怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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最後の練習、明日翔に迫る影。

~5月26日·朝~

 

青空寮の談話室には、久しぶりに住人たちが勢揃いしていた朝食を終え、登校時間までの少しの間を、みんなで紅茶を呑んで過ごす。

 

明日翔「んっふふ、やっぱ朝はこれでなくっちゃあな。」テイスティーン

 

空「ソフィーナさんの淹れてくれた食後の紅茶はやっぱり落ち着きますねっ。」

 

ソフィーナ「ふふ、そう言ってもらえると淹れた甲斐があるわね。黒の世界ではずっと黒枢城に滞在していたから、私が淹れる機会はなかったし。」

 

美海「ぜーんぶメイドさんがやってくれてたもんね。えーと、ホムホムクロス…だっけ?」

 

セニア「ホムンクルスです。」「錬金術の概念が取り入れられた、魔導人形ですね。」

 

 

シルト「お城のメイドさんはみーんなそれだったよね。」

 

ソフィーナ「ミルドレッドは面倒事が嫌いだから、自我の強い種族は身の回りに置かないの。」

 

明日翔「あらま、人間なってもってのほかでありまんしょ。」

 

ソフィーナ「近づくことを許されるのは、ほんの僅かな相手だけ…そもそも城に人間を招くなんて滅多にないのよ。」

 

美海「…えーっと…私たちだいぶ長い間、お邪魔しちゃった気がするんだけど…。」

 

ソフィーナ「ええ。 どうやら4月の件でずいぶん気に入られてしまったみたいね。かわいそうに…。」

 

セニア「あの人の右腕として認められている…いえ、務まっているソフィーナは、尊敬に値します。」

 

空「セニアさんにそこまで言わしめるなんて…!?」

 

明日翔「あ~あ、つくづく行かなくて本当に良かったぜ。」「俺の寿命が縮まっちまうってからに。」ボヤキ

 

少し俺がぼやいたところに美海がチーム天音の件を切り出す。

 

美海「明日翔くんは、もう少し紗夜ちゃんたちのαドライバーをやるんだよね?」

 

明日翔「そうよん。せっかくなら未来ある若者に最後まで付き合ったろーって思ってな?」

 

空「紗夜チームは、チーム天音に生まれ変わったので…天音さんが立派なリーダーになれるよう、先輩が指揮官のノウハウを叩き込むことになったんです。」

 

ソフィーナ「多分、そういうことではないと思うけれど…。」ジト

 

明日翔「まぁまぁ、俺の存在がなんかの足しになりゃいいってもんよ。」

 

シルト「空はなにするの?」

 

空「私はその…お手伝いというか、マネージャーのようなことをするつもりです!」

 

明日翔「この手のリサーチにこいつの右に出るやつはいねぇからよ。あいつらも助かるってもんさ。」

 

美海「2人がサポートしてくれるなら、紗夜ちゃんたちもバトルだけに集中できるね。いいなぁー。」

 

ソフィーナ「あら、出たいの?上位個体の戦いの時に『モウクタクター』って言ってたのに。」「別にいいわよ、貴女が出場したいなら 付き合ってあげても。」

 

美海「むっ、そっちが羨ましいわけじゃないってわかってるくせに。ソフィーナちゃんの意地悪一。」ムギュ

 

ソフィーナ「こら、抱きつかないの。」ジト

 

空「そういえば、美海さんたちと上位個体の戦いって、大丈夫だったんですか?」「先輩がいない状態での戦いになったと思うんですけど。」

 

セニア「大事ありませんでした。交戦時間も短かったですしヒメガミノミコトの人払いも的確でした。」

 

美海「だね。私たちは街が壊されないように、攻撃を弾いたり防御してたりしただけだよ。」

 

セニア「そうしているうちに、対象はすぐに撤退…消失してしまいました。」

 

空「消失ですか?4月の時みたいに、空間の狭間的なところに隠れるわけじゃなくてですか?」

 

