【悲報】ワイ、呪術界に異世界転移する。   作:なんか変な色の翼

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初投稿だ。私がそう言っているのだから以下略。



チュートリアルは浜で死にました

 

 

「いいかい?手順はさっき説明した通りだ」

「あ、あうぅ.....」

「言う事を聞いてくれれば、君の夫と息子は解放する。そういう縛りだろう?」

 

 

某所、某村にて。羂索は一人の呪術師をリアルタイムで脅迫中であった。

ただの呪術師では無い、というか彼女は呪術師と呼べる人間ではない。

 

彼女はいわゆる"イタコ"。アイヌの伝統的な呪術の使い手であり、口寄せを使って死者との仲介を生業とする者である。

 

 

「ほ、本当に開放してくださるのですね.....?」

「くどいよ。さっさとやりな」

「あぅぅ.....」

 

 

意を決し、口寄せの儀式を始めるイタコ。イタコとは神の委託、委託巫女を祖としており、人を呪う本来の呪術からかけ離れたモノである。こればかりは、結界術を始めとした才能に富む羂索ですら専門外だ。

 

真言か祓言か、はたまた呪詛か。

非術師では計り知れぬ神秘的な言葉が、場に緊張感と呪力を満たす。

 

 

「さあ、そろそろだろう?」

「ひっ....で、できるかどうかは──」

「五月蠅い、ほら早く」

 

 

涙と共に、触媒の指を飲み込むイタコ。当然、只の指ではない。

数百年後には特級呪物と認定され、呪いを呼ぶ呪いとして扱われる忌物。

 

 

「ほら、名前を呼ばないと死んじゃうよ?」

「うぅ.....うぅっ──────」

「呼びなよ、呼べって......呼べ!!!」

 

 

そんなモノを飲み込んでしまえば命の保証は無いに等しい。

しかし、それに適応できるだけの肉体が有れば別だ。その"器"か───

 

 

「...........『両面宿儺』」

 

 

────"本人"で、あれば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1503年 4月21日

 

 

喜べ皆の衆。遂に反転術式を習得した。

 

最近は眼の強化ばかりしてきたので、こうやって本体が成長するのは珍しいな。ようやく眼の実力に身体が追い付いてきたと言っても良いのかもしれない。まあ期待はしていないが。

 

 

「ふん、反転術式程度でか。おめでたい脳ミソだな」

 

 

はいそこ五月蠅い。

 

 

何はともあれ、これで術式反転に回復技に──と、手数が増えるわけではない。というか、あんまり治療以外で役に立つ予感がしない。

 

輪廻眼は特異体質だが、呪術的要素である縛りで手に入れただけあり、扱いは俺の肉体の一部というよりも移植された呪物に近い。正の呪力を流せば内部の術式が傷付くかもしれない。それに多分、やろうと思えば他人に移植だってできるくらい俺との親和性は薄いのだ。

 

 

「ほほう?中々興味深いな」

 

 

つまり、輪廻眼以外に攻めの手段の無い俺にとって無用の長物...とまではいかないが、本当に反転術式は習得レベルの高いだけの要らない子なのである。

 

 

.....

 

 

..........

 

 

..........なあ、ちょっと待って。

 

 

「なんだ、どうかしたか小僧。ああ、小便ならば我慢せずに行っておくが吉だぞ?人間の美麗醜悪共に見てきた俺が言うのだから間違いない」

 

 

なんで宿儺様がいらっしゃるので??????

 

 

岩に座って日記を書いていたらいつの間にか後ろに座ってたんだけどこの人。あ、今のは日記の中じゃなくて脳内での叫びね。流石に口に出してたらノータイムで死んでるわ俺。

 

しかもビジュアルは指何本....って、腕四本ある?腕四本?指二十本状態とか新宿よりも完成度高いじゃねーかボケ。五条戦でも見せなかった究極完全体で爆誕するんじゃねーよ、空気が凍るだろうが。

 

 

んん?でもそうでもない?結構思ってたより弱い気もする......

いや、俺より強いのは確実なんだけどね?

 

 

「ん?ああ、俺の事が気になるのか?」

「あ、あぁ...ええと....ハイ」

「傲慢だな、だが許す。名乗りくらいはしてやろう」

 

 

腕を組みながら、組んだ腕に頬杖を付く宿儺。何を言ってるか分からんだろが、腕四本なんだから出来る芸当と思えば結構。顕示欲高すぎるだろコイツ。

 

 

「俺の名は宿儺。ついこの間蘇った者であり、今からお前を殺す者だ」

「......なんで殺すか聞いても?」

「二度目の傲慢だな。だが特に許す。今の俺は機嫌が良い」

 

 

楽しげに鼻を鳴らし、手印を結ぶように運指をする宿儺。そういうフェイントは貴方の場合シャレにならんのでやめて頂きたい。

 

 

「古い知り合いが不遜にも俺を叩き起こしおってな。寝起きの憂さ晴らしで殺してやろうかと思ったが、菅原の血筋になにやら五百年に一度の逸材が生まれたとかほざきおる。それで暇潰しに来てやったというわけだ」

 

 

もうシャレにならんので色々とやめてくれ。

カカシの写輪眼よりも「やめてくれ」案件だぞコレ。

 

輪廻眼で宿儺を見てみるが....少しだけ霊媒系の残穢が残っているな。察し。

 

 

確か宿儺の肉体自体は死んでいて死蝋になってたはず。つまり、オガミ婆とかが接続してた死後の世界に肉体の情報自体は送られてるはずだ。その情報を適当な人間に降ろして疑似的な器にしたな?

