原作の方の呪術廻戦がもう終わるらしい……ロスが、ロスが来てしまう(ガクガクブルブル)
追伸
なんか、全体的にエタッ来た気がする今日この頃…これ、宿儺に辿り着けるか作者?
青い青い空の下で、鬼神の咆哮が響き渡る。
与えられた一分という時間制限、その僅かな時間を目一杯最大限に活用してやろうと言わんばかりに、獅子王は己の呪力出力を全開まで跳ね上げる。
放電、スパーク…爆ぜ散る紫電が眩しく発光し、バチバチバチリと金切り声のような放電音を響かせ、それに呼応するように周囲の空間が紫色に染まる。
僅かに感じる妙な違和感、若干の呼吸のしづらさに廻は僅かに眉を細め…その瞬間を狙ったかのように、獅子王は弾けるように廻へと突っ込んだ。
一体何処に足場があったというのか、空中とは思えない程に卓越した加速、一気にギアを上げたモーターのような加速で瞬時に廻へと近づいた獅子王はその速度のままに廻へと突進を仕掛けた。
紫電を纏った状態での突進、そこに付随する獅子王の頭部に付いた大きな角が凶悪に輝く。
当たれば重傷は間違い無し、直撃すれば確実に人体を貫通しそのまま刺し殺されてしまうことだろうその大きな角、それが真っ直ぐとその切っ先を主を向けたままに突き進み───
「───ふんぬ…!!」
何処か間抜けな掛け声と共に、その角をガシリと掴まれた。
突進してきた獅子王の角、向けられた切っ先を廻は何の躊躇も無く掴み取ることで突進を防ぐ…しかし、その勢いまでは殺せず後ろへ後ろへと獅子王の突進のままに無抵抗で後方へと下がっていく。
そもそも踏み締め踏ん張る為の足場が無いのだ、スカスカと癖で足を動かした廻はそのまま獅子王に肉体を押されていき……瞬間、徐ろに揺れた廻の足が、獅子王の顎を打ち抜いた。
ガゴンッと鳴り響く骨を打つ音、スカリスカリと揺れていた足がブレる程の速度で動き出し、獅子王の顎へと膝蹴りを叩き込む。
あまりに唐突にやってきた一撃、開いていた口を無理矢理閉じられたことによる衝撃とガツンとやってきた脳への衝撃に獅子王の肉体のバランスが崩れる、突進に掛けた力が分散する。
「───ガァァッッ!!!!」
ソレを許さぬと言わんばかりに、獅子王は吠えた。
至近距離から発せられる大音量のソレ、何処か風圧を含んですらいそうなソレに廻の身体は若干浮き上がり、そこへと左右から挟み込むように獅子王の拳が放たれる。
空気を裂いて振るわれる左右同方向からの拳、それに対して廻は掴んでいた獅子王の角を力場にふわりと上へと浮き上がることで躱した。
腕の力のみでの移動、重心も勢いもクソも無いただの腕力での回避、それによって動かした身体を今度は重心に任せてくるりと勢い良く回転し───
「───ほら、痛いかもよ?」
その勢いのまま、獅子王の脳天に踵落としを叩き込んだ。
僅かに呟かれた言葉に反応する暇すら与えず繰り出された踵落とし、脳天へと突き刺さったそれに抵抗する間も無く獅子王の身体は地上へと叩き落とされる。
空から陸ヘ、つい先程の光景の焼き直し、陸へと叩き落された獅子王はその直前で体勢を立て直しズシンと地面へと着地した後に直ぐ様上空へと視線を投げ…その直後、隕石か何かのように廻が突っ込んできた。
地面が爆裂する、高所からの落下による速度と重さによってかさ増しされた廻の蹴りが獅子王ごと地面を抉り蹴り抜く。
勢い衰え知らずとでも言うように加速した廻の蹴りは留まることを知らず、獅子王の肉体に触れるが否やその肉体を地面へと陥没させ、更にその勢いのままに引き摺るかのように地面の中を突き進む。
まるで漫画かアニメのような光景、抉ると言うより最早刳り抜いているかのようなその光景に、並大抵の者達は絶句する。
止まらない、火花すら飛び散ることが無い程のソレは何時まで経っても止まることを知らずに前進を続け、そこへと廻は更に更にと打撃を叩き込んでいく。
一撃二撃、三撃四撃…一発一発打撃を打ち込む度に鳴り響く破砕音、打ち込む度に更に加速していく獅子王の身体に廻は容赦無く打撃を叩き込む続ける。
ズガンッズガンッズガンッズガンッ…まるで一つ一つ、壁を粉砕していくかのような音、あまりにも手軽に連続して鳴り響くその音と衝撃に、堪らないと言わんばかりに拳を振るう。
瞬間、下から上へと地面が爆ぜ飛ぶ、地面のその向こう側から飛び出してくる二つの影が同時に拳を振り被り、眼前の存在へとその一撃を叩きつける。
響き渡る衝撃音、空中へと飛び上がって真っ先に行ったソレはいとも容易く辺りに衝撃波をばら撒き、近場の窓ガラスの尽くを粉砕するに至る。
弾かれるように地面へと降り立つ、互いに拳の衝撃によって吹き飛ばされたと勘違いしてしまいそうになる程に大きく、弾かれるように互い離れた末に地面へ降り立った両者は、地面へと着地するが否や直ぐ様大地を蹴り上げ対象へと接近を開始し、その拳を振り被った。
正にノータイム、地面に降り立ったその瞬間から地面を蹴って前へと進む、それに掛けた時間は一秒は下らない。
