プロフィット全部消えて死んでました()
なので想定とは違う終わり方するかもなとは
「………リオ会長、貴女は。強い人だ」
此処に来て、再度実感する。調月リオは「強い」。肉体的という意味でもなく、精神的な意味というわけでもない。多分この人は、ギリギリのところで踏ん張りきれるような人間だ。例えそれが間違ったことであっても、それが犠牲の上で成り立つものであっても。それを成し遂げられるような、そんな人なんだろう
「……辞めて頂戴。私が強かったら、最初からこうはならなかったわ。本当に強い人間であったのなら。貴女はそうはならなかったし、先輩も死ななかった。そして、こうしてミレニアムの生徒と矛を交えることも無かった」
「それに関しては、半分正解で半分間違っていると思いますよ。私と前エンジニア部長が元の居場所に居たにせよ、貴女はAL−1Sを破壊することを選んだと思います」
「………理由は?」
「貴女がミレニアムの生徒会長だからですよ」
そう、恐らくきっと。私や前エンジニア部長が生きていたりしても、結局はそういう手段を取る、そう私は判断する。彼女に取って大切なものはミレニアムの今後とキヴォトスの今後だ、悩むにせよ。罪悪感に苛まれるにせよ、どちらにしろ確実な方法を取るだろう。危険分子になる可能性があるアリスを見過ごす理由は貴女には無いのだから
「きっと、迷って。悩んで、後ろ髪を引かれながらも……それでも、やれる人間だと。私は思っています」
だから、こうやって対峙することになるのは必然である、悲しいけれど。苦しいけれど、そんなことは。例えそれがどんな理由であっても。それを殺す必要性が有るのであれば、それは私がやるべきことなのだから。貴女じゃないんだ。リオ会長
「………このまま、貴女が引き下がるという選択肢は、無いのかしら?」
「有り得ません」
重苦しく、言葉を選びながら問いかけてくる。その答えは勿論ノーだ。そんなことは許容できるはずもない、此処で引いてはなんの意味もなくなる。あの子を……トキを傷つけて、此処にいるのだから
「なら、リオ会長が引くという選択肢は?」
「それはないわ」
分かりきった回答だった。そんなことは当にわかっていた、そんなことは理解していた、でも可能性の一片だって捨てるわけには行かなかった。そんな、くだらない希望論、捨て去っていたはずのもの。それでも、持っていたかったものを手放す、そろそろ。『蒼望ニア』を消し去らなければならない
「………そういえば、トキには会った?」
「……ええ、会いましたよ」
リオ会長の言葉にそう返して見れば。目を伏せる、その姿は、自分が心底情けない、そんな風に何処か思ってしまうような。後悔がにじみ出ててるようなものだった
「トキは……いえ、彼女は。前に進めそう?」
「それは彼女が決めることです、私が決めることではありません」
「そう……なら、いいわ。彼女が何か決められる状態に戻ってくれたのなら」
半ば突き放すような言い方、その返答に。リオ会長はどこか、安堵してるような顔をしていた。ようやく、重荷の一つが降りたような、そんな顔…そうして、口を開く
「彼女は……飛鳥馬トキは、ずっと。あの時から時間が止まってたの、ずっとずっと……貴女が居なくなってからずっと。苦しそうだった、寂しそうだった。でも、私には、彼女の痛みも苦しみも癒やしてあげることも出来なかったし。分かち合って上げることも出来なかった」
「……理由を、聞いても?」
滔々と語られるリオ会長の胸の内。多分きっと、リオ会長もトキのことが…あの子のことが。大切だったんだろう、戦ってみてわかったことが有る。あの装備、あれは生存能力に特化してる装備でもあった。どんな状況下からも、無事に逃してあげられるような。そんな武器、死んでほしくない。傷ついてほしくない。けど、それでも戦場に行く彼女にせめてもの罪滅ぼしだったんだろうあれは
「……簡単よ、私は。
「……………」
そう、調月リオと言う人間は、
ただの、ちっぽけなエンジニアの端くれだった私を
「その思い出に、土足で踏み込むのは私には絶対にできなかった。彼女が、どうにか耐えることが出来ていたのは。
ただの、学生だった頃の私を
「……いつか、
……弱かった、ただの私を
「貴女が
「……何でしょうか?」
リオ会長が、距離を取る。これから先、戦うことを示すように。お互いにお互いの譲れないのものを守るために、押し通すために。後ろ髪を引かれる感覚を引きちぎるために、弱っちいから。こうやってやるしかないということを示すように
「……トキは、ちゃんと泣けていた?」
「……はい」
「そう……それは、良かった」
何処か、悲しげで、何処か、ホッとしたような顔。それだけが唯一の心残りだった。そんなことを言うような、憂いを帯びているけれど。後輩を心配するようで、自分の手から離れたことに安堵するような。寂しいような、嬉しそうなような。そんな顔
「………話は、これでお終い」
そう言うと、控えていた兵器に起動ランプが点灯して。金毒が動く金切りおとが耳に響く。遠く昔に捨て去ったはずの過去のエンジニアとしての自分がささやく。あれは手持ちの火器では破壊するのが非常に困難だと。大人しく引くか、なんとかして取り入る方が勝算があると
「…そうです…いや…そうだな、話はこれで……お終いだ」
だが、そんなものは関係ない、負ければアリスが死ぬ。それだけの話しなんだ、その単純で。どうしようもないぐらいに変えようのない現実から目をそらしてはいけない、身体に活を入れる。弱気な
「……このままでは、お互いに本気を出せないでしょう」
そう言うと、エリドゥの障壁が競り上がり。私と調月リオ。そして今ある兵器一台だけとなる。これで増援の心配はなくなった。だが同時に万に一つもありえないだろう援軍も来なくなった、そんなことは想定内では有るのだが。やはり甘さが捨てきれてない、貴女はそれに気づかないだろうけれど
「最終警告よ、このまま引きなさい」
「断る。そちらこそ引け」
形式的な、それでもお互いに必要な会話。未練を完全に断ち切るための儀式のようなものである。こうでもしないと、多分。戦えないだろうから
「……そう、なら。此処で終わりなさい
「終わるのはそちらの方だ
片手に握っている銃「fatus」に手をかける。調月リオを止めるために、アリスを殺させないために………
さあ、戦いの時だ。私、もう後戻りは。出来ないぞ
次で戦いは終わって……その後ちょこっとミレニアムの話しします
トキの扱いについて
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このままミレニアムに残る
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ミレニアムから離れてリオと一緒に行く
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ニアについていく