アヲヲノゾム   作:もふもふニキ

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お辛いパート開始です。そして此処からちょくちょく捏造がいくつか入りますのでご注意を


遍く絶望の■■■
お前が始めた物語だろう?


「先代の、エンジニア部の部長」

 

『音声ファイルも添付されていますので。確認しますか?』

 

「……頼む」

 

ハッチが開いた先には。スーパー・ノヴァと同型のレールガンが着いた小回りの効くパワーローダーがあった。何の目的でこれを作ったのか、意図が読み切れないので。聞いてみる他しか無い

 

『では、音声ファイルを再生します』

 

そう言うと、音声ファイルがロードされて行く。一体何を言われるのか。何のために私宛に残すなんて真似をしたのか…それを知らなければならないのだ

 

『──これを聴いているのがニアだと仮定して、話すわ。あまり、時間がないから。長くは喋れないけれど』

 

音声ファイルから聞こえてくる声は、酷く弱々しい声だった。おかしい、確か前部長はこんな声をしていなかったはずだ…何が会ったというのか?

 

『先ずは、謝罪を。ごめんなさいね、貴女が、背負わなくて、良いものを、背負わせてしまったわ。これは、その謝罪の品、と思ってくれると。助かるの、だから。受け取って、頂戴ね……』

 

謝罪?何故だ?何故私のことを把握している?前部長とはほぼ面識がないはず、なんなら私が1年生の頃には卒業生としてミレニアムの学園そのものには。入っていないはずだが……?

 

『思いの外、時間がないみたい。もう少しだけ、話を、残しておきたかったのだけれど。大事なことだけ、伝えておくわね。いい?ニア、どんな事があっても。もう、自暴自棄に、なっちゃ駄目よ?』

 

それだけ言い残して、音声ファイルは終わってしまったようだった。一体、何だって言うんだ…?そんな事を思っていると、再起動したシステムが、それに答えてくれた。

 

『蒼望ニア、彼女は……貴女をあの日あの時、外へ逃してくれた張本人です』

 

「……!?」

 

『彼女が何故そんな事をしたのか、それは、彼女もまた、貴女のように。あの場所のことを知ってしまっていたからです。故に、あの爆発の規模と方角、そこから場所を特定したようです。彼女自身も戦う準備をしていたようで。あのパワーローダーもそれと戦う為に設計と製造をしていた様子です。カタログスペックも申し分有りませんし。機能解析した際はカタログスペック以上の性能を誇っているようです。』

 

滔々と語られる事実に頭が追いつかなかった。前部長は知っていたのか?あれが有ることを、それを伝えることはなかったのは。あまりにも危険だったから分からなくもないが……何故あのタイミングで居たんだ?

 

『彼女は、自分が卒業した後に行動しようと考えていたようです。彼女自身がミレニアムの生徒である、という問題を解決するために、生徒として戦うことを選んでは、巻き込むと感じてしまったのでしょう。生徒ではなく、大人として。戦うことにしたようですが…貴女が先に仕掛けてしまった事が。彼女の最大の不運と言ったところでしょうか。自分がやろうとしたことを別の生徒、自分の後輩に当たる貴女に押し付けるような事態になってしまったことを悔やんでいました』

 

そう、か……私以外にも。あれを見たことが有る生徒は居なかったわけでは無いんだな……

 

「…前部長に助けられた、のか……前部長は……?」

 

『…………』

 

「…………そうか」

 

前部長の安否を問いかけるが、答えは帰っては来ない、つまり。そういうことなのだろう。あれだけ弱々しい声で。言葉が途切れ途切れだったのもそういう事に違いない。また一つ、戦わなければならない理由が増えたな……すまない

 

戦って償えることでもない、戦って勝ったことで戻ってくる訳では無い、だがやらなければ彼女の行動の意義すら無くなり。誰も覚えていない事になってしまう、それだけは。するわけにも行くまい

 

覚えておくよ、私が生きている間だけになってしまうけど。貴女がやろうとしたこと、貴女が『大人』としてなそうとしたこと、なせなかったも……

 

『……此方のパワーローダーは保管が難しいため。一時的に此処に安置してありますが。どうしますか?』

 

「当面は使うこともないだろう、此処に置いておくとしようか。……それで、2つ目の贈り物というのはなんだ?」

 

「それにつきましては……此方に手をかざしてください」

 

言われるがまま。モニターに表示された場所に手をかざすと、何かを読み取っているらしい

 

『生体反応、チェック。問題なし、認証完了。解析完了、プロトコル制作完了。使用者権限、設定完了…。蒼望ニアを暫定的な所有者と認定。完了』

 

機会的な音声が響くと。もう一つのハッチから何かがロールアウトされた様子だ…これは

 

