怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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青蘭カップ予選

~5月27日·朝~

 

今日は青蘭カップの予選当日、雲ひとつない青空…競技をするにはちょうどいい、良すぎるくらいだぜ。

俺もとい天音たちはエントリーを先に済ませて予選会場の島に上陸していた。

俺は…木の下敷きになって以来か…。

 

明日翔「いたたた…あー畜生ッ、あんときの古傷が痛むのなんの…。」

 

怪我をしたところが痛む。

 

天音「明日翔先輩、大丈夫?」

 

明日翔「ああ、ちょーっとな。怪我は治ったけども、どうも体は痛みをまだ覚えてるみたいよ。」「あーいてて。」

 

ナイア「いやー、なんだかんだこの島とも縁があるね。」

 

紗夜「いい方でね、今回も勝とう。…いい方なのは一人を除いて。」

 

明日翔「うるせえやい。」

 

アルマリア「ワタシたちのブロックはCブロック、試合エリアは…森のエリアですね。」

 

ステラ「む...見通しが悪い。上空からの攻撃はしにくいし…地上からの攻撃感知が困難。」

 

天音「だけど、細かく移動してたらステラを狙える子はいないと思うよ。」「それにステラは、上空まで行かなくたってこの木の間の中でも飛び回れるでしょ?」

 

ステラ「当然。この森程度の植生密度なら障害物として大したことない。」

 

ナイア「ま、この森の中でのバトルなら新入生交流プログラムで何回かやったし、他のチームより有利でしょ。」

 

エルエル「知ってるところってだけで、なんだか安心するよね~。」

 

ピーンポーンパーンポーン

 

ナクル『あーあー、テステス-マイク入ってる?…んむ、では青蘭カップ予選をそろそろ始める一』

 

エルエル「なんだか、ナクルちゃんのこの放送も懐かしいねえ~。」

 

天音「…ていうか、非公式大会なのに生徒会がお手伝いしてるんだね。お仕事、大変そうだなあ。」

 

明日翔「人がいねってのは本当なのよ。」

 

ナクル『各チーム、エントリー時に渡されたブロックを確認…して試合形式はバトルロイヤル。各ブロックで最後に残ったチームだけが、 明日の本戦に参加できる一。本戦の試合形式は総当たり戦ー。試合数が多くなるから、今日の予選の戦略も重要ー。…とはいえ、青蘭カップは学校の成績に影響しないゆえー。楽しくバトルしてほしい一。』『それでは、ブロックに割り当てられた試合エリアに移動一。 試合開始時にエリア外だと失格だよー。』『諸君の健闘を祈るー。』

 

ピーンポーンパーンポーン

 

明日翔「うし、いくか。」

 

天音「うん!ねぇ、試合エリアに行く前に円陣組まない?」

 

ステラ「エンジン?今から組み上げる時間はないと思う。」

 

天音「そっちじゃなくて、みんなで輪になる方!」プンスカ

 

アルマリア「ステラさんは本気で言ってるのか冗談なのかわからないのが困りますね…。」

 

天音「言うまでもないと思うけど、バトルロイヤルはなにが起こるかわからないよ。なにより、明日は本戦もあるから、無理や怪我はしないこと!」

 

ナイア「…ふっ。」

 

天音「なに、ナイア。わたし、なにか変なこと言った?」

 

ナイア「うんにゃ?天音は、無理しないでもアタシたちが予選くらいは突破できるって思ってるんだなって。」

 

天音「?だって、そうでしょ?」「みんなは新入生の中でもトップクラスの実力者で、5月でいろんな激戦を突破してきたんだよ。このくらい、余裕でしょ?」

 

アルマリア「言いますね。…まぁその通りですけれど。」

 

天音「それに…明日翔先輩もいるんだし。」チラ

 

天音に目線を向けられたのでサムズアップで返す。

 

エルエル「だね!一緒にバトルできる最後のチャンスだしいいところ見せてあげる!」

 

紗夜「元々目標は優勝だったんだから…予選なんかでつまづいてられないよね。」

 

天音「だけど、今日も油断しないで!今まで練習してきたこと、しっかり出し切っていこう!」

 

一同「おー!」

 

みんなの士気は上がり結束がより固まったようだ。

 

~しばらくして~

 

俺たちのエリアの森に到着し、機を待つ。

予選のルールはバトルロワイヤルでプログラムとは同じだが…エリアが島全体ではなく1角につきかなり狭めだ。

戦略としてはかなり変える必要があるだろう。

 

