鎌型のウロボロスと二回目の戦闘に入った一年生たちと明日翔。
最初はペースをつかむもリーダーと指示系統である紗夜を執拗に狙う鎌型にペースを握られ連携が乱れつつあった。
その中、コードΩ77ステラは迷っていた…。
~5月23日~
ステラ「…私は。」「自分は…どうしたい…?わからない…。」
~少し前~
ステラ「…明日翔、すこし聞きたいことがある。」
明日翔「お?珍しいな、なにかあったか?」
ステラ「…みんながピンチの時、私はどうしたらいい?」
明日翔「あん?なんのことだ。」
ステラ「皆が危機に晒されてる時、自分は何をすればいいのかわからない。何かの指示がないと孤立するかもしれない。」「…どうすればいい?」
明日翔「あー?んなもん簡単だよ。指示なんて待たなけりゃいいのさ。」
ステラ「指示を…待たない…。」
明日翔「今まで散々指示があるまで飛ぶなー動くなーつってよ、言われてっからそんな考えになっちまったんだろ?」「あくまでそれはあんときのはなし、今は今よ。」「お前の直感を信じて進みな。」
~現実~
ステラ「…自分の直感を信じる…。」「私は…命令されるのは好きじゃない…。私は…チームメンバーに命令されるのが好きじゃない…!」
ギィィィィ!!!ポーーーン!!
天音「…紗夜!カウンターも狙わなくていいから、とにかく逃げに徹して!」
紗夜「…!」
天音が大声で指示を出す。
天音「ナイア、アルマとも協力して紗夜と敵の間に割って入って!」「明日翔先輩とユーフィリアさんは紗夜の護衛を!」「ステラは…。」
ギィィィィィ!!!シュタッ
ステラ「紗夜の後退を支援。…言われなくても、わかってるよ。」
天音「さっすが、ありがとう!」
ナイア「紗夜とスイッチしたいのは山々だけど、アタシじゃアレに追いつけない。かといって紗夜とアルマでようやく抑えてたのを、アルマ1人にやらせたら今度はアルマが…。」
ステラ「任せてほしい。」
アルマリア「ステラさん…?」
ステラ「解除コードM1S41RU…。」ゴウン!「アストラルモード変更、モード…ファリーハ。」
何やら呪文のようなものを唱えると手元にロケットランチャーが出現する。
ステラ「私が注意を引き付ける…ジャンプジェット発動。」バシューン!!「空は私のもの。これから起こること後悔しないで欲しい。」
鎌型「ゲゲェ?」
ステラ「ランチャー、発射。」バシューン!!!
ボガーン!!!
ナイア「うわわわっっ!!」「あぶねー、ロケランかよ…。なんであんなもん…。」
明日翔「あんの兵器は…まちがいねぇ、あんの野郎。やりやがったな?」
鎌型「グゲェーッ!!」ズサーッ!!!
バシュン!ボガーン!!バシュン!ボガーン!!
鎌型は上からのロケットランチャーをギリギリ躱せてはいるが、爆風で吹き飛ばされている。
アルマリア(ステラさんが時間を稼いでくれています、私がすべきことは…。)「ワタシは血が吸えません。でも、 今は1人だけ…吸ってもいいかもと思える人がいるんです。…明日翔さん、アナタの血を、吸わせてくれませんか?」
明日翔「…吸血気にならねぇんだったらいくらでも!」
アルマリア「…ありがとうございます。決して、無駄にはしませんから。」カプッ
明日翔「うひぃっ。」
首を噛まれ、血をすわれる。あまりいい気分じゃないが四の五のいってられねぇ。
アルマリア「…あぁ…アナタの血はとても甘美で…。」カッ!!「恐ろしいほどに、力が湧いてきます。」
明日翔「そりゃどうも。」
アルマリア「ステラさん、選手交代です。」「アナタの相手はワタシがして差し上げます。…初めて全力を出す相手があなたで本当によかった。力加滅の仕方がまだわからなくって…壊してしまったら、ごめんなさいね?」
バシュン!ボガーン!!バシュン!ボガーン!!