シルト「うん。急にパッって消えちゃっていなくなったよ。」

 

明日翔「まぁその答えは至極簡単さ、分身がこっちに寄って来たのさ。」「正確に言うんだったらそっちの分身を消してこっちに分身をまた作った。になるんかなぁ?」

 

ソフィーナ「多分そうよ。おそらく、貴女たちのところに現れたナイアとして生成し直したからね。」「あの上位個体の能力は、分身というより、数に限りがあるラジコンのような能力だったんじゃないかしら。」

 

明日翔「ラジコンか、へぇ。」「面白いじゃないの、根拠を聞こうか。」

 

ソフィーナ「ユーフィリアの話じゃ、別の日にも出現できた上に、プログレスと同等の力を持ってたんでしょ?」「ウロボロスは強力な相手だけど、同じ日、同じ場所から離れられないっていう縛りがある…。」

 

明日翔「本体はその日にいて、別日にいたのは分身だった。ってことだな。」

 

ソフィーナ「その前提を覆すのは、相当リソースを割く能力で、複数運用はできなかったんでしょうね。」「とはいえ、ウロボロス…不意を突けば一撃で仕留めることができたのでしょうね。」

 

空「な、なるほど…。」

 

ソフィーナ「あくまで分かっていることから推理した仮説よ、

ちゃんとユーフィリアと答え合わせしておきなさい。」「貴女たちは、この学園の未来を守る頼みの綱の執行部なんだから美海、貴女も一緒にね。今回は明日翔たちがずいぶん頑張ってくれたんだから。」

 

美海「うん。私だって執行部のメンバーだもん。紗夜ちゃんたちのチームの解散は回避できたし、ちゃんとウロボロスの話もしておかないとね。…ってことで、放課後生徒会に行こっか。」

 

空&明日翔「はぁ~い。」

 

美海「うん!返事ができて、偉い!」

 

明日翔「ほんじゃま、もうそろそろ学園に行くとしましょうかね。」

 

久々の紅茶もほどほどに、学園へ向かうことにした。

 

~放課後~

 

ミコトたちと、今回の上位個体についてのをまとめるべく、生徒会室に向かう。天音たちは先にアリーナでチーム練習をはじめていて用事が終わり次第、合流することになっている。

 

美海「お邪魔しまーす。」ガチャ「…ってあれ?」

 

入ると先客がいる、赤髪の女で腕には緑のバッチ。…風紀委員の紋章か?

 

赤髪の女「こんにちは、先にお話させてもらってるよー。」

 

空「確か、風紀委員の…。」

 

遥「東条遥です。」「空と明日翔くんだよね。よろしく。」

 

東条遥、噂には聞いたことのある風紀委員だ。体一つで風紀委員をのしあがっていった完全叩き上げ、俺のもっとも苦手なタイプ…。能力じゃねぇ、自分だけでのしあがれるやつだ。

 

美海「遥ちゃんも、生徒会になにか用事だったの?」

 

遥「スタジアムの破壊事件があったでしょ?風紀委員として、あれの最終報告を伝えに来たの。」

 

ミコト「そういうこと。チーム天音の現αドライバーである明日翔くんにも関係のある話だし…一緒に聞いてもらったほうが早いかと思ってね。」

 

20日深夜に起こった、ナイアの偽者…もといバケモンによる破壊事件。その調査は風紀委員に一任していた。

ミコト曰く、偽者によるものだと証拠映像を送ったらしいが…。

 

明日翔「ほんじゃ、聞こうか。判決はどうよ、有罪か?それとも無罪放免か?」

 

遥「犯人はプログレスの姿を真似できる未知の生物、生徒会が見回り中に発見して討伐。」「この戦闘時の痕跡と、20日に確認された破壊痕の残留物が一致したから、同一犯として認定。」

 

空「…と、いうことは…。」

 

明日翔「ナイア·ラピュセア、被告は無罪。訴訟を棄却し、裁判費用はバケモンの負担とするー!」「…ってわけだな?」

 

