怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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次章「輝けよ、仲間を照らせ。」
再起を図れ!


~ナイアの夢~

 

ナイア「うわうわ、めちゃくちゃしてんな。…うわっ!」

 

ズシャーン!!ドスッッッ!!!

 

ナイア「げふっ…!」

 

後ろから鎌形の鎌を刺され、大きく胸を貫く。

 

鎌形「カカカカ…!」ムクムクムク「散々コケにしてくれたシカエシダヨォ…。」ズシュッ

 

鎌形は姿形を変えてナイアに変身する。

 

ナイア「げほっ…!」ブシャッ…ドザッ「げほっ…アタシを…執拗に狙ったのは…それかよ…!黒の管理区…壊したのも…お前か…!」

 

ナイアは大きく血を吐き、その場に倒れこむ。

 

ナイア「…ぜー…ぜー…。」

 

偽ナイア「ここでオネンネシテナ、後でオナカマモオクッテヤルカラ。」スタスタスタ…

 

偽ナイアは明日翔、天音の元に向かう。

 

ナイア「やめろ…たいちょー…!そいつは偽物…。」

 

メキメキメキメキメキ!!!!ズシャーーン!!!ブチッ!!!

 

ナイア「あ゛ッッッ─」

 

必死に手を伸ばし、伝えようとするもむなしく。倒れてきた木が伸ばした腕を直撃し腕はちぎれてどこかへ弾け飛ぶ。

 

ナイア「…あー…ヤキが…回ってきちゃっ…たか…。」「…ぜー…ぜー…。」

 

ナイアは自分の体や地面を見る。

 

ナイア「血…出過ぎか…。」(アタシ…これで死んじゃうのか…、散々みんなに説教たれて最初に死ぬのがアタシなんて…カッコつかないね。)(…紗夜なら…カタキをとってくれるか…。)

 

だんだん視界がボヤけ、頭も回らなくなってくる。

 

ナイア「ぜー…ぜー…。」(…もう何も見えない…頭も回らない…。)(…みんな…ごめん…。)

 

~現実~

 

ナイア「…はぁっ!」ガバァッ!!「…ぜー…ぜー…ぜー…生きてる?」

 

ナイアは飛び起き、体を確認する。胸に穴は開いておらず、腕も両腕ついていて自分はベッドの上にいる。

 

ナイア「アタシは…上位個体に…今日は…5月…20日…?たしかあの日は23のはず…。」

 

スマートフォンを確認すると、表示されている日は20日。

 

ナイア「…あー…訳わかんね…てか、汗びっしょりだ…。」「…水飲も…。」スタスタ

 

~天音の夢~

 

中学校時代、ギャングたちの抗争に巻き込まれ孤立。たまたま戦っていた少年と遭遇し、少年が肩を撃たれたりしたが治療し逃走を続けている。

 

少年「こんのやろ!」ガスッ!

 

チンピラ「ほげーっ!」ドサッ…ピヨピヨ…

 

少年「武器を拝借。」ゴソゴソ…チャキッ「弾は…十分にあるな。」

 

チンピラから拳銃を盗る、マガジンの弾を確認し予備マガジンも盗んで懐にしまう。

 

天音「怪我は大丈夫?」

 

少年「ああ、問題ねぇ。こーんなに肩回しても…。」グルグル「いってぇ!」ズキズキ

 

天音「あはは…見栄張っちゃうから…無理しないでね。」サスサス

 

少年「いちち…お、コイツ地図も持ってやがんな?これも頂いてくぜ。」

 

地図を盗み、床に広げる。

 

少年「どれどれ?…俺たちは今…。」

 

天音「…ここだね、ここにいる。だから…一番近い安全地帯はここかも。」

 

おそらく、警察官が在籍しているであろう建物があと数キロ先にあることがわかった。

 

少年「よーしよーし、ようやく光が見えてきたな。」

 

天音「うん…キミと会う前は死んじゃうかと思ったけど…キミに出会えてよかった。」

 

少年「だろ~?もっと褒めてくれたっていいんだぜ?」

 

天音「あはは、それは実際に助かってからだよ。」

 

少年「こ~りゃ手厳しいな、じゃあ…行くか!」

 

天音「うん!」

 