ステラ「…!」ビリッ!「アルマリア、ナイア。今からヤツの隙を作る、一気に畳み掛けて。」ポイッ…ゴウン!
持っていたロケットランチャーを捨てる。
ナイア「了解。あんまり暴れるなよぉ~?」
ステラ「アルティメットモード、準備中。」ゴウン!
ガシャガシャガシャガシャ!!!ウィーーーン!!ガン!!
ステラの背後のジェット機械に巨大なミサイルポッドが出現し、狙いを定める。
紗夜「う…うわ…なにあれ。」
明日翔「俺の知り合いの開発した兵器だよ、やべーもんつけやかって。」
~数日前~
バリス「…取り付け完了、お前らの異次元空間の同期も完了だ。」
ステラ「…確かに、重量が変わらずに取り付けを完了させてる。明日翔が見込んだ技術者なだけある。」
バリス「だろぉ~!?ちったぁ見直してくれたか。」「小型ミサイルポッド2機、巨大ミサイル1砲、ロケットランチャーもおまけでつけておくぜ。」
ステラ「…。」ゴウン!「うん、問題なく作動する。貴方のこと、見くびっていた。」
バリス「はーっはっはっは!!!俺にかかれば造作もねぇ、むしろうきうきしながらつけさせてもらったよ。」「カネは…あの坊主にツケといてやる、心配するな。」
ステラ「そう、ありがとう。」「…これはどう使えばいい?」
バリス「いいことを聞いてくれたな!?!?」
ステラ(う、うるさい…。)
バリス「まずばそのロケットで敵をぐしゃぐしゃにしろ!!!そいつを敵にぶち当てるたびにミサイルが一発ずつ装填される。全て装填しきったら、わかるようにしておいた。」「ミサイルポッドを出したら、解除コードを言え。数秒後に発射される。」
ステラ「その解除コードは?」
バリス「さしずめ…アルティメット解除コード。BARRAGE…バレッジだ!!!」
~現実~
ステラ「アルティメット解除コード、ARRAGE。」ウィーーーン!!ガッコン!!!「吹き飛べ…!アルティメット、バレッジ発射!!!」ババババババババ!!!!!
ステラのミサイルポットから大量のミサイルが鎌型を襲い、当たりを絶え間なく爆撃する。
鎌型「ゲ,ゲゲェーーーッッッ!!!」
ボボボボボボボボボボボガーン!!
ステラ「止めの一発、ファイア。」
パン!バシューーー!!ボガーーーン!!!
ステラ「モード・ファリーハ、オフライン。アストラルモードに移行する。」
ナイア「う、うわぁ…。」「だが…ナイス足止めだ!アルマ、畳み掛けろ!」
アルマリア「はいっ!」
ズシャーーン!!!
明日翔「よし、ここまでくりゃあそう簡単に手、出せないだろ。」
ステラにアルマ、ナイアのカバーによって、紗夜を後退することに成功し、立て直しを図る。
紗夜「はぁ…はぁ…あれが、アルマ達の本当の姿…ふふ、やっぱりすごいね、私たちのチームって。」「…ステラは改造されてるけど。」
天音「そうだね。でも、紗夜も負けてない。しっかり回復して、戦線復帰しなきゃ。エルエル、お願いできる?」
エルエル「うん!エールウイング!」キュイーーン!!
エルエルの光の翼が皆を包み、紗夜を含めた全員の受けたダメージを癒す。
ナイア「ふぃ~、助かった。これでちょっとは落ち着けるな…っと!」バシーーン!!
