アヲヲノゾム   作:もふもふニキ

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原作ルート開始です、前日譚のことはちょっとずつ回想で保管していきます


一年前のこと?……忘れたよ

「随分、懐かしい記憶を見たものだ」

 

廃墟の中で目を覚ます、浅い眠りしか出来なくなったこの体でほとんど初めてと言っていいほど深い睡眠を取ることが出来たようだ。おかげで体は軽い、軽いと言っても気だるさは当然残る

 

 

──あれから、1年の月日が流れた。ミレニアムの廃棄区画で兵器群を壊滅させて逃走して、暫くたった頃に噂で聞いた限りでは。どうやらあの兵器群はセミナーでも把握しきれていなかった様子だ。当代の会長に抜擢された調月リオも白を切っている─というわけではないようだ。調べた結果、カイザーコーポレーションが一枚噛んでいるらしい。厄介なところを敵に回すことになるだろうことは想像に難くない

 

ならどちらにしろ破壊したことに意味はあったのだろう、そんなことを思いつつ。硬い携行食を口にする、別にカネがないというわけではない。ミレニアムの口座は凍結されているだろうが、別途で資金調達が可能だ

 

では、なぜこんなものを食べているかと言うと

 

 

──簡単さ、()()()()()()()()

 

何を食べても無味無臭、まるで楽しみはお前には要らんだろうというようにしばらくしないうちに失われてしまったのか、はたまたストレスで感じなくなったのかはわからないけれど。ちょうど良い

 

──あの人を思い出してしまうから

 

もうぼんやりとしか思い出せないミレニアムでの日々、忘れてしまったそれ以前の私。そんな中でも、あの人がくれた温もりと。優しさだけは、なんとなくだけれど覚えている

 

さて、過去に浸るのは私の今することではない、さしあたってはアビドス自治区へ向かわなくては。

 

──砂漠の荒野を抜け、アビドスへ入ると唐突に爆発音が鳴り響く。あれは──ゲヘナの車両。風紀委員か?生徒会の方はまずありえない。あちらは面倒くさがるだろう。

 

近くまで行くと。一人だけ、見知った顔が見えたあれは…天雨アコか。とするならば、あそこに居る男性がかの『シャーレ』に属しているという『先生』か

 

何を話しているかは良く分からないが、何やら口論と言うよりは一触即発の事態。不味い、今両者がぶつかれば今後のキヴォトスが危ぶまれる……どう、介入するべきか

 

 

 

 

「貴方が、シャーレの先生ですね?」

 

「そうだね、私がシャーレの先生だよ」

 

お互いに牽制し合いながら視線を交わす、此方が仕掛けた理由は便利屋68の引き渡し──と見せかけた先生の拿捕。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そのはずなのだが──

 

()()()()()

 

「はぁ!?」

 

イオリが素っ頓狂な声を上げてアコを見る、あくまでも演技と聞いていたのだけれど本気で進軍するのか?という顔だが、アコは至って冷静だ

 

───表向き、という枕詞が付くのだが

 

()()()()()()()

 

そう言われると風紀委員会は包囲網を敷いてアビドス対策委員会、及び便利屋68を追い込んでいく

 

それを陸八魔アルは目を細めながら見つめる

 

(アルちゃん、台本と違くない?大丈夫?)

 

そんな仲間の声を聞きながら、アルは数時間前のことを思い出していた

 

 

 

 

 

「──協力してほしいですって?風紀委員が?」

 

「はい、と言っても。個人的な依頼ですが」

 

とあるカフェテリアにて本来追うもの追われるものである両者が顔を突き合わせていた、片方は陸八魔アル。もう片方は天雨アコだ

 

「風紀委員のNo.2が私達に依頼……良いわ。内容は教えて頂戴」

 

やるかどうかはわからないけれどね。と言うとアコは頷き返す、これはアコにとっても賭けなのだから

 

「シャーレの先生についてはご存知でしょうか?」

 

「ええ、聞いているわ…まさかそれの拿捕に協力しろなんて言わないでしょうね?」

 

「いえ…そうでは有りません。単に先生を引きずり出してほしいのです。此方から出向くには、少々事情がありますので」

 

その依頼内容とは───

 

(引き合わせと顔合わせを兼ねつつ、ヒナ委員長との接点をもたせる…ね。でもどうも風向きが怪しくなってきたわ)

 

そんなことを思う間にも双方の距離は縮まる

 

もっと早く貴方が来ていれば

 

そんな声が天雨アコから零れ落ちる、失意とともに

 

もっと早く『大人』が動いていたら

 

そんな声が天雨アコから発せられる。やるせなさとともに

 

あの生徒は、苦しまなかっただろうに!!

