ひろがるスカイ! プリキュア 〜信じる限り願いは叶う〜 作:hayato0121
今回はスカイランドのお話です。
それではどうぞ!
ここは空中に複数の浮島が存在するスカイランドと呼ばれる世界。
この世界では人間と様々な鳥達が互いに手を取り合い仲良く過ごしている。
中でも王城が聳える城下町のある浮島は他の浮島と比べても一際大きく、大勢の人や鳥達がこの浮島で過ごしている。
「わぁ・・・・」
そして遊覧鳥の背中に乗っている彼女【ソラ・ハレワタール】は空から見える景色に興奮を隠せずにいた。
「チョイチョイチョ〜イ!? ちゃんと捕まってないと落ちるでお嬢ちゃん」
「はっ! わぁ〜! おぉ〜」
遊覧鳥が捕まってるように注意するがソラは気にせず辺り一面を隅々まで眺めていた。
「怖くないんか?」
「このくらいの事を怖がっていたらヒーローは務まりません!」
「ヒーロー?」
「はい! 私・・・・あっ! あれが・・・・」
「せや! スカイランドのお城や!」
するとソラは目的地であるスカイランドのお城が見えてくると町はお祭り騒ぎ、城の周りでも花火が打ち上げられていて何かのお祝いでもするかのような賑やかさ全開だった。
「おめでとうプリンセス!」
「王様バンザーイ!」
そう。この日は国王様と王妃様の娘、プリンセス・エルの誕生日でそれをお祝いする為に町はとても賑わっていたのだ。
「ハッピーバースデー。キラキラ輝く私の一番星」
「プリンセス・エル。これからも健やかに・・・・」
そんなエルの誕生日を国王と王妃もとても喜んでいて、国王に抱っこされているエルも城のベランダから見える花火などの景色に夢中になっていた。
「ヌッフッフッフッフッ・・・・」
しかし、国王達の後ろに置かれていたエルのプレゼントの中にあった豚のぬいぐるみから不気味な声が聞こえてきた。
「ヌーッフッフッフッ」
すると豚のぬいぐるみが勝手に立ち上がった。
「だ、誰だ!?」
「ウーッ ダーッ! 俺様の名はカバドン! ハッピーバースデー。プリンセス・エル」
「「っ!?」」
ぬいぐるみが弾けると中からカバドンと呼ばれるモヒカンをした紫色の豚のような姿をした怪人が姿を現すとその手には爆弾が握られていて王妃が驚いている横で国王はエルを守ろうとカバドンに背を向けて自身の身体を盾にしていた。
「な、何だ!?」
そして城の方で紫色の爆発が起こると城下町の人達は城での異変に気づき怯えていた。
「え・・・・えらいこっちゃ!」
そしてその様子はソラと遊覧鳥からも見えていた。
「・・・・すみません。スピードを上げてください」
「はぁ? まさかクチバシ突っ込む気かい?」
「見て見ぬふりはできません」
「えぇ・・・・」
ソラから急ぐように言われた遊覧鳥は巻き込まれるのは嫌だと考えていたがソラはその逆で首を突っ込む気満々だった。
「あ〜っ、もう! ワイは適当な所で引き上げさせてもらいまっせ! しっかり捕まっといて!」
そして遊覧鳥はスピードを上げて急いで城の方へと向かった。
「ヒーローの出番です!」
その頃、城では爆風がようやく晴れてきて視界が見えるようになっていた。
「無事か?」
「えっ、えぇ・・・・わたくしは・・・・っ!」
そして王妃は国王が抱いているのがエルではなく豚のぬいぐるみである事に気づいた。
「ブヒ」
「プリンセスー!」
国王達がエルがいない事に気づいた頃、カバドンは既にエルをシャボン玉の中に閉じ込めて城の外へ出ようとしていた。
「プリンセスを返せ!」
「待てー!」
「待てと言われて待つ奴が何処にいるのねん。カバトントン」
それを兵士達がダチョウのような鳥に乗って追いかけていたが、カバドンが額の宝石に力を込めて鳥達の顔付近で軽い爆発を起こすと鳥達は興奮して暴れ出してしまいそれ以上追跡する事が出来なかった。
「ギャハハハハ! 俺TUEEEE(つぇ〜っ)!」
そしてカバドンは城の門を突破して城下町へと出てしまった。
「何が起こったの?」
「ママ怖いよ〜!」
城での騒ぎに住人達は混乱し、子供達は怯えていた。
「ありがとうございました!」
「気ぃつけてな!」
そこへちょうど城下町に到着したソラが建物の上に下ろしてもらうと遊覧鳥に感謝を伝えてその遊覧鳥はその場から飛び去っていった。
「キャー!」
「っ!」
「どけどけどけ! カバドン様のお通りなのね〜ん!」
ソラが悲鳴の聞こえてきた方角を見るとそこにはエルを抱えたカバドンが城下町を全力疾走していた。
「止めてみせます」
それを見たソラは背中に背負っていたリュックを下ろすと軽くジャンプを繰り返した後に助走で勢いをつけて高くジャンプして隣の建物の屋根の上に着地した。それから再び別の家の屋根にジャンプしたり、壁や手すりの上を走ったりを繰り返しながらカバドンを追いかけた。
「ムフフフフフ・・・・」
