怪盗紳士明日翔   作:どこかにいる一般人

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徐々に遥班を追い詰める天音チーム。
ミルドレッドとの戦いに一進一退の攻防を繰り広げる明日翔。
この戦いも終わりを迎え始める。
この二つのチームの勝敗の行方は、二人のダンスのフィナーレは一体どうなるのか…。


危険と情熱のパソ·ドブレ·後編

~5月28日·アリーナ~

 

遥「はっ…はっ…みんな、まだやれるよね!」

 

クラリス「当然だ…風紀委員がこんなところで倒れるわけには行かない。」クラッ…「…ふぅ。」

 

テオドーチェ「あう~…。」ピヨピヨピヨ「はっ!!!」ブルブルブルブル!!!「ふ、ふん!1年生のくせにテオに膝をつかせるとは、なかなかやるのだ!」

 

遥班を追い詰めた、遥は度重なる継戦によりスタミナが切れかかりクラリスは紗夜の一撃を防ぎ切れずに鎖骨辺りを切られ出血が止まらない状態。テオドーチェは多勢に無勢をしかれて大ダメージを負いほぼ戦闘不能。

 

エルエル(膝どころか体が地面にぴったりくっついちゃってたっけど…。)

 

遥「クラリス、どのくらい戦えそう?」

 

クラリス「…わからん、ただ長くは戦えない。すぐに決着をつける必要がある。」「…例の計画をやるか、暴走しそうであまりやりたくはなかったが…このままじゃ私は失血死だ。」

 

遥「そうだね、このままだと私も危ないし…。」「すぐにやろう。テオ、頑張っておきて!」パンパン

 

テオ「むぅ、痛いのだ!目は醒めてるのだ!」「ちょっと"やる時"に補助が欲しいのだ!」

 

遥「よし…いこう!」

 

逆転勝利を決めるための作戦を決める遥班。

 

~明日翔視点~

 

一方明日翔はというと、ミルドレッドと一進一退の攻防を繰り広げる。

 

明日翔「っと、いよぉ~ぉ。」スチャッ

 

ミルドレッド「ふっ。」スチャッ

 

お互いに武器を構える、明日翔は棒と拳銃を、ミルドレッドは2丁のマグナム拳銃を。

 

バゴーーーン!!!

 

明日翔「おぉ?」チラ「そろそろ俺たちも幕引きかもな。」

 

ミルドレッド「ふん、私は続けてもいいが?」

 

明日翔「冗談キツイぜ、こちとらもう疲れてるんだっての。」

 

ミルドレッド「ふふふ…いくぞ!」バッ!

 

ドギューン!ドギューン!ガキン!ドカン!ドカン!バシッ!ヒュッ!ドカン!ドギューン!

 

~チーム天音視点~

 

そしてチーム天音視点、緊張感の走る遥班とは対照的にチーム天音は押せ押せムードだ。

 

天音「ここが勝負どころだよ!相手は攻撃型チームだから…。」

 

アルマリア「攻めが止まった今がチャンスということですね!」

 

ステラ「速い攻めなら任せて。」

 

エルエル「あたしも行くよー!」

 

アルマリア、ステラ、エルエルが、立ち上がった風紀委員チームに向かって攻撃を仕掛ける。

 

クラリス(よし…始めよう。)「テオドーチェ、準備は!?」

 

テオドーチェ「よし、ちょうどいい時間なのだ!」

 

アルマリア「時間…?一体なにを…。」

 

テオドーチェ「遥、テオを上に投げるのだ!」

 

遥「よし、いくよ?」スッタッタッタッタタタタ…「んーとんでけーっ!」ポーイ

 

テオドーチェ「うおおお!!!姿を表すのだ!!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ… 

 

天音「あっ…上!」

 

ナイア「!?なんだあれ!?」

 

チーム天音たちは上を見上げる。見上げた先にあったのは…巨大な火球。アリーナと同じ照明で偽装されたそれが、テオドーチェが近づいたことにより姿を表した

 

テオドーチェ「ずっと溜めに溜めてた…『黒き讃美歌』ストロベリーアンセムなのだ!」

 

巨大な火球はみるみる大きくなり、けた違いの威力を宿し始める。

 

ステラ「撃ち落とす、アルマリア。援護お願い。」ビューン

 

アルマリア「任されました!」

 

クラリス(テオが狙われた!今テオは無防備、やられたら逆転の目はなくなる…!)「遥、私をテオのもとに投げろ!私に任せてくれ!」

 

遥「え、えぇ!?クラリスも!?」

 

クラリス「いいから早く!」

 

遥「え、えぇーい!」「いっけー!」ポーン!