 

後はそこに指を取り込ませて魂を入れてやれば、指の本数に関わらず生前と同じ状態で顕現できる。まあ、流石に魂の情報が二十分割された内の何本かなら多少弱体化はしているのだろうが....

 

うん、ヤバい。機嫌を損ねたら死ぬんじゃね?っていう空気をビンビン感じる。実験台にしてた山賊や山に湧いた自然呪霊とかとは一線を画す存在なのは、素人の俺でも分かる。

 

 

というか─────

 

多分その菅原の血筋、俺じゃ無いですよね?絶対五条家の六眼と勘違いしてんだろ。

 

 

「いや人違いじゃないか?五百年に一度と言えば六眼だろうし。確かに俺は妙な眼は持ってるけど、あそこまで高尚なモンじゃないし?御三家とかなら兎も角───」

「御三家に六眼まで知っておいて俺の名を知らぬと言ったのか」

 

 

やべっ、墓穴堀った?

 

 

「だが許してやろう。最後の一回だがな」

「....さーせん」

「うむ。お前には今、三つ選択肢がある。心して聞くが良い」

 

 

最後の一回と言われては減らす口も叩けない。

.....直ぐには殺されなさそうだし、ここは黙って聞いとくか。

 

 

「一つ、今から俺と戦って俺を楽しませるか」

「.....勝負になるとでも?」

「それはお前次第だなぁ?」

 

 

うん、却下。死ぬ、マジで死ぬ、絶対に死ぬ。

宿儺だって馬鹿じゃない。こういう慢心モードの時は絶対的な実力差を確信しているからだし。

戦闘になれば秒で膾にされる自信が有る。

 

 

「二つ、俺にその眼を寄越して生き永らえる。」

「....輪廻眼を?」

「そうだ。お前自身に対して興味は無いが、ソレは俺が手に取るだけの価値が有る。俺としてはコレを薦めるぞ」

 

 

.....却下。こんなのが宿儺に渡れば最初からクライマックスだ。

原作が地獄に叩き落されかねないし、一応コイツは羂索側の人間。一体何に使われるか分かったもんじゃない。

 

 

「そして三つ。一つ目と同じ程、俺を楽しませる事」

「死に様より愉快なモノを見せろってか」

「そういう事だ。元々"暇潰しに来た"と言っただろう、大道芸の一つでも魅せるのであれば見逃してやらんでも無い」

 

 

今からお前を殺す者、とまで言っておいてどの面だよ。

というか、どれ選んでも難癖付けて殺すに決まってんだろ、お前の場合。

 

 

「そうですかそうですか....やってやんよ」

「若気の至りとは何処までも恐ろしいな。茨の道を自ら突き進むとは」

「生憎、生まれてから一度も自分を信じた事なんて無いんでな」

 

 

実際そうだ。この世界に来てから、何度自分自身を忌み嫌ったか分からない。

もっと強ければ、もっと聡ければ、もっともっともっと─────

 

────果てしなく、自分を呪う声が無限に積み重なっていく。

もう、俺は俺自身に期待するのなんて止めてるんだよ。

 

 

「.....口寄せの印。式神の類か?」

「ああ、だが"俺"が使うってわけじゃない」

 

 

ならどうすれば良い?

 

自己研鑽も出来ないってんなら、主人公らしく在れない俺は野垂れ死んで終わりなのか?

最強に成る事が許されないなら、主人公らしく在れない俺は一人寂しく朽ちて逝けってか?

何も出来ず口だけの人間で、主人公らしく在れない俺は、何も果たせず無様に散れってか?

 

 

ああ、全部断る。俺は何が何でも生き延びる。

 

 

「何を踏みにじってでも、何を利用しようとも─────」

「.....そう来たか。人の心とか無いのか?」

 

 

口寄せしたのは、この三年間で必死に墓荒らしして集めた禪院家の死体の数々。その全てに外道の黒杖を刺して操作可能にしており、中でも"相伝"持ちは丁重に保管してある。死体への敬意というわけでは無い。ただの利用価値相応の扱いだ。

 

 

「─────俺は、絶対にお前に勝つ(生き延びてやる)

 

 

"十種影法術"。禪院家の相伝術式であり、無下限呪術にすら対抗し得る式神術。

しかし、真価を発揮できるのは極地に達した者のみ。そして、その者は未だ存在しない。

 

.....逆に言えば、その術式を持っていた人間なら存在したという事。

 

 

 

【【【【【布瑠部由良由良】】】】】

 

 

 

そして式神術の性質上、同じ術式が複数存在すれば同一の式神を複数召喚する事も可能。

正に、自分の事を片時も信じられなかった人間にしか思い付けない"奇策"だ。

 

 

「一応聞いておくぞ。この程度で勝てると思っているのか?」

 

 

ニヒルに笑って答えておこう。正直、この程度で勝てるなんてミリも思っていない。

だけど勝たなきゃいけないんだ。勝たなきゃ生きられないからな。

 

 

 





・管理人(13)

墓荒らししたり仙人生活したりでSAN値が減った。
生きる事だけに執着しすぎて生き甲斐が無い。自己肯定感も低い。
マコラを5体同時に出しながら輪廻眼するくらいしか能が無い人間。

加減しろ馬鹿!!!!!



・宿儺

羂索がバグ技で呼び出した。やっぱ降霊術はチート。
見た目20本状態(平安)だが、魂が5/20なので渋谷の宿儺より少し強い程度。
バグ技で呼ばれたので呪力が切れると呪物に戻る。


・羂索

RTA走者の才能が強すぎるメロンパン。
五条(六眼)を確実に抹殺するために宿儺という爆弾を落としたが、なんか六眼じゃなくて輪廻眼の方に行ってた。お前のチャートって良く崩壊するよな(小並感)
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