アルマリア「いつものアリーナの数倍の広さって聞くと広いように感じますけど…。」

 

ナイア「そこにいくつもチームが放り込まれてるんじゃ、全然そんなことはないね。このエリアは見通しが悪いってだけで、移動したらすぐ他のチームとかち合うことになると思うよ。」

 

エルエル「うえー、バトルがずっと続くってこと?」ドヨーン

 

紗夜「続くだけならまだいいよ。この広さなら、戦闘が終わる前に横槍が入るかもしれない。」

 

エルエル「プログラムの時にやったことを、あたしたちがやられちゃうかもってことだね」

 

ステラ「三つ巴、あるいはそれ以上の乱戦になる可能性も考慮した方がよさそう。」

 

ナイア「さてさて、以上を踏まえて…アタシたちはどう立ち回ろうか?たいちょー、意見頼むよ。」

 

 

明日翔「うーんそうっさねぇ…。」「よーし、お前たちに作戦方針を伝える!その名も『ガンガンいこうぜ!』でいこう!」

 

ナイア「ガンガンいこうぜ、か。たいちょーはその方向と。…だってさ?天音。たいちょーの意見まで揃った。新リーダーとして、アタシたちの作戦を決めてくれ。」

 

天音「ええっ!?わたしが決めるの!?」ビックリ

 

紗夜「今のリーダーは天音だし…明日翔先輩は青蘭カップが終わったらいなくなっちゃうし。」「それに、リーダーになって初めての、記念すべき実戦なんだから。自分で決めたほうがいいんじゃない?」

 

天音「そう言われると、そうかもって思っちゃうなぁ…うーん…。」「…決めた。最初は積極的にいこう。

 

ナイア「へぇ、たいちょーと同じだね。その心は?」

 

天音「最初に何チームか倒して『強そう』って思わせたほうが、戦闘する数自体は減るかなって。」「これはバトルロイヤルだから、強そうなチームと戦うリスクは下げたいんじゃないかな。」

 

紗夜「本戦に進めるのはブロック優勝チームだけだからね、序盤に脱落したくないだろうっていうのは同感。」

 

アルマリア「ですが、強い相手だからこそ隙を突こう、という輩も出てくるんじゃないですか?」

 

エルエル「それに、最初は強くっても、あたしたちもずっと元気ってわけじゃないよー?」

 

天音「うん。だから、こっちから仕掛けて速攻で勝つの。そうすれば乱入される危険も減るし、こっちの疲労も最小限に抑えられると思うんだ。」

 

アルマリア「言うのは簡単ですけど、やるのは結構大変じゃありませんか?」

 

天音「そうでもないと思うよ?このエリアは見通しが悪くて戦闘の勝敗が遠目からじゃすぐ判断できない。だから、すぐ近くに複数チームがいなければ、乱入される心配は少ないはず。」「『こっちから仕掛け続ける』ことができたら、優位に試合を進められるんじゃないかな。」

 

紗夜「天音の案は、私たちがすぐバトルを終わらせられることが前提になってると思うんだけど。」

 

天音「紗夜は、自分が引っ張ってきたチームにそれができないって思ってるの?」

 

紗夜「思ってない。予選くらい、みんななら簡単に突破できる…と思っているけど。」

 

天音「前リーダーもそういう評価なら、行けると思うんだけど、どうかな?」

 

ナイア「いいんじゃない?じや、 予選の作戦を改めてどうぞ。」

 

天音「予選通過の作戦は、『ガンガンいこうぜ!』で!」「まずは、引っ掛けるための罠を張りたい。この役割は…。」

 

~しばらくして~

 

ガサゴソガサゴソ

 

プログレスA「いつどこにいるかわからない、油断せずに行くよ!」

 

プログレスB「特にチーム天音には注意が必要、あまり喧嘩は売りたくない。」

 

プログレスC「万が一に備えて、回復は怠らないようにするよ。」

 

αドライバー「最悪α·フィールド展開でサポートだ。」

 

プログレスD「戦闘がおこったら美味しいところを頂く、ゲームの鉄則だよね。」

 

プログレスE「でも今のところ敵は…ん?」

 

プログレスEがなにかを見つける、目線の先にはエルエルが木の影にかくれているのが見えた。

 

プログレスE「あれは…チーム天音の…エルエルだ!しかも前を向いていて気がついていない!これはやれるな。」

 

プログレスA「よし、不意打ちだ。そっと近づくぞ」

 

ソローリソローリ…

 

敵プログレス達はエルエルに近づく、もう目と鼻の先だ。

 

プログレスA「いまだ!やれ!」ズドドドドドド!!!!

