【悲報】ワイ、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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書きたい事を書きに来たので初投稿です。



地獄の底から

 

 

昔々、五条家に。六眼を持った素晴らしい子供が産まれました。

 

術式はまだ分かりませんが、ソレが有れば何であれ一流は間違い無し。

容姿も、赤子の姿でも分かる程にこれ以上と無く整っています。

 

 

生後僅か二日で人の言葉を解すような素振りを見せ、その知能も申し分無し。

 

 

産まれたてにして人生は順風満帆なのは確実。勝ち組です。

これから、彼はどんな大人に育っていくのでしょうか。

 

 

謙虚に努力し、将来へと花咲かせて行くのも良いでしょう。

兎が亀のように努力すれば、もう敵うものなどいないでしょう。

 

傲慢に成長し、唯我独尊を貫くのも良いでしょう。

彼にはきっと、それだけの力が有るのです。邪魔な人間は潰せばよろしい。

 

 

嗚呼、なんと素晴らしい人生。約束された蒼い春に、美しい未来。

嗚呼、なんと輝かしき未来。全てが彼の手中にあり、世界など片足で跨げる。

 

 

嗚呼、なんと─────────

 

 

 

 

 

「いたいた。じゃ、死んでね」

 

 

 

 

 

────────可哀想な、子供なのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いたい、あたまが、かん、じ、ぬ、くもり、と、ぬめ、ぬめぬめ、して、る

 

あ、ああああたま、あたま、われ、わわわわれて、われてる、んだ

 

 

さささ、っき、けんじゃ、けんじゃく、ききききて、あああいつ、あいつ

 

おれの、おおおれの、あたたたま、あたま、に、かなななななづちで、あたま

 

いっいいいしき、いしき、いしき、いしきだめだ、だめだだめだだめだ

 

ねむねねねねむい、だめ、だめだ、お、わるな、だめだ、だめだ、だめだ

 

 

ししししばりを、しばばばばりをつか、え、まままだまにああう、まだまに

 

いいいのち、ととうかかこうかん、だだだから、かかかんたんにはいいかないけど

 

 

め、め、めなら、ある、まだだだかえがきく、おおおれのめめめななら

 

ままままま、だ、とりかかかかかえしししが、き、やば、あたま、いた

 

 

め、めめめを、すて、すてろ、ゆゆゆゆび、うごごごごけ、ゆび、うごけ

 

 

りりりりりょ、りょうめを、えええぐれ、はやく、はやく、はやくはやくはやくはやく、し、ばばばり、しばりを、しばばばりりを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1499年 12月7日

 

 

 

 

俺が生まれてから十年経った。最近......というか最近も脳の不具合が激しい。

寝起きで記憶(データ)がオボンしてたら怖いので、今日から日記を書くことにする。

 

 

 

先ず、絶対に忘れてはいけない事から書き留めよう。

 

 

俺は転生者だ。名前は付けられる暇も無かったが、五条家の長男に転生した男だ。元の職業は一般学生、死因は逆走車に頭を引き潰されて即死。

(↑ココはどうでも良いが一応書いておく)

 

 

転移先のこの世界は"呪術廻戦"。呪霊と悪意とメロンパンの飛び交う生き地獄。現に、俺の頭は生後三日にして羂索っていうメロンパンに叩き割られて死にかけてる。

 

 

その時は土壇場で六眼をほじくり出して放棄する縛りを思い付いて九死に一生を得た。作中随一のチート体質を手放したのは惜しいが、命に比べたら軽いもんだ。

 

 

そして今現在、五条家から逃げ出して流浪人状態。紙と筆を手にするのにも凄く手間がかかった。金も無いから山暮らしと日雇い暮らしを行ったり来たりしている。応仁の乱直後の戦国の世に福祉機関なんて期待できやしない、毎日がデッドオアアライブだ。

 

 

 

....ここまで書いてみて、自分でも怖くなってきたな。敵キャラじゃなくて環境に殺されてしまいそうになってるし。もし仮に記憶を無くした自分が読んだなら、この日記を攻略本とばかりに期待して読み縋るんだろう。

 

 

 

残念、本編は21世紀が舞台なんだ。

1500年代じゃ過去編も始まっていない!

 

原作知識で無双なんて出来るわけがねーだろ、バーカ!!

