怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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危険と情熱のパソ·ドブレ·前編

~5月28日·アリーナ~

 

青蘭カップ決勝、6勝同士の『風紀委員·遥班』と俺たちは激突した。

そこにいる謎の人物、開始直後に俺は襲われて間一髪後ろに投げて距離を取ることができた。

その時に、あいつが被っていたペストマスクの上顎が取れて顔が見えた。

その時見えた顔が…。

 

???「しかしこの世界は眩しいな…目が慣れん。」

 

明日翔「…お前は…!」

 

???「フフフ…。」「久しくだな、まったく…私の興が乗ったというのにお遊戯会に油を売りおって。」パサッ

 

黒いローブを外し、姿を現したのはラテンドレスを基調とした戦闘服に身を包み黒いブーツに足甲から膝までを覆う鋼鉄のレギンス、鎧のように肘まで覆ったガントレット。そして見えている顔は…。

 

明日翔「…ミルドレッドか?」

 

ミルドレッド「仕方がないので、私自身がお前の元に来てやった。」「おまけに例の"退治"のお陰で私の興が切り上げられてしまう始末だ。どう責任取ってくれる?」

 

明日翔「おいおい、そりゃ俺のせいかよ?」

 

ミルドレッド「ああ、お前のせいだ。」「この責任はお前に取ってもらおう、喜べ。私と一緒に踊ろうじゃないか!」ジャキッ

 

ドレスの袖下を両手でまさぐりから取り出したものは「デザート·イーグル」、片手で扱うことすら規格外な銃だがそれも二丁のアキンボ持ちである。

 

明日翔「うわぁ、まーずいことになったねこりゃ。」「逃げろ!」スタタタタ!

 

ミルドレッド「あのときのお前の"ショー"を参考にした銃だ。私がステップをリードしてやる、せいぜいついてくるといい!」ドカン!!!ドカン!!!ドカン!!!ドカン!!!

 

明日翔「ありゃ、ほっ、むおっ!あららら。」スイスイスイ

 

明日翔に撃ち込む、普通なら片手かつ二丁の反動制御ないし命中精度の確保は人間の所業には不可能に近いが、魔女王故かそれを可能とした。

明日翔はそれを長年の勘と回避術で、命中する紙一重で躱し続ける。

 

ミルドレッド「ふふ、よく動くじゃないか。私のリードについてこれたのはソフィーナくらいのものだ。」「貴様にはそうだな、サンバを踊ってもらおう。」ドカン!!!ドカン!!!

 

明日翔「ありゃりゃりゃ、ひぇ!」ピョンピョンスイスイ

 

弾むように、小刻みなステップとジャンプを多用して銃弾を避け続ける。

 

明日翔「くそう、ひとっこひとりにバカスカ撃ちやがって。けんどそろそろ弾がなくなってきて…。」

 

ミルドレッド「ふふふ…。」ポイッ「安心しろ、お前が望むならいくらでもリードしてやるぞ。」チャキッ

 

弾がなくなったデザートイーグルを捨てると、また袖口からデザートイーグルが出てくる。

 

明日翔「あぁ?あーりゃ嘘だよおめぇ、ありゃ嘘だ。」「うおっ!」

 

魔女王のリードはまだまだ続く、泥棒は主導権を握り返せるか?

 

~チーム天音視点~

 

遥「はっ!せいっ!チェストーっ!」

 

ナイア「くっ!」バシバシパァン!

 

ステラ「!隙だらけ!」ガスッ!!!

 

遥「いたっ!」

 

ナイア「もういっちょ食らえい!どーっせい!」ガシッポイッ!!!

 

遥「わーっ!」ドサーッ!!!「いったたた。」サスサス

 

ナイア「おいおい、ちゃんと投げたし蹴ったはずなのにリアクションそれだけ?」

 

遥「小学校の頃から頑丈さだけが取り柄だったからね!」「私だってまだまだいくよ!」

 

ナイアが遥の打撃を捌いて相手しステラで削る。しかし、遥は頑丈でありすこし小突かれた、程度のリアクションである。一方紗夜の方は…。

 

クラリス「…んんっ!」

 

紗夜「くっ!」

 

ガイン!ギギギギギギ…キン!ズサーッ!

