みやすさで別に分けます
注意事項
原作ルートの話は重苦しく、かなり精神的にやられる可能性があります
掲示板での蒼望ニアと同じらい『覚悟』がある先生方のみ観覧してください。注意事項を読まず、または軽い気持ちで見た先生方の苦情は一切受け付けません
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ハロー、キヴォトス。グッバイミレニアム
私の名前は蒼望ニア!今年からミレニアムサイエンススクールに入るピカピカの新入生!!
「ウタハ先輩!私、ちゃんと合格しましたよ〜!!」
「ふふ、分かってるから…あぁ、そんなにはしゃがないで」
くぅー、めちゃくちゃ勉強して合格できた喜びは素晴らしい。人生バラ色!!…っていうにはまだまだ早いかな、ここから実績積み上げていかないとね!!
「それじゃあ行きまっしょい!!」
その時は、こうなるって考えていなかった。たのしいもんだとずっと思ってた。キヴォトスってそこまで終局に近づいてないって
──そんな幻想が崩れたのは。ウタハ先輩と楽しくエンジニア部の活動をして暫くたった頃。ミレニアムの『とある場所』に行ってからだ
うわー、雨降ってきちゃったよ〜。傘持ってきてないし雨宿り雨宿り……そんなことを思いつつ、屋根の下に身を寄せる。そんなとき、ふと視界に入ったものに目が行く
「んー?なんだろあれ」
あれはただの作業用ドローンのはずだ、だけどここは安全地区。防衛用ドローンが居るような場所でもないから不自然だ……なんて思ってるとすぐに移動していく。そっちは…なんの区画だったっけ?
──好奇心は猫をも殺す、そんな言葉はあの時の自分にはなかった。行かなければあんな目には合わなかったのに
そのまま歩いてついていく、どうやらドローンはこちらには気づく様子もない。
そしてたどり着いて…いや、たどり着いてしまったのだ。
ミレニアムの『裏の顔』に
「な、なんなのこれ…っ」
目に映るのは大量の『殺人兵器の群れ』、明らかに自分の学校の防衛のためにあるものじゃない。どうやって他の学校と戦争するためのものだ
震える手で、自分の情報端末に手を伸ばそうとして──止めた
どう考えても、これは越権行為だ。だけどこんな事ができるところってなんだ?どこなら出来る?そう考える
エンジニア部?まずない、ウタハ先輩がこんなロマンの何もないただの人殺しの兵器を作るわけがないんだ
…じゃあヴェリタス?これは、有り得ると思う。反対勢力ならば体裁なんて考えないだろう、だけど。こんなに充実できるだろうか?なんの迷いもなく?
それに、こんなことしたらセミナーが黙ってないはずだ。許すわけがない
──あまり深く考えずにヴェリタスが悪いと思えばよかったのに
…セミナー?
せみ、なー…
せ、せみ
思わず。胃の中のものを外にぶちまける醜態を晒してしまう、危険な思考をしてるのは自分でも分かっている。だけど私の頭が考えることを止めさせてはくれない
──気絶でもしてれば、結果は変わってたかもしれないのにね
「セミナーなら、出来る」
まず情報の隠蔽、これは完璧に可能だ。それだけじゃない、何よりも資金面だ。セミナーであれば、ミレニアムの予算まで自由に扱えるだろう。おそらくは可能だ
じゃ。じゃあ……ユウカちゃんとノアちゃんもそれに加担してるかもしれないって
そう脳裏に思い浮かんだ瞬間胃の中のものを吐き出すだけ吐き出したのにそれでも嘔吐しようと体がかってに動く、分かっている。あの二人がそんな事するわけ無いってことぐらい
分かってる、分かってるけれど最悪の事態になることも想定しておかないと。
──あぁ、そうだとも。お前はそれを想定しておかなければならなかった、出来てなかったけどな
とりあえず。今日は帰ろう……
──翌日の朝
「おはようございます……」