 

 

 

....とまあ、自分煽りで憂さ晴らしするのも程ほどにして。

次に、これからどうするべきなのかを書いていく。

 

 

 

今は原作の過去編が始まる五百年と七年前だ。

この頃は羂索っていう脳味噌をとっかえひっかえしてる呪術師が暗躍してる年代。どうも彼、平安時代から生きてる天元っていう偉い呪術師を使って化け物を作りたいそうな。

 

 

 

俺の目標は、その羂索を抹殺する事。

 

アレが生きている限り、多くの人間が死ぬ。彼のせいで原作の多くの人々が苦しむ事になる。そんな事があっていいわけがない。そんなの許せるもんか──と、息立っているわけではない。断じて。俺はそんな自己犠牲の精神は持ち合わせていない。

 

 

六眼を放棄する際、"羂索を抹殺する"という縛りを強制的に結ばされているのだ。

無論、望んで結んだわけではない。後天的な天与呪縛とでも表現すべきか。

 

因果にまで作用する六眼を捨てたのだ、その報いとして新たな因果を結ばされたのだろう。

縛りを守れなかった場合、その縛りで得たモノを失うのが条理だ。なら、羂索殺しを放棄すれば多分俺は死ぬ。得た命を失うわけなんだからな。

マジでふざけんなよ

 

 

 

 

とは言え、現状タイマンで勝てる見込みなんて無い。

 

 

先ず、歳が若すぎる。たった十歳では呪術の研鑽なんかあったモノではない。五百年以上前から呪いの世を生きてきた羂索には、今から死に物狂いで努力しようとも勝てやしない。そもそも年月を踏んで強くなっても、アイツも同じ年数だけ研鑽を積んでるんだ。イタチごっこじゃないか。

 

術式?頭割られた時の脳損傷でロクに機能しなくなってるよ。流石羂索、脳の何処らへんに術式が刻まれてるかを良く分かってらっしゃる。これじゃチートで押し切るのも不可能だ。黒閃級のインパクトさえあれば多少使えるようになるかもしれんが、そんな偶然が起きるはずもない。俺は主人公じゃないからな。

 

仲間なんている筈がない。五条家からは死亡扱いになってるから、御三家の権力も消えてる。つーか、そんな堂々と世の中に出て目立って羂索に見つかれば詰みだ。RPGの王道は仲間を集めて友情努力勝利なんだろうが、そんな事は許されない。孤独絶望敗北だ。

 

というか、そもそも向こうのレベルが高すぎる。今のアイツがどんな術式を持っているかは知らないが、恐らく最低でも2つはストックしている。加えて原作最高峰の結界術の使い手なんだから、呪術のノウハウの無い俺が挑んでも確実に秒殺される。

 

 

 

.....うん、これ無理じゃね?となるのは分かる。自分も書いててそう思った。

でも、悪い事ばっかりってわけじゃない。良い事も多少有る。

 

 

 

一つ目。俺が六眼を放棄したという事は、新たな六眼が何処かで生まれているはずだ。

そして七年後に羂索と殺し合い、六眼が勝利する。これは確定された未来であり、俺の知るこの時代の唯一の事象だ。

 

ならば話は簡単。羂索が負けた瞬間に乱入して完全にアレを殺し潰す。というか、俺がアレに勝つ方法はそれしかないと思う。

 

 

二つ目。六眼を手放した瞬間に、俺は新しい特異体質に目覚めていた。

羂索殺しの天与呪縛の影響か、はたまた俺の命が予想以上に軽くてお釣りがきたのかは分からんがな。

 

今から七年でコレを使いこなせるようになれば、アレを殺し得る矛になるかもしれない。

いや、使いこなせるようにならなければならない。正直、まだ死にたくないし。

 

 

だから俺がやるべき事は、特異体質を極めて七年後に羂索を漁夫の利で殺す事。

それが終われば晴れて自由の身だ。不便な戦国ライフを楽しめば良い。

 

 

.....あ?なんで目玉が無くなったのに日記を読めてるのか、だって?

 

 

 

 

 

 

 

 

特異体質(憑依転生)だよ。覚えとけ....っと」

 

 

 

切り株に腰掛け、安物の和紙に折れた筆を走らせる男がいた。

茈に鈍く光る眼、瘦せこけた四肢に体幹、死人のような血色を持つ男がいた。

 

現世を見限り、運命に絶望し、苦痛を味わい、それでも意地汚く生に縋り付く男がいた。

 

 

 

「ははっ、地獄より来世の方が地獄ときたか」

 

 

 

"今の"彼の名は長門。輪廻の眼を与えられた、最初の転移者である。

 

 





やりたい事を全力でやるのは気持ちが良いです(灰原)
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