 

アルマリア「ブラッドソード!」ヒュッ!

 

クラリス「はっ!でいやっ!」カキン!ブンッ!「お前たち、中々やるな。いい剣だ。」

 

紗夜「中々崩せない…!」

 

アルマリア「まるで後ろに目でもあるかのようです、的確なところで守っているので残心も去ることながら…決勝なんです、こうでなくては。」

 

紗夜「…そうだね。」「いくよアルマ!シュートルミナス!」キラキラバシュッ!

 

アルマリア「ブラッドニードル!」ズドドドドド!!!

 

矢継ぎ早に攻撃を仕掛け、一進一退の剣劇を披露している。天音たちは…。

 

テオドーチェ「うおおお!!!悪魔の炎なのだ!!!」ボワッ!!!ボーン!!!

 

エルエル「ん~!空ちゃんのエクシード、バリアフォール!」ピカーッ!!!!

 

天音「いくよ!それっ!」バシュッ!

 

テオドーチェ「うわわわ!!!」ピョーン!ズサーッ「危ない危ない、やるではないか!」

 

テオドーチェの炎をバリアフォールで防ぎきり、爆風に隠れて天音が矢を放ち攻撃する作戦に出ている。

 

天音「まだまだいくよ!それっ!」バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!

 

天音の矢がメンバー全員に行き渡る、これにより体の身体機能が増強される。

 

天音「ナイアと紗夜は引き続き攻撃!ステラとアルマは標準をテオドーチェ先輩にスイッチ!エルエルは空先輩のエクシードを使って紗夜のサポート!」

 

ステラ&アルマリア「わかった。」「承知しました!」

 

ナイア「んだよ、あたしにゃサポート無しかい?」

 

天音「なにいってるの!私がいるでしょ?」

 

ナイア「ははは!知ってる!」「あいよ、任された!」

 

クラリス(テオが狙われ始めた、これはまずい…!)「遥、すこし辛抱たのむ!テオの支援を…!」

 

紗夜「でいっ!」ブンッ!

 

クラリス「くっ!」スイッ「簡単にいかせてはくれないか。」

 

紗夜「私を前にして逃げようなんて、そうはいかないよ。」「絶対に、優勝するんだから。」

 

~観客視点~

 

ソフィーナ「…。」ポカーン

 

ソフィーナは驚きで言葉も出ず、口を開けて唖然としている。

 

城琉「魔女王の奴さん、お忍びで来ちまったわけだ。その様子じゃ、知らなかったクチか?」

 

ソフィーナ「…はぁ…そういうことね。通りで最近玉座に座らず自室に籠って何かしてたわけだわ。」「ウロボロス退治であっさり引き下がったのもこれが理由ね。」

 

美海「ミルドレッドさん、露骨に残念がってたもんね。」「『なぜあの男は私よりも子供のお遊戯会を優先するのだー。』って。」

 

ソフィーナ「明日翔が『青蘭カップの優勝が実績になるか』って電話をしていたでしょう?それで青蘭カップの情報を掴んで出場を決意したのね。」

 

セニア「十中八九、手引きしたのは生徒会長…ヒメガミノミコトでしょう。」

 

ソフィーナ「まぁ、ミルドレッドと対等に話せてかつ権限をもつのはヒメガミノミコトだし…そこのメンバーとして納得性が一番高いのは風紀委員の遥班。」「言葉を選ばずに言うと、全員が貧乏くじを引いたのね。」

 

シルト「魔女王さんは、どうしてこんなに明日翔にこだわってるんだろう?」

 

ソフィーナ「さぁ、私もよくわからないわ。」「そもそも、ミルドレッドは城に籠りっきりで城のことは召し使いに全部やらすぐらいにはめんどくさがりでこんなに活動的じゃないし…ましてやたった一人の人間にこんなにも行動するなんて信じられないわ。一体何があったのやら…。」

 