地面を蹴ったのは互いにほぼ同時、貴重で珍しいこの限られた機会をただの一秒も無駄にしたくない…そんな獅子王の願いを知ってか知らずか、禪院廻はその望みに応えるように前へと進み出た。
同時に地面を踏み抜く…踏み込んだ足が沈み地面が砕け、罅割れるどころか最早陥没しているのではないかと思わせるほど強く強く両者はそこへと足を踏み込ませる。
互いに最早間合いの中、大きく振り被った拳からは避ける躱すの意志は欠片も見えず、何処までも真っ向から打ち合うことしか考えていない生き物のソレだった。
紫電が飛び散り呪力が散る、両者共に腕を振り被り拳を放つ数秒前の段階、最早誰にも止められないソレを前に獅子王は何処か愉しげに笑みを浮かべ、それに対して廻は仕方が無いものを見るかのような瞳で獅子王を見つめた。
拳が放たれる、真っ直ぐとブレることなく、まるで撃ち放たれた弾丸のように音と空気を裂いて突き進む両者の拳、激突必至のソレが互いに急速に接近し、そして───
「───…あっ」
「───ちょっ…!?」
その合間に、唐突にその男は現れた。
白い髪に蒼色の瞳、あまりに見慣れた容姿と気配に廻は思わずと言ったように驚愕の声を漏らした。
五条悟…禪院廻という人間の中で揺るぎ無く存在する最強の術師…それが今、あまりに唐突に両者の前に現れた……よりにもよって、獅子王と廻の拳が互いに衝突する、その直前に。
丁度廻と獅子王の間に割り込むような形で現れた五条、それこそ本当に拳と拳が丁度激突するような、そんな場所に親友が唐突に湧いて出てきた…その事実に、禪院廻はあまりに急速に動き出した。
握り締め放った拳を開く、突き進み本来であれば親友の頬を打ち抜いていたソレは代わりに五条の服を掴み取り、そこから半ば力任せに五条の身体を自身の下へと引きずり寄せる。
単なる呪力強化状態から領域展延への
突如として身体を引き寄せられた五条もまた、殺意も敵意も無ければ悪意すら無い、ましてやそれをやったのが他ならぬ廻であったこともあってか、半ば無抵抗にソレを受け入れる。
そこから続けて廻は五条を引き寄せた重心の移動を利用し、その状態から流れるような回し蹴りを獅子王の拳、その横合いへと叩きつけることでその軌道を自身からズラした。
横合いから拳を叩かれたことでズレた軌道、本来ならば廻の拳を迎え撃っていたはずのソレはその行き先を逸らされたことで地面へと着弾し、そこへと大きなクレーターを作り上げる。
流石は流石の力持ち、膂力と言う一点に於いては千年前の宿儺をして馬鹿力と言わしめた実績はやはり流石と言うべきなのか、さしもの五条悟も何処となく冷や汗を掻いているようにも感じられた。
一拍の静寂、廻も獅子王も五条も同じく動きを止めたまま静止していた、まるで切っ掛けが無いと動けない藁人形か何かのようにその動きを止めていた三者は、しかしふとしたように唐突に動き出す。
「…あ、危ないじゃん!? 大丈夫だった!?」
開かれた口から飛び出したのは心配の言葉、引きずり寄せた結果として尻餅をついていた五条へと息を吹き返したかのように廻はアワアワと言葉を掛け出した。
あまりにも突発的でしかも半ば本気に近い状態だったからだろう、何処かワタワタとした様子で己を見る廻の姿に五条は思わずと言ったように吹き出し、それに対して廻は怒ったように言葉を紡ぎ出す。
「いや、笑うとこじゃないだろ!? お前今の本気で危なかったんだぞ!!?」
「いやいや大丈夫だって、こうして無事な訳だしさぁ」
「俺が助けたからなっ!? 当たってたら多分お前でも大惨事だったんだぞ!!?」
アハハアハハと笑う五条に対して廻は何処か必死な様子で五条へと言葉を吐き出す、何が楽しいやら未だに大笑いを続ける五条に廻は笑ってる場合じゃねぇんだよ!!…と脳天にチョップを繰り出した、ズゴスっという鈍い音が鳴った。
先程までの姿は何処へやら、瞳を緩めて額に怒りのマークを浮かべ、ギャイギャイと先の状況が如何に危うかったのかを説明しながら殴りかけてゴメンと謝る廻に対して、五条はこれまた楽しそうにそれら親友の言葉に耳を傾けていた。
そして、それを見ていた獅子王は───
「───…ぐるる」
何処となく自身が蚊帳の外に置かれていることに気がついたのか、不貞腐れたように地面に『の』の字を書いてどんよりしていた。
五条
廻の所に行こうとしてピンポイントで来てしまった人、因みに廻が引き寄せてなかったら獅子王にぶん殴られてどっかの建物に叩きつけられていた人。
宿儺が来たら一番乗りと言って馬鹿にする。
獅子王
空気はそれなりに読めてしまう子、拗ねた。
廻
あまりに突発的な親友の出現に意識が戦闘モードから通常モードへと移行してしまった人、それはそれとして殴りかけた謝罪はキチンとする。
かしもん
説教を始めた廻の姿に、あれは俺が入って行ってもいい状態なのか? とか思ってる。
ここに来る前にパパ黒と遭遇した。