 

隠れていたエルエルに一斉攻撃を仕掛ける。

 

プログレスC「楽勝だね!他の残党処理だ。」

 

プログレスD「…ん?あれだけの攻撃をしたのに動じていない?」

 

攻撃していたエルエルの影が動いていないどころか、声も発していない。

 

プログレスB「勢い余って気絶させちゃったかなぁ?」

 

プログレスBが確認しにそこに向かう。

 

プログレスB「悪く思わないでね~?これも生き残りをかけ…あぁ!?」

 

プログレスBが見たものそれは…。

 

プログレスB「計られた!私たちは騙された!これは偽物だ!」

 

αドライバー「偽物!?」

 

攻撃していたエルエルのソレは丸太が服を着ていた偽物であり丸太には「ご苦労様!」と書かれている。

 

ガサガサガサッ!!!

 

紗夜「今だ!ソードルミナス!」ザシュッ!!!!

 

プログレスB「ぎゃああっ!!」ドサッ

 

プログレスA「!紗夜!」

 

紗夜は木の上から奇襲をかけてプログレスBを一撃で仕留める。

 

αドライバー「まだだ!まだ終わらんよ!」「α·フィールドてんかー」

 

紗夜「月光!」ピカーッ!

 

敵一同「うわっまぶしっ!」

 

紗夜の剣からまばゆい光が閃光のように放たれる。

 

プログレスE「目、目が…!」

 

プログレスC「バリアを張るから皆なかに…ぎゃっ!」ストンッ

 

αドライバー「どうした!?まさか後ろぐえっ!」ボカッ!!!

 

ドサドサッ

 

明日翔「後ろで待機してるやつが後ろ取られるなんざ目もあてらんねぇでやんの。」

 

ナイア「いつの日か後ろをとられてなにもできなかったあたしへの嫌味?たいちょー。」

 

明日翔「んなこたぁ一言もいっとりませんよ、ええ。」

 

閃光を合図に後ろをとりナイアがCを手刀で、明日翔がαドライバーを銃底で殴り付けて無力化する。

 

プログレスE「くそ…!皆やられた…!」

 

紗夜「さて、仕上げの時間だよ。」ギュン!

 

紗夜は加速しプログレスA&Eの回りをぐるぐると飛んで回る。

 

プログレスA「ちょこまかと動く!でい!」ブン!

 

紗夜「おっと。」スイッ「これで準備完了。」スッ

 

紗夜は右手の拳を握って上に突き上げる。

 

紗夜「あんたたちの敗因は、私しか見えてなかったことよ!」グッ

 

プログレスE「なにを…」シュルルル…「!?ぐわっ!」ギューン!!!

 

プログレスA「ぐあっ!」ギュッ!!!

 

右手の拳を引っ張るとプログレスEが急に宙に飛び上がり、まるで罠にかかり縛られたように吊るされプログレスAには木の蔦のような物が身体中にぐるぐるに巻かれ縛られる。

 

プログレスA「う、動けない…!」

 

天音「いいね、作戦大成功。」

 

天音が木陰から現れて手には蔦を持っている、蔦は様々な木々を蔦ってプログレスA&Eを縛り上げていた。

 

プログレスE「まさかこの動き、全て計算尽くか…!」

 

紗夜「一度やられた作戦だもん、計算しなくても分かってたよ。」

 

プログレスA「一度やられたって、貴女達一体…。」

 

紗夜「チームの都合でね…ごめん!」

 

ザシュッ!!!ドシュッ!!!ガクッ…

 

プログレスのA&Eに止めを指す。

 

天音「うまくいったね、みんな出てきていいよ!」

 

ゾロゾロとチーム天音のメンバーが出てくる。

 

明日翔「これぐらいうまく引っ掛かってくれりゃ、俺がお前らを罠にかけた甲斐があるってもんだ。」

 

そう、この罠は俺が昔こいつらを同じような罠にかけた。バケモン退治を嗅ぎ付けて尾けてたからな。ちょいとお仕置きの意味も込めてな。

 