 

クラリスを飛んでいるステラの元に勢いよく投げる。

 

クラリス(こればっかりは付け焼き刃の剣になる…だがやるしかない…!思い出せ…昨日見た…侍の太刀筋!)

 

~~

 

歌右衛門「でやぁっ!たぁぁぁっっ!!ぜやぁぁぁっっ!!!」

 

キンッ!!!ジャキッ!!!ズシュッ!!!ザシュッ!!!…パカパカパカパカンッ

 

~~

 

ステラ「そんなところで止まっていたらただの的…ミサイル準備完了…バレッジ発射!」ズドドドドドドド「止めの一発。」ドカン!

 

おびただしい数のミサイルとロケットランチャーをテオドーチェに向かい発射する。

 

クラリス「させるわけにはいかん!」ジャキッ

 

テオドーチェ「クラリス!」

 

クラリス「テオ!お前は集中しろ!」

 

クラリスは持っていた刀を逆手持ちに変え、ミサイルたちを正面に構える。

 

クラリス(余計な考えは捨てろ…待て…まだ待て…。)

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

クラリス「…今だ!」ボッ「はぁっ!だぁっ!せやぁっ!」キンッ!!!ジャキッ!!!ズシュッ!!!ザシュッ!!!「っ!でいゃぁっ!」キンッ!!!

 

クラリスの左目が青く輝き、全てを見切るようにおびただしい数のミサイル、そして最後に飛んできたロケットを全て切って一つも起爆させずに切り落とす。

 

ステラ「…!ミサイルが一瞬にして…!」

 

クラリス「お前だけでも持っていく!」ギューーン!「居合一閃!」ザシュッ!

 

ステラ「…ぐっ!」「エンジン機関部、飛行ユニット損傷…!飛行制御不能…不時着する…!」「あと…頼んだ。」

 

ヒュルルルルル…ドカーーーン!!

 

~観客席~

 

ザワ…ザワザワ…

 

ステラ「身体ユニット基幹部破損…活動継続不可…オフ…ライン…。」ビビビビ…プスプス…ガクッ

 

ステラは操縦機能を失い、観客席に落下。落下の衝撃で身体ユニットの基幹が破損し、活動限界に達し事切れる。

 

セニア「派手に破損しましたね…白の世界に連絡して修理依頼を出します。」

 

シルト「それよりあの人の剣…もしかして…。」 

 

歌右衛門「うむ…間違いない。」

 

~チーム天音視点~

 

アルマリア「ステラさん!…くっ!」

 

クラリス「私が動ける限り…お前も…持っていく!」スタッギューン!

 

着地して、超高速でアルマリアの元に飛んで刀を体の前で逆手持ちに構える。

 

アルマリア「ブラッドソ─…はっ!」(しまった、血液が足りない…ガス欠!)

 

クラリス「!しめた!」「…心眼解放!いざ、参る!」ギューーン!

 

アルマリア「…!」

 

アルマリアはこの瞬間、この時この瞬間がゆっくりに見えた。人がみる走馬灯。自分が敵に切られる瞬間…その刹那をアルマリアは見ている、そしてその瞬間アルマリアは思い出していた。

 

アルマリア(私は知っています…!この…剣は…あの時の…!)  

 

~~

 

歌右衛門「でやぁっっ!」シャキィッ! 

 

歌右衛門が木の上から降ってきて、居合い抜きの要領で刀を抜きアルマリアの首元に峰を押し当てる。 

 

歌右衛門「動けば、斬る。」

 

アルマリア「うっ…!」

 

~~

 

アルマリア(あの時の、侍の太刀筋…!)

 

ザシュッ!

