宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 疲れた…寝る。

 良くよく見てみたら過去最高の文字数だ、良くこんなに書けたなわい…zzzzzzzz


人外魔境 魚②

 

 

 雄叫び、咆哮…獣特有の威圧感を放つ咆哮が宿儺の耳にガツンと響くと同時に、弾けるような音と共に獅子王は宿儺へとその拳を振り被っていた。

 

 紫電が飛び散る、拳を振り被ると同時に振り撒かれる大量の電流が周囲へと迸り地面へと奔る、振り被られた拳が勢い良く宿儺の元へと突き出される。

 

 莫大な圧力、獣特有の乱雑さと野性的な暴力の波動に宿儺は笑みを浮かべながらも獅子王の拳を容易く躱し、そこから流れるように戟による突きを放つ…その前に───

 

 

「───ッッ!!!」

 

 

 ゴウッと、獅子王の肉体から急速に高出力の雷が迸る。

 

 漏れ出した雷ではない、纏われ高圧縮を施されたその状態から放たれた明確な放出、誰を狙うわけでもなくただ自身の肉体近辺…大凡指一本分程度に放たれた箇所にまで届いたソレは、容易くその現象を引き起こす。

 

 爆ぜる、宿儺の眼前にて突如として紫色の爆炎がその姿を現す。

 

 獅子王の呪力、肉体の内から吐き出された雷の性質を持った呪力が獅子王から明確な意思を持って放出された高出力の雷に呼応し、その出力と範囲を限りなく限界まで引き上げられる。

 

 結果、爆発する…万戦の際に偶然引き起こされた宿儺の最終奥義の擬似的な再現、それの更なる簡易型…自身の技を起点として編み出された野性的なその技に宿儺は攻撃を中断させられる。

 

 爆風が身体を包み込み、紫色の爆炎が視界を遮る…突如として空間そのものが爆ぜたかのように発生した虚空からの爆撃、しかし五条菫の瞳を持つ宿儺はそれがどういう原理によって発生させられているのかを瞬時に理解していた。

 

 

「───はっ!」

 

 野生を具現化したような存在の割には頭を使う…そう思考した刹那、雷霆はその化身を具現するかの様にその暴力を振りかざす。

 

 振り下ろされる一撃、煙の向こう側から這い出すように現れた獅子王がその腕を槌のように宿儺へと振り下ろし、宿儺はそれを戟にて全力で受け止めた。

 

 

 轟音が新宿の全てへと響き渡る、空から堕ちてくるような雷鳴の音と共に。

 

 地面に足が沈み込む、上から掛けられる圧力と重さに宿儺の肉体は震え、徐々に徐々に押し負けるように宿儺の肉体が下へ下へと下がっていく。

 

 

───やはり、純粋な力比べは向こうが上か…!

 

 

 内心で吐き出すように呟きながら一層の愉悦を隠しきれないと言わんばかりに宿儺は笑みを溢し、息を思い切り吸い上げる。

 

 弾いた…思い切りの呼吸に合わせた弾き、上からやってくる重さと圧力を宿儺は戟を横に傾けることでその勢いを流し、そこから更に万力の膂力を以ってして獅子王の拳を弾き飛ばす。

 

 僅かに浮かび上がる獅子王の拳、後方へと多少下がった暴力の化身とも言うべきその存在を前に宿儺は戟を大きく大上段に構え、己の持つ必殺の一撃を獅子王へと叩き込まんとする。

 

 

───『断』

 

 

 絶対無比の斬撃、万物問わず尽くを必ず切断せしめる必殺の一撃、白叡の呪力砲すら斬り裂いてみせたその刃が獅子王の元へと振り下ろされる───

 

 

 

「───『穿水』」

 

 

 

 

 しかしその瞬間を、禪院廻は見逃さない。

 

 『断』が放たれる、放とうとするその瞬間、宿儺の意識が僅かに獅子王へと集中するその隙間を逃さず、廻は自らの一撃を射し込む。

 

 パンッと合わせられた掌から放たれる音速にも届きうる一撃、バシュンッと明確な音を立てながら放たれた水の一矢は真っ直ぐと宿儺の脳天目掛けて突き進む。

 

 そしてそれに気が付かない宿儺ではない、放たれたその一撃を瞬時に察知した宿儺は頭を後方へと僅かにズラすことでその一撃を躱す…が、その影響で『断』を放てずそのタイミングを逃した。

 

 

 そして───

 

 

 

「───!!!!」

 

 