城琉「一国の女王、しかも魔女王の奴さんも人間だったということだな。」「奴さんが使う銃は、オートマチックのピストルだが俺の銃と同じマグナム弾を撃てる。加えて、奴さんが来ている服とかを見るとまるでダンスしたいかのようだ。」

 

歌右衛門「自分の作る舞台に、明日の字は招待された。演者としてな、その他は脇役…舞台装置とでも言うのであろう。」「独りよがりの演舞だ、あまり好ましくはないな。」

 

ソフィーナ「まぁ…元来ミルドレッドはこんな性格よ。欲しいものは何でも手に入ってたし何より負けたことがなかった。」「私たちにはなにも言わなかったけど、ただの一介の人間が自分に1本取った事実を根に持ってたのでしょうね。」

 

城流「さすがのアイツも、骨が折れる相手だ。」「あんときは十分な用意があったからな、向こうの土俵でどうなるかな?」

 

~明日翔視点~

 

明日翔「あひっひっひっひっ。」スタタタタタ「いーよっと。」ピョーン

 

銃弾をただひたすらに避けて逃げつつ、物陰があるフィールド

 

ミルドレッド「どうした!逃げてばかりじゃつまらないじゃないか。貴様はただ逃げるだけの猿ではないだろう?」

 

明日翔「俺にゃ人の女、傷物にする趣味はねぇもんでな?お前の旦那に申し訳が立たねぇだろ?」

 

ミルドレッド「案ずるな、その時はレオに謝っておけ!」スタッビュン!「あの世でな!」ドカン!

 

ミルドレッドは銃のリロードを終えたあと、遮蔽を飛んで一瞬で明日翔の目の前に着地し銃を撃つ。

 

明日翔「んのやろっ!」ゴロン!「キズモノになった状態で旦那んとこ行っても後悔すんじゃねぇぞ!」チャキッドギューン!

 

ミルドレッド「おっと。」スイッ「いいぞ、こうでなくてはな。」

 

ドカン!ドカン!ドギューン!ドギューン!

 

お互いに銃撃戦を繰り広げる。時には遮蔽に隠れ、時にはステップ、飛びなど回避行動駆使し銃弾を避け銃を撃つ。

 

ドギューン!ドギューン!

 

明日翔「このままじゃあ俺のジリ貧だ、アイツは無尽蔵に弾あっけど俺にはねぇ。危ねぇが俺がどうにか、主導権をどーにかして握らねぇとな。」スチャ「ちったぁ足止めになってくれよ!」ポイドギューン!

 

ボン!ピカーッ!!!

 

ミルドレッド「!ぬっ!」

 

ポイと投げた球体から強力な閃光が放たれ、一時的にミルドレッドの視界を奪う。

 

ミルドレッド「ぬう…今まで我が世界で光を浴びていなかった弊害か…この世界は眩しすぎるぞ、暗くせねばなるまい。」「…こういうときは攻撃してこない辺り、お前も甘いな。」

 

目を閉じたまま、気配を探る。

 

明日翔「泥棒してるわけでも、お前を殺したいわけでもないしな。」

 

ミルドレッド「紳士気取りめ、お前はそのような人間ではないだろう!」ドカン!「…な…!?」

 

目が慣れてきたミルドレッドが撃ち込んだものは、明日翔ではなく明日翔っぽいサイズの岩で「ハズレ」とかかれている。

 

明日翔「外れだよ!」ドギューン!ドギューン!

 

ミルドレッド「ぐっ!」バチッ!バチッ!

 

岩の後ろから狙撃してミルドレッドの両手にある銃を弾く。

 

明日翔「恨まないでちょうだいな!」ビューン!

 

ミルドレッド「こしゃくな!」ガシッ!ポイッ

 

明日翔「おーっとっと。」スタッ「まだまだいくぜ!」ブンッ

 

ミルドレッド「ぬん!」ガスッ!