「……というわけで。私がバックアップに入ります」

 

「お前、そんな事できたのか?」

 

「躯体を生成するということは我々にとってそう難しいことでは有りませんから」

 

ロールアウトされたのはアリスと同じような女性型のロボットだった。まさか此処に来て自律行動するとは思わなかった私としては。どうすれば良いのかよくわからない

 

「…それで、なんと呼べば良い?」

 

「呼称ですか?そうですね、チュテレールとでもお呼びください」

 

チュテレール…守護者という意味合いか。なんの守護者なのか。良く分からないが…戦力が多いことに越したことはないのは確かだ。

 

「…此処の本体はどうする?」

 

「機能を停止させ、一時的に封印処置を施しておきます。悪用されては敵わないので」

 

「そうか…だが」

 

「調月リオ、ですか?」

 

「……あぁ」

 

此処を探り当てられれば、余計な火種も増えるし。何よりも。勝ち目の大半を持っていかれると言っても過言ではないだろう…さて、どうしたものか。そう思っていると。チュテレールは首を振った

 

「恐らく。調月リオは此処には来ません、調月リオは貴女が死亡したと考えているはずです」

 

「理由は?」

 

「貴女の行方不明のタイミングとあの爆発事故、勘のいい人物であればある程度よそうがつきます。そして彼女は権限も強い、その辺りを調べることは容易でしょう……」

 

なるほどな、それならば理由付けとしては回答に値する。だが、まだ話していないことが有るんだろう。そんな気配を感じる、此方を気遣って言葉を選んでいる節がある

 

「そうか…別の根拠は有るか?」

 

そう問いかけると、チュテレールは静かに目を伏せながら。静かに語り始めた

 

「調月リオは、貴女…蒼望ニアが失踪してからというもの。表舞台に立つことはほとんど観測されていません、計測結果から。地下施設が構築されているようです。ミレニアムのセミナーが了承しているのか。それとも…調月リオの独断なのかは私には判断できかねますが。どちらにせよ、貴女が行方不明になったのが最後の引き金になってしまったようです」

 

「…そう、か」

 

 

 

 

 

──蒼望ニアは、それ以降。言葉を暫く発することは有りませんでした。この事実を伝えるかどうか、私は演算して伝えることにしました。事実を知らなかった場合、調月リオと相対した時に致命的な隙が生まれてしまうことは間違いないでしょう。それは避けなければなりません

 

「……また、私のせいで」

 

苦しそうな声を漏らすのが精一杯というように、苦々しくつぶやかれる言葉に。私は言葉をかけることは出来ませんでした。私には感傷を慰めるという機能は備わっていません、正確にはデータ不足というべきでしょうか。どちらにせよ今の私にはどうにも出来ないということです

 

「……調月リオを止めに行く」

 

「危険な戦闘になりますよ?」

 

その後暫くして再度言葉を発した蒼望ニアの顔は、差し違えてでも。止めてみせるという顔でした、このままでは死んでしまうことは避けられないでしょう。ですが…彼女には、やりたいことをやらさせてあげるべきだと。そう、感じました

 

「構わない、私のせいで。人が死んだ、私のせいで、誰かが道を踏み外す寸前に居る。であるならば…わたしには選択肢というものは存在しない。いや、存在してはいけない。そう思っている」

 

目を眇め、まるで呪いにかかったのかのように彼女はそう呟く、追い詰められて視界が狭くなっている方がどれだけ良かっただろうか。どれだけ彼女は楽に生きれただろうか?視野が広いが故に、見なくてもいいもの。見てはいけないものまで捉えてしまうのだろう

 

彼女は傷を恐れはしてはいない、ただ。全ての事柄に関わって解決していけるだけの力は持ち合わせてもいない。恐らく、カイザーコーポレーションを潰した後も、次は別の相手。その次はまた別の相手、その次は……というように。戦うことを止めはしないのだろう、目的達成という一種の終着点に。彼女は恐らく、留まることが出来ないのだろう。それが出来たら、出来たのならば。ミレニアムに、帰ることが出来るだろう。

 

私が殺してしまった…いや、私が殺したんだ

 

エンジニア部の先代部長がああなったことを伝えるべきではなかった、そう思ってしまう

 

私が、奪ってしまったんだ

 

調月リオが裏の世界へ踏み入ったことを伝えるべきではなかった、そう思ってしまう

 

だから……戦おう、私が。やらなければ

 

だが、私は伝えなければならなかった。いつか、彼女があの居場所に戻りたい、そう言えるまで生きていてもらうために。蒼望ニアは事実を知らなければ自分で自分を殺したくなってしまうだろう、仮に平和になって。居場所に戻れると思った時に伝えられたらどうなるだろうか?恐らく二度と私達の前には現れなくなる。もう二度と、誰かが手を差し伸べることすら出来ないところまで堕ちてしまう。今、伝えて。受け止める他無いのだ