~移動中~

 

天音「地図をみると、ここをまっすぐいけば着くみたい。」

 

少年「オッケー、辺りは…誰もいなさそうだな?よし行くぜ。」

 

スタスタスタ…ギィーッ…

 

少年「お巡りさ~ん?迷子を保護しました~。」

 

天音「お邪魔しまーす…。」

 

シーン…

 

少年「…?お巡りさ~ん?いねぇのか?建物間違えたかな。」

 

天音「おかしいね…地図ではここが…むぐっ!」

 

天音が何物かに取り押さえられてしまう。

 

少年「!?姉ちゃん!」

 

???「ここの警察は始末した。」

 

少年「!…おめぇは…。」

 

~現実~

 

天音「…はっ!」ガバッッ!!「…またこの夢だ…よく見るなぁ…最近…あれ。」「私…上位個体の退治…してなかったっけ…うーん…。」「…とりあえず、水のみにいこ。」

 

スタスタスタ…

 

天音は青空寮の一階に降り、リビングに向かう。

 

ナイア「…あ。」

 

天音「あ。」「ナイア、珍しい…え!?汗びっしょり!」

 

ナイア「ははは、変な夢見ちゃってさ…水分補給ってわけ。天音も?」

 

天音「うん、最近よく見るんだ…。」

 

ナイア「…ねぇ、天音。変な質問なんだけどさ…つい直近で変なボヤが起こったりしてない?」

 

天音「えー?特にニュースとかには何もないけど…どうしたの?」

 

ナイア「いんや、どうも夢と現実が混ざっちゃってるっぽいわ。変なこと聞いたね、ごめん。」(…どーやら、20日なのはドッキリじゃなくて本当っぽいか…。たいちょーから、話を聞く必要がありそうだ。)

 

~5月20日・朝~

 

明日翔「…。」パチッ…ムクリ

 

城琉「よう、明日翔。今日は5月20日だぜ。」

 

明日翔「城琉、いたのか。」

 

目を覚ましてまず、目に入ったのは見慣れた自分の部屋の天井だった。

そして横を向くと、俺の机の椅子に城琉が座っている。

 

城琉「お前、またやりやがったな?」

 

明日翔「やっぱお前もわかるか、城琉。」

 

城琉「ったく、相変わらず無茶しやがってよ。せっかくいいところだったのに水刺してくれるぜ。」

 

明日翔「?なんかやってたのか?」

 

城琉「まぁな。俺には俺の事情が、あるってもんだ。」

 

コンコン

 

空「先輩、起きてますか?」

 

城琉「お前に客人だ。」

 

ガチャ

 

空「先輩…あ、城琉さん。おはようございます。」ペコ

 

城琉「こいつに用なんだろ?その話、混ぜてもらおうか。」

 

認識している状況を話し合い、お互いの記憶に相違がないことを確認する。

 

空「ユーフィリアさんの力ではないタイムリープ…なにがきっかけだったかはわかりませんが、ともあれやり直せるチャンスですっ。」「…城琉さんは、なぜここに?」

 

城琉「寝てたら、こいつが死んだと夢で聞かされてな。起きたら20日になってた。…先月も同じような夢を見て戻された。それと一緒だろう。」

 

空「ふむふむ…城琉さんも、23日を既に経験しているんですねっ。これは心強い味方です。」

 

明日翔「このチャンス、無駄にはしたくねぇよな。」

 

空「はい、しかし…4月の時は、上位個体を倒すためにソフィーナさんの力を借りることが必要で、黒の世界までソフィーナさんを助けに行きましたけど…今回はなにをすればいいんでしょう?」

 

明日翔「紗夜だ。紗夜の背負ってるもんを落としてやらねぇと同じことが起こる。」

 

空「紗夜さんの重荷…先輩の言うこと、ちょっとわかる気がします。このチームは、紗夜さんが全部引き受けて、責任を背負っちゃってますもんね。」「そうと決まれば、さっそく行動開始です!上位個体が潜む5月23日までには、あと3日しかありませんからっ。」

 

明日翔「おっし、キビキビと動くぜ~?」「城琉、首突っ込んで来たんだ?お前も巻き込むぜ。」

 

城琉「23日までなら、協力してやる。」

 