 獅子王もまた、そのタイミングを逃す程バカでもない。

 

 拳の一撃、馬鹿の一つ覚えと言わんばかりに振り抜かれる拳はしかし、今度は呪いの王の肉体を正確に打ち抜いてみせた。

 

 久方振りに感じるあまりに重たい一撃とそれに付随する雷の感触、己の呪力出力を容易に突破してくる程の雷が肉体へと流れ込んでくるのを感じながら、宿儺の肉体は大きく大きく吹き飛ばされた。

 

 激突に次ぐ激突、ビルを一つ抜け二つの抜け、最後に三つ四つと抜けてようやく止まった宿儺の肉体、瓦礫に埋もれて姿の見えないその姿が起き上がり、頭を振って凶悪な笑みを浮かべてみせる…そんな宿儺の眼前にて、獅子は吐息を吐き出し待ち構えるようにその拳を振り被っていた。

 

 

「───クハっ」 

 

 

 呟くように飛び出た笑み、それと同時に振り下ろされた腕を宿儺は真正面から受け止める。

 

 床が砕ける、振り下ろされた獅子王の一撃に耐えきれずただでさえ崩れていた建物一角が更に更にと崩れ落ち、その勢いのままに獣と呪いは下の階層ごと次から次へと地面へと落ちていく。

 

 ズガンッズガンッズガンッ…一つ階層に到達する度にまた次の階層へと、到達したその瞬間にまたまた次の階層へ…最早そこは地面足り得ないと言わんばかりに足を付いたその瞬間に崩れ落ちていく床…そしてそれによって引き起こされる落下に逆らわず両者は共に落ちていく。

 

 拳を振り被る、宿儺と獅子王が同時に拳を振り被り対象へと叩きつける。

 

 拳と拳が激突し、ただでさえ一秒にも満たない速度で壊し落下していた階層の崩壊が更に早まり、更にその一撃により発生した衝撃が周囲の物質を容易く粉砕する。

 

 建物全域が崩れ落ちていく、上から降り注ぐ瓦礫の大群が獅子王と宿儺を押し潰そうとやってくる…そんな中で、宿儺と獅子王はもう一度とでも言うように互いに拳を叩きつけた。

 

 瞬間、発生した衝撃波が降り注いだ瓦礫の大群を更に上へと吹き飛ばす。

 

 二度目の衝撃、浮かび上がり吹き飛ぶ瓦礫達、横へ上へと左へ下へ…無数に位置するその瓦礫達がたった二つの存在が放った拳によって辺り一面に吹き飛んでいく…文字にすれば何を冗談をと思われるような発言もしかし、今はそれこそが現実である。

 

 

 獅子王が咆哮を金切り上げる、激突した拳に更に呪力放出を上乗せして無理矢理押し込み、そこから勢い任せに宿儺の身体を再び全力で殴り飛ばす。

 

 押し負ける、全力の一撃も後追いで追加された呪力出力と単純な力技によって押し込まれ挙句の果てにはそのまま殴り抜かれる…吹き飛ぶ肉体の感覚を味わいながらも、宿儺は瞬時に態勢を立て直して眼前へと視界を映し……四つ足での突撃を敢行する、獅子王を見た。

 

 

 地面の砕ける音…砲弾の発射されるような音と共に鳴り響いたその音が宿儺の耳に届くのと同時に、獅子王は宿儺の目の前へとその姿を現していた。

 

 

「───ッッ!!!!」

 

 

 四つ足の突撃、その太く逞しく如何にもな強度を誇りそうな角を用いての刺突、大出力の紫電を放ちながらやってきたそれを宿儺は咄嗟に戟を充てがうことで防ぐ…が、その勢いまでは殺しきれずそのまま突き進むように後ろへ後ろへと引き摺られる。

 

 羅生門の時よりは速くない、己がまともに反応出来ている時点で羅生門よりも速いということはまずあり得ない…それでも、その速さはあまりにも驚異的だった。

 

 踏み締めた地面が砕け散る、後ろへ引き摺られ金切り声を上げるかのように悲鳴を上げる地面も靴底の音が嫌に宿儺の耳元へと届いてくる。

 

 火花が足元で散るような感覚、擦り減り熱を帯びたかのような感覚が足先から伝わってくる。

 

 

 咄嗟に顎を蹴り飛ばす、擦り減り熱を伴ったかのような感覚を持つ足を半ば無理矢理動かし獅子王の顎元へも膝蹴りを叩き込む。

 