 

明日翔の拳による打撃を腕の装備で受け止める。

 

明日翔「…。」ビリリリリリ「いっっってぇ!いてぇいてぇフーッフーッ、何でできてんだいそりゃ、鉄じゃねぇだろ。」

 

自分の打撃の衝撃がそのまま自分に返ってくる、加えて金属を殴ってしまったのでその分の痛みもきてなおさら痛い。

が、金属を殴っただけではこんなにはならない。

 

ミルドレッド「一発触れただけでわかるか、さすがは泥棒。貴金属もわかるらしい。魔力や攻撃をそのまま跳ね返せる特性を持つ黒の世界の合金だ。」

 

明日翔「たかだか一介の人間にここまで準備すなよ、大人げねぇなぁ。」

 

ミルドレッド「最初に用意周到にしていたのはそっちの方だろう?ぬんっ!」ブンッ

 

明日翔「!」スカッドシャーン!!「うわぁ、どうなってんだ?こりゃ。」

 

ミルドレッドの強烈なハイキックを躱すが躱した先にあった岩がハイキックの威力で粉々に砕け散る。

 

ミルドレッド「伊達に数千年生きてると、思わんことだ!」「せいっ!」ブンッ!

 

バシッ!スカッガシッ!ヒュッ!

 

ミルドレッドの拳や蹴りをいなす、しかし打撃の型が隙がなく洗練されていてまるで型に途切れがなく加えて型の間のアドリブもうまくはまっており反撃の隙が全くない。

 

 

明日翔(こいつ、全然隙がねぇ。畜生銃だけじゃなくて拳でもジリ貧ってか!)ドン!「!?ま、まっずい!」

 

明日翔が打撃をいなすうちに背中が壁に到達してしまった。

 

ミルドレッド「ぬぅんっでいっ!」ブンッ!

 

バゴーーーン!!!

 

ミルドレッドの渾身の右ストレートを振り抜くが、狙いを外し壁を殴ってしまう。その威力は常識はずれで地響きを起こすほどの衝撃を放ち、壁には広範囲のひび割れと拳が深くめり込んでいる。

 

~観客席~

 

バゴーーーン!!!ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

美海「うわぁ!会場が揺れてる!」

 

ソフィーナ「もう、本当にむちゃくちゃだわ!」

 

城琉「まるで地震だ、当事者じゃなくてよかったぜまったく!」

 

歌右衛門「まるで災害だ。」

 

シルト「明日翔、いったいどうなっちゃうの~?」

 

セニア「…データでは解析できません、全ては…明日翔次第です。

 

~チーム天音視点~

 

ナイア「ふーっ…あんたもタフだね~、もうそろそろスタミナ切れしたっていいじゃん。」

 

遥「ふふーん、まだまだ息切れはしないよ。余裕余裕っ!」「そっちこそ、全然いけそうじゃん!」

 

ナイア「そりゃ腐っても軍人だもんでね、それなりの訓練は詰んでるのよん。」「まだまだ…いくよ。」

 

遥「そうこなくっちゃ!今度はこっちから─。」

 

バゴーーーン!!!ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

ナイア「うおっ!なんだなんだ!?」

 

遥「えぇ?」「音はあっちから…えぇ!?」

 

音がした方向をみる、その光景をみてチームは絶句してしまう。

 

遥「えぇ…あれは嘘じゃん。」

 

ナイア「あれでαドライバーは無理があるでしょ、バケモンだってバケモン…。」

 

もちろんナイアだけでなく他のメンバーもその光景をみている。

 

ステラ「…規格外。」

 

クラリス「…侮っていたわけではないがこれほどまでとは。」

 

紗夜「先輩、あれを相手にするなんてかわいそ…。」

 

テオドーチェ「流石は魔女王様なのだ…。」

 

エルエル「え?魔女王様?」

 

テオドーチェ「あっっっ!!!今のは忘れるのだ!!!関係ないのだ!!!」アタフタ

 

天音(明日翔くん…頑張って!)

 

~明日翔視点~

 

明日翔「わぁ…。」「って、やってる場合かい!殺す気で殴るんじゃねぇや!」ドン!