明日翔「何水くさいこといってんのよ、お前がいればもっとラクにぶっとばせるんだぜ?」

 

城琉「俺には俺の、事情があるってもんだ。」

 

明日翔「けっ、つれねぇなぁ…まぁいいよ。今日の朝、なにもなければミコトに呼ばれるはずだ。空、来てくれるよな?」

 

空「もちろんですっ!」

 

…部屋の扉の向こう側。

 

ナイア「…ふーん。」

 

~生徒会室~

 

朝、授業の前にヒメガミノミコトに呼び出され生徒会室を訪れる。1度目の20日と同じ流れだ。やはり、同じことが起こっている。

 

ミコト「連日ごめんね。先に君たちには伝えておこうと思って。」

 

あー…そういえば、昨日はウロボロス退治の活動をバラした後だったか…何てことを思い出す。

 

ナクル「んー?もしかして昨日も呼び出してたの?ボク、聞いてないんだけどー。」

 

ミコト「ナクルの手をわずらわせるようなことじゃないよ、紗夜たちの様子を聞いていただけ。」

 

ナクル「ふむ…紗夜のチームも災難続きー。」

 

空(この会話も、同じ流れですっ。)

 

~会話中~

 

紗夜「私たちの成長と実績を、もっともっと積めば、このチームを続けようってことになる?」

 

ナクル「うむ、おそらくー。」

 

紗夜「なら、やる。」

 

紗夜がこう答えるのはわかっていたため、紗夜の肩にポンと手を置き、問いかける。

 

明日翔「紗夜。こっから先は、イバラの道だぜ?」ポン

 

紗夜「先輩?…そんなの、わかってる。でも…解散したくない。せっかく…プログラムで1位とって、連携もとれてきて…でも政治で解散なんて、いやだよ。」

 

明日翔「なるほど?お前ならそういうと思ったぜ。」「じゃあ俺も、協力してやろう。」

 

紗夜「もう、このチームのαドライバーじゃないのに…助けてくれるの?」

 

明日翔「そりゃそうさ。ここまでお前らのこと見てきたんだ、ここまで来たら最後まで付き合ってやんよ。空も協力してくれるよな?」

 

空「もちろん、私もお手伝いします!先輩と比べたら微力かもしれませんがっ。」

 

紗夜「ううん、そんなことない。…ありがとう。」

 

空「では、紗夜さんはチームのみなさんに先にこの話を伝えておいてもらえますか?」「私と先輩は、ヒメ会長にまだお話がありますのでっ。」

 

明日翔「ほんじゃ、またあとでな。」

 

紗夜「うん、分かった。…それじゃ、また後で。」

 

紗夜が生徒会室を出て行く。

 

明日翔「さて…ミコト、おしゃべりの時間だぜ。」

 

ミコト「ふむ…何かワケアリだね?いいよ、聞こう。ナクル、外してくれるかな?」

 

ナイア「あいあいさー。」

 

ナクルに席を外してもらい、ヒメガミノミコトに今の状況を共有する。

 

ヒメガミノミコト「はぁ…やけに聞き分けがいいと思ったら、そういうわけか。」「ということはキミや生徒が私の知らぬうちにまた…。」

 

明日翔「まぁ、そういうことだ。どうやら、4月ン時とは違ってお前は知らなかったみてぇだな。」

 

ミコトは憂い顔で俺を見る、ミコトは4月俺が死んだところを目の前で見ておりどういうわけかそれを知っている。たが、今回は俺が死んだことは感知していないようだ。

 

空「それで、ヒメ会長にも協力してほしいんですけど…。」

 

ミコト「それはもちろん、生徒会長としても、キミたちの協力者としてもやぶさかじゃない。だけど、紗夜本人に起因する問題、政治絡みで表立って動けない問題、まだ起きていない事件…。」「うーん…どれも生徒会としての介入が難しい問題ばかりなのが悩ましいね。」

 

明日翔「おいおい、全面協力するってのは口だけかぁ?なんの役にも立たねぇ。」

 

ミコト「!?ひどい!なんとかしてあげたいとは思ってるんだよ!」「ねえ空、今のはちょっとひどいと思わない?」

 

