宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 あともう少しだ、あともう少しでクライマックスまでいける、あともう少しで最終回までいける(お目々ぐるぐる


執着

 

 

 死が…目の前にある。

 

 絶対的な死の権現、絶望的なまでの力の化身…少なくとも、羂索にとって今の五条悟はそういう存在だった。

 

 自身を見下ろす蒼い輝き…二度三度と殺されかけ、今尚も癒えることのないトラウマの象徴…それが、己を冷たく見下ろしている。

 

 その事実に羂索は歯をギリッと強く噛み締め、その意識を極限まで高めた。

 

 一瞬でも気を抜けば殺られる、ほんの一瞬でも意識を逸らせば反応することすら出来ない可能性があった…それほどまでの存在であることを、羂索は知っている。

 

 冷や汗が流れる、頬を伝うソレが嫌に煩わしく感じる中で羂索は腰に帯びた刀、その鞘口を開き…そんな羂索の姿を、五条は鼻で笑った。

 

 僅かに響いたハッという声、鼻で笑われたその事実に羂索は何も反応を見せることはなく、しかしその音に羂索の意識は過敏に反応した。

 

 待機状態からの即座に臨戦態勢、柄に手をやり何時なりとも引き抜けるようにと意識を張り巡らせ…それとほぼ同時に、五条悟は動き出した。

 

 俊足、埓外とも呼ぶべき速さ…羂索が刀を抜くという行為に及ぶその前に、抜刀という行動に移る間すら与えず、五条は羂索の背後を取っていた。

 

 早い、何処までも速い…禪院薫という僅かなりとは言え宿儺と渡り合い認められた存在、その肉体…それで以ってしても、反応することすら叶わない。

 

 純粋に中身の問題なのか、それとも単に五条悟が速すぎるのか…結果としては何方とも言えないその事実を前に、羂索の意識に一つの単語が過る。

 

 

 

───死

 

 死ぬ、死ぬ、死ぬ…無数に乱立する死という単語、五条が振り被った拳が嫌にスローモーションに見えてくる、ゆっくりと死へと向かうその事実に羂索の思考は急速な焦りを見せ───

 

 

 

 

 

 

「───ケヒッ…久しいな」

 

 

───五条悟

 

 

 ふと、そんな声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間、空間が爆ぜる。

 

 バゴンッと鳴り響く衝撃と衝撃の激突音、互いが互いに空間を打つが故に発生したその衝撃は、両者を中心として周囲の物体を薙ぎ倒していく。

 

 呪力が荒れる、呪力が吹き荒ぶ、呪力が巻き上がる。

 

 転がり込む形でその場から離脱した羂索、ゴロゴロと転がり必死の形相で以ってその一瞬から逃亡した羂索は、反射的に上を見上げた。

 

 太陽に重なる二つの影、拳を振り切りぶつかったその態勢のままに浮き上がった両者の身体がくっきりと黒く羂索の視界に映り込む。

 

 菫色と蒼色、モドキと本家本元、白と白…互いに視線を混じり合わせた両者は、共に笑みを浮かべていた。

 

 両面宿儺と五条悟…本来の史実にて引き起こされた両者の二度目の邂逅…奇しくもそれは、本来のソレと同時期同場所にて引き起こされていた…何と言う偶然であろうか。

 

 着地する…弾かれるように距離を取った両者が地面へと足を付け、眼前に存在する敵手の存在を嗤い…徐ろに、ソレを唄う。

 

 

 

───術式反転『赫』

 

 

 

 発動する弾く無下限、鮮烈に輝く赫色が周囲を照らし上げ、互いが互いに激突する。

 

 両者共に同時、向けられた手から放たれたソレに五条は僅かなとも驚愕の表情を浮かべる…しかし、その当の本人が放った赫は、宿儺の赫を容易く撃ち貫いた。

 

 宿儺の赫を貫通する五条の赫、ほんの数秒の拮抗と共にやってくる敵手のソレを宿儺は何気無いように躱し、確かめるように掌を閉じては開いてを繰り返した。

 

 純粋な慣れか、それとも練度に寄るものなのか…何方にせよ、現状のままでは五条の無下限に負ける…その事実に宿儺は何処か満足気に笑みを溢した。

 

 まるで、玩具の使い方を理解して喜ぶ子供のような笑み…それを浮かべながら、宿儺は唐突に口を開く。

 