遥「ナイア·ラピュセアは無実…ってことでまとまったよ。」

 

美海·空「よかったー!」ホッ

 

空と美海はホッとして安堵したが、遥は少しムッとした表情。消化不良のようだ。

 

遥「ヒメ会長、私はちょっと納得してないんですよ。」

 

ミコト「おやおや…珍しく穏やかじゃないね?」

 

遥「この未知の生物の正体については、生徒会が責任を持って調査を進める…ってところとか。」「この島と学園の平和を守るのは、私たち風紀委員の使命なんですよ?『プログレスに化けられる未知の生物なんてあまりに危険だ』『風紀委員にも情報をよこせー!テオたちも戦うのだー!』…って同僚たちも言ってました。」

 

ミコト「情報もなにも、まだ調査中だから渡せる情報がこの間の映像くらいしかないんだよ。

 

遥「でも、明日翔くんたちはその場に居合わせたんですよね?証言くらいは聞けるんじゃ?」

 

ミコト「ああ、だから彼らには貴重な目撃者として、生徒会の調査に加わってもらうことになった。新たな情報が見つかれば、風紀委員にも共有するよ。」「生徒たちの安全な学園生活は、私も望むところだし。」

 

遥「『執行部』って、そういうことも仕事なんですか?」

 

ミコト「そうだね。いやぁ、巻き込まれたのが無関係の生徒じゃなくてよかったよ。」シラーッ

 

遥&ミコト「…。」

 

明日翔「まぁまぁ落ち着けよお二人さん。」「生徒会は、原因究明ができて得した。風紀委員は無関係の人間を巻き込まず、濡れ衣を着せられた生徒を救えた。それでいいじゃないよ。」

 

遥「えぇ、でも。」 

 

明日翔「いいのいいの。こういうよくわからんのは我々に任せて、風紀委員は治安の維持に勤めてらっしゃい。」     

 

ミコト(破ってる側が治安の維持って…。)

 

遥「…。」「...はあ。こういう話をするんならクラリスも連れてきたらよかったなあ。」ガックリ

 

遥は少し目をつむってシンとし、苦虫を噛み潰したような顔で言った。

 

遥「ヒメ会長、明日翔くん。あんまり危ないことしないでね。」「生徒がそういう事に巻き込まれないようにするのが、私たちの役目なんだから。」

 

明日翔「はいそりゃもう気を付けさせていただきますとも、ええ。」

 

遥「…。」ジト

 

明日翔「おいおい、この俺様の顔が嘘をついてるように見えるか?」

 

空(そう言うこと言ってるときの先輩って、どうも嘘くさく感じるのは私だけでしょうか?)

 

遥「…あ。」「そういえば、明日翔くんは1年生の子たちと青蘭カップ出るんでしょ?私たちも出場するんだ。もし、当たったらその時はよろしくね。」「ウワサのαドライバーの実力、この目で見てみたいんだ。」

 

明日翔「おうともさ、俺の実力に度肝抜かれんなよ?」

 

ミコト「あ、そうそう。」「遥、ちょっと青蘭カップで話があるんだ。業務終わりに少し話せないかな?」

 

遥「?わかりました、メンバーも連れてきますね!」

 

遥が去り、ミコトと俺達執行部の面々だけが残される。

 

ミコト「まったく…治安を積極的に壊して秩序を積極的に破ってる人がどんな顔して治安維持なんて言ってるんだい?」

 

明日翔「よせやい、そうカリカリすんなって。」

 

ミコト「だから別に褒めてないんだって…。」ガックリ

 

明日翔「あれだけ山勘の鋭い女を追っ払ったんだ、ちったぁ感謝しろい。」

 

ユーフィリア「おやおや。」ヒョコ「これでようやく、ウロボロスの話ができますね。」

 

ユーフィリアがひょっこりと顔を出す。

 

空「ユフィさん!今までどこにいたんですか?」

 

