宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 たまにはふざけてギャグに行かないと書けないことが分かった…というかホロライブで調べたら結構な小説があってびっくりする。


じゅじさんぽ的小話 ⑤

 

 

『兄・弟・爆・誕』

 

 

 

「兄さんっ!!」

 

「兄者ぁぁっっ!!」

 

「壊相ぉぉ!!! 血塗ぅぅぅ!!!!」 

 

 

 

 ヒシッ…と、三人は互いを互いに抱きしめた。

 

 渋谷以降全く音沙汰の無かった最愛の弟達、無事であることは分かっていてもそれでも心の凝りは消えず残り、常に思考の大部分を占める安否への不安に苛まれる日々…しかし、それも今日で終わりだ。

 

 最愛の弟はここにいる、この手の中に在る…傷もつかず苦しみもせず、こんな不出来な兄である自分へと本心から笑顔を向けてくれている。

 

 これ以上無い…あまりに心地の良い幸福に、幸せな現実に、脹相は知らず知らずの内に涙を流した。

 

 

「…ありがとう、雪姫…弟達を守っていてくれて」

 

「いいさ…そういう約束だったろう?」

 

 

 無意識下で漏れた感謝の言葉、涙を流しながらも振り向くことすらせずに発せられた感謝の言葉に、雪姫は何でもないようにそう応えた。

 

 有事の際には何があっても弟達を守ること…脹相からの頼み事、縛りも何も絡んでいない正真正銘の口約束、信頼に値せず守るにも値しないそんな口約束を、雪姫は当然のように守り切った。

 

 壁に身体を預けた状態で向ける視線の先、そこに在るのは愛し愛されの三人兄弟のよる感動の再会…そしてそれを、雪姫は何処か懐かしむよう表情で見守り───

 

 

 

「───…なぁ……これ、俺いらなくね?」

 

「───いらないわけがないだろう、ちゃんと居ろ」

 

 

 その横からひょっこり現れた虎杖が、ふとしたようにそう呟いた。

 

 何処か不思議そうな表情で、若干の不貞腐れさを混じらせた声色でそう言葉を発した後にそそくさとその場から立ち去ろうとする虎杖…そんな虎杖の首根っこを、雪姫は何処か呆れたような声色と共に掴み上げた。

 

 ぐぇっ…という蛙の潰れたような声と共にぐいっと引っ張られる虎杖の身体、本気で逃げたら絶対に術式を使われるという確信があるからなのか、無理に雪姫の手から逃れようとはせずジタバタジタバタと手足をブンブンと振り回すだけに留めている…そんな虎杖の姿に雪姫はため息を吐き出し…ふとしたように息を吸い上げ、声を吐き出した。

 

 

「───脹相っ!! お前の所の末っ子が寂しがってるぞ!!」

 

「───ちょっ!?」

 

 

 良く良く響く大きな声、もしもここが野外であったのならばそれ相応に周囲へと響き渡ることになったであろう程の声量…そして、それによって告げられたその言葉に虎杖は横合いから不意を突かれた時のような声を上げた。

 

 あまりに唐突、普段の態度や反応からして雪姫はそういうことを言うような人種では無いと断定していたが故の不覚…そして、そもそもからして虎杖は別に寂しがってなどいない、単純にこの場に於いて自分という存在が本当に必要なのかとふと疑問に思っただけだ。

 

 単純な疑問だ、ただ少し口をついて出てしまっただけの特に意味の無い疑問だ…しかし、最早そんなことは関係無い。

 

 弟が寂しがっている…事実であれそうでなかれ、その言葉がその耳に届いたその時点で、全ては既に終わっている。

 

 

 

「───悠仁ィィィィィィィィィィィィッッ!!!!!!」

 

 

 叫び、雄叫び、咆哮…視線を向けた先から猛スピードで突っ込んてくる涙を流した脹相の姿、最早自分では追いつけないのではないかと言わんばかりの速さで以って突っ込んできた脹相は、徐ろにガバっと両手を開いたと思うと、その勢いのままに虎杖へと抱き着いた。