 

アルマリア「うっ…くっ…あぁ…。」ドサッ…

 

紗夜「アルマ!」

 

クラリス「はぁ…はぁ…安心しろ、峰打ちだ。…強めに打ったから、目覚めは少し遠いがな。」

 

~明日翔視点~

 

明日翔「歌右衛門の刀を真似やがったな?さてはあいつ、ちょっと仕込みやがったな?よくやるぜ。」 

 

~チーム天音視点~

 

クラリス「はぁ…はぁ…。」ガクン 

 

クラリスは膝から崩れ落ち、刀を床にさして支柱になんとか体を倒さずに保っている。

 

クラリス「慣れないことをしたもので、余計な体力を使ってしまったな…。ふふ…私も修行が足りんな。」

 

紗夜「よくもアルマを…!」シャキン

 

クラリス「…また会ったな。この状態だと、君を相手にしたくないな。」ヨロヨロ「だが、すぐに終わる。…テオドーチェ!時間だ!」

 

テオドーチェ「クラリス!ありがとうなのだ!テオ様のストロベリーアンセムはさらに大きくなったのだ!これでイチコロなのだ!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ

 

テオドーチェ「これでテオ様の勝利は決まって─。」

 

クラリス「いや!テオドーチェ、前をみろ!」

 

ドシュッ!

 

テオドーチェ「がっ!!!!!」「…な、なんで…なのだ…お前の弓は…。」ヒューーン…ドサッ

 

天音「…私の弓がいつ、敵を攻撃できないって言ったかな?」

 

遥「そ、そんな…。」ガックリ「!…いや、クラリス!すぐに逃げて!」

 

クラリス「遥、何をいって─。」「…!?」

 

勝ち誇ったテオドーチェがストロベリーアンセムを投げようとしたとき、天音が弓をテオドーチェに放ち胸部にヒット。体を貫き、元からかなり消耗していたテオドーチェを再起不能にする。しかし、誤算があった。

 

エルエル「あのおっきい火球が…消えてないよー!?」

 

ストロベリーアンセムは消えること無くフィールドに落ちてくる、衝突も秒読みで一刻を争う状態。

 

ナイア「こいつはまずい…!アヴェンジェリア!」ゴウン!(しかしどうする?あたしの能力でも全ては受け止められない!それどころか貫通してみんなに…!だったら…!)ダッシュ!!!「あたしは二人に託す!」

 

ナイアは紗夜と天音の前に立つ。

 

天音「ナイア!?何をして─。」

 

ナイア「あと…頼んだよ。」ニヤ

 

エルエル「ナイアちゃん!」(まだあと1分明日翔くんの力が残ってる!…よし!)「αフィールド展開!ナイアちゃん!私もやるよ!」ガクガクガク

 

ナイア「エルエル…ありがとね。」

 

ドッガアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

ナイア「ぐあああああああああ!!!!がっ!!!!あああああ!!!!!」

 

エルエル「ううううううううう!!!!」

 

紗夜「ナイア!!!エルエル!!!」

 

天音「!紗夜!!!」ガバッ!

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…

 

少しして、当たり一面を吹っ飛ばし焼け野原になってしまったフィールド。そこにいたのは盾になって倒れたナイアとエルエル。盾になってくれたお陰で命拾いをした紗夜。先に気づき逃げてダメージを回避できた遥とクラリス。

 

紗夜「くっ…天音、無事…?」

 

天音「……。」…グッ

 

紗夜「…天音…。」…ギュッ

 

天音は紗夜の手をつかんでいた、紗夜は握り返して。クラリスと遥の面前に立つ。

 

クラリス「どうやら…形成は逆転したらしいな…。」「今戦えるのは、お前だけだ。」

 

紗夜「っ…!」

 

クラリスと遥班は紗夜ににじり寄る。

 

紗夜(どうする?考えろ…考えろ…!)

 

ナイア「…いーや、まだ残ってるぜ…このあたしが!」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

紗夜「!ナイア!」

 

クラリス「なんだと!?」

 

満身創痍、全身傷だらけだがなんとか立ってアヴェンジェリアを押さえつけているナイアが立っている。

 

ナイア「アヴェンジェリアで押さえきれなかったダメージは…エルエルが受けてくれたよ…。」

 

エルエルは5分間だけαドライバーの明日翔の力をその身に宿すことができる。αドライバーは本来プログレスのダメージを肩代わりする性質がありその性質を利用してダメージを肩代わりしナイアのダメージを減らしたのだ。しかし、それでもアヴェンジェリアのダメージの許容量を大きく越えていた。

 

ナイア「あたしが自分で受けた…普通なら死んでる…あたししか受けられなかった。」「はーっ…はーっ…あたしのアヴェンジェリアは…過去最高にイキイキしてるよ!」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

遥「…ナイア、今日は君と戦ってばかりだったね。」「これで決着だよ、どんとこい!」

 

ナイア「食らえ!」ギューーーーン!!!