アルマリア「幸か不幸か、かけられた側の気持ちがわかるので…ばれないように立ち回れました。」

 

紗夜「お陰で、みんな消耗せずにすんだね。」

 

エルエル「思ったより余裕って感じ!紗夜ちゃんも余力十分!」

 

ステラ「同感。計算上、自分の火力は不要。上空から偵察してきてもいい?至近距離に他のチームがいなければ、またこちらから戦闘を仕掛けて、優位に立ち回れると考える。」

 

天音「うん、いいアイデアだと思う!ステラ、お願いできる?」

 

ステラ「了解。じゃ、あとは任せた。ヴァルキリーエンジン、発進!」

 

ゴゴゴゴ!!!!ボンギューーーーン!!!!

 

ナイア「あいよ!任された!」

 

~~~~

 

予選も終盤戦。チーム天音の状況は、最初の作戦通り優勢に進んでいた。

作戦は『ガンガンいこうぜ!』だ。

 

天音「ここ!畳み掛けるよ!」

 

紗夜「突っ込む、止めよろしく!」ギューーーン!!!「バーストルミナス!」ザシュッ!!!

 

天音「わかった!合わせて、アルマリア!」

 

アルマリア「任せてください。ブラッドアロー!」ビュンッ!!!ドスンッッッッ!!!

 

女子生徒「ま、参りました~…。」バタン

 

攻めに転じた紗夜とアルマリアは折り紙つきの強さだな、軍師がタンクを決めてステラ辺りが牽制をする。

バランスのいいチームだよ、こと俺は見てるだけさ。楽な仕事だぜ。

 

天音「よしっ!犠牲者なし、ガンガン行くよ!みんな疲れてない?」

 

紗夜「全然、まだまだ動けるよ。」

 

ナイア「ま、ウォーミングアップが終わったかなってくらいだね。」コキッコキッ

 

天音「オッケー。 そろそろ残りチームもー桁以下だろうし、フルメンバーのところも少なくなってきてるはず。態勢が整う前に打って出てこのままブロック優勝を─。」

 

ピーンポーンパーンポーン

 

ナクル「決着ー!Cブロックの勝者は、『チーム天音』にけってーい。」

 

天音「…あれ?」

 

ゴゴゴゴ!!!スタッ

 

ステラ「ただいま。」

 

エルエル「やったね!予選突破だよー!」

 

チーム一同「…。」

 

唖然呆然、急な展開に頭がついていけてないらしい。

 

エルエル「あれ?みんなどうしたの?」

 

ナイア「あ一…もう少しチームが残ってたと思うんだけど?あたしの記憶が確かなら、2人は偵察と警戒に出てくれてたよね?」

 

ステラ「そう。2か所で戦闘が起こっていて、接戦だった。」

 

エルエル「うん、すごかったんだよ!どっちも終わったとき、立ってるのは残り1人で!」

 

~~~~

 

エルエル「ええーい!突撃~!」ドカーン!!!

 

ステラ「バレッジ、発射!」ズドドドドドド!!!!