ユーフィリア「遥さんがいなくなるまで隠れていました。」

 

明日翔「あらま、ユーフィ。それまたどうしてよ。」

 

ユーフィリア「彼女は執行部そのものを疑っていたでしょう?…遥さんは、勘が鋭い方です。」「現場検証に参加していた私が、明日翔さんたちと一緒にいると一気に胡散臭さが増してしまいますから。」

 

明日翔「んだお前、胡散臭い自覚あったんだな。」

 

ユーフィリア「そこは否定して欲しかったんですけど…。」「お言葉ですけど明日翔さんほどではないです。」  

 

ミコト「右に同じく。」

 

明日翔「あらま、散々な言われよう。」

 

ミコト「さて…アイスブレイクはこれまでで本題だ。その現場検証の結果を聞かせてもらえる?」「5月のウロボロスを統括していた個体の脅威は去った…ということでいいんだね?」

 

ユーフィリア「はい。明日翔さんたちが交戦した相手が、上位個体本体で間違いありません。」

 

空「ナイアさんの姿をしていたのは、ウロボロスの能力だったんでしょうか?」

 

ユーフィリア「はい。遥さんが言っていたように、破壊事件の現場に残された痕跡と上位個体の反応は一致しています。

 

美海「私たちが4月に戦った上位個体とは、ぜんぜん違う能力なんだね。」マジマジ

 

美海は調査報告書をマジマジと見つめる。

 

美海「今回の相手はソフィーナちゃんはラジコンみたいな能力って言ってたけど…。」

 

ユーフィリア「言い得て妙ですね。純粋な戦闘力で言えばさほど脅威ではありませんが、撹乱としては有効でした。」「…それに、私の時空跳躍に対応していたかのような行動。さら

に精査を進める必要があります。」「私たちが持つアドバンテージが、アドバンテージではなくなりかねませんから。」

 

ミコト「2体でこれほど能力の方向性が異なるとなるとやはり上位個体はそれぞれ固有の特殊能力を持っている…と、考えてよさそうだね。」

 

ユーフィリア「そうですね。これからの戦いでは、敵の潜伏する場所や時間だけでなくどのような能力を持っているかも考慮する必要があるでしょう。…それでも、私たちは倒し続けるしかありません。」

 

明日翔「明日がこねぇんだもんよ、同じ日を何回もやるなんてごめんだぜ。」

 

ユーフィリア「その通りです。明日のその先にある未来のためにどうかこれからも、力を貸してください。」

 

~廊下~

 

話し合いを終えて、天音たちの練習に向かおうとすると、ステラの姿が見えた。こちらの姿に気づくと、軽快な足取りで駆け寄ってくる。

 

ステラ「報告は終わった?そろそろかと思って、迎えに来た。」

 

明日翔「おう、終わったぜ。」「どしたよ、また俺と内緒話か?」

 

ステラ「違う、単純にあなたがいたほうが練習効率がいい。その方がみんなの士気も向上する。」「あなたに早く合流してもらうためには、チームで最速の自分が送迎を担当するのが合理的。あなただけであれば、十分運搬可能。それじゃ掴まって…。」カチッ

 

明日翔「いや、待て。ステラ。」

 

エンジンを点火させようとするステラを止める。

 

明日翔「ここをよくみな、生徒会長様のお膝元だ。」「エクシードを使うのはあくまでバケモン専用だ、こんなとこで点火したらこわ~い生徒会長様の雷が」ズシャッ「いでぇ!」ドサッ

 

明日翔の頭に誰かが辞書を殴打し地面に倒れる。

 

ミコト「誰が、こわくて姑みたいな女ですって?」

 

明日翔「聞いてらしたんですね気を付けさせていただきますハイ。」

 

ミコト「ダメ、許さない。お仕置きだよ。」グリグリ

 

履いているヒールで明日翔を踏み、グリグリとヒールを食い飲ませる。

 

明日翔「いだだだだだだだ!!!ギブ!!!ギブですよー!?!?!?ジャーーッジ!!!」

 