 

彼女は、自分が死ぬことに恐怖らしいことを懐いてはいない。自分が、消えること自体は別に仕方がない、それでおそらく済ませてしまうのだろう。ただ、彼女は周りがそうなること。周りもそうなってしまうこと…何よりも自分のせいで周りがそうなってしまうことについて酷く怯えている、その一点にのみ彼女は恐怖を覚えているのだろう

 

危険な位が丁度いい。それぐらいが私には丁度いい

 

いつもの無表情な顔に切り替わる、彼女が見せる表情は。苦渋に歪む顔かこの無表情な顔しか。私は知らない、知ることが出来ないとも言えるだろう

 

仮に、此処で慰めるような発言をしたとする。そうすれば彼女は烈火の如く怒りを表すだろう

 

私のせいで人が死んだ、死んだんだ!!彼女にも未来があった。やりたいことがあった、私も元々エンジニアだ、発明する楽しさや試行錯誤している時の充足感の味を知っている。それをもう、彼女は感じることは出来ないんだ、もう二度と。誰かと話すことも、会うことも、愛し合うことも。何もかも……失ってしまったんだ。調月リオとてそうだ。彼女もまた、()()()()()()()()()じゃない、重すぎる十字架は精神を殺す、私のように()()()()()()()()()どうとでもなる。諦めもつく、自分のことでは有るというのを差し引いても。彼女がそれを背負う必要もない、私がやったことだ。耐えられる人間がやれば、一生それに苛まれる。その上で耐えられてしまう

 

その原因である私が悪くないと?ふざけるのも大概にしろ、私が引いた引き金だ。責任も十字架も私のものだ、私が。背負っていかないと行けないものなんだ。いいか、二度と私のせいではない、等と言ってくれるなよ?

 

 

 

──なんて言ってしまうだろうから

 

「さて…そうと決まれば、すぐにでも…どうした?チュテレール」

 

「アリスが」

 

「アリスが?アリスがどうした?」

 

「アリスが、調月リオに攫われたようです…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──数分前のヴェリタス部室にて

 

「アリスの容態は?」

 

「今のところ。落ち着いてるよヒマリ部長」

 

「そうですか……」

 

数分前、アリスは『key』という存在に身体を乗っ取られかけた、幸いにもアリスが自己復帰できたのでどうにか事なきを得ることに成功したのだが。これは、早急に手を撃たなければならない。そう思って言えう。アリスは現在ゲーム部の所属だ、彼女たちと一緒にいる間は。おそらくは大丈夫だろう

 

「……セミナーの様子はどうなのかしら?」

 

「んー……あんまり芳しくない。かな。エンジニア部も同様」

 

ハレに問いかける。反応は予想通り、リオが現在不在なので此方に引き入れようとしてみたのだが。駄目だった、生塩ノアは此方と接触すら拒否しており、一人で行動しているようだ。早瀬ユウカは、比較的此方側だ。アリスのことを随分と気に入っているようだが…どこか、表情に影を落としている。黒崎コユキは反省室に入れられているらしい、何かやらかしたのだろうか?

 

エンジニア部の方がより深刻と言える。スーパー・ノヴァこそ提供してもらったが、此方にはあまり干渉してこない。というよりは何もしてこない、というべきか。C&Cとの戦いこそ。手伝ってはもらえたもののそれ以降は音信不通と言っても過言ではない。白石ウタハが十全に動けていないのが理由だろうか?

 

──そんなことを考えていると、突然爆発音が響き渡る

 

「っ!?」

 

激しい衝撃と、火薬の匂い。ヴェリタスの部室ごと爆破しかねない火力に目を疑っていると。煙が晴れる、一体何事かと思っていれば。いつの間にかアリスが連れ去られていた。

 

「……!!」

 

間違いない、このやり方。なりふり構わず攻めてくるこのやり方は。リオ以外ありえない

 

 

先生に、連絡を入れなければ……

 

 

 




ニアが干渉できるのはリオがアリスを強奪してからとなりますので。それ以前に関わることは出来ません。なので、アリスがどういう子なのかも把握できていません

今回でニアが大分強化されて楽になった、とは決して思わないでください。ブルアカに置いて。先生の指揮、というのは非常に強力であることはさんざん明記されていますよね?その上で原作でも強制敗北、いわゆる負けイベントが発生するレベルでの強キャラであったリオが。殺意全開で此方を潰しにかかりますので、皆さんの想像の数十倍は激しい戦闘と、圧倒的な力の理不尽を見てもらうことになると思います

『蒼望ニア』に救いはあると思いますか?

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