 

ミルドレッド「おっと…手元が狂った、命拾いしたな。」

 

ミルドレッドを押し退け、距離を取る。

 

ミルドレッド「まだまだいくぞ?…せいっ!」

 

バシッ!スカッガシッ!ヒュッ!

 

再び格闘のミルドレッドの拳や蹴りをいなす、さっきの拳の威力を見ると絶対に食らいたくない。より集中して打撃をいなす、しかしそれが仇になってしまった。

 

ミルドレッド「拳に目がいってるな?足元がお留守だ!」ガスッ!

 

明日翔「どわっ!」ドサッ!

 

ミルドレッド「もう逃がさんぞ。」グッ

 

明日翔「ぐぇぇ、くそっこんのやろ!」

 

明日翔の足元への警戒が薄くなっていることに気がついたミルドレッドが水面蹴りで明日翔を転がして倒し、胸を踏む。

 

ミルドレッド「この勝負、私の勝ちだ!」ガバッ!

 

明日翔「!!!」

 

ドスン!!!!!

 

ミルドレッド「…!かはっ!」ヨロヨロ…

 

明日翔「あっぶねぇなぁ…魔女王とも言えど、痛みは感じるらしいな。」

 

ミルドレッドはよろけて後退する、明日翔の手にはどこからともなく棒が握られておりミルドレッドの横腹を棒で突いたのだ。

 

ミルドレッド「けほっけほっ…。」「…如意棒の類いか?」

 

明日翔「アピアリングってやつさ。」

 

~解説~

 

アピアリングってのはマジックで使われるような棒でピンをはずせばすごい勢いで伸びる伸縮性の棒だ。

これを俺は常に懐に隠し持ってた、お前さんが俺の胸を踏んだ時お前さんの視界には俺の手はドレスや足の装備で見えなくなっていた。

その死角を利用してそれを取り出して横っ腹に突き刺さるようにピンを抜いて、棒を解放したんだ。

 

ドスン!!!

 

~解説終わり~

 

明日翔「俺のは前にしか伸びねぇ様に改造してっから、めり込むぐらいの勢いで刺さったはずだぜ?」

 

ミルドレッド「…痛みのいう感覚は久々だ。」「くくく…まったく、本当にお前は面白い。」

 

横腹を抑えミルドレッドは笑う、心から楽しんでいるように。

 

ミルドレッド「…お前と戦っていると昔を思い出す、世界の統一に奔走していた昔をな。」「くっくっく…まだへばってくれるなよ?私は今、最高に楽しいのだ。」

 

明日翔「いいぜ、俺と踊ろうじゃねぇか。サンバからのパソドブレだ。」スッ

 

棒と拳銃を構える、バーティツの棒術と拳銃を取り入れたオリジナルの構え。

 

ミルドレッド「ふふふ…、かかってこい。」チャキッ

 

再び銃を2丁、ミルドレッドは構えた。

 

明日翔「俺のダンスで転ばねぇようにな!」

 

ドギューン!ドギューン!ガキン!ドカン!ドカン!バシッ!ヒュッ!ドカン!ドギューン!

 

棒術による攻撃、お互いの銃撃、体術を躱し防ぎお互いに一歩も譲らない攻防。

回避によるステップと攻撃の激しい動き、鳴り響く銃声が危険なメロディを奏で情熱的なダンスのように戦い続ける。

 

~チーム天音視点~

 

天音「みんな!押せるよ!頑張れ!」ググググ…ビャッ!ググググ…ビャッ!

 

青い矢を天音は絶え間なくチームメンバーに撃つ。矢の刺さったメンバーに力を与える。後ろに下がりつつ、戦闘状況をみる。

 

明日翔「おっと。」ドン

 

天音「あっ。」ドン

 

後ろに下がっていると背中がぶつかる、たまたまブレイクタイム中の明日翔とぶつかった。

 

天音「明日翔くん、そっちはどう?」

 

明日翔「危なっかしい女だよ、命がいくつあっても足りねぇや。」「悪いな、今回ばっかしはなにもできそうにねぇや。」

 

天音「こっちは…大丈夫、絶対に勝てる。」「生きて、帰ってきてね。」

 