ステラ「…。」(生徒会長は、怒らせると怖い。)

 

~しばらくして~

 

こってりと絞られたあと、学園の外に出る。エクシードを使ってもばれないところまで移動していた。

 

明日翔「あ゛~畜生めぇ。あんなに踏むこと無かったじゃねぇか。」サスサス

 

ミコトに踏まれたところを擦る。ヒールが大分鋭く今も痛みが残る。

 

ステラ「明日翔、問題ない?」

 

明日翔「そらもーまんたいよ。」「しっかしあいつ、俺の扱い最近雑じゃねぇか?」

 

ステラ「ここまで来たらバレない、じゃあ行こう。」カチッ「こちらステラ、飛行準備完了…いつでも飛べる。」「起動!」

 

ゴゴゴゴゴゴ!!!!ボンギューーーン!!!!

 

飛行ユニットに接続して、飛び立つ。

 

~空中~

 

ステラ「明日翔。」

 

 

明日翔「どした?」

 

ステラ「このところ、みんなと一緒に活動するのが楽しい。あなたは楽しい?」

 

ステラが話しかけてくる、早くみんなの待つ場所に行きたい…という気持ちがこちらにも伝わってくる。

 

明日翔「どうこたえちゃろっかな?」「仕事のためって言ったらどうする?」

 

ステラ「む…。」「それは嘘、そうは見えない。貴方が指示にしたがっているだけだったらチームは今の形になっていない。」

 

明日翔「そいつぁどうかな、お前らの努力だろ?」

  

ステラ「あなたは自分たちのチームを良くした。良好な結果が出ている、間違いない。」「…そろそろ着陸する、着陸準備を。」 

 

~練習場~

 

ギューーーン!!!!ゴゴゴゴゴゴ!!!!スタッ

 

ステラ「到着。すこしゆっくりしてしまった。」

 

明日翔「大分飛行が上手くなったな、さながらプライベートジェットで移動してた気分だぜ。」ガチャガチャ「人を乗せるうちに、乗客に気が使えるようになったみてぇだな?」ポイ

 

飛行ユニットをガチャガチャと外す。

 

エルエル「あ、ステラ、明日翔くん、やっときたー!」

 

ステラ「遅くなった。ごめん。」

 

ナイア「いやいや、思ったより早かったよ。もうちょーっとゆっくりしてくれてよかったのに。」

 

紗夜「そんなこと言っても休憩時間は延びないよ、ナイア。」

 

ナイア「ちぇ、ケチんぼ。…まぁでもいい練習になったよ。」

 

明日翔「んで、さっきまではどんな練習してたんだ?」

 

ナイア「たいちょーの支援を喪失、ステラが生き残り重視で離脱したってシチュエーションの練習。」「予選は明日だ。…時間は無駄にはできないからね。」キリッ

 

軍師の顔はいつにもまして真剣かつキリッとしている、やる気がどうやら高い。

 

明日翔「軍師からそんなセリフが出るとは思わなかったぜ、いつのにも増してやる気じゃねぇか?」

 

ナイア「まぁね。」

 

天音「はいはい、お喋りはそれくらいにして再開しよ!明日翔くんも到着したし!」パンパン

 

天音は手を叩いて、練習の再開を告げる。

 

天音「明日から予選なんだから、しっかり仕上げていくよー!」「ナイアは前で!紗夜とアルマは…。」

 

さてさて、どうなるかな?