 

「…覚えているか、五条悟」

 

 

 

───小僧の身体をモノしたら、真っ先に殺してやる

 

 

 それは、何時かの宣言…未だ目覚めて間もない宿儺が言い放った五条悟へと当てた殺害予告、本来のソレと寸分違わず同様のソレ……しかし、それは───

 

 

 

「───アレは無しだ」

 

 

 ただ一つの要素が故に、捻れ狂う。

 

 湧き上がる高揚、溢れ出す興奮、呪力が満ち満ちて仕方が無いとでも言わんばかりに大手を広げる宿儺を五条は目を見開きながら見つめ……徐ろに、その瞳に深い殺意を宿した。

 

 理解した…五条悟という人間は半ば直感的に理解してしまっていた、宿儺の変質の原因を。

 

 本質的なソレ、本能的なソレ、五条菫というとんだ狂乱ストーカーが居たからこその理解、本質的には明確に別と理解出来ていても、しかしソレは五条からしてみれば何ら違いは存在しない。

 

 即ち───

 

 

「───順番抜かしはいけないことって教わらなかったか?」

 

「───ハッ、知らんな」

 

 

 こいつもまた、泥棒猫だ。

 

 順番抜かし…本気も本気の大遊び、先に予約したのは自分だという一種の自負、それを胸に抱きながら五条は呪力を駆動させた。

 

 殺意、殺意、殺意、殺意…五条悟という人間が久しく抱くことの無かった一個人への明確なまでの殺意、呪霊へと向けるソレとは違う濁ったソレに宿儺は頭を掻きながら嗤った。

 

 

「そも、順番という意味で言うならば俺の方が先だ、抜かしているのは何方かと言えば貴様の方───」

 

「───知るか…アイツと遊ぶのは()だ」

 

 

 殴り付ける、口を開いた宿儺の言葉を最後まで待たず五条は宿儺の顔面を思い切り殴り付けた。

 

 一色の殺意、何処か嫉妬も混じっていそうなその一撃に宿儺の身体は吹き飛ばされ、吹き飛ばされる最中に存在した建物の一角に手をやり、曲芸のように勢いを殺す。

 

 パシリと手に取りくるりと回り、危なげも無く着地する…そこへと、五条は勢い良く飛びかかり拳を宿儺へと叩き込もうとする。

 

 上から下へ、さながらジェットコースターのような緩急を付けてやってくる五条、そこから放たれた拳を宿儺は難なく躱し、躱された拳はその地面を遠慮無しに抉り、隆起させる。

 

 

「そうか、そういうことなら俺も言わせてもらおう───」

 

 

───奴を喰うのは俺だ。

 

 

 満面の笑みとはこの事を言うのだろう…そう思わせられる程の満面の笑み、隆起した地面の先に立った宿儺はまるで宣戦布告でもするかのように五条へとそう告げる。

 

 お前じゃない、貴様じゃない…両者共に無言の否定、決して譲りはしないという絶対の意思が両者に見える。

 

 遊ぶのは(喰らうのは)己だ、奴の全てを視るのも味わうのも己の領分だ。

 

 お前(宿儺)じゃない。

 

 貴様(五条悟)ではない。

 

 

 だから───

 

 

「───ぶっ殺す」

 

「───膾切りにしてやる」

 

 

 

 

───お前(貴様)は消えろ。

 

 

 

 

 殺意と殺意のぶつかり合い、互いが互いにただ一人の人間との時間を巡って己が呪いをぶつけ合う。

 

 片や史上最強、片や現代最強、共に最強の名を欲しいがままにしていたはずの両者、決して相容れない二人の存在は、しかしただ一人の人間に固執しているという一点に於いてはどうしようもなく共通していた。

 

 

「───『解』」

 

 

 振るわれる十八番の斬撃、両面宿儺の専売特許、無造作に振るわれた斬撃は建物を鋭利に斬り裂き、その巨大を容易く斜めへとズラしてしまう。

 

 ヒョイッと躱す、先程宿儺にそうされたように大道芸さながらの動きで宿儺の斬撃を躱した五条はその大道芸さながらの動きによって生まれたその勢いのままに宿儺へと突撃、その腸を抉り取ってやると言わんばかりの蹴りを宿儺へと叩きつける。

 