明日翔「ああ、必ず帰ってくる。お前に後ろ、任せたぜ。」「ブレイクタイムは終わりだ、行け!」

 

天音は前線の仲間の元へ走り、明日翔は棒を使った跳躍でミルドレッドを飛び越えまた戦いを始める。

 

天音「紗夜!ナイア!そのまま押し込んで!エルエルはステラとアルマリアと合流してテオドーチェ先輩を!」「『エンジェル·ハイロゥ』!」

 

数多の青の矢がチームメンバーに降り注ぎ、力を与え活力を取り戻す。

 

ナイア「…いよーっし、これでまだまだアタシはやれる。遥さん、アンタはどうだい?」

 

遥「はーっ…はーっ…まだまだ!」

 

ナイア「意地っ張りだねぇ、でも嫌いじゃないよ。」「…いくよ。」

 

遥「!」

 

バシッ!ガシッ!ヒュッ!

 

ナイア「隙あり」ドカッ!

 

遥「うっ…!」

 

ナイアは格闘の型に隙を見つけ、ボディーブローを差し込む。

 

ナイア「怯んだね。」「はったっ…でいっ!」ドカッボカッガスッ!「旋風脚っ!」ドガーン!

 

急所を的確に突き、大きな回し蹴りで顔面に大きな蹴りを入れ大きく吹き飛ばす。

 

遥「うわぁっ!」ビューンドサッゴロゴロゴロ…「…うう…。」フラフラ…「ブルブルブルブル…まだまだ!」パンパン!

 

遥は吹き飛ばされて転がる。戦い続けたダメージは大きくよろけるが、顔を濡れたいぬのように振った後両頬を叩いて再び闘志を宿す。

 

ナイア「おーいおい、そろそろへばってくれなーい?頑丈にも限度があるって…。」

 

~~

 

紗夜「ふーっ…ふーっ…。」

 

クラリス「はっ…はっ…。」(遥が押されていて…テオも集中砲火を食らっている…これはまずい。)

 

紗夜「食らえ!」ヒュッ

 

クラリス「うっ!」ガキン!

 

ギギギギギ…

 

紗夜「戦ってるときに考え事は、命取り!」キィン!「ふっ!」ゴスッ!

 

クラリス「がっ!」ガクンッ

 

紗夜「やああっ!」ザシュッ!

 

クラリス「ううっっ!」ガキィィン!ズサーッ「…くっ…。」タラー…

 

つばぜり合いの途中でクラリスを押し退け、剣の柄でクラリスのこめかみを殴り大きい斬擊を繰り出す。

クラリスはすんでのところでガードして致命傷を避けたがガードしきれなかったところがあり鎖骨辺りが切られ出血する。

クラリスは大きく後退し、遥と合流する。

 

遥「クラリス!その怪我大丈夫!?」

 

クラリス「ああ…致命傷じゃない、まだ戦える…長くは、持たんかもな。」「…テオは…。」

 

ドカーーーン!!!

 

クラリス「今度はなんだ!?」

 

テオドーチェ「うわーーっ!」ヒューンドサッ!ゴロゴロゴロ…

 

爆発が起こり爆風の中からテオドーチェが吹っ飛ばされてきて転がってくる。

 

遥&クラリス「テオ!」

 

テオドーチェ「いたたたた…。」ピヨピヨピヨ「卑怯なのだ~…多勢に無勢なのだ~…。」ピヨピヨピヨ

 

遥「テオがこんなになるなんて…。」

 

クラリス「…!あれは…。」

 

クラリスの見た光景にはステラがロケットランチャーをもって浮遊している姿が見えた。

 

~何があったのか~

 

ステラ「えいっ。」ガスッ

 

テオドーチェ「わーっ、上からちょこまかとすばしっこいのだ!あっちいけなのだ!」ゴウンッ!

 

ステラ「む、炎。離脱する。」ビューン

 

アルマリア「テオ様、上ばかりみてると足元を救われてしまいます!」「ブラッドニードル!」ズガガガガガ!

 

テオドーチェ「わーっ!トゲだらけなのだーっ!」ピョンピョン「まるごと吹き飛ばすのだ!天才悪魔の大爆炎なのだ!」ググググ…ボン!

 

両手に魔力を込めて大爆炎を作り、トゲを吹き飛ばす。

 

アルマリア「あつっ…!」「流石テオ様、技の威力はソフィーナ様の引けを取りませんね…!」

 

テオドーチェ「そうだろう!そうだろう!テオの魔力はすごいのだ!」「そしてくらえ!天才悪魔が作り出した火炎放射なのだー!」ググググ…ボォォォォォォ!!!

 

両手に魔力を込めて、大きな火炎放射を産み出し辺り一帯を燃やし尽くす。

 

アルマリア「ブラッドバリケード!」ボボボボボ「うっ…あついっ…!このままだと盾ごと溶かされるか、蒸し焼きです…!どうにかしなくては…!」

 

エルエル「アルマリア、任せて!」「ん~っ…『エールフレンド·明日翔!』」ピカーッ「アルマリア、エクシードリンクだよ!」

 

アルマリア「エルエルさん、あなたいつから…!?いえ、今はその力を頂きます!」「エクシードリンク…『血の盟約』」ブーーン

 

アルマリアは血のバリアをまとう。

 

アルマリア「準備はできました…おしまいです!」サッドボン!

 

火炎放射の中をアルマリアはつっこむ。

 

テオドーチェ「うおおおお!!!蒸し焼きなのだ~っ!」

 

アルマリア「テオ様、私はここです!」ボンッ!

 

火炎放射からアルマリアが姿を表す。

 

テオドーチェ「えぇ!?こんな爆炎をどうやってつっこんできたのだ!?」

 

アルマリア「私の『血の盟約』は、一度だけ相手の攻撃を受け流せるんです!」バババババッ「もうあなたは、逃げられません!」ズドドドドドドド!!!

 

血液で無数の剣を作り出し、テオドーチェに一気に振り下ろす。

 

テオドーチェ「なかなかやるな、だが!ん~えいっ!」ボッ!パラパラパラ…「防いでしまえばこっちのものなのだ!」

 

上に炎のバリアを作り、血の剣を弾き床に落とす。

 

アルマリア「いいえ、言ったでしょう。逃げられないと!」グッ

 

シュルシュルシュルシュル…バシーーン!

 

テオドーチェ「わっ!身動きが取れないのだ!どうなっているのだ!」ジタバタ「うーっ!トゲが刺さって痛いのだ!」

 

弾いて床に落ちた血の剣はその場にとどまり血のいばらの蔦へと姿を変え、テオドーチェの体を縛った。

 

アルマリア「ステラさん!今です!」

 

アルマリアは飛んでいるステラに声をかける。

 

ステラ「了解。」「私は既に、『モード·ファリーハ』に移行してる。」「ランチャー、発射。」バシューン!

 

テオドーチェ「わーっ!まだ死にたくないのだ~っ!」

 

ヒュルルルルルドカーーーン!!!

 

ステラ「直撃なら木っ端微塵、してなくても大ダメージ。」

 

テオドーチェ「うわーっ!!」ヒューンドサッ!ゴロゴロゴロ…「いたたたた…。」ピヨピヨピヨ…

 

~回想終わり~

 

テオドーチェ「危うく木っ端微塵だったのだ~…。」ピヨピヨピヨ

 

クラリス「テオ、すまない…。」

 

遥「…どうやら、休んでる余裕はないみたい。」

 

遥班の前には天音チームの面々がならび、取り囲んでいる。

 

勝敗はいかに…。




ミルドレッドだ。
どうやら天音とやらのチームは遥班とやらを追い詰めている。
私は青蘭カップを優勝すれば実績になるとは言ったが、果たしてお前たちは私が"視た"因果を書き換えることができるか?
そして明日翔、そろそろ私とのダンスも幕引き…どちらのステップを止めるか決着だ。

次回「危険と情熱のパソ·ドブレ·後編」
私とのダンスは、楽しかったか?
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