 ガンっと鳴り響く歯と歯が激突する音、ただでさえ頑丈な獅子王の牙と牙が互いに衝突し火花を散らし、その体幹を僅かに揺らす…そして、宿儺はそれを見逃さない。

 

 僅かに揺れた獅子王の体幹、それに便乗するように蹴りの体勢から角を掴み取り、そこから流れような動きで戟を逆手に構える。

 

 

 

───『貫』

 

 

 解き放たれる貫きの一撃、白叡の命を奪った一撃が獅子王の目玉目掛けて振り下ろされる。

 

 渾身の突き、振り被りから一瞬の間も無く突き放たれる一撃がその目の玉寄越せと言わんばかりに獅子王へと容赦無く突き刺さる。

 

 溢れ出る痛み、それと共に流れ出る命の証、涙を垂らすようにダラダラと流れ出す赤い液体がグジュグジュと音を立てて宿儺へと飛び掛かる。

 

 バチャリと顔元から服へと飛び散る大量の血液、粘っこくそれでいて鉄臭いそれ、獣特有の匂いすら内包しているが故に激烈な匂いを放つそれにしかし宿儺は頓着することなくもっと深くにまで戟を押し込もうと力を注ぎ込み…その瞬間を狙ったかのように、その肉体を獅子王に掴み取られた。

 

 裂帛の怒り…潰された目玉の数として約二つ、無数の瞳を持つ獅子王からしてみれば誤差の範囲内でしかないそれは、しかし絶大な痛みを強いられることには変わりない。

 

 万力の握力で以って宿儺の肉体を締め上げる、掴み取った宿儺の肉体を全身全霊の力を込めて握りて潰してやるとでも言うようにその手を締め上げる。

 

 グググッと徐々に締め上げられる宿儺の肉体、内側から骨の割れる音と砕ける音が同時に鳴り響き、それに伴うように痛みが全身に焼け付くようにやってくる。

 

 

───『解』

 

 

 宿儺お得意の通常斬撃、拘束から逃れた片手を使用しての斬撃を残った獅子王の目玉へと放つ…が───

 

 

「───ッッッッ!!!!!!!」

 

 

 まるで効かない。

 

 

 

───やはり()同様に効かんか…!!

 

 

 

 斬撃は確かに獅子王に直撃した、狙い通り目玉へと当たりその痛みに反応した直後に獅子王の拘束から逃れるつもりであった宿儺ではあるが…自分自身で内心そう吐き出したように、まるで効いた様子が無い、寧ろ逆にその怒りを煽りさえしていた。

 

 

「───ッッッッ!!!!!!!」

 

 

 怒りの咆哮が響き渡る、雷を迸らせながら更に更にと万力の力を込め上げる獅子王に宿儺は苦渋を飲み込むような表情を浮かべながら、次の行動に移っていた。

 

 

 

───『断』ッッ!!

 

 

 拘束を逃れた手を獅子王の手首へと押し当て、包丁の刃を引くように獅子王の手首を引っ掻く…瞬間、獅子王の手首が音も無く寸断されドチャリと地面に落ちた。

 

 溢れる痛み、流石の獅子王も今度は耐えきれず痛みに悶え苦しみダンダンと暴れ回るようにタタラを踏む…そんな獅子王を前にして、宿儺は冷や汗を流しながら主から離れた獅子王の手だったものの拘束から抜け出していた。

 

 ゴフッと口から血を吐き出す、バキバキに割れ砕かれた内部の骨を瞬時に反転術式にて癒しながらも立ち上がり、その直後にやってきた獅子王の振り下ろしを飛んで躱す。

 

 

「───ァァァッッ!!!」

 

 

 躱すと共に裂帛の気合を吐き出しながら振り抜かれる宿儺の蹴り、呪いの王らしからぬその咆哮と共に振り抜かれた蹴りは獅子王の顔面をズガンッと蹴り飛ばした。

 

 ドスンドスンッと足音を立てながら右へ二歩程動く獅子王、脳天へと響く衝撃に脳が若干の揺れを見せたが故の反応、その反応を隙と捉えた宿儺は何の躊躇も無く獅子王へと飛び掛りその戟を獅子王の脳天へと振り下ろす───

 

 

 

「───ッッ!!!!」

 

 

 その直後、横合いから突っ込んできた白い影が宿儺を攫った。

 

 大口開けた鋭い牙が宿儺の身体を噛み千切らんと迫る、咄嗟に振り下ろさんとしていた戟を防御へと回した宿儺はしかし、その姿に驚愕の表情を隠しきれなかった。

 

 記憶で蘇るということは知っていた、五条菫の記憶の中には確かにそのような光景が焼き付いてこそいたが…それでも実物を見てしまうと驚愕の感情が表に出て来ざるを得なかった。

 

 

 

───『白叡』っ!?