鎌型「ゲゲェッ!!」ヨロヨロ…
空「でも、根本的な解決になっていないです。紗夜さんのマークが続けば、指示が出せませんっ。」
明日翔「そこは俺が見るしかねぇ、今一番安全圏にいるのは俺だ。」
天音「…待って。」
天音は身を乗り出す明日翔を制止する。
天音「…わたしにやらせて欲しい、わたしが指示を出す。だから、紗夜は指揮しようと思わないで動いて。」
紗夜「天音?でも、いきなり実戦でなんて…できるの?」
天音「いきなりじゃないんだ、実はちょっと前から考えてたの。」
天音「紗夜はリーダーじゃなくて、純粋にエースでいたほうがいいんじゃないかって。それに、今は明日翔先輩もいるから、フォローしてもらえる。」
天音「土壇場で不安なのはわかるけど、信じてほしいの。わたしたちのこと。」
紗夜「信じるよ、一番信じられる二人だし。…それでさ、確認なんだけど。」
紗夜「それって、私は好きに動いて、天音は合うようにみんなに指示出ししてくれるってことで、いいよね?」
天音「うん。全力の紗夜、見せてあげて!」
紗夜「…ふーっ…。」「…よし!」キッ!
紗夜は一呼吸おいたあと、真剣な眼差しを鎌型に向ける。
紗夜「絶対倒す。」ビュン!!!「喰らえ!」ヒュッ!
鎌型「ゲギィッ!!」ガキン!!
キンキンキン!!!ヒュッ!!!ガイン!!
紗夜の光の剣と鎌型が競り合う、状況は前回とは変わっていないが明らかに変わった点としては紗夜が鎌型の攻撃を全て受けきれており、徐々に押し始めていることだった。
紗夜(…このまま押しきる!)「…くらえ!」グッ
紗夜は両手の剣を振り上げて光を溜める。
鎌型「ゲゲェーッッッ!!!」ブンッ!!!
鎌型がその隙を見逃さずに空いている脇腹に鎌を即座に振り被る。
紗夜(…釣れた!)「月閃光!」ピカー!!!
鎌型「ギェーーーッ!!!」
紗夜が剣の向きをずらし、眩しく大きな光を鎌型の視界ピンポイントに向けて視界を奪う。
紗夜(ここで仕留める…!)グッ!!
ナイア「あいよ!」
紗夜は両手の剣を構え、ぐっと踏み飲む。
紗夜「ストライク・ルミナス!!!」ザシュッ!!!グサッ!!!
鎌型「ゴェーーーッ!!!」
二太刀鎌型に浴びせ、剣を突き刺す。
紗夜「ナイア!とどめ!」ポイーッ!
刺さった鎌型をそのままナイアの方向に投げ飛ばす。
ナイア(あんときのお返しの一発だ…!)「アヴェンジェリア!」
ズシャーーーン!!!…プスプス
エルエル「決まった一っ!今のでいけたんじゃない?」
天音「まだ油断しないで、敵の能力がまだ…。」
ナイア×2「…は?」
土煙が晴れたその時、ナイアが二人になっていた。
エルエル「な、ナイアちゃんが2人ー!?」
ザーッ
美海「明日翔くん!こっちの上位個体、消えちゃったんだけどそっちでなにかあった!?」ザーッ
市街地で交戦していた美海から無線が入る。
明日翔「なるほどな。」「美海、お前らがやりあってた野郎はやっぱり分身だ。その分身が、こっち来たようだぜ。」ザーッ
美海「…!わかった!すぐそっちに向かうね!…気をつけて!」ザーッブチッ
ユーフィリア「やはり分身能力…そしてナイアさんの姿を模しているということは…。」
空「件の破壊事件の真犯人も、この上位個体だった、ということですねっ。」
紗夜「こいつを倒せば、全部解決ってことでしょ。」
アルマリア「ええ、手間が省けましたね。」
エルエル「でも、どっちが本物のナイアちゃんなの!?」
ナイア×2「そリゃアタシに決まって…。」「…あー。」クンクン
ナイアはおもむろに匂いを嗅ぐ動作を見せる。
ナイア(こいつ、アタシの匂いまでアップデート済み…てことは、たいちょーみた匂いで見抜くことも無理…か。)
ステラ「…生体スキャンはどちらもナイアと示している。」
エルエル「ど、どうしたらいいの~?」
天音(…やらずに後悔するよりやったほうがいい。)「ナイア。1人で倒せるよね?」
空「天音さん!?同じ姿でも、相手は上位個体ですよ!まだ余力を残してたら、ナイアさんが危険です!」
天音「ナイアならなんとかしてくれる。『明日翔先輩』が、力を貸してくれれば。いいかな?明日翔先輩。」ジッ…
明日翔「…。」「ここの指揮官はお前だ、俺はお前「従うよ。」
ナイア×2「ま、ここが本気の出しどころか。…お互い覚悟を決めようぜ、ウロボロス。」 「死んだら骨は拾ってくれよな~。」
天音「拾わないよ。だって、ナイアは負けないでしょ。」
ナイア×2「じゃあ…行くぜ!アヴェンジェリア!!!」ゴウン!!