 

遥「んんん!!!」ガシッ!!!(くっ…!威力が…けた違いに強い…!)ググググ…!!!

 

ナイア「吹っ飛ばせ、アヴェンジェリア!」ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

遥「わ…わ…!」ドガーーン!!!「わーーーっっっ!!!」ドッシャーーーン!!!

 

ナイア「はーっ…はーっ…。」

 

アヴェンジェリアで遥ごと一面を吹き飛ばし、砂ぼこりが舞う。砂ぼこりが晴れた先には遥が地面に倒れているのが見えた。

 

ナイア「はは…ちと…働きすぎちゃったね…。」フラフラ「これで…お互いサシだ…。」ガクン…

 

紗夜「ナイア…ナイア!」

 

ナイア「へへ…紗夜~?…あと…よろしく…。」ドサッ

 

そう言い残しナイアは事切れた。今この戦場の上で立っているのは紗夜とクラリスのみ。

 

クラリス「…どうやら戦えるのは私たちだけのようだな。」「まったく…テオドーチェめ。秘策があるから任せろと言うから任せてみれば…。」グラッ「…ふぅ、まぁ、最後が剣士同士の戦いというのも悪くないか。…互いに打てて数太刀というところだろう…。」「構えろ、話題の新鋭チームのエースのカ…見せてもらおうか。」チャキッ

 

クラリスが選択した構えは…逆手持ち。昨日一戦交えて記憶した歌右衛門の居合い抜きの構え。クラリスは目を閉じ、紗夜の剣を待つ。

 

紗夜「…!」ギューーーーン!

 

クラリスの殺気を感じた紗夜が先に仕掛ける。何度も練習した、彼女の最速の突進技だ。それを感じとる刹那昨日のことを思い出す。

 

~~

 

ガイン!

 

クラリス「くっ!」ドサッ「…もう一度、やらせてくれ!」チャキッ

 

歌右衛門「…。」スチャッ

 

クラリス「はぁぁぁっっっ!」スタタタタ!

 

歌右衛門「でやぁっ!」ガキン!

 

クラリス「うっ!」

 

向かってくるクラリスの刀を遠くへ弾き返し、一瞬にして首筋に刀の峰を押し当てる。

 

ビューーン!!!チャキッ

 

歌右衛門「…1本。」

 

クラリス「…参った、情けないな。強かった、1本も取れなかった。」「ここまで力の差があると、どこに反省点があるのか、わからないな。」

 

歌右衛門「天の使いの剣士よ、お主の刀は鋭く力強い。」「だがそれだけでは足りん、自然と調和せよ。見たままの全てが真実だとは思わんことだ。」「我とて未熟、流れは常に見えるわけではない。見えなければ一度止まるがいい、お主ほどの鍛練を積むものであれば我なぞ優に越える。」スーーーーー…チンッ「明日の戦い、別の人間の応援であるが観戦する。健闘を祈る。」

 

~~

 

クラリスは目を閉じ、"視る"。すると目を閉じて視覚的情報は遮断されているにも関わらず。紗夜の姿形、太刀筋、そして魂を見通した。

 

クラリス「ふむ…勝ちたいという気持ちに溢れた、いい剣だ!」「だが…まだ甘いな。私には、君の勝ち筋が『視えている』…だから。」「私はそこにカウンターを合わせるだけでいい。」「…ここだっ!」ジャキイッ!

 

紗夜「…あっ…う、うぅ…。」フラッフラッ…

 

クラリス(昨日の侍との一戦がなければ、視きれなきったな…。)「手応えはあった。これで私たちの勝ちが─。」

 

紗夜「本当に…そう思う?」フラフラ…

 

クラリス「何?」  

 

紗夜「私たちは…ずっと…とある人に騙されてきた。」「見るもの全てが…真実じゃない…。」「だから…!その人はこう言った。」

 

~~

 

明日翔「何かをするときは、二重にも三重にも保険をかけろ」

 

~~

 

紗夜「って…!」フラフラ…ドサッ

 

天音「!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ「食らえ!!!!!」ドスッ!!!