そしていつの間にかソラはカバドンより少し先を走っている事から先回りはほぼ成功しつつあった。
「っ!」
そこでカバドンが抱えているシャボン玉の中で泣いているエルを見たソラはより気合いの入った表情で更にスピードを上げた。
「我々で食い止めるぞ!」
『おう!』
そして町の出口では兵士達が自身の身体をバリケードにしてカバドンを止めようとしていた。
「ヌウッ!」
『ひゃ〜っ』
しかしカバドンは体当たりであっさりそのバリケードを突破して町の外に出てしまった。
「YOEEEE(よぇ〜っ)!」
そんなカバドンをソラは町の出入り口から離れた場所の道で腕を組んだ状態でカバドンを待ち構えていた。
「ん?」
カバドンも目の前で立つソラの存在に気づくとソラはクラウチングスタートをする為にその場でしゃがんだ。
「お前も吹っ飛ばしてやるのねん!」
「用意・・・・どん!」
そしてソラがスタートをきってそこから加速するとカバドンもソラを吹っ飛ばそうと身体に力を入れながら走り続けた。
そして2人の距離が2m以下になった所でカバドンはソラに体当たりをしようとするが・・・・
「馬跳びっ!」
ソラは両足を開いてジャンプすると両手をカバドンの頭の上に置いた後にその頭を足の踏み台にしてジャンプする事でカバドンの体当たりを回避した。
「えっ? ムホッ、ブホホホ・・・・」
それによってカバドンは体制を崩してその場で派手に転ぶとエルが入ったシャボン玉がカバドンの手から離れてそれをソラがキャッチしてシャボン玉からエルが解放された。
「えるぅ〜っ、えう?」
さっきまで泣いていたエルだがソラの微笑みを見て大人しくなった。
「ぐぬぬ・・・・お前! 誰なのねん!?」
「私はソラ! ソラ・ハレワタールです!」
「ぐぎぎ・・・・ソラ! お前の名前は覚えたのねん! 何故ならお前の墓石に刻む名前が必要だからなのねん!」
「ん?」
するとカバドンはソラに向かって自身のお尻を向けた。
「ウェルカム トゥ〜 ヘブ〜ン!」
カバドンはお尻から強烈なオナラを出した。
「あわわわわ・・・・くっさ〜! 何食べるとこんなに匂うんですか!? ケホッ、ケホッ、ケホッ・・・・う〜ん・・・・」
その匂いをまともに嗅いでしまったソラが悶えているとさっきまで抱っこしていたエルがいない事に気づいた。
「はっ! しまった!?」
「う〜、うぅ〜」
「いずれ必ずお返しに来るのねん。今日の所はさ・よ・う・な・ら」
カバドンはエルの口を自身の指で塞いだ状態で抱っこしていて、そんなエルを連れて自身が開いたゲートを通って姿を消した。
「こ、この穴は・・・・」
ソラはその穴から感じる邪悪な力に怖気付いたのかすぐには追いかけようとせず迷っていた。しかしゲートが徐々に小さくなって閉じようとしている事に気づくと覚悟を決めたソラはカバドン達を追ってゲートに飛び込んだ。
「あ〜、あ〜」
「うるさいのねん! 良い子にしないとまたシャボン玉の中に・・・・「待ちなさい!」 げっ!?」
カバドンは声がする方を見るとそこにはゲートを通って自身を追ってきたソラの存在に気づいた。そして自分達が通ってきたゲートは完全に閉じてしまった。
「ヒーローは! 泣いている子供を絶対に見捨てない!」
「わぁ〜!」
「ま、まさかここまで追ってくるとは・・・・さてはお前もこの子の力が欲しいのねん?」
「力? あっ! 前、危ないです!」
「えっ? 前? ブッ!」
ソラに指摘されてカバドンが前を向くとそこには顔より少し大きい岩がすぐそこまで迫ってきていてそれが顔面に直撃したカバドンはエルを手放してしまい、カバドンに当たった岩をソラは馬跳びで回避した。その時にソラは胸ポケットに入れていた手帳がポケットから出てきた事に気づいていなかった。
「あ〜、ああ〜」
岩が顔面に直撃したカバドンは気絶した状態で別のゲートの出口へと落ちていった。
「あぁ〜、えるぅ〜」
「手を!」
「えるぅ〜!」
ソラは空間を漂っているエルに向かって手を伸ばすとエルもソラに向かって手を伸ばしてその手を掴んだソラはエルを優しく抱きしめた。
「もう大丈夫です。パパとママの所に・・・・お家に帰ろう」
「っ! えるぅ〜」
ソラが優しくエルの頭を撫でていると抱っこされているエルはソラの中からペンの形をした何かを感じ取り自身の身体をソラに委ねた。
そんなソラ達の近くでカバドンが通ったものとは別のゲートが2人の目の前に現れた。
「出口でしょうか? うっ・・・・」
ソラはエルを抱きしめたまま目を瞑ると2人はそのままゲートを通ってその空間から外に出た。
「うっ、ここは?」
ソラが目を開いて周りを見渡すとその真下は見た事のない町があって自分達がその町の空中にいる事に気づいた。
「えっ? えっ? えっ? えぇ〜っ!?」
当然、空を飛べないソラはエルを抱えたまま地面に落下するしかなかった。
次回も楽しみに!