明日翔「リンクだ!」
グシャァァッッッ!!!
偽ナイア「…あ…ガ…ゲブッ…。」
本物のナイアが偽物の左胸を貫く。
ナイア「『あん時』のお返しだよ、バカ野郎!」ブンッ!!
偽ナイア「ギエェッッ!」ドサッ!
ナイア「てめぇアタシの腕も持ってったよな?」グググググ…!!「領収書代わりだよ!」ブチィッッ!!!
偽ナイア「ギャアアアアアッッッ!!!」ブシャッ!!
地面に投げ飛ばして偽物の左腕を全力で引っ張り引きちぎる。
天音「αドライバーとリンクできるのは、プログレスだけ。リンクの力の分だけ、ナイアの方が強い。」「だから一ナイアが負けるなんてこと、ありえない。」
偽ナイア「い…イタイ…イタイ…お、オノレェェ!!!」バッ!
前に右腕を差し出すが、何も起こらない。
偽ナイア「ば、バカナ…分身ガ…。」
天音「そして、市街地に放った分身をわざわざ呼び戻したのなら、本体はその隙に逃げようとしているか…不意を突こうとしてるはず。」
振り返ると、空問に潜んでいたであろう上位個体を紗夜とユーフィリアが撃破したところだった。
紗夜「逃げるってわかってたら…そうはさせない。」
ユーフィリア「残念でしたね。タネの割れた手品に騙されるほど素直な性格ではないんです。 」
倒された分身体は消えていく。
偽ナイア「お、オノレ…!オノレオノレオノレ!!!」ブシャッ!!
天音「ただ…紗夜達が倒したのが分身で本体はここにいたみたいだね。」
ナイア「たいちょー、こいつにとどめ指す権利はあんたにある。…どうする?」グイッ
明日翔「んー、どうしてやろうか。」ジャキッ
偽ナイア「…イ…ギィ…。」ガクガク
ナイアは偽物髪の毛をぐっとつかみ、頭を掲げるように差し出す。差し出された額に拳銃を突きつけ、トリガーに指を添える。偽物は震えている。
明日翔「…いやぁ?」クルッ「トドメはお前らに任せるわ、こんな虫の息のやつそのうち死ぬさ。」
拳銃をクルリと回し、吊り下げるように引っ掻ける。
ナイア「…あ、そう。」パッ
ナイアは煮え切らない顔で手を離す。
偽ナイア「…ア…ア…。」ガクガク
明日翔「よう、あの世で良くしたかったら黙って消えろよ。俺達の気が変わらねぇうちにさ。」シュボッ…
タバコを咥え、火をつける。
明日翔「ふぅ~。」「とりまこれで片付いたな。」
天音「う、うん…。」
明日翔「もしかしたらまだこいつが分身を残してるかも知れねぇ、市街地を見にいっか。取り巻きがいたらあいつらがピンチになるしな?」クイクイ「ステラ、ひとっ飛び頼むぜ?ユーフィリアはそいつの始末頼んだ。」スタスタ
ユーフィリア「はい、確かに。」
一人開けた空間に歩きだし、ステラを手招きする。
ステラ「…。」
偽ナイア「…。」プルプル(こ…このアタシを…!)ズズズズ…
ナイア「…?」
偽ナイア「このアタシをコケにスルナァァーーーッッッ!!!」ガバッ!!
天音「きゃぁっ!」ガシッ
紗夜「天音!」
偽物は残った左腕を鎌に戻して、天音を捕えて鎌を喉元に突きつける。
偽ナイア「散々コケにシヤガッテクソ人間ドモ!!!時間に干渉シテクル鉄グズアンドロイドにゴミニンゲンメ!!」
明日翔「…ふぅ~。」
明日翔はたばこの煙を吐く。
偽ナイア「このニンゲンがいればミサイルもフキトバシもできまい!」「オマエラはこのニンゲンのクビが跳ぶトコロをミロ!!!」ガバッ!!!
鎌を大きく振りかざし、天音の首めがけて振り下ろす。
紗夜「天音ッッッッ!!!」
ドギューーーン!!!…シュ~…
木霊する銃声、その瞬間その場の時が止まったように全員が静止した。
偽ナイア「…ア…。」ドサッ
偽物はそのまま倒れ事切れ、エクストラの塵となり霧散していった。明日翔は即座に拳銃を撃ち、偽物の眉間に命中させた。
天音「…。」ヘナヘナ…
天音はヘナヘナと座り込む。
天音(今の…どこかで…。)
~~~~~~~
ホム「今ここで殺してやる!!死ね!!」ジャキッ!
少年「…!」キッ
ドギューーーン!!!…シュ~…ガタッドサッ…
~~~~~~~
天音「…あ…!」
明日翔「…言っただろ?"俺"達の気が変わらねぇうちに消えろって。」
鎌型及び、分身を扱う上位個体はこれにて討伐が確認。ミコトを含めた少人数はアリーナの後始末として残し残りは市街地の見回りに周りウロボロスの残党を含め完全に消滅したことを確認した。道ずれにされそうになった天音は特に精神的にも問題はなく一件落着となった。
市街地の見回りの最中…
ステラ「…明日翔、いい?」
明日翔「ん?どした?」
ステラ「今日の戦いで感じたこと。」「自分は、みんなのことを失いたくない。だから、してほしいことがあれば言ってほしい。」「自分は、このチームのことが好き。速さは大事だけど…ブルーミングバトルを続けるなら、自分はこのチームがいい。だから、その…。」「…協力できることがあれば、協力する。…それだけ。」
明日翔「…へっ、そうか。それ、仲間にも言ってやんな。」
ステラ「…うん。」
~数時間後~
天音「それでは、上位個体の討伐を祝して…」
全員「かんぱーい!」
青空寮では祝賀会が行われていた。と言っても、お菓子とジュースを持ち寄っただけの簡単なもの。公休扱いになったものの、今日は平日…。
明日翔「明日はいつも通り学校があんだ。休みにはなんねぇから気ぃつけろよ?」
紗夜「その『いつも通り』を守るのが明日翔先輩たちの仕事なんだね。」
明日翔「まぁな、今日ばかりは助かったぜ。」
紗夜「そっちこそ。おかげで、チームの新しい形も見つけられたし。」
上位個体との戦いの中で行われた、紗夜をエースとして集中させる戦術がハマったのは大きな収穫だ。本人は美海に憧れていたが、直感的な彼女と違って紗夜は『考えてしまう』タイプ、リーダーをやっている間は、自分だけでなく仲間の戦術まで考えてしまうのがキャパオーバーの要因になってしまっていた。
紗夜「…天音は、いつもみんなのこと見てくれてたから。リーダーには適任だよね。」
ステラ「勘達いしないで欲しい。」ヌルリ
明日翔「わぁお。」
ステラが明日翔の後ろからヌルリと姿を表す。
ステラ「紗夜がリーダーに向いていないわけじゃない。」
紗夜「…ステラ?」
ステラ「このチームを強化するには、天音がリーダーのほうが合っている、というだけ。紗夜はチームで核となる戦力。戦闘力を十全に活かすには、揮系統を別にしたほうがした方がいい。」「これまでは明日翔が分担してくれていてなんとかなったけど、期間限定だった。」「天音は支援型の後衛。チーム全体が見られて、立ち位置も明日翔に近い。紗夜に問題があるわけじゃない。チームが成長したから、次の形が試せるというだけ。」「紗夜がこのチームに付き合ってくれたおかげ。感謝している。」
紗夜「うん。こっちこそ、ありがとう。」
ナイア「…そうだ。」「ねえねえ生徒会長。アタシの姿が映ってた破壊事件の話なんだけど、あれってどうなったの?」
ユーフィリア「それなら、ナイアさんたちの戦闘の記録映像をきちんと撮影して提出しておきました。」
ミコト「上位個体が、戦闘中にナイアの姿を模したことも把握してる。分身兼模倣のような能力だったんだろうね。ユーフィリアには、現場検証にも立ち会ってもらって、 現場からウロボロスの痕跡が発見された。つまり─」「破壊事件の犯人はウロボロスであることは間違いない。キミの無罪は証明されてるよ。」
ナイア「ふぃ~、そりゃよかった~。最大の心配事が消えたよ。」「もし統合軍がアタシをハメようとしてたんなら、それはそれで厄介だったからさ~。」
ユーフィリア「…ですが、新たな疑問が出てきましたね。」
ナイア「ん~?」
ユーフィリア「あの偽ナイアさんは、20日の夜に出現していました。…一方で、上位個体が潜んでいたのは23日です。」「…もし、あの偽ナイアさんが、上位個体との戦いで現れたものと同一なら…。」
ナイア「アタシら警戒して場所を変えたってこと?」
ユーフィリア「可能性はあります。倒してしまったので確かめようはないですが…。」「やはり、この戦いは秘密裏に、無闇に関係者を増やさずに進めたほうがよさそうです。」
ナイア「死んじゃった物に口はないからねぇ。真相は闇の中、それでいいと思うけどね。」
ミコト「生徒会としては、ぜひ戦力を増強して欲しいところではあるんだけど…今回のようなことがあると、そうも言っていられないか。」
ユーフィリア「結果的に、紗夜さんたちにも協力を求められるようになったんですから、戦力は増えましたよ。…その紗夜さんたちには、まだ大きな試練が残っていますが。」
ミコト「青蘭カップか…上位個体を倒したって話は、他世界の上層部には大々的に言えないからね。」「まぁ、あの映像を見ると、結構いいところまで行くんじゃないかと思うけど。 」
ユーフィリア「同感です。それに、明日翔さんがついていますし。」
ミコト「それもそうだね。明日翔くん、彼女たちのこと…よろしくね?…あれ?」
ユーフィリア「明日翔さんが見当たりません、どこへ…。」
エルエル「そういえば天音ちゃんもいないよ?」
紗夜「あれ?いつの間に…。」
~一方その頃~
ガチャ…
明日翔「久々にドライブすっか。」
明日翔はドライブすべく、車庫に来た。今までのことを忘れるためのドライブである。
明日翔「あの場にいると自分が悪党であることを忘れちまうってからに。」ガサゴソガサゴソ
天音「…あの。」ヒョコッ
明日翔「?」クルリ「天音、なんだバレちゃったか?」
天音「明日翔先輩が何も言わずに廊下にいくときは抜け出す時だから、ついてきちゃった。」
明日翔「ほほほ、バレちゃぁしょうがないな。」「乗れよ、秘密な?」
ブロロロロロロロロ…
リベンジ、閉幕。