起こった。

 

ナイア「…!?」「伏せろっ!」ガバッ

 

エルエル「わぁっ!!!」ズラッ

 

ナイアがエルエルに飛びついて地面に伏せる。

 

明日翔「けっ!」グイッ

 

天音「うわわっ!」ビュン!

 

それと同時に天音の首の襟を引っ張り後ろに飛んでその場から距離をとる。

 

ズシャーン!!!パラパラ…

 

エルエルや天音をとっさに引っ張って突然の不意打ちを回避する。

 

天音「あ…あぶなかった…いったい何が…。」

 

明日翔「…どうやら、後ろからズドン!されちまったなぁ。」

 

砂ぼこりが晴れて姿を表す。

 

鎌型ウロボロス「カカカカカカタカタカタカタカタカタ!!!」

 

体は細いが両腕には鎌がくっついており、浮遊をしていて不規則な動きをしている。

 

空「ウロボロス…上位個体!?」

 

鎌型ウロボロス「カカカカカカッッッッ!!」ヒュッ!

 

明日翔「おっと。」

 

鎌型は明日翔に攻撃を仕掛ける。

 

明日翔「いきなりのご挨拶じゃねぇか。」チャキッ「返事してやるよ!」ドギューーン!!

 

鎌型ウロボロス「カーッ!」キーン!

 

拳銃を撃ったが鎌で弾かれた。

 

明日翔「なるほど、簡単にくたばっちゃくれないか。」

 

ドギューン!!ドギューン!!キーン!ヒュッ

 

紗夜「そんな…だって…遊園地にいるはずじゃ!?」

 

ナイア「あーもう最悪だ…。」「現状を正しく把握しろ!!各自、戦闘用意!!敵は今ここにいる!!」

 

固まってしまったメンバーに大声で指示を出す。

 

紗夜「!」

 

ナイア「空はユーフィリアに連絡!陣形を形成しろ!アルマはアタシとたいちょーの援護!考えるヒマがあるなら動け!」

 

空「は、はいっ!」

 

アルマリア「任されました!」

 

ナイアとアルマリアは鎌型と明日翔のもとへ向かい、助ける。

 

鎌型「カーカカカカカッ!」ヒュッ

 

明日翔「おーっと、おっかね。そいつで斬られちまったらまっぷたつだぜ。」

 

鎌型「カーッカッカッカ…カカカッ!!」ヒュヒュン!

 

両手の鎌を振り下ろす。

 

ナイア「うっし!」バシンッ!!

 

明日翔の前にたち、鎌型の腕をつかんで動きを止める。

 

明日翔「軍師!」

 

鎌型「カーッカカカカ!!!」グググググッ!

 

ナイア「むぎぎぎぎ…ヒョロい見た目して、案外力つえーじゃんか。」ズズズズ…「アルマ!」

 

アルマリア「はいっ!」ガリッ「ブラッド・ソード!」ヒューーグサッ!!

 

アルマリアが上から攻撃を仕掛け、血の剣を鎌型の背中に突き刺す。

 

鎌型「カゲャーーーー!?!?ゲゲゲゲゲ!!」

 

アルマリア「はっ!」グリッザシュッ!!

 

刺したところを捻ってえぐりもう一振斬り離脱する。

 

ナイア「ちょっとぐらい効いたぁ…!?…でぃえーい!!」ブンッ!!

 

鎌型「ゲゲゲガガガーーァァッ!!!」ヒューンドサッ

 

鎌型をぶん投げて陣形の前に放り出す。

 

明日翔「わりぃ、面倒かけた。」

 

ナイア「大分計画狂ったけど…。」「たいちょーは全力支援、よろしく!」

 

軍師、再び目覚める。




私の名前は蒼月紗夜。
遊園地に向かっていたはずの上位個体に教われてしまった私たち、何とか逃げることはできたけどそれじゃダメ。
今倒さないとチームが解散しちゃう、そんなの絶対に嫌だ。

次回「軍師達、策に溺れる。」

チームの解散なんて、嫌だ…!
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