「おはようニア…ってどうしたんだい?何処か具合が悪いのかい?熱は?吐き気や痙攣は?視界は正常かい?あぁ、先輩だというのに────」
ウタハ先輩が気遣ってくれる声が遠くに聞こえる、心配してもらってるのに全然話をろくに聞けてない悪い後輩を許してください……
「大丈夫、です。昨日ちょっと機械いじりについて考えてたら寝不足になっただけですから……」
「……嘘はついてないかな?」
「はい……」
ウタハ先輩が手のひらを頬に触れさせてくる。優しい手つきで、心配そうな顔をして私のことを気遣ってくれる声が今はとても心苦しい。
「そうか…でも、ちゃんと私に話すんだよ?君は、私の大切な後輩なんだから……でも、どうしてもやりたいことがったらやると良い」
優しく包容しながら背中を擦ってくれる……大分気分が落ち着いてきた。やっぱりウタハ先輩には敵わないや
よし、気分切り替えよう。楽しくエンジニア部の活動しよう
──そのままやってればよかったのにな。馬鹿なやつ
そう、思ってたんだけど……
「予算の辻褄が合わない?」
「あぁ、セミナーから確認の依頼があってね。見直してるんだ、記入漏れと申請漏れがないかの確認をね」
ウタハ先輩がしきりに頭をかきながら書類とにらめっこしている、その言葉に嫌でもあの日あの時の記憶がフラッシュバックしてくる
「──ニア?そんなに掴んでると私も作業できないんだ、嬉しいけれど。スキンシップはあとにしよう。甘えたい気持ちも分からなくもないけれど」
「はえ?」
いつのまにか、ウタハ先輩の服の袖を握りしめていたらしい、まるで痛みを堪える子供のようだなと他人事のようにおもってしまう
「ご、ごめんなさい。ウタハ先輩」
そう言って手を離すと、逆に手を掴まれてこちらの顔をじっと見てくる。ウタハ先輩顔がいいから恥ずかしくて直視しづらいんだよぉ…
「──予定変更だ、今日はニアとイチャイチャしようか」
「イチャイチャ…!?」
ウタハ先輩からそんな言葉が出てくるとは思わず間抜けな顔をしてしまう、そんな私を見てウタハ先輩はくすくすとおかしそうな顔で笑う
「嫌かな?私とイチャイチャするのは」
「い、嫌じゃないですっ!!」
「そうだろうね、私に撫でられるとふにゃふにゃになってしまうんだから」
「はぅ……」
さも返答なんて最初から分かってましたよみたいな返答しないでくださいっ、私がチョロいやつだと思われちゃうじゃないですかっ!!
「ほら、おいで?ニアちゃん?」
腕を広げてハグの構えをするウタハ先輩の胸元に顔を埋めて体をこすりつけると、優しく優しく撫で回してくれる。ウタハ先輩の匂いを嗅いでいるととても落ち着く、安心する。いい匂い………
そんな温かな温もりに包まれているとすぐに寝てしまったのか起きたときには既に夕暮れだった
「ね、寝ちゃってた……」
そう思って目を開けて体を動かそうとするけど、すると優しい手付きで抱き寄せられる
「もう少しだけ寝てても構わないからね」
「はひゃっ」
どうやらウタハ先輩の膝上に乗せられて、いわゆる抱っこの体勢で。トントンと背中を一定のリズムで擦ってくれる。意識は一瞬のうちにまた眠りについていた
「…おやすみ、ニア」
そして夜更けで目が覚める、ウタハ先輩もそのままずっと抱きしめてくれていたようだった。
静かに身をはがしてボーッとする、温かな温もりが心地よくて、全部がどうでも良くなってくる感覚に襲われてしまう。このままでいいかな……
ウタハ先輩と笑って馬鹿やって、そうして過ごして。次来る新入生のこと一杯可愛がってあげるんだ。ふふ、ウタハ先輩にしてもらったことしちゃおっかな〜
──それ以上未来のことを考えるなよ
後輩、後輩ちゃんか。どんな子が来るんだろ。可愛い子かな、かっこいい子かな?私みたいにロボット好きかな?
どうなんだろうなぁ……楽しみ
………後輩?
後輩に、あんな物を見せるの?
私がああなったようなことになるかもしれないのに?
