とりあえず死滅前編はここで一区切りかなと…次は人外魔境やなぁ。
というか原作はん…なんで、裏梅さんの戦闘シーンあんなに削ったんです? お陰で完全に自分で想像するしか無くなったじゃないですか、どうしてくれるの(泣)
あの後のことについて、話そうと思う。
あの後…決着の日程を決めた後、宿儺が俺の問いに曖昧な表情で返した後のこと…俺は領域を解いた。
話は終わった、目的だったそこら辺の要望は聞けた、だったらもう領域を展開し続ける理由は無いなとアッサリ解いた…その直後、宿儺は早々にその場から消えた。
無下限を利用した座標の圧縮を行ったんだろう、ほんの少しの時間の隙間と共に宿儺はその姿を消していた。
らしくもない退散の仕方だ…見慣れ聞き慣れたあの特徴的な笑声を発する訳でもなければ何かしらの言葉を残すわけでもない…本当に静かにその場から立ち去った宿儺に俺は言いようの無いソレを抱え込むことになった。
因みに、領域を解いて宿儺が消えた後、悟がやってきてグチグチと文句を言ってきた。
やれちゃんと領域を見たかった、やれ俺との約束はどうしたんだよ、やれ一人だけ除け者にしやがって、やれ腹減った飯をくれ…だの、色々グチグチとらしくもなく粘着質に言われた。
…いやまぁ、一つどう考えても関係無い事柄が混じっている気はしたけど、まぁ別に良いかと流しながら俺はどうにか悟を宥めながら、生徒達と歌姫先輩達の居る拠点に足を進めたのだった。
「うん、大分上達してる…凄いね虎杖くん、まだ少ししか経ってないのに、驚いた」
「……ウッス」
そして現在、俺は道場みたいな見た目した所でゼーゼー言いながら寝転がる虎杖くんへと、そう言葉を投げかけていた。
あの後、悟と一緒に拠点に帰ってきた俺達はそれはもう極々自然に受け入れられた…まぁ、それは普通のことなんだが。
俺はウチの生徒達と歌姫先輩、楽巌寺学長に…悟は悟の生徒達とサマーオイルに家入さん、重症中の七海さんに猪野さん…まぁ、他にも居るけど随分と多くの人に出迎えて貰えた。
因みに雪姫さんは何故か壁に隠れながらジッーと俺のことを覗き込んでいた、何か知らんけど凄いジト目であったことをここに供述しておく。
それと…………兄ちゃんが居た。
ソファの上でくつろぎながら寝ている奥さん…
突然のことだったからだろう、僅かに目を見開いた兄ちゃんに対して俺は悪戯っ子のような表情を浮かべていたと思う…まぁ、それに対して返ってきたのは頭ナデナデの刑だったのだが。
流石に恥ずかしかったのだが、何歳になってもお前が俺の自慢の弟であることに変わりはない…なんて言う兄ちゃんの言葉でそこら辺のことは全部吹き飛んだ…退け、俺は兄ちゃんの弟だぞ!!
……まぁ、そんなこんなで概ねの受け入れとか何なりを済ませた俺は…早速のように皆の修行相手として付き合わされて…今に至る。
虎杖くんとか恵くんとか、その他諸々の皆様方やらの格闘訓練にひたすら付き合わされる…付き合わされるなんて言ったけど別に嫌ってわけじゃないし全員が全員意欲的な分、俺の方にもやる気は出てくる…出てくるんだけど。
頼むから、死ぬ気宛らの表情で纏めて襲い掛かってくるのはやめてくれないかな?