 

~~~~

 

ステラ「なので、エルエルの支援を受けてどちらも倒してきた。」「これで予選突破、ぶい。ぴーすぴーす。」

 

チーム一同「…。」

 

明日翔「そりゃまぁ残り一人で手負いなら一撃叩けば瞬殺だわな。」

 

ステラ「…もしかして、合流を待ったほうが良かった?」

 

天音「…。」「…ううん、そんなことないよ。その状況だったらステラの行動は正解。」

 

アルマリア「そう…ですね。ただ…みんなで喜ぶタイミングを

逃したというだけです。」

 

紗夜「ね。むしろ、飛べるって利点を活かした、いい手だったと思う。おかげで誰も怪我なくブロックを突破できたわけだし…明日の本戦も、万全の状態で戦えそう。」

 

ナイア「みんなでパーッと喜ぶのは、本戦が終わってからに持ち越しかね。」

 

天音「そうしよっか。」「ステラ、エルエル、お疲れ様。ありがとね。」

 

エルエル「えへへ、どういたしましてー!」

 

アルマリア「…あら?でも戦闘は2か所で起こっていたんですよね?」「ワタシたちが聞いた音は、2回ともそう間隔を置かずに聞こえましたけど…場所が近かったんですか?ステラさんはともかく、エルエルさんの飛行速度では…。」

 

エルエル「ふっふーん。見て驚け、見て喚けー!」「むん!『エールウインド!』」

 

ビュオオオオオオ…

 

エルエル「えへへ、エールフレンドみんなの力をもっと使えるようになったんだ一!」

 

エルエルがエクシードを使うと、俺のよく知る慣れた風が吹きかける。

 

明日翔「…おや?この風を俺は知ってる。心地のいい、いい風だ。このレベルの風を使うやつは俺は一人しか思い浮かばねぇな?」

 

紗夜「風…それ、美海先輩のエクシードだよね?」

 

エルエル「うん!こないだお話した後に使えるようになったんだ~!」

 

アルマリア「あのごく僅かな期間でお友達に…?さすがのコミュニケーション能力ですね。」

 

エルエル「これでばびゅーん!って飛んでステラちゃんに追いついて、一緒にどかーん!ってやったの!」

 

ステラ「驚きの速度だった。これからはエルエルも航空戦力に入れた作戦も立案できそう。」

 

エルエル「えへへ、そうかな?それほどでも…ってあれ?」

 

紗夜「…。」モヤモヤ

 

エルエル「紗夜ちゃん…なんか怒ってる?」

 

紗夜「オコッテナイシイツモドオリダケド?アシタモガンバロウメザセセイランカップ。」

 

紗夜はロボットみたいな抑揚のなく一定の音程を保った音声ソフト顔負けの棒読みを見せる。

 

エルエル「やたら早口だしすっごい棒読みで怖いよー!?紗夜ちゃんが『セイランカップユウショウ』って、そんなローテンションで言ってるの聞いたことないよ!?」

 

ナイア「紗夜~、もしかして~…拗ねてんの?エルエルがあーっさり美海先輩と友達になったから。」

 

紗夜「スネテナイ。ミウミセンパイトトモダチニナリタイトカ、ソウイウノジャナイシ。」

 

ナイア「またまた~、自分には素直になった方がいいよ~?うりうり~。」

 

紗夜「ウルサイ。」

 

天音「あはは…明日、紗夜のエクシードがエールフレンドで使えないなんてことにならないといいね? エルエル…。」

 

青蘭カップへ、いざ行かん。

 

~夜·とある女の視点~

 

とある女天使は夜、島の見回りをしていた。

 

天使「ふむ…会長の言う通り、特に手を出すこともなく終わってくれたが…。」

 

~~~~

 