 

そんな声が天雨アコから放たれる。どうしようもない怒りとともに

 

そして此方を見ると。目線で離脱の合図を送りつつ、上げた拳を振り下ろす

 

「全軍──」

 

──突撃、その言葉は両者の間を通り抜ける熱線によってかき消された

 

「っ!?」

 

お互いの視界を潰し合いながら、土煙が宙を舞う。何が起こったか互いに理解させる時間を与えないまま。両者の間、先生とアビドス対策委員会にのみ伝わる声音で声がかけられた

 

「──此方に空きがある、今のうちに逃げると良い」

 

「君は……?」

 

先生の問いかけにその声の主は答えることはなく、既に姿を消しているようだった。アビドス対策委員会は協力者の手によってなんとか逃げ延びることが出来た

 

 

 

 

「なんとか、逃げてくれたか」

 

先生達が離脱し、便利屋と風紀委員が撤退したのを確認したあとその場を素早く立ち去りつつ、身を潜める。先生のSスーツの間にデータが入ったマイクロSDカードを仕込んでおいた。これでカイザーの情報がある程度伝わるはずだ。

 

アビドスもあそこに苦しめられているだろう、そこで少しは改善すると良いのだが…そんなことを思わずにはいられない。願わくば彼女たちの日常が崩れ落ちないことを祈ることしか出来ない

 

そんな風なことを思っていると、足音が聞こえる。一瞬身構えるが、聞き覚えのある足音だと思いつつ銃を下げる

 

「…お久しぶり、と言えるぐらいには顔を合わせていませんでしたね」

 

「…そうだな、天雨アコ」

 

丁寧な物腰で此方に挨拶をしてくるアコに返事を返しつつ、床に座りながら食事を摂る。まあいつもと変わらない味気のない…味はしないから何でも変わらないか。そう思って携行食を口にしようとすると、目の前の人物に奪い取られ。そのまま一口、彼女が食べた。予想通り不味いのか顔を顰める

 

「よく、口に出来ますね」

 

「味がしないからな…」

 

そう返すと酷く悲しそうな顔をする、そんな顔をしないでほしい。私が自分でやったことでそうなってしまったんだ、誰も悪いわけじゃない。…いや、悪いのは私か、私はただの一介の生徒。それが分不相応になにかやろうとした結果がこれ。と言われてもしょうがないんだ

 

「…此方の方が、まだましだと思うので。どうぞ」

 

そう言われ手渡されたのは袋詰にされたパンだ…まあ、たしかにこちらの方がましだろう。日持ちしないのが難点だが、あいにくと食べる楽しみなんてのは忘れて久しいんだ

 

「さて…何故アビドスにいる?お前達は」

 

そう言うとアコはため息混じりに教えてくれた。どうやらダブルブッキングになってしまったらしい、いたずらに街に損害を与えてしまった…やはり、私は表に出ることはしないほうが良いだろう

 

「私の()にもあまり顔を出さなくなりましたから、情報共有が上手くいってないのが理由かと」

 

「それはアコの家だからなんだけれどな…」

 

一時期、アコの家に転がり込んだことがある。家と言ってもほとんど使われてないものだが、そして転がり込んだ。というよりは、半ば搬送されてきたと言ってもいい。

 

あれは…そうだな、ちょうどミレニアムでのボヤ騒ぎを引き起こしてからしばらくした後だったか

 

 

 

 




ちなみにですが。ミレニアムは原作ブルーアーカイブとほとんど変わりがありません、ボヤ騒ぎもですが。

蒼望ニアがいたということも忘れている生徒がほとんどです。誰その人?って言われて終わり











ちなみにですがウタハ先輩はニアちゃんが覚悟完了したときに起きてました

なのでニアちゃんが自分に恋心抱いてたのを知っていました。まあそれ以前からこの子私に恋してくれてるんだなって知っていました

追記

本編ルートで一番の味方って聞かれたので

そりゃお前ぇさんよ

()()()()()()()()()()()()()()()()()

『蒼望ニア』に救われてほしいですか?そうでもないですか?

  • 救われてほしい
  • そうでもない
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