そんなことを思いながら、俺は今尚も倒れ伏す虎杖くんの頭を、なんとなしに撫でた。
「黒閃経験は…呪力の感じからして六回から八回ってところか…うん、このままやっていけば近い内には俺に追いつけるんじゃないかな?」
そう言いながら、笑顔で自身の頭を撫でている教師の姿を見て、絶対に嘘だと虎杖は内心でその感情を吐露した。
「…オス」
ゼーゼーと荒い呼吸を吐き出しながら何とか返事を返す、重い身体を寝転しながら天井を見上げ、ふとしたように周囲へと視線を向け…その光景を見つめた。
死屍累々…そんな言葉が似合う程に大量に寝転がった無数の人間、皆一様に荒い呼吸を繰り返しながらその身体にびっしょりとした汗を貼り付けている。
自身の兄、伏黒恵、糸目の先輩に顔に黒いの被った先輩、更にそれに加えて見たことのない金髪関西弁の男も含めて、全員が全員無様に地を這いつくばっていた。
それに比べてと視界を件の教師へと移した虎杖は、その圧倒的なソレに感服するしかなかった。
息一つ乱していない、六人で一斉に掛かったというのに掠り傷どころか息を乱すことさえ出来ていない、更に言えば恐らく…というより確実に手加減されたであろう確信が虎杖にはあった。
遠い、何処までも遠い、歩いても走ってもまるで追いつける気がしないその圧倒的なまでの遠さ、何時か言われた自身の完成形という言葉の意味が何となく理解出来た。
純粋なフィジカルによる格闘戦、自身が得意としていたソレをいとも容易く挫かれる、放つ攻撃全てをさも当然のように弾き返し果ては投げ飛ばす…虎杖からしてみれば、それら行動全てが自身の目指す先であるような気がしてならなかった。
故にこそ…先の言葉を嘘だと確信していたとしても、それでもその言葉は虎杖からしてみると途方も無く嬉しいものであったりするのである。
ギシリと足音が響く、自身から離れていく足音と気配に虎杖は身体を寝転がせながらそちらへと視線を移し、廻の姿をその目で追い…それを見た。
「お前はもうちょい気張れよアホ、大人だろうが」
「いやそれは流石にりふじへびゅ…!?」
金髪…直哉の頭に手刀が叩き込まれる、廻の言葉に抗議の言葉を発そうとした直哉の頭に叩きつけられた手刀はガツンという重い音を鳴らして直哉の脳天へと直撃し、その喰らった当人の口から奇妙な悲鳴を響かせるに至る。
ゴツンと木の板に沈む直哉の顔面、プシューッと脳天から昇り出る煙からはその威力が嫌という程に知れた…どれだけ強くやったんだと思いながらも、宿儺の中から見たあの一撃を思い出してみれば、本気のほの字も出していないのだろうなと虎杖は考える。
そうして完全に沈んだ我等がドブカスの頭に廻は更に小さくゴツンっと遥かに手加減された一発を何気無しに打ち込み、そこから次へと向けて立ち上がり足を動かす。
「恵くんは、この後に改めて十種の訓練に入ろうか…真似して欲しくなかったからとか何だかんだ言って、君にはキチンと教えられてなかったからね」
「…はいっ、よろしくお願いします…!」
汗を滝のように流しながら、倒れた順番で言うなら三番から二番目の伏黒へと廻は訓練の追加の言葉を投げかけ、そして伏黒はそれを何処かギラギラとした瞳で受け入れる。
近接戦については何も言わない、課題をクリアしているという訳ではなくとにかく今ある長所を伸ばした方が余程良いという判断によって告げられたその言葉は、しかし伏黒にとっては願ってもない言葉だった。
意気揚々とした肯定の言葉、やる気満々と言わんばかりの伏黒の瞳に廻はならば良しと膝を伸ばし、更に次へ次へと肩を回しながら歩き出す…そこへ、雷が如き人影が廻の元へと飛びかかる。
打ち放たれる拳、雷と同質の呪力特性を持つが故のスパーク音を鳴らしながら振り抜かれたその拳を廻はパシリと受け止める。
獣の様な笑み、爛々と輝く瞳を前面に押し出しながら男は…鹿紫雲は何処までも当たり前のようにその口から言葉を紡ぎ出す。
「───混ぜろよ」
「───お好きなように」
言葉少なく交わされた僅かな応酬、問いに対しての応えを肯定で返されたその時点で鹿紫雲は意気揚々と動き出す。
受け止められた拳はそのままに、更に片方の拳を顔面目掛けて打ち放つ、真っ直ぐと急所を狙って放たれた拳に対して廻は徐ろに掴んでいた拳から手を離し、まるでバナナの皮で滑ったかのように急速に唐突に鹿紫雲の視界から消える。
それと同時に放たれる局部への攻撃、明確な男の象徴へと無造作に放たれる蹴りの一撃を鹿紫雲は笑みを浮かべたまま横に身体をズラす事で躱し…そこへと、目にも止まらぬ速度にて接近した廻が鹿紫雲の服ごとその肉を掴み取った。
「吹っ飛ぶと部屋壊れて怒られちゃうからさ───」
───貴方は動かずそこにいろ。
その言葉が呟かれるのと同時に鹿紫雲の脳内で警報が鳴り響く…しかし、それによって鹿紫雲が行動するよりも速く廻は鹿紫雲の鳩尾へと拳を叩き込んでいた。
さっさと終わらせて次の訓練へと行きたかったが故の全力の呪力出力、それを廻は鹿紫雲の鳩尾へと叩き込み…何時ぶりたるや、待っていたと言わんばかりに黒い火花は飛び散った。
───『黒閃』
戦車砲宛らの爆音が、道場内に響き渡った。
後に、鹿紫雲一はこう語る…内臓が吹き飛ぶかと思った…と。
廻
鹿紫雲に黒閃を叩き込んだ後、伏黒に十種のコツやら何やらを教えに行った、絶対に自分の真似はしないようにと念押ししてる。
兄ちゃんが来たのでテンションがアゲアゲ。
鹿紫雲
内蔵吐き出すかと思ったし吹き飛ぶかと思った…現在、吐き出した胃の中分を補充中。
幻獣琥珀の崩壊を一定のレベルにまで抑え込むことに成功している。
五条先生
乙骨の雑呪力操作を修正中。
作者からの一言
次の話は番外編で行きます。