ペストマスク「邪魔はしないと約束しよう、私は明日翔と戦えればそれでよい。」

 

~~~~

 

 

天使「"あの人物"がなぜ一介のαドライバーに構う必要があるんだ?」

 

どうやら会長から紹介されたなぞの人物について考察している、色々腑に落ちず考えることがあるらしい。

 

天使「明日翔は学園でも折り紙つき、人によっては学園最強とも名高い。」「だが…立場、経験…それら全てを加味してもその実力には届かないだろう。明日翔…彼は何者なんだ…。」「…ん?」

 

裏山の滝壺近いところからそぐわない音が聞こえる。

 

キンッ!!!ジャキッ!!!ズシュッ!!!パカンッ

 

城流「つくづく便利な刀だな、これじゃ薪割りも斧もいらねぇな。」

 

刀で切られた木を広い集める、薪を作っていたようだ。

 

 

歌右衛門「我の刀は木を切るためのものではない、刀を愚弄するか。」

 

城流「んなこた一言もいってねーよ、ほら次だ。」

 

歌右衛門「よし、来い!」

 

城流「ほうら。」ポーン

 

歌右衛門「でやぁっ!たぁぁぁっっ!!ぜやぁぁぁっっ!!!」

 

キンッ!!!ジャキッ!!!ズシュッ!!!ザシュッ!!!…パカパカパカパカンッ

 

上に放り投げた木を瞬く間に切り裂いて、薪に切り刻む。

 

歌右衛門「ぬん…。」チンッ

 

城流「こいつでしばらくは困らねぇな。」ゴソゴソ

 

夜中には明らかにそぐわない二人組を見かける、学園生と…侍か?

 

天使「なんだ?あの二人組は、一人は学園生その様だがもう一人は…。」「そこ!私は風紀委員だ、何をしている!」

 

天使は風紀委員として声をかける、危ない気配はなさそうだが治安のために。

 

城流「風紀委員か、魚を焼いて食うところだが?」

 

焚き火の準備をしている。

 

天使「ここはキャンプ場ではない、公共の裏山だ。退かなければ指導対象として報告するぞ。」

 

城流「そうカッカすんな、生徒会から許可はもらってる。俺たちは生徒会公認の人間だ。」ピラッ

 

そういうと書類を見せる、生徒会執行部としての許可証。内容としては青蘭島の活動地域、活動時間の全面許可の旨がかかれている。

 

天使「…?執行部?つい最近できた、生徒会の部門か?」

 

城流「知ってるなら、話は早いな。」

 

天使「当然だ、ついこの間の怪物退治の現場検証について執行部とやり取りをさせてもらっている。」「生徒会公認の実働部隊とは聞いていたがまさかこんな物まで…。」

 

この許可証についてかなり懐疑的にみる、生徒会がこんな許可を出すとは思わないからだ。

 

城流「そういうことだ、一応そこの侍も同じカテゴリーだ。学園生じゃねぇけどな。」

 

歌右衛門「うむ、協力者なり。」

 

天使「…そうか。」「…深入りはしない、しかしここは最近発砲やエクシードによる攻撃がよく見られる。用事がすんだら自室に戻るんだぞ。」

 

天使は注意に止め、踵を返そうとする。

 

城流「おいおい、せっかくなら食っていけよ?うまく焼けたぜ。」

 

天使「いや、私にはまだ仕事が…。」

 

城流「こんな時間にできることなんて限られてるだろ、この時間くらい肩の力抜け。」「お前さん名前は?」

 

いつの間にか焼かれた魚の串焼きを差し出され、名前を問われる。

 

クラリス「…クラリス·エーデルライト。」「城流竜泉、後藤明日翔と同じで君は風紀委員にマークされている。あまり怪しい行動はしないように。」

 

城流「俺も有名人になっちまったようだな。」「そりゃ心外だな、俺はあいつと違って品行方正が売りなんだが。」ムシャリ

 

クラリス「新歓戦の明日翔の銃撃戦、映画だったら見事と言わざるを得ないがあのおかげでαドライバー同士の戦闘も可能になってしまった。」「ルールが変わってしまった、銃の引き金の軽さも私としては気になる…君たちがマークされる理由は無限とあるぞ。この活動もしかりな。」「…ぅん、おいしい。」ムシャムシャ

 

城流「そこはうまくやるさ、マークされてると分かりゃあ動きも変わるってもんだ。」「お料理代金はこの情報で取っとくぜ。」

 

クラリス「ふん…食えない男だ。」ムシャ「でもこの魚は食べれる。」

 

歌右衛門「腹ごしらえが終われば、また修行だ。」スッ

 

串をおいて、刀を持ち立ち上がる。

 

クラリス「…刀だ。」「…先ほどの太刀筋をみたのだが、見事だった。彼はいつ頃から剣を?」

 

城流「会ったときからだ、荒くれ者の役をやり出して紆余曲折あって自然になるために修行してるんだと。な?歌右衛門。」

 

歌右衛門「我の修行の果ては自然になることである、我の修行はいまだ終わらない。」

 

クラリス「…。」

 

クラリスは少し考えて、口を開く。

 

クラリス「貴殿、お見受けしたところ相当な剣士と感じるが…ひとつ、お手合わせ願えないだろうか。」「私も剣を扱うものとして…明日、決めねばならぬことがある。」

 

歌右衛門「荒くれ者を演ずる武士の端くれ、我もまだ未熟なり。」「その我の剣であれば、喜んで振るおう。」

 

クラリス「…感謝する。」スッ

 

クラリスは食べ終わった串をおいて、歌右衛門と対峙する。

 

歌右衛門「構えよ、天の使いの剣士よ。」チャキッ「我、六代目中村歌右衛門。名を松詠と申す。我が剣、受けてみよ!」

 

クラリス「ああ。」ブーン…「私はクラリス·エーデルライト、赤の世界の剣士!いざ勝負!」

 

でゃあぁぁぁっっっっ!!!!

 

キンッ!!!ジャキッ!!!

 

明日に向けて、強力なる鍛練を。




クラリス·エーデルライトだ。
青蘭カップ本戦、どこも強敵だが私たちの敵は一つだ。
『チーム天音』…そして明日翔!
この"人物"を相手にチーム天音を優勝に導けるか?

次回「夢の舞台開演、舞台外のミュージアム。」
私たちにその力、見せてみろ!
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