もしかするとそれ以上のことになるかもしれないのに?
もしかしてそれが原因で機械が怖くなっちゃうかもしれないのに?
ウタハ先輩と私が居ても、壊れてどうしようもなくなっちゃうかもしれないのに??
あ
ああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ウタハ先輩が寝ていなかったら、一人で居たなら。喉が枯れて血が出るほどの叫び声を上げていたことだろう、全身の血という血が、細胞という細胞が発火したような熱を帯びる
何甘ったれてんだ私は!!!
頬を叩いて自分に活を入れる、このままでいいかな。なんていう甘ったれたクソみたいな思考は捨て去れ、今すぐにだ。
やれよ!!!
誰かがやる?じゃあその誰はいつ来るんだ?いつ達成するんだ?今年か?来年か?再来年か?いつだ、いつ来てくれる?
その間にミレニアムが滅ばない確証がどこにある?
端末を操作して演算してみる、見た限りの情報量だけど。ある程度の個体数はおおよそ把握できている、これでもマイスターの一人だ。生塩ノアには届かなくとも記憶力はある
ざっと計算した、あくまでも大雑把で予測。考えうる限りの最低最悪を想定しただけの話、現状はもっと緊迫していておそらくは猶予はない
1年だ、1年もあればあの兵器軍はキヴォトスを攻め落とせる
弾き出された結果に思わずモニターを殴りつける衝動にかられてしまう、そんな事はできないがそれぐらいの怒りと焦燥感に駆られる。
あの時動いていればどうだった?
答えは簡単だ、ある程度遅らせることは可能だった
あの時逃げてなければどうだった?
答えは明確だ、最低最悪は避けられたかもしれない
今──動かなかったらどうなる?
答えは簡潔だ
ウタハ先輩もユウカもノアも全員死ぬ、後輩もろとも。キヴォトスが死ぬ
見過ごしてなるものか!!私の
認めてなるものか!!
覚悟は───極った、退路はいらない
「…すみません。ウタハ先輩、もしかするとお別れかもしれないです」
寝ている彼女の頬を撫でる。愛おしくて愛おしくてたまらない私のだいすきでダイスキで大好きな先輩
ほんとは離れたくなんてない、この人の側にいたい。もっともっと思い出を積み重ねたい
だからこそ、私は行かなくちゃ駄目なんだろう
だからこそ、私が行くべきなんだろう
この人にはいろんなものを貰った、いろんなことを教えてもらった。恥ずかしい思いで、楽しかった思い出、どれもかけがえのない思い出で、どれも眩しくて仕方ない。
思い返すと、ユウカちゃんとノアちゃんとの思い出も楽しかった。ユウカちゃんからかってノアちゃんに怒られて追いかけ回されて。そんな、きっとくだらないものがこのキヴォトスで一番綺麗で美しいものなんだろう
あぁ…日常の素晴らしきことかな
だから、ね。
「──短い期間でしたがありがとうございました。白石ウタハさん」
守りに行くよ、みんなの日常を
勝ち取りに行くよ。みんなの青春を
「──さようなら、大好きな貴女。さよなら、私の日常、私の
白石ウタハの上着を拝借して、私の上着をかける。せめてもの私のわがままだ、私が此処にいましたっていう多分。残せる最後の物、こんなものしか残せなくてごめんなさい
──後日、ミレニアムサイエンススクールの廃棄区画での大規模な爆発と、蒼望ニアが行方不明になったことが報じられた
白石ウタハの愛用品
『いつかの記憶』
彼女がロック付きの解除キーが幾重にも折り重ね、例えミレニアムが廃墟と化しても耐えきれるアルバムに保管している写真。アルバムに収まりきらないほどの写真がぎっしりと詰まっており、大切に保管している。それを見る彼女の目は哀しさと、愛情と後悔に染まっている
────写真の中では、彼女にまた会えるから
原作ルートはまじで曇らせばっかりというか。ひたすらニアちゃんがすり減ってくのでやっぱり分けたほうが良さそう
『蒼望ニア』に救われてほしいですか?そうでもないですか?
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救われてほしい
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そうでもない