 重い一撃だ、少なくとも万のソレよりも遥かに重いその一撃、それを宿儺を両手を交差させて防ぐ。

 

 ギリッと肉と肉の軋む音、伝わってくる蹴りの重さと感覚、互いに不可侵を持つが故に相殺され、実質的にその機能を失ったニュートラルな無下限…それがどうした。

 

 ガッと掴まれる、繰り出された蹴りを防ぎ切った宿儺は五条の足を掴み取り、そのまま五条の身体を振り回す形で建物へと叩きつける。

 

 五条の不可侵は宿儺によって相殺されている、宿儺が触れている間は五条の不可侵は無意味の長物と化す…故に、叩きつけられた衝撃と痛みはそのまま五条へと通る。

 

 背中から奔る痛みと衝撃、普段味わうことのないだろうソレにしかし五条は悪戯に成功した悪ガキのように宿儺を嘲笑う…終わりか? と。

 

 下から上へと蹴り飛ばされる、顎先から響いてくる衝撃、叩きつけられた先から振り抜かれた蹴りが宿儺の顎を打った。

 

 上向く身体、強制的に上へとズラされた身体、その先から凶悪な笑みを浮かべた五条が拳を携えて接近し、ギチリと拳を鳴らして宿儺へと突き入れる。

 

 蒼を併用した打撃、引き寄せられる感覚と共に腹部へと直撃した拳が宿儺の肉体を殴り飛ばし、逆方向の建物の中へと宿儺の身体を突っ込ませる。

 

 カウンターを受けたような感覚、純粋に強力な一撃に加えてこの技、その威力は並々ならないものであろうということを宿儺は菫の記憶から理解していた…しかし、やはり───

 

 

「───実際に受けるのとでは訳が違う…か」

 

 想像以上…そう言う他無いだろう。

 

 菫の記憶に存在した蒼の併用打撃、その威力は五条菫の記憶に存在したそれよりも遥かに重く鋭いものだった。

 

 記憶の中に存在する思い出の代物と眼前に存在する実物とではやはり感じ方が違ってくる、想定よりも遥かに鋭い一撃を受けた腹部をなぞりながら、宿儺はそうでなくてはと薄ら笑みを浮かべる。

 

 これで弱ければ拍子抜けであった、これで弱ければこの程度で挑む気だったのかと馬鹿にしているところであった。

 

 

「───…マナーは守れている…と言ったところか?」

 

 

 そう呟いた宿儺の脳裏に浮かび上がったのはドレスコードという言葉、高級レストランに於いてそれ相応の服装を求められる規則のようなもの…浮かび上がった理由は、言わずもがな。

 

 あぁ、そうだ、そうでなくては困るのだ。

 

 あの絶品の…満漢全席の予約を取り合うのだ、それ相応のモノを持っていなければ寧ろ此方側が困る、そうでなくては取り合う甲斐無い。

 

 あの男であればきっとそうでも受け入れる、あの男であれば規定内で無くてもきっとその全力を受け止める…しかしそれでは駄目なのだ、そんなことは他ならぬ宿儺自身が認められないのだ。

 

 己が喰らうのだ、己以外に染められては困る。

 

 己が喰らう(殺す)のだ、己が以外に目を向けられては叶わない。

 

 お前は俺の獲物なのだから、お前は俺の満漢全席(宿敵)なのだから、お前こそが俺の悔い(愉しみ)そのものなのだから。

 

 故にこそ───

 

 

「───お前を殺せば、奴の味は深まるのかな?」

 

 

 

 宿儺は眼前に居座る邪魔者(同類)を、惨殺することに決めた。

 

 

 

 

 

 

 





五条先生

 キレてる、なんか本能的に廻との番を取られかけている事実に非常にキレている、因みに宿儺の肉体がクソ女に変わっていることにキレているが割とどうでもいい。

 因みに、本人は最強を名乗ったことは無い。


宿儺

 満漢全席を食べたいならキチンと服装(強さ)を整えてからにしろとか普通に思ってる人、それだけこいつの中の満漢全席は重い。

 菫の記憶で五条と廻の関係を知っているので、殺したらもっと美味しくなってくれるかなとか考えてる、因みにそうなったらマジで味は深まる。


メロンパン

 無言の全力ダッシュ。


裏梅さん

 置いていかれた、おのれ変態め。










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