 

紗夜が倒れる瞬間後ろから倒れていたはずの天音が急突進し、手に強く握った青い矢を全身全霊を込めてクラリスの胸部に突き刺した。

 

クラリス「ぐあっ!?がはっ…!…なん…だと!?」グラッ…

 

天音「へ、へへ…死んだふり作戦…大成功…。」「紗夜が、手を握ったあの瞬間で気づいてくれてよかった…。」「はっ…はっ…明日翔くん…ようやくチームで君に…恩返しが…。」

 

クラリス「ふ…ふふ…やはり私は、未熟だったな。そこまで…見通せなかった…がはっ。」「ひとつ…いいことを君に教えよう…。」

 

天音「…?」

 

クラリス「私たち風紀委員…遥班が遥班たらしめれる理由…それはな…。」「絶対に、諦めないことだ。」ドサッ

 

遥「シャイニング·フィストッッッッ!!!」ドカァッ!!!!

 

天音「!!!しまっ─ぎゃぁっ!」

 

なんと遥はあのアヴェンジェリアをもろに食らったが、自力で立ち上がりここまで届いていた。完全に油断した天音の脇腹に渾身の拳がめり込む。

 

遥「全身全霊!!!」「でいっ!でいっ!でいっ!!!」ドカッ!ドカァッ!!ズガァッ!!!「やあああああああ!!!」ズドドドドドド!!!「これでトドメ!!!!」ボガァァァァン!!!

 

右ストレートを3発叩き込んだあと、天音の体に無数のパンチを連打したあと顎めがけて渾身の左フックを叩き込み、天音を地面に叩きつける。

 

天音「…っ…!」ドシャァァァン!!!…ガクッ…

 

遥「うおおおおおおおお!!!」

 

ワアアアアアアアアアアア!!!!

 

遥は勝利の雄叫びをあげ、観客の完成を煽り割れんばかりの完成が遥を包んだ。

 

遥「ふー…まさか天音ちゃんが同じこと考えてるなんて…クラリスが2人の気を引いてくれなきゃ負けてたのはこっちだったよ。」「私たちは風紀委員。やられたって何度でも立ち上がる。私たちが倒れたら、その後ろには誰もいない。その意地が、 私たちの勝因かな?」

 

ピーンポーンパーンポーン

 

ナクル「決着!青蘭カップ優勝は、 『風紀委員·遥班』~!」

 

遥「よいしょっと。」チョコン「あとは…あの人だね。」

 

~明日翔視点~

 

明日翔「あいつら、ダメだったか。悪いことしちまったな。」

 

ミルドレッド「当たり前だ。前もいっただろう?出来るわけがないと。」

 

明日翔「へへ~ん、お前さんさてはこの試合"視てやがった"な?」

 

ミルドレッド「さして興味はないから視た。だが…。」「お前との決着は"視ていない"。」チャキッ

 

明日翔「あっそう。じゃあ、ここらで俺らも幕引きといこうか?」チャキッ

 

互いに構えて、しばしの静寂が流れる。

 

明日翔「行くぜ!」ドギューン!ドギューン!

 

ミルドレッド「ふっ!」スッフッ「…っ。」ドガン!ドガン!「せいっ!」ブンッ!

 

明日翔「よっほっ。」ヒュッスカッ「うりゃっ!」ブンッ!

 

ミルドレッド「ぬんっ。」ガキン!スチャッドカン!

 

明日翔「おおっと。」ヒュッ「いぃよっと!」ガッ!ピョーン!

 

ふたたび棒を支点とし、跳躍し後ろを取ろうとする。

 

ミルドレッド「!油断したな。はっ!」ガスッ!

 

棒で跳躍しようとした明日翔の隙をつき、支点となっている棒を足払いでバランスを崩し

 

明日翔「あいやーっ!?」ドシーーン!!!「いちちち、やりやがったなこんの!」スチャッ

 

ドガン!ガシャーン!!!

 

明日翔「ひぇっ!あぶね~ったく、お返しで…ありゃぁ?」ポロポロッ

 

銃を撃とうとしたらミルドレッドの射撃の方が早く、幸いにも弾は当たらなかったが銃本体に直撃したらしい。銃身が威力で消し飛んでしまいバラバラになってしまった。

 

明日翔「このやろう!」ガシャン!

 

お返しといわんばかりに棒を振り、ミルドレッドの持っていたマグナムピストルを1本弾き床に落とす。

 

ミルドレッド「っつ!銃はまだある!」スチャッ

 

明日翔「こんだけ近けりゃ、こんな手段だってあるぜ!」カチャッカチャッ「おらよっ!」ブンッ

 

ミルドレッドのもう片方のマグナムピストルを隙をついて、マガジンを抜きスライドを引いてチャンバーの弾を抜く。

すぐさま棒を構えて振りかざす。

 

ミルドレッド「こざかしい真似を!」ポイッバシッ「でいっ!」ブンッボキッ!