 

「すまない悠仁ィィィィっ!! 俺はお兄ちゃん失格だぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

 大粒の涙を大量に量産しながら力一杯に虎杖の身体に抱き着き謝罪の言葉を述べ続ける脹相、あまりに唐突にやってきた突然に若干思考が硬直し、結果として言うべきことも言えずましてや行動を起こすことも出来ない虎杖…そして、そんな両者の姿を雪姫は、何処か満足そうな笑みを浮かべながら見つめ続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 この後、楽しそうだという理由で突っ込んできた血塗と、事情をまるで知らないがとりあえず混ざっておこうという弟的な思考回路の元に同じく突っ込んできた壊相によって虎杖は揉みくちゃにされることになるのだが…それはまた別の話。

 

 因みにそれら一連の後、九相図三名を兄と呼び慕う虎杖の姿が夏油により確認されたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブラザーズ&シスター』

 

 

 

 

 

 とある一室、広間に偶然集まった複数人の人影…一人はソファの上にだらりと腰掛け、一人は腕組みをしながら何やら思案するように瞳を閉じ、またある者はチャキチャキと刀の手入れに興じる。

 

 男が…脹相が広間に入ってくる、無言と静寂に支配されたその空間に違和感を感じることも疎外感を感じることもなく、何気無く空いていたソファの上に腰掛けると同時にフォルダのような物を取り出し、それに目をやってムフフッと笑みを浮かべた。

 

 静か、あまりに静か、会話どころか目を合わせることすらない静寂を通り越して最早虚無と呼べる程に静かな空間…そこに、一つ…否、二つの石が投じられた。

 

 

「よぉっす、兄ちゃんいるー?」

 

「やっはろー、兄ちゃんいるー?」

 

 

 二つの人影と二つの声…廻と虎杖、両名がほぼ同時に投げ掛けたその言葉に、兄と呼ばれた人物達はいち早く反応した。

 

 

「どうした悠仁、俺がお兄ちゃんだ」

 

「おう、呼んだか廻?」

 

 

 反応したのは共にソファに座り込んでいた人影…甚爾と脹相、共に弟を愛し弟に愛された男達が何気無いようにその声に反応する。

 

 兄ちゃんのなのは分かってるって…と何処か困ったように腸相へと駆け寄る虎杖と、ちょっと頼みたいことがあってと言いながら嬉しそうに甚爾の元へと歩き寄っていく廻…そして、そんな弟に対して満足そうな笑みを浮かべながら応対する兄二人。

 

 当たり前に繰り広げられる二組の兄弟の日常、静かで冷めきっていた青色の空間が和気藹々とした温かで団欒とした空間へとその姿を変えていく…そんな光景を男は…東堂葵はジッと見つめていた。

 

 ジッと、一時も目を離さずに、まるでその一瞬一瞬をカメラに収めるカメラマンが如き眼光で以ってそれら光景を見つめ続ける東堂…そして、そんな東堂の姿を何処かドン引きしたような目で見る三輪(刀の手入れは終了済み)

 

 一分か、二分か、果ては五分だったのか…ジッと和気藹々とし続ける兄弟二組の姿をその目に収め続けた東堂は徐ろにその開き続けていた瞳を閉じて…フッと小さく笑った。

 

 瞬間…東堂の脳内を存在しない記憶が駆け巡る───

 

 

「───ていや」

 

 

 その前に、東堂の意識を三輪は刈り取った。

 

 早業…刀身を鞘に納めたままに振り抜かれる居合モドキ、あまりに速くあまりに自然に地味に振り抜かれたソレ。

 

 影が薄すぎて忘れられても仕方がないレベルに矮小なソレはしかし、いとも容易く東堂の顎を抓るように掠めて行き、見事言う他ない程に的確に東堂の意識を刈り落とした。

 

 

「───兄弟の団欒を汚さないでください…殺しますよ?」

 

 