空「そうですよ先輩!ヒメ会長も頑張ってるんです。 ちゃんとごめんなさいしてくださいっ。」

 

空とミコトは驚愕する。

 

明日翔「わーってる、ほんの冗談だよ。」

 

ミコト「こほん…あとは、今晩起きるっていうナイアを模した何者かによる破壊行為の対策だね。そっちは風紀委員にパトロールを強化してもらう。」「まったく…このタイミングでなんて、紗夜たちを誰かが陥れようとしているとしか思えないね。」

 

明日翔「全くだ。…お前も、そう思うだろ?」スタスタ

 

ミコト&空「?」

 

明日翔「なぁ?軍師。」ガチャッ

 

ナイア「…うわっ!」ドシーン!!

 

明日翔が生徒会室の扉を開けるとナイアが頭から突っ込んで倒れる。どうやらこっそりあとを尾けて扉に張り付き、盗み聞きしていたらしい。

 

ナイア「痛った~…。」サスサス「やっぱたいちょーは鋭いなぁ、さすがと言うべきか。」

 

明日翔「こっちに来るときの足音が4人分なのに3人しか聞こえなかったからよ、誰かに後尾けられてるとは思ってたぜ。」

 

ナイア「え~?それで気づく?もしかしてある種の変態?」

 

明日翔「特殊な訓練を受けてるってやつだよ。」

 

ナイア「あ、そう…。」「…んで、さっきまでの話は全部聞いた。たいちょーはやっぱ全部わかってたんだね。」

 

空「もしかしてナイアさんも…?」

 

ナイア「そう。起きたときは夢だと思ったけど、なんか妙にリアルな夢だなぁと思ってさ…ちょっと気になったんだよね。」「さっきの話を聞く限りだとアタシが濡れ衣着せられた挙げ句ウロボロスに殺されるのは真実なんだろ?」

 

空「はい…混乱に乗じて上位個体に…。」

 

明日翔「目覚めの悪い朝だったな。」

 

ナイア「まぁ、何あともあれ今生きてるんだ。生きてりゃやり返すチャンスはある。」「アタシの命取られたんだ、リベンジするよ。」

 

ミコト「明日翔たちは、紗夜のチームに集中してあげて。彼女たちのチームを救えるとしたら、それはキミたちだけだから。」「あと…ナイア。」

 

ナイア「?」

、

ミコト「守ってあげられなくて、ごめんね。」

 

ナイア「へへっ…いつか起こることだとは思ってた。会長さんは気になさんな。」

 

~昼・カフェテリア~

 

昼休み。カフェテリアの一角に陣取った紗夜チームの空気は、お世辞にも良いとは言えない状態だった。それはやはり、再びチームが解散の危機に瀬しているのが響いている。それも相当理不尽な理由ということがより拍車をかけているようだ。

 

ナイア「…で、どうする?せっかく プログラムで1位を取ったってのに、また解散のピンチだけど。」

 

紗夜「それを今から考えるために、ここに集まってもらったの。」

 

ステラ「『実績』…条件設定が曖味、なにをすればいいかが不明。」

 

アルマリア「そうですね。具体的な目標がなければ、チームとしてなにに取り組めばいいのか…。」

 

ナイア「しかも『実績』を判断するのはアタシたちの世界のお偉いさんの胸先三寸ぽいじゃん?」「アタシたちが『よっしゃやった!』ってなっても、ひっくり返されたらめんどくさいことになる。」

 

エルエル「それなら、 ひっくり返されないくらい、すごい実績を出したらいいってこと?」

 

紗夜「エルエル、今いいこと言った。」「そうだよ、誰が見ても文句の出ない結果を出せば、実績になると思う。ナイアは反対なの?チームが解散してもいいの?」

 

ナイア「違う、そんなことないって。」「けど、今の意見は実績にカウントされるかわからないことまでシャカリキ頑張ります、ってことだろ?」「そんなクッタクタな状態で、たいちょーたちが戦ってるウロボロスの強いやつと戦うのはヤバいって。」「言い方はアレだけどさ、解散してもまた組めるチャンスはある。…まぁアタシはわかんないけど。」「でも、命あっての物種なんだよ。まずは安全第一で考えよう、ってのがアタシの意見。」

 