 

明日翔「ぐえっ!」ドシーーン!!!「ありゃぁ、もったいない。」

 

弾のないマグナムピストルを捨て、棒をキャッチ。棒を奪い明日翔を投げ捨てて棒を叩き折る。

 

明日翔(さぁて、どうするか…。ハジキも武器もねぇ、ステゴロじゃあ勝てるわっきゃねぇ。こいつぁこの俺様でも詰みか?…いや)チラ(あれに賭けるっきゃねぇか。)

 

ミルドレッド「…。」チラ(やつの狙いはあれか、なら…私はそっちか。)

 

互いに見たのは落ちている2丁のマグナムピストル、一つはマガジンを抜き間違いなく弾が無い1丁目、だが落としたマガジンを突っ込めば何発か撃てる。もう一つはマガジンが入ってるが弾がいくつ撃てるか不明の2丁目。

 

ジリジリ…

 

明日翔「俺はこいつに賭けるぜ!」ガバッ!「いよっと。」スチャッミャキッ

 

ミルドレッド「勝負だ!」ガバッ!チャキッ

 

俺は落ちているマガジンを拾って、弾のないマグナムピストルに突っ込みスライドを引く。

 

明日翔(残弾は3発か、無駄には出来ねーな。このハジキの装弾数は弾の種類を見る限り8発、アイツのぶっぱなし方を考えるとむこうの弾もそう多かねぇ。)「根比べといくか。」スタタタタ

 

ドガン!ドガン!ドガン!

 

ミルドレッドの銃弾を躱し、間違いなく銃弾が当たる距離に到達する。

 

明日翔「この距離なら外さねぇ!」ドガン!

 

ミルドレッド「!」ピュン!…タラリ「少々、近すぎたようだな!」ガシッ「ぬぅぅん!」ドシャァッ!

 

明日翔「ぐえっ!」

 

撃った銃弾はわずかに照準がずれミルドレッドの頬を掠めた、ミルドレッドは怯むこと無く明日翔の首根っこをつかみ、地面に叩きつきる。

 

ミルドレッド「これで終わりだ!」チャキッ

 

明日翔「!」チャキッ!

 

ドカン!

 

お互いに銃を撃つ。銃声が鳴り響き、静寂が木霊する。

 

ミルドレッド「…これで詰みか?」ブシャッ…ポタッ…

 

明日翔「最後の最後でツキが回ってこなかったか。」ポイ「降参、降参ですよ。」

 

ミルドレッドは肩に弾丸が直撃、肉はえぐれ出血しているが俺の頭にしっかりとマグナムピストルの銃口を押し当てている。一方俺はミルドレッドの弾が外れて九死に一生を得たがチャンバーのスライドに石が挟まり弾詰まりを起こしていた、つまりもう撃てない状態になった。

俺は銃を捨て、両手をあげて降参の意を示す。

 

ミルドレッド「私の勝ちだ、お前がお遊戯会にかまけて私の誘いを断ったのはこれで不問にしてやろう。」「…はぁ、傷が残るような怪我までする予定はなかったのだが。こうなるのであれば"視て"おけばよかった。」

 

銃弾を受けたところを擦る。

 

明日翔「勘弁してくれよ、こっちはこっちの事情があんだからよ。」「それよりもピストルの弾が効くなんて驚きだな?前はちょっと赤くなるだけで血も出てなかったじゃねぇか。」

 

ミルドレッド「黒枢城は私に有利になるような魔法の細工を施している。あれは私が建てた城だぞ?加護みたいなものだ。」「ここではその加護はないし、なにより一応は人間の設定でここにいるものでな?魔法は使えん。」

 

明日翔「魔法が使えなくてよかったよ、魔法まで使われちゃ1人じゃ善戦もできゃしねぇからな?」

 

ミルドレッド「ふっ、どうだがな。」スタスタ

 

明日翔「おい、もういっちまうのか?」

 

ミルドレッド「私よりも、治療を必要としてる人間があっち多くいる。私は黒の世界に帰りさえすれば治る。」「近いうちに慰労という形でディナーでもしよう、招待状はソフィーナ経由で送っておく。」「風紀委員の人間たちに、よろしく伝えておいてくれ。…楽しかったぞ。」スタスタ

 

ミルドレッドは肩口を抑えてその場を去っていった。

 

明日翔「…。」

 

スタッフ「えっほ、えっほ、えっほ。どいてー!どいてー!」

 

担架に運ばれるチーム天音たちと風紀委員たちが通りすぎる。

 

明日翔「本来裏方が戦いすぎるってのも、考えもんだな?」

 

遥「…あ、いた。明日翔くん!」タタタタ

 

テオドーチェを背負った遥が近付いてくる。

 

明日翔「?ああ、遥のお嬢さん。」

 

遥「明日翔くん、怪我はない?…あれ、あの人は?」キョロキョロ

 

明日翔「一足先に帰ったよ、よろしく伝えてくれってさ。」

 

遥「えぇ!?困るよー!表彰式があるのにー!」

 

明日翔「決勝メンバーのほとんどが救急送りじゃ、表彰式もできっこねぇさ。表彰式は延期にでもしてもらうように、ミコトにでも口利きしとくわ。」

 

遥「え、えぇ…?…そう、わかった。」「今回戦ってチーム天音は強かったよ、でも…。」

 

明日翔「でも、なんだ?」

 

遥「明日翔くんのことは、あの人の件もスタジアムの謎の怪物退治の件も踏まえて…少しだけ怪しくもみてる。正直ね。」「けど、いい人なのはチーム天音のみんなを通してわかったから!またよろしくね!」

 

テオドーチェ「は、遥~…へろへろなのだ~…休みたいのだ~。」

 

遥「あーあー、ごめんごめん!」「じゃ、明日翔くん。またね!」スタタタタ

 

テオドーチェをあやして遥は去っていった。

 

明日翔「はぁ~あ、とりあえず俺の仕事も一段落か?もう今月いっぱいは休暇にさせてもらおうじゃないの。」「疲れたぜ…!」

 

~観客席~

 

ソフィーナ「…あー…よかった。大事にならなくて。」ゲッソリ

 

城琉「突っ込みどころは色々あるが、上手く収まったな。」「歌右衛門、お前さんが入れ知恵しなけりゃ勝ってたんじゃないか?」

 

歌右衛門「いや、元より彼女たちの技量·力·精神と共に優れていた。我の稽古がなくとも、勝ちは薄かったであろう。」「なにより魔女王殿下もいらっしゃった、どの道明日の字の手は借りられなかったと思われる。」

 

美海「魔女王さん、あんなにアクティブに動けるんだね?」「前の留学の時は魔法でばばばーん!って感じだったけど。」

 

ソフィーナ「あれは身分を隠している都合上魔法も使えないし、少しでも怪しまれないようにした結果ね。」

 

セニア「考えた末出した結論が、素手と銃というわけですね。」

 

シルト「明日翔…負けちゃったねー?一人でも互角に渡り合ってたようにみえたなー。」

 

ソフィーナ「相当手加減してたのよ、魔法も使えないんじゃ黒の世界の戦い方は出来ない。」「…もしかしたら先月の一戦で、人間らしい戦いをあそこから学んだのかしらね。」

 

セニア「…人間らしい戦い…。」「…本来経験のある素手だけでもよかったと思いますが、そこに銃を加えたのは恐らく明日翔…城琉の影響もあるのではないでしょうか。」

 

城琉「あんだ、俺か?」

 

セニア「はい、先月の一戦で銃を使いミルドレッドに対抗していたのは城琉ただ1人。ミルドレッドが握っていたのはマグナムに該当する拳銃ですから。」

 

城琉「だったらせめてリボルバーを握ってほしかったもんだ、、デザートイーグルは俺の趣味じゃねぇ。」

 

ソフィーナ「その辺は本人に聞かないと分からないわ。…こんなミルドレッドは初めて見るもの。」「そのうち分かるでいいんじゃないかしら、負けた本人は一仕事終えたような顔してるし。」

 

城琉「じゃ、アイツ労ってくるか。」

 

美海「紗夜ちゃんの状態も気になるし…紗夜ちゃんのところに行こうかな。」

 

ソフィーナ「搬送される病院は多分あっちよ、夕飯までには戻ってきなさい!」

 

美海「はーい!」

 

青蘭カップ閉幕、負けどすれ輝きは衰えない─。

 




俺の仕事も終わったししばらくの休暇!
アイツらのお見舞いもいかないといけないしな、やることがたくさんあるぜ。
急に時間ができても昔何をしてたか、思い出せないときってあるよなぁ?
次回「謹慎は悪党の休息」

また会おうぜ?
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