 

~夜中~

 

いつものバケモノ退治を終えて帰る途中にユーフィが聞いてきた。

 

ユーフィリア「いよいよ明日が青蘭カップの予選ですね。準備はいかがですか?」

 

明日翔「どうだろっかなぁ、前は五分ぐらいがちぃーっと上がったぐらいじゃねぇか?五分五厘くらいにはなったろ。」

 

ユーフィリア「リーダーが交代したばかりですからね、無理もないことです。」

 

明日翔「ま、リーダーらしく声は出てたぜ?今まで紗夜が指示をしていたぶんまだモタモタしちまってるところはあるっけどもよ。」「それでも大分動きやすそうにみえたぜ、ありゃリーダーというよりキャプテンだな。」

 

空「リーダーが代わっても、チームは5月の間ずっと解散を防ぐために努力を重ねてきましたから。それに、先輩との信頼関係も今が最高潮!傍から見ていてベストの状態だと思いますっ。」

 

ユーフィリア「なるほど。チーム天音は元々潜在能力は折り紙付きのメンバーばかり…各々の能力が花開き、チームとしての繋がりも強固となったのなら、愚問でしたね。」

 

明日翔「逆によ、お前さんは大丈夫なんか?」

 

ユーフィリア「?なにがですか?」

 

明日翔「バケモンの話だよ、バケモンが時間の跳躍に気づいてるのか否かって話。」

 

ユーフィリア「…あぁ、時空跳躍に気づいていたかもしれないというお話ですね。」

 

明日翔「あのバケモン退治を今んとこリードできてるのはお前さんの時間跳躍があってこそさ。」「強くてリトライが出きるのはいわゆるチート級のアドバンテージだが…奴らどういうわけかそれに合わせる様に対応してきた。」

 

軍師の偽物を3度の跳躍に対応し、破壊地点を変えてきている。

 

明日翔「まぁ、先回りされるぐれぇなら他に手の打ちようがあっけどよ。」

 

ユーフィリア「まだ可能性の話で、確定したわけではありません。」「それに…明日翔さんの言うとおり時空跳躍に気づかれるだけなら、いくらでもやりようはあります。」「大切なのは、やり直せるチャンスがあることと、けっして諦めないことですから。」

 

バケモノ達の能力については謎が深まる、それでも夜は更けていく。

 

~一方その頃~

 

ミコト「よし、揃ったね。」

 

青蘭カップに出場する遥とそのメンバーの2人が集う。

 

遥「話って言うのはどのような内容ですか?」

 

小悪魔「予選を風紀委員権限で特別にパスできるとかかー?」

 

天使「その様なズルが出きるわけないだろう。…何かあったですか?」

 

ミコト「どうしても『明日翔と戦いたい』という人がいてね…一番明日翔と戦える可能性がある君たちを呼んだんだ。」

 

遥「明日翔くんと?ってことはαドライバーってことですか?」

 

ミコト「いや、実はαドライバーではないんだけど…実力は明日翔くんよりも格段に上だ。」

 

コツンコツンとブーツの鳴る音が迫りくる。

 

???「…。」 

 

天使「!?誰だ!」

 

天使が振り向くと、黒いローブを被りペストの仮面を被った黒ずくめの者がそこに立っていた。

 

小悪魔「ただならない雰囲気を感じるのだ!」「感じる…のだ?」

 

ミコト「私は全力で止めたんだけど…ちょっとした借りがあって。」「怪しい人ではないよ。どうか、お願い。」

 

遥「う、うーん…。」

 

天使「せめて、顔を見せてくれないか?顔を見せない者は信用できない。」

 

???「…。」スッ

 

黒ずくめの者は仮面を外した。

 

小悪魔「!!!ひ、ひぇ!!!」

 

天使「こ、これは…!!!」

 

遥「これは…受け入れないといけないね…!」

 

仮面の中身をみて3人は驚愕する。

 

???「邪魔はしないと約束しよう、私は明日翔と戦えればそれでよい。」

 

ミコト「君たち3人にしか頼めないんだ。…よろしく頼んだよ?」「まったく…君の気まぐれには困ったものだよ。」

 

正体はいかに…。

 




彩城天音です。
青蘭カップ予選当日、いままで練習してきたことが出せるといいな。
どんな作戦でいこうかな?実は、ちょっと考えてるんだ。
こうご期待!
次回「青蘭カップ予選」
ヒントは『ガンガン行くよ!』
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