ステラ「同意。レギュレーションが明確でないまま、レースに挑むのは無謀。」

 

明日翔「まぁまぁ、お前ら落ち着けよ。お前らがぶつかり合ったら話し合いは地平線の彼方まで続いちまうぜ?」

 

ヒートアップしそうなところを止める。

 

紗夜・エルエル・ナイア・ステラ「…。」

 

空(そうなんですよね…この実績についての考え方がまとまらないと紗夜さんが頑張ることに…。)

 

明日翔「…しょーがねぇなぁ。」「アルマ、お前の出番だぜ?」

 

アルマリア「…。」「…!?ええっ、ここでワタシに!?この空気でなにを言えとおっしゃるんです!?」「…こほん、えーっと…。」コソコソ

 

アルマリアは明日翔の耳元でこっそりと質問をする。

 

アルマリア「そんなこと言われましても…どうしましょう?」コソコソ

 

明日翔「アルマ、深いことは考えんな。お前の意見をどーんと通せ、いざとなったら俺がフォローしてやっから。」コソコソ

 

アルマリア「…わかりました、やってみます。」「おふたりとも、落ち着いてください。」

 

意を決してアルマリアは二人の間に入る。

 

アルマリア「どちらの言い分もわかります。そしてどちらも間達ってるわけではありません。」

 

紗夜「うん。」

 

ナイア「アタシだって、紗夜の焦る気持ちはわかるよ。紗夜はリーダーだし、責任を感じてるのもね。…でもさ、 戦場だとそういうヤツほど早死する。 アタシは紗夜がそうなるくらいなら、最後まで反対する。」「それでチームが解散して、アタシがあのくっだらない本部に戻ることになっても、みんなが無事な方がいい。」

 

紗夜「ナイア…。」

 

アルマリア「それでも、ナイアさんはこのチームでいたい、という気持ちも本当なんですよね?」

 

ナイア「そりゃそうさ。こんな居心地のいいチーム、なかなかないからね。ま、そうなったのは最近だけどさ。」

 

アルマリア「そうなのであれば、一旦、それぞれの考えに寄り添って案を出してみませんか?」「ずっとお互いの主張を続けるより、

案外いい案が出るかもしれませんよ。時間は有限なのですから、前に進むために使いましょう。」

 

紗夜「前に進むために…。」「…うん、そうだね。ごめん。熱くなりすぎた。」

 

ナイア「リーダーなんだから当然でしょ。けど、ここはアタシも協力すべきだった。」「ごめん。」

 

天音「…。」

 

明日翔「天音、お前はどうだ?何か、考えがありそうじゃないか?」

 

何かを思案していた天音に声をかける。

 

天音「わたしは…。」「青蘭カップで上位を目指したらどうかな、って思っているんだけど…どう?」

 

エルエル「青蘭カップ?」

 

アルマリア「あの大会は、上級生向けじゃないですか?普段組めないご友人同士でチームを組んで戦う大会でしょう?」

 

ステラ「カジュアルな大会ということ?」

 

空「序盤はそうですね。でも終盤は各チームのエースだけで組まれたチームなんかが残ったりしますので…。」「レベルはオールスターもかくや、って感じの大会で、上位の難易度は高めです。」

 

アルマリア「そんな大会が、どうして天音さんはいいって思うんです?」

 

天音「それが、5月で一番大きな大会だから。相手が上級生なら、文句もつけられないはずでしょ。それに…紗夜はこの大会で優勝したいんでしょ?」

 

紗夜「…このメンバーが噛み合えば、青蘭カップの優勝だって目指せるはずなんだ。」

 

天音「このメンバーならできるって…そう思ってるんでしょ。今は違うの?」

 

紗夜「達わない。今ならできるって、前よりずっと思ってる。」

 

ナイア「なら…まずはそれが、アタシたちの『実績』になるかを確認したいところだね。」

 

紗夜「ナイア…いいの?」

 

ナイア「いいもなにも、条件だけなら一番実績って言い張れる大会なんだし。おかしくないでしょ?片っ端から先輩たちにバトル吹っ掛ける、なんてアイデアよりいいと思うよ。」

 

アルマリア「問題は、ナイアさんの言う通り、それが「実績」として認められるかですね…。」

 

空「…。」

 

空は目をつむり、何かを思案している。

 

エルエル「空ちゃん、どうしたの?お腹痛い?」

 

空「…偉い人の判断は、偉い人に聞くのが一番ですよね。」

 

紗夜「それはそうだけど…あ、生徒会長のこと?」

 

空「ヒメ会長は、賛成してくれると思います。だけど、それだけじゃ足りない…。」

 

空は明日翔の方を向く。

 

空「先輩、力を貸してください!これは先輩じゃないとできないことですっ。」

 

明日翔「偉い人ってお前…アイツかぁ?俺アイツに電話しねぇといけねぇのか?」

 

言葉の意味を理解したとたんに明日翔は顔を梅干しみたいにしぼませて渋る。

 

空「渋らないでください!お声ひとつで面倒なことになることに代わりは─」

 

テッテレッテーテッテッテーテッテレッテーテッテッテー

 

明日翔「噂をしたら来ちまったよ…はいこちら明日翔、本日はどのような御用事で?」

 

???「ふふ、しらばっくれてくれるな。私が必要なのだろう?人間、いや…明日翔。」

 

明日翔「さすがは千里眼を持つ女だ、魔女王。いや…ここではこう呼ぼうか、…ミルドレッド。」

 

アルマリア(ま、魔女王様に、直電…!?しかも魔女王様から…!?)

 

天音(明日翔先輩って、一体何者…?)

 

アルマリアと天音は驚愕する。

 

空(色々あったんですよ…。)

 

ミルドレッド「ふふ、どうした?新入生のお遊戯会が終わったのなら、お前もこっちに来るか?お前のことは歓迎するぞ。」

 

明日翔「悪いな、ミルド。お前とはダンスでも嗜みたいところだっけどよ、別件で用があるんだ。わかってんだろ?」

 

ミルドレッド「ふふ、冗談だ。用件も分かっている、新米チームで青蘭カップの優勝か?」

 

明日翔「ああ、流石だ。間違ってねぇぜ。んで、どう思う?」

 

ミルドレッド「そんなもの、できるわけがないだろう。お前がいたとて、な。」「それは、そのチームで、ここにいるソフィーナたちのチームに勝つと言っているに等しい…故に。」

 

明日翔「故に?」

 

ミルドレッド「もし本当に為せたのなら、それを実績と言わずになんと言うのだ?」

 

明日翔「確かにな。」ニヤリ「お前ら、魔女王様からのお墨付き、貰ったぜ?」

 

紗夜「でも…おかげではっきりした。私たちがやるべきこと。本当にいいの?青蘭カップは、私のわがままだったのに。」

 

天音「わがままじゃないよ。今回、言い出したのはわたしだし。」

 

ナイア「実績作りになるなら、アタシは異論なーし。」

 

アルマリア「ワタシたちの実力を見せつけるのですから、なにも問題はないんじゃありません?」

 

ステラ「1回くらいなら、紗夜のわがままを聞いてあげてもいい。」

 

エルエル「いっつも紗夜ちゃんはチームのために頑張ってくれてるもんね!」

 

紗夜「みんな…。」

 

エルエル「いっつも紗夜ちゃんはチームのために頑張ってくれてるもんね!」

 

紗夜「みんな…。」

 

空「決まりですね!青蘭カップ…優勝、目指しましょう!」

 

一年生たち「おー!」

 

~~~~~~~

 

ミルドレッド「…ふふ、二度はないぞ。私の千里眼にせいぜい抗ってみろ、期待しているぞ。」

 

明日翔「俺へのハードル、知らぬ間に上がっちまったな?やってやるよ。」

 

ミルドレッド「くれぐれも、予選落ちなんてことがないようにな。」

 

ピッ…ツー…ツー…

 

ミルドレッド「…ふむ。」「明日翔、お前の力…今一度…見させてもらおう。今度は私が、な。ふははははは!!!!」

 

つづく




夢にいた何かの力で再び5月をやり直すことに成功、今度ばかりはしくじらねぇぞ?この後藤明日翔様は諦めが悪いんだ。さて、どうやってあいつらぶっ倒してやろうかな?

次回「リーダーというもの。」

また会おうぜ?
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