 

 

 つい先程殺したばかりの式神、確かに脳天を貫いて殺したはずの式神が再び己にその牙を向けていた…幾ら呪いの王とも言えど、この事実には驚愕を隠せない。

 

 上下からの圧力、一瞬でも気を抜けばそのまま噛み千切りられかねない危険性を伴ったその鋭い牙…その口元の奥から、コォォという音と共に極光が迸る。

 

 

 

───マズっ…!?

 

 

 

 瞬間、白叡の口から吐き出された見慣れた紫色の極光が、宿儺の身体を包みこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 息を吐く、息を吐き出す…息を切らしながら、呪いの王はゆったりと立ち上がる。

 

 プスプスと黒い煙を上げる自身の肉体、地面へと落下し何なら埋まってさえいた自身の肉体を掘り出すように起こしながら宿儺は眼前の光景にその視線を向けた。

 

 ズシンッズシンッ、ふわりふわりとやってくる式神二対、その中心を歩いてくる己が宿敵の姿。

 

 何時の間に治していたのか、先程奪ったはずの目玉と手首を生やしている獅子王の姿…ふわりふわりと浮き上がりその瞳を殺意の一色に染めながらギチリギチリとその歯を鳴らし上げる白叡の姿…そして油断の一つも勝利の核心も見せず、ただただ不気味な程の無表情を浮かべる宿敵の姿。

 

 

 

「───くっ…カカッ…!!」

 

 

 笑みが溢れた、溢れ出すように堪えきれぬように漏れ出したその笑みは次第に大きく、箍が外れたかのような音笑いへと転じていく。

 

 新宿に響き渡る呪いの王の嗤い声、愉悦と喜悦と狂気…更にそこへと込められた多種多様の感情と共に吐き出されるソレを、廻はただ静かに見据えていた。

 

 

「───クククッ…やはり───」

 

 

───この姿では駄目だな。

 

 

 

 顔を押さえて誰に言うでもなく呟く宿儺、戟を地面へと突き刺し印を組み、ただ静かに廻を見据えながらもその不敵な笑みは決して崩さない。

 

 宿儺の肉体が変容する、印を組んだ直後に放たれる異様にして威容な気配が突き刺すように廻の元へと降りかかる。

 

 

 

 それは、本来であれば両面宿儺が切り札として温存しているはずだったもの…それは、本来であれば五条悟戦後の虎杖達への伏せ札として残しておくはずであったもの…宿儺は、それを躊躇いなく切る。

 

 

 伏せ札? 何だそれはそんな物をこの男を前にして残しておくわけがないだろう。

 

 切り札? それをこの男の前では使わぬ道理が一体何処にあると言うのか。

 

 

 本来の時間を辿った己自身とはまるで真逆、両面宿儺と呼ばれた呪いの王は今此処にて全てを吐き出す心積もりを以ってここに存在しているのだ…即ち、出し惜しみなぞ以ての外。

 

 

 宿儺の肉体が変貌する。

 

 破かれた衣服が宙を舞う、左右に生えた二本の両手、文字通り二つずつ存在する左右の両手を開き閉じてを繰り返し、その反応を確かめるようにコキリと骨を鳴らす。

 

 腹部に存在する大きな口、歯を剥き出しにしながら不気味な笑みを浮かべる顔の無いその口は何かを求めるように舌舐めずりを繰り返していた。

 

 異形の目玉が宿敵を見据える、己が文字通りの意味での己が生の主菜と取り決めていた存在の姿を一時も逃さぬと言わんばかりにただ見据える。

 

 

 異形、異型…正しく異業の観音とも呼ぶべき姿をしたその男がその手に戟を携えながらゆらりとその一歩を踏み込む。

 

 完全無欠にして最凶の術師、平安に於いて呪いを撒き散らし自身の前に立ち塞がる全てを文字通り蹴散らし喰い荒らし捻じ伏せた男の完全なる全盛期。

 

 

 

 

 呪いの王『両面宿儺』…最古にして最凶の呪いが、今此処に完全なる顕現を果たした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 なんか書いてる途中、最後の廻と完全体宿儺が向き合っているシーンで頭に刃渡り二億センチが流れた。

 今日は色々と疲れたので説明云々は無しです。

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