 そう言う三輪の瞳は、まるでゴミでも見るかのような瞳をしていた。

 

 弟二人を持つ現役の姉、家族に楽させたいが為に勢いで術師となった姉の圧力は、やはり伊達では無かった。

 

 

 なお、その一連の光景はバッチリ兄弟組に見られていたし、何だったら偶然そのタイミングでやってきていた五条にも見られていた。

 

 

 五条は爆笑した。

 

 

 

 

 

 

 

『甚爾くんはな───  ぱーとつー』

 

 

 

 

「───ええか真希ちゃん、甚爾くんは凄いんや」

 

 

 何処かうんちくを披露しようとするおっさんのような雰囲気でそう言葉を発した金髪の男…直哉に対して、真希はうげぇっとでも言いたげな表情を浮かべた。

 

 絶対に面倒なことになる…そんな確信を抱いた真希の予感を裏付けるように、直哉はぺちゃくちゃとその口を回し始めた。

 

 

 

「君があの化物ハサミ神の所に行って甚爾くんと同じ状態になったのは知っとる、身体能力とかそこら辺が同じになったことは知ってるけど…アカンよ、真希ちゃんがそんなところで満足してちゃ」

 

「真希ちゃんは身体が同じでも世界の見え方がまだまだアカンのよ、そんなんじゃ甚爾くんと同じどころかその足元にも立てんしましてや超えるなんて無理無理の無理や」

 

「甚爾くんはな空中ジャンプが出来るんやそれどころか空中壁キックも出来るんやまぁ空中の何も無いところで壁キックなんて意味が分からんとは思うけどハッキリ言ってそう言うしかないのが現状というかそうでも言わないと説明がつかんのやまぁそこが凄いんやけどね?」

 

「ましてや空間に存在する僅かな隙間やら温度とか密度の違いなんかを面で捉えて叩くなんていう言語で説明されたらそれこそ意味分からんような芸当だって出来るんや格好良いやろ俺は格好良いと思うそれはそれとして真希ちゃんも甚爾くんと同じように強い武器を持ったらええと思うんよこの前適当に漁ってみたら中々良さげな物を見つけて───」

 

 

 長い、長い、あまりに長い…一部の情報には確かに耳を傾けるだけの価値はあったが…しかしそれだけだ、それ以外の情報は全て当の甚爾くんと呼ばれた人間の自慢話で出来ている。

 

 聞きたいか聞きたくないかで言えばまず聞きたくない、よしんば聞いたとしてもそれは必要な情報を必要な分だけ纏めてくれたらという前提条件が付く…というより、単純に昔を思い出すから嫌というだけなのだが。

 

 

「甚爾くんは武器も凄くてなぁこの前なんか名前は知らんけど無茶化茶硬そうな亀みたいな鎧を纏った奴を一刀両断でぶった斬った挙げ句に三節棍でボコボコに殴り潰してたんやでカッコ良すぎてビデオ持っていかなかったことを真面目に後悔するくらいのことを平気でしでかすそこに痺れて憧れてしまうのが甚爾くんなんやわかるか真希ちゃんが目指すべきものが直ぐそこにあるんやから今すぐにでも学びに行くべきやというか俺が会いたいからちょっと手伝ってというか手伝ってくださいお願いします───」

 

 

 

 

 この後、面倒くさくなった真希がその場を立ち去って尚も虚空に向かって語り続けた直哉は、ぺちゃくちゃと騒音を撒き散らされたことで気に立っていた歌姫による股間への一撃によって沈められ、更に偶然その場を通りがかった廻によって自室の手前にまで運ばれ、その通路を通った血塗によって頭を踏んづけられることになった。

 

 後に直哉は語る…二度と酒には呑まれまいと。

 

 

 

 





虎杖

 愛の揉みくちゃの刑に晒された、満更でもない。


三輪ちゃん

 怒れる姉は強い、因みに弟のことを馬鹿にされたら東堂が出張らないと止まらないくらいにキレる。


直哉

 酒は一杯